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通院1ヶ月|交通事故の慰謝料相場と計算方法!軽傷でも増額を目指せる

更新日:

通院1ヶ月|交通事故慰謝料の相場

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

「通院1ヶ月で済んだ軽い事故だけど弁護士は通すべき?」
弁護士依頼で慰謝料が増えるらしいけど通院1ヶ月でもいいの?」

交通事故の慰謝料は、軽傷・重傷とわず弁護士基準で増額できます。

慰謝料の計算方法や相場について丁寧に解説していきますので、初めて事故にあって慰謝料額が全然イメージできないという人も必見です。

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通院1ヶ月の慰謝料はいくら?

通院1ヶ月の慰謝料一覧

加害者側保険会社から提案される入通院慰謝料は、通院1ヶ月・実際の通院日数15日以上の時、12万9,000円程度になります。

通院日数が15日未満の場合、実際の通院日数に応じて4,300円~12万400円の間で推移します。(事故発生日が2020年3月31日以前の場合は4,200円~11万7,600円で推移)

通院1ヶ月の慰謝料

通院日数保険会社*本来相場
(弁護士基準)
5日4万3,000円重傷28万円
軽傷19万円
10日8万6,000円重傷28万円
軽傷19万円
15日12万9,000円重傷28万円
軽傷19万円
20日12万9,000円重傷28万円
軽傷19万円
25日12万9,000円重傷28万円
軽傷19万円
30日12万9,000円重傷28万円
軽傷19万円

*2020年4月1日以降に発生した事故を想定した金額

本来の慰謝料相場に注目

1ヶ月通院した時の本来の慰謝料は重傷時で28万円軽傷時で19万円です。保険会社の提額がずいぶん低額であると分かります。

交通事故の損害賠償は民事裁判ではなく、基本的には示談で解決を図ることが多いです。だから保険会社から金額提案を受けることになるのです。
もし裁判を起こすという選択をすれば、慰謝料の金額は保険会社でなく裁判所が決定します。本来の慰謝料とは、裁判所で認められうる金額をさします。

そして、示談交渉を弁護士に任せることで、裁判所と同等の水準まで慰謝料を増額させる交渉が可能になります。裁判をすることなく、保険会社の提案額から増額を目指すなら、弁護士への依頼がポイントです。

弁護士が加害者側の保険会社と交渉する時に使う慰謝料算定基準を、弁護士基準といいます。弁護士基準は裁判所でも用いられている裁判基準と同じものをさします。

補足

弁護士基準は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍に掲載されています。この書籍はその外観から「赤い本」とも呼ばれています。
弁護士基準、裁判基準、赤い本の基準は、すべて同じものをさします。

慰謝料とは

慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛を和らげるために支払われる金銭のことです。

慰謝料は3種類あり、被害者が受けた損害によって支払われる慰謝料が異なります。

3つの慰謝料

  1. 入通院慰謝料(傷害慰謝料)
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

入通院慰謝料(傷害慰謝料)は、ケガの治療のために入院・通院をよぎなくされた、痛みや苦痛を味わったという精神的苦痛に対して支払われます。通院1日から認められますので、交通事故の被害者の方はほとんど請求可能です。
先にご紹介した自賠責基準から支払われる日額4,300円の慰謝料は、入通院慰謝料のことです。

後遺障害慰謝料は、ケガが完治せずに後遺症が残り、後遺障害認定を受けた事故被害者にのみ認められます。後遺障害認定を受けずに後遺障害慰謝料を受けることは極めて難しいです。(関連:『後遺障害慰謝料の適正相場は?逸失利益の計算、示談交渉の流れを解説』)

死亡慰謝料は、交通事故が原因で亡くなってしまった場合に認められる慰謝料です。死亡に至るまでに被害者が入院・通院をしていた場合、死亡に至るまでの入通院慰謝料も認められます。

完治後遺症あり死亡
入通院慰謝料
後遺障害慰謝料××
死亡慰謝料××

後遺障害慰謝料と死亡慰謝料とは、重複して受けとることができません。
死亡慰謝料の金額については、「性別・年齢・職業は慰謝料額を左右しない」にてご説明します。

また慰謝料についてより詳しくお知りになりたい方、1ヶ月を超える場合の慰謝料についてもお知りになりたい方は以下の記事をご覧ください。

通院1ヶ月前後(20日・2ヶ月・3ヶ月)の慰謝料相場

通院1ヶ月前後の慰謝料金額をご紹介します。
加害者側の保険会社(自賠責保険会社)から提案される金額と、弁護士が交渉して目指す金額を比較してみましょう。

通院1ヶ月・実通院日数20日の慰謝料

まず、通院1ヶ月のうち20日間通院した場合の慰謝料を下記に示します。
なお2020年4月1日以降に発生した事故と想定していますので、2020年3月31日以前の事故については、自賠責保険会社提示額は記載の金額より若干下がります。

入通院慰謝料|通院1ヶ月・通院20日

自賠責弁護士
12万9,000円重傷28万円
軽傷19万円

※2020年4月1日以降に発生した事故

通院2ヶ月、通院3ヶ月の慰謝料

通院が1ヶ月を超え、2ヶ月、3ヶ月…と続くことがあります。
そこで、1ヶ月を超えた場合の慰謝料額を下記にまとめました。

なお、自賠責保険会社から支払われる慰謝料額については、各通院月で受けとりうる最高額を掲載しています。
自賠責基準では、通院2ヶ月の時は実通院日数30日、通院3ヶ月の時には実通院日数45日の時に最高額となります。

入通院慰謝料|通院2ヶ月・通院3ヶ月

通院自賠責弁護士
通院2月25万8,000円*重傷52万円
軽傷36万円
通院3月38万7,000円*重傷73万円
軽傷53万円

*表記は最高額のため実通院日数しだいで減額

通院2月の時、弁護士基準の慰謝料は重傷時で52万円、軽傷時で36万円となります。自賠責基準と比較すると、重傷時で2倍以上、軽傷時でも約10万円の差額があります。

通院3月では、弁護士基準で計算した慰謝料は重傷時で73万円、軽傷時で53万円となります。自賠責基準の38万7,000円と比べて、重傷時で2倍近く、軽傷時でも約15万円の差額となります。

交通事故の慰謝料相場は、通院期間や通院日数に応じて変動するものです。通院2ヶ月、通院3ヶ月のときの慰謝料についてもっと詳しく知りたい方は、関連記事にて確認してください。

入院期間があれば慰謝料は増える

通院1ヶ月のほかに、入院をしていた場合、自賠責基準で支払われる慰謝料は増額されます。

また、弁護士基準で慰謝料を計算した時も同様に増額されます。
入院なしの時と比べて慰謝料がどれくらい増額されるのかを比較してみました。

入通院慰謝料|通院1ヶ月のほかに入院していた場合(弁護士基準)

入院重傷軽傷
なし28万円19万円
入院1ヶ月77万円52万円
入院2ヶ月122万円83万円
入院3ヶ月162万円106万円

性別・年齢・職業は慰謝料額を左右しない

慰謝料には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準という3つの算定方法があり、どの基準で慰謝料を計算するのかによって、同じ交通事故でも金額は全く異なります。

しかし共通して言えることは、性別・年齢・職業だけを理由に慰謝料額が変動することはありません。

自賠責基準で算定する慰謝料は日額4,300円または日額4,200円です。
女性だからと日額を低くされることはありません。
また、高齢者や幼児だからといって高くなることもありません(関連記事:『交通事故慰謝料|子供が被害にあった時の相場は?正しい金額で請求する方法』)

そして、職業によっても慰謝料に差はありません。医者であっても、主婦であっても、学生であっても、職業の違いだけを理由に差額は生じません。

関連記事

死亡慰謝料は被害者の属性で相場が異なる

例外として、死亡慰謝料の金額は被害者本人の属性によって変動します。
以下は、自賠責基準と弁護士基準の死亡慰謝料の相場を示しています。

死亡慰謝料の相場

被害者自賠責弁護士
一家の支柱400万円
(350万円)
2,800万円
母親・配偶者400万円
(350万円)
2,500万円
独身の男女400万円
(350万円)
2,000万円~2,500万円
子ども400万円
(350万円)
2,000万円~2,500万円
幼児400万円
(350万円)
2,000万円~2,500万円
以下は該当する場合のみ
+ 遺族1名550万円
+ 遺族2名650万円
+ 遺族3名以上750万円
+ 被扶養者あり200万円

※遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)
※※( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

死亡慰謝料とは、被害者本人の「死」という精神的苦痛に対して支払われる金銭です。しかし、一人の人がなくなるということは、近親者にも大きな影響を与えます。仮に一家を経済的に支えている方(一家の支柱)が亡くなったなら、遺族の今後の生活は危機に瀕してしまいます。

交通事故の慰謝料のうち、死亡慰謝料の金額については被害者の置かれた立場によって相場に差があります

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交通事故慰謝料の計算方法

自賠責保険会社から支払われる場合

自賠責保険の慰謝料の計算方法を分かりやすく説明します。
自賠責保険から支払われる慰謝料は、次の2つの計算式のうち、計算結果の少ない方が採用されます。

入通院慰謝料の計算式

  • 日額(4,300円) ×対象日

    対象日は次のうちの少ない方
  • 通院期間
  • 実通院日数の2倍

通院1ヶ月の場合、通院期間は「30日」となります。
実通院日数の2倍と比較して少ない方が慰謝料の対象日となりますので、15日が慰謝料の分かれ目と言えます。通院15日で慰謝料は最高額となり、通院16日以降は慰謝料が増額されることはありません。

慰謝料の計算

  • 通院1ヶ月・実通院日数10日
    4,300円×(10×2)=8万6,000円
  • 通院1ヶ月・実通院日数15日
    4,300円×(15×2)=12万9,000円
  • 通院1ヶ月・実通院日数23日
    4,300円×(30)=12万9,000円

任意保険会社から支払われる場合

任意保険から支払われる慰謝料は、任意保険基準によって計算されています。任意保険基準とは任意保険会社独自のルールであり、一般には公開されていません。

以前はすべての任意保険会社で共有されていた基準(旧統一基準)がありましたが、規制緩和と共に各任意保険会社が自由に設定できるようになったのです。

とは言え、現在でも旧統一基準と同水準の支払基準とされるケースもあるので、参考程度に旧統一基準をご紹介します。

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

任意保険基準では、入院・通院の期間に応じて金額が決まります。
なお「月」は30日単位を表しますので、暦の影響は考慮不要です。

  • 通院1月・入院なし:12万6,000円
  • 通院1月・入院1月:37万8,000円
  • 通院1月・入院2月:63万円

任意保険の基準は、自賠責基準をわずかに上回る程度か、ほとんど同水準となっています。加害者側の任意保険会社から「自賠責基準ではなく、私どもで精いっぱい出しますね」と言われても、あまり期待できません。

慰謝料額の比較|弁護士依頼の有無が金額の分かれ目

交通事故の慰謝料を弁護士基準で計算する時には、慰謝料の算定表を使います。
算定表は軽傷用と重傷用の2種類に分かれており、ケガの程度で使い分けなくてはなりません。

基本的に重傷用の算定表を用いますが、ケガの程度が「むちうち、軽い打撲、軽い挫創(挫傷)」などの場合であれば軽傷用を用います。

算定表は、縦軸が通院、横軸が入院を示しています。
通院月と入院月の交わる部分が慰謝料額です。

慰謝料算定表【重傷】

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

慰謝料算定表【軽傷】

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

自賠責基準や任意保険の基準で計算した時の慰謝料額とはずいぶん違いがあります。いくつか抜粋しますので、比較してみてください。

  • 通院1月・入院なし
    自賠責基準:4,300円~12万9,000円
    任意保険基準:12万6,000円(参考情報)
    弁護士基準:重傷28万円、軽傷19万円
  • 通院1月・入院1月
    自賠責基準:13万7,600円~25万8,000円
    任意保険基準:37万8,000円
    弁護士基準:重傷77万円、軽傷52万円

    ※自賠責基準は2020年3月31日までの事故のとき4,200円~252,000円

慰謝料は弁護士基準で計算しなおして、保険会社に増額交渉を申し入れましょう。軽傷・重傷事故をとわず、金額差は歴然です。

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慰謝料をもらえるのはいつ?

慰謝料は原則示談から2週間後に振り込まれる

慰謝料などの損害賠償金額は示談を通して最終決定されます。示談交渉で決まった内容は「示談書」や「免責証書」として記録に残します。

被害者は示談書に必要に応じてサインや押印をして返送します。
返送された示談書を保険会社が受けとるまでの郵送期間、示談内容に従って被害者の口座に振り込むための事務処理期間を経て、被害者の手元に示談金が入ります。

このような工程を経ますので、示談から最短でも2~3日、タイミング次第では示談から2週間ほどかかる可能性があります。

示談交渉を始めるタイミング

ケガが完治した場合は治療終了しだい示談を始められます。
一方で、後遺障害申請をした場合は、後遺障害申請の結果が出てから示談を始めてください。

示談金受け取りまでの流れ

示談金受け取りまでの流れ

  1. 事故が発生する
  2. 通院・治療を開始する
  3. ケガが完治したら示談交渉を開始する
  4. ケガが治らなければ後遺障害申請をする
  5. 後遺障害申請の結果が出たら示談を開始する
  6. 話し合いで示談内容を決める
  7. 示談確定、2週間をめどに示談金を受領

交通事故の示談を通して適切な金額を受けとるためには、注意点があります。たとえば、口頭での合意も成立してしまうことがその一つです。

関連記事『交通事故の示談』では、示談とは何か、示談するときの注意点など、示談前に知っておきたい基本事項と様々な疑問にお答えしています。示談についてもっと詳しく知りたい方は、併せてお読みください。

被害者請求なら示談前に慰謝料請求が可能

被害者請求を行えば、示談を待たずに慰謝料を請求できます。

被害者請求

加害者側自賠責保険会社に対して、被害者が直接損害賠償金を請求する方法

加害者が任意保険に加入している場合、示談交渉の相手は加害者側任意保険会社の担当者です。示談がまとまれば、加害者側任意保険会社を通して示談金(損害賠償金)を受け取ります。

しかし、自動車損害賠償保障法16条で定められているとおり、被害者には直接自賠責保険会社に請求する権利があるのです。これは16条請求とも呼ばれ、示談前に自賠責保険会社から一定の金額を受けとることができます

請求できる金額は自賠責保険の支払限度額までです。

  • 治療中の場合:最大120万円まで
  • 後遺障害認定がなされた場合:75万円~最大4,000万円
  • 死亡事故の場合:最大3,000万円

後遺障害認定がなされた場合は、認定された後遺障害等級ごとに上限が異なります。

被害者請求の具体的な方法を知りたい方は、関連記事をお役立てください。

関連記事

軽傷でも弁護士に示談交渉を依頼する3つの理由

通院日数が少なくても影響を受けづらいから

交通事故の慰謝料額は、弁護士基準で計算する時、「入院」「通院」の月数による算定表を用います。原則、実際の通院日数は金額に影響しません。

一部の例外として、通院期間が長期にわたる時には、弁護士基準といえど通院頻度が考慮される場合があります。
そのルールに基づけば、通院1ヶ月のあいだには10日間の実通院日数が望ましいです。

通院日数が少ないかも、とのご心配もお気軽にご相談下さい。
お話をお伺いして、減額されるリスクがあるのかをお伝えします。

弁護士費用特約があれば弁護士費用は無料だから

弁護士費用特約があれば、被害者は弁護士費用の負担ゼロで弁護士に相談・依頼ができます。

弁護士費用特約

自動車事故をめぐる紛争解決にかかった弁護士費用、法律相談料などを保険会社が補償してくれる特約。法律相談料10万円、弁護士費用300万円までを上限とするケースが多い。

弁護士費用特約は、加害者ではなく、被害者ご自身の加入する自動車保険に付帯していれば利用できます。

「軽傷だから弁護士を雇ったら手元にお金が残らないのでは」というご心配はいりませんよ。

弁護士費用に関する記事

慰謝料以外の損害も見落とさず請求できるから

交通事故の慰謝料は、あくまで被害者の精神的苦痛に対して支払われる金銭です。被害者に発生した損害は精神的損害だけではありません。

交通事故被害者に生じている損害は、財産的損害・精神的損害に分類できます。慰謝料の増額にこだわるだけではなく、まずすべての損害を明らかにして、損害計算することが大事です。

財産的損害と精神的損害

種類内訳
財産的損害治療費
通院交通費
車両の修理費
休業損害
逸失利益
精神的損害入通院慰謝料
後遺障害慰謝料
死亡慰謝料

損害賠償請求のチェックリストをご用意しております。
財産的損害・精神的損害をより分かりやすく、損害費目別に掲載しています。相場も併記していますので「損害賠償請求のチェックリスト」をダウンロードしてご利用ください。

慰謝料増額のためにおさえるべきポイント

(1)慰謝料の対象日を正しく数える

入通院慰謝料を適正に算定するには、入院日数・通院日数をきちんと数えることが大切です。

実際の入院日数・通院日数を正確に把握することはもちろん、次のようなケースでは実際よりも長く入通院したとカウントできます。

  • 通院
    診断書に「治癒見込」「継続」「転医」「中止」と記載された場合(自賠責指定の診断書)
  • 入院
    母親が幼い子の育児のため退院を早めた場合
    仕事の事情でどうしても早く退院しなくてはならなかった場合
    入院の待期期間
    ギプス固定中など安静を要する自宅療養期間

示談を結ぶ前に、ご事情をお聞かせください。弁護士にご相談いただければ、入通院慰謝料の対象日が適切かを確認します。

(2)慰謝料計算機で適正相場を知る

自賠責保険会社、任意保険会社の提示する金額が正しいとは限りません。
弁護士基準での算定し直すと、もっと増額できる余地が見えてきます。

慰謝料計算機を使えば、弁護士基準の慰謝料が簡単に分かります。後遺障害認定を受けているなら、後遺障害慰謝料や逸失利益も同時に計算できますので、ぜひご活用ください。

(3)過失割合は記憶ではなく証拠で示す

過失割合は損害賠償額に直結するため、加害者と揉めやすい部分です。
適正な過失割合が認められなければ、損害賠償額が不当に減らされてしまう恐れがあります。

過失割合

交通事故に対して当事者(加害者・被害者)がもつ責任の割合
10:0や8:2などの割合で表現される

交通事故が起こったら警察が現場検証をします。
加害者・被害者共に事情聴取を受けますが、警察は過失割合を決める権利を持っていません。あくまで交通事故現場の調査をして書類を作成しますが、過失割合というのは民事の紛争のため、警察は介入できないのです。

過失割合は、警察作成の書類を元に、まず加害者側の保険会社から提案されます。その過失割合に対して異議がなければ確定しますし、異論があれば話し合いを尽くす必要があります。

過失割合を決める要素はいくつかありますが、たとえば、自動車のスピード、信号の色、道路状況などは過失割合を決める重要ポイントです。
示談は事故から少し日があくこともあり、加害者が事故現場では認めていた加害者の過失も反故にされてしまう可能性があります。「私は青だった」「いや、こっちが青だった!」と言い争いになり、収拾がつかない場面も出てくるのです。

そこで重要なことは、記憶は根拠にはならないということです。

目撃者の証言、ドライブレコーダーの記録、当時の信号サイクルなどの客観的な証拠をそろえて、自身の主張の正当性を訴えねばなりません。

補足

警察への事故の届け出には「人身事故」「物損事故」の2種類があります。
安易に「物損事故」として届け出ることは避けてください。

原則、物損事故では慰謝料や治療費は認められていません。
加害者が保険会社が交通事故の発生を認識している場合には、物損事故として届け出ていても、人身事故と変わらない補償を受けることは可能です。

しかし人身事故と物損事故とでは、警察作成の書類が異なります。
後からもめごとが起こった際、特に、過失割合をめぐるトラブルについては、警察作成の書類がカギを握る可能性が高いです。

人身事故として届け出ておくことで、現場の事故状況を示す詳しい書類が作成されます。人身事故として届け出ておく方が安全です。

(4)加害者の悪質性を主張する

過失割合とは別に、加害者が事故に対して重い責任を持っている場合、慰謝料増額が認められる可能性があります。

加害者具体例
正常運転が困難な状態大幅なスピード違反・信号無視・薬物の使用・飲酒・ひき逃げ・無免許
不誠実・悪意に満ちた態度謝罪が全くない・虚偽の発現を繰返す・被害者や遺族に罵詈雑言を浴びせる

加害者のひどい対応や態度は、被害者やご遺族を深く苦しめるものです。
まず弁護士に依頼いただければ、そういった悪質な加害者と関わる機会を最小限に抑えることができ、ストレス軽減にもつながります。弁護士にお手伝いできることは弁護士にお任せください。

1ヶ月通院後も痛みが続くときの対応

治療を継続して完治を目指す

1ヶ月通院しても痛みや症状がある場合、治療は継続してください。
医師ともよく話をして、完治を目指すべきです。

ただし、通院が長くなるほど、通院頻度が重要になります。
通院頻度は怪我の治りだけでなく、慰謝料額にも影響するのです。

弁護士基準での慰謝料を相場通り受けとるには、おおよそ1ヶ月(30日)のうち10日間程度の通院頻度が必要です。

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整骨院・接骨院の利用も可能

整骨院・接骨院の利用はNGではありません。
適切に認められれば、加害者から費用の支払いを受けることができます。

重要なことは、妥当な頻度で利用することです。

現在の保険制度では、病院と整骨院・接骨院に明確な違いを設けています。
整骨院・接骨院だけ利用して、病院に全くいかないということがあれば、費用を支払ってもらえない可能性が高いです。

まず、交通事故にあったらできるだけ早く、遅くても10日以内を目安に病院へ行ってください。
症状に合わせて整骨院・接骨院の利用をしたいことを医師に申し出て、加害者側の保険会社にも事前に伝えておくことが、費用を認めてもらうためのポイントです。

治療費の打ち切り提案にも焦らない

保険会社によっては、「これぐらいのケガなら1ヶ月で治るだろう」という予想を立てて治療費の打ち切りを打診してくるケースがあります。

これはDMK136とも言われており、D(打撲1ヶ月)、M(むちうち3ヶ月)、K(骨折6ヶ月)というものです。

しかし交通事故の規模や受傷程度によって治療期間に個人差はあります。もし「そろそろ1ヶ月ですので終わりにしましょう」と言われても、そのまま受け入れる必要はありません。

保険会社から治療費の打ち切りを打診されたら、一度医師に確認をしてみてください。治療継続という医師の診断があれば、その旨を加害者側の保険会社に伝えて、治療費の打ち切りを断りましょう。

もし医師からも「治療は終了」と言われた場合には、治療費打ち切りを回避することは困難です。健康保険を使って治療を継続するか、示談を始めることになります。

しかし、痛みがあるうちは安易に示談を始めるべきではありません。
示談内容は後から変更できませんので、慎重な判断が必要です。
「あの時の痛みがまだ治らないと思ったら思わぬ後遺症が…」となっても、きちんと補償をしてもらえない可能性があります。

後遺障害認定を検討する

痛みや症状が続き、治療を続けても良くならない状態となってしまったら、後遺障害認定を受けるか検討をしてください。後遺障害認定を受けることで、後遺障害慰謝料・逸失利益が支払われます。

後遺障害認定を受けるには申請が必要です。
申請のためには医師から「症状固定」の判断を受ける必要があります。

症状固定

これ以上治療をしても症状の改善が見込めない状態であること

個人で症状固定と判断して通院をやめてはいけません。

ただし、障害認定を受けると、これまでのような治療費を支払ってもらったり、通院交通費は認められません。症状固定と同時に治療は終了となることを理解しておきましょう。

補足

むちうちで後遺障害認定を受ける場合は、最低でも6ヶ月以上の通院が必要です。むちうちで痛みやしびれなどの症状が続くなら、6ヶ月は治療を続けてください。6ヶ月通院しても症状が良くならない場合に症状固定・後遺障害認定の申請を検討しましょう。むちうちによる神経症状は、後遺障害12級または後遺障害14級認定の可能性があります。

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まとめ

  • 交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料(入院なし)
    自賠責基準:4,300円~12万9,000円
    任意保険基準:12万6,000円(参考情報)
    弁護士基準:重傷28万円、軽傷19万円
  • 軽傷でも弁護士費用特約があれば被害者が損をすることはない

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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