休業損害証明書の書き方を解説!誰が書くのか、いつ提出するかもわかる

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休業損害証明書

休業損害証明書は、会社員のような給与所得者の人が「休業損害」を請求するために必要な書類です。

休業損害証明書は勤務先に書いてもらうものですが、休業損害額の計算に影響するものなので被害者自身でも内容を確認しておくことがおすすめです。

この記事では休業損害証明書の書き方や提出のタイミング、勤め先に証明書を書いてもらえない場合の対処法などを解説していきます。

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休業損害証明書の書き方・記入例|提出前に要確認

休業損害証明書とは、会社員のような給与所得者の人が交通事故でケガを負い、仕事を休むことになった場合に、加害者またはその保険会社に提出する書類です。

休業損害証明書の主な記載内容には、「休業日数や休業の内訳」「休業期間中・事故前の給与」「他の保険から受けている補償」などがあります。

それぞれの書き方について、記入例とともに確認していきましょう。

給与所得者以外の人が休業損害を請求する場合は、休業損害証明書は不要です。

代わりに、自営業者なら確定申告書の控え、専業主婦(主夫)なら家族分の記載がある住民票を用意しましょう。

休業損害証明書の書き方・記入例

休業損害証明書には、以下のように1~6の記入項目があります。
各箇所の解説をしていきます。

休業損害証明書

1. 休業期間

休業損害証明書

休業期間では、上記のように休業開始日と休業終了日を記載します。

遅刻や早退も含む期間になってるか確認しましょう。

2. 休業の内訳

休業損害証明書

休業の内訳は、欠勤・有給・遅刻・早退に分けて記入します。

有給休暇も休業損害の対象になるので、日数に間違いがないかよく確認しましょう。

3. 休んだ日

休業損害証明書

休んだ日の欄には、欠勤・有給なら「◯」、遅刻なら「△」、早退なら「▽」を書き込みます。会社自体が休みだった日は「×」を入れます。

記入方法が合っているか、よく確認してください。

4. 休業期間中の給与

休業損害証明書

休業中の給与については、まず「全額支給した」「全額支給しなかった」「一部支給・減給した」から選択します。

一部支給・減給の場合はその内訳や計算式も記入します。付加給付は、残業代や通勤手当などのことです。

実際に支払われた金額と差異はないか確認してください。

5. 事故前3ヶ月間の給与

休業損害証明書

事故前3ヶ月間の給与については、「稼働日数」「支給金額」「社会保険料」「消費税」「差引支給額」を記入します。

給与明細なども照らし合わせて間違いがないか確認しましょう。

なお、ここに記入する金額には賞与は含めません。交通事故による休業で賞与が減った場合は、別途「賞与減額証明書」を用意しましょう。

6. 他の保険から受けている補償

他の保険から受けている補償については、以下のように記入します。

休業損害証明書

他の保険から補償を受けている場合は、そちらの金額と休業損害の金額とが一部相殺されることがあります。

たとえば、労災保険から休業補償を受けている場合、それは休業損害との相殺対象になります。詳しくは『交通事故の休業補償とは?期間はいつまで?打ち切りや計算方法も解説』の記事が参考になりますのでご確認ください。

休業損害証明書の書き方の注意点|提出前にチェック

休業損害証明書の書き方で注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 1の休業期間は、早退や遅刻も含んだ期間になっているか
  • 2の休業期間の内訳として、欠勤、有給、遅刻、早退が正確に記入されているか
  • 3の休んだ日の表には、正しい記号が書き込まれているか、2の内容と相違はないか
  • 2、3の内容は勤め先で記録されている勤怠情報と一致しているか
  • 4に書かれた金額と実際の支給額にずれはないか

もし修正すべき点があったら、休業損害証明書を作成した勤め先の担当者に問い合わせてみましょう。

休業損害証明書の入手方法とその他の必要書類

休業損害証明書は、交通事故による休業中の収入を補償する「休業損害」の請求で必要な書類です。

休業損害は1日あたりの収入に休業日数をかけて算出するのが基本であり、それらの情報は主に休業損害証明書から確認されます。

休業損害証明書の取得方法と、他に必要な書類を解説します。

休業損害証明書の雛形は郵送かダウンロードで入手

休業損害証明書は、多くの場合加害者側の保険会社から被害者のもとに送られます。

休業損害証明書が届いたら、職場の担当部署に記入を依頼してください。

加害者側の保険会社から雛形が届かない場合や届いた証明書を紛失した場合は、保険会社のホームページからダウンロードすることも可能です。

休業損害の請求で必要なその他の書類

給与所得者の場合は、休業損害の請求時に事故前年分の源泉徴収票も必要になります。

源泉徴収票は、その年の12月もしくは翌年1月に給与明細とともに会社から発行されます。見当たらない場合は総務や経理など給与明細を発行している部署に問い合わせてみてください。

休業損害証明書は誰が書く?いつ提出?

休業損害証明書は会社が書く

休業損害証明書は、勤務先の担当者に書いてもらいます。派遣社員の方なら、休業損害証明書を書くのは派遣元の会社の担当者です。

被害者自身で書くわけではないため注意してください。

担当部署は人事・労務・総務など会社によって違うため、確認してみましょう。

休業損害証明書を書いてもらえない時の対処法

勤務先に休業損害証明書を書いてもらえない場合は、まず以下の点を伝えて会社側の協力が必要であることを理解してもらいましょう。

  • 休業日数や給与を加害者側に証明し、適切な金額の休業損害を得るには休業損害証明書が必要であること
  • 休業損害証明書を書いたからといって、会社が何か加害者側との争いに巻き込まれることは基本的にないこと

それでも休業損害証明書を書いてもらえなかった場合は、別の書類にて減収額や休業日数を証明することになります。

勤怠管理表やタイムカード、給与の振込額が分かる預金通帳の写しなどを用意してください。

ただし、このように休業損害証明書以外の書類で休業損害を請求する場合は、加害者側と金額や請求可否をめぐり争いになる可能性があります。

事前に1度、弁護士に相談しておくことがおすすめです。

休業損害証明書は毎月保険会社に提出する

給与所得者の場合は、基本的に休業損害証明書を毎月加害者側の保険会社に提出することで、その月分の休業損害をもらえます。

3ヶ月毎に休業損害証明書を提出したり、示談交渉時に休業損害をまとめて請求したりすることも可能です。

休業損害証明書には提出期限はありませんが、示談成立後には原則として追加の賠償請求はできません。遅くても示談交渉時には休業損害証明書を提出し、休業損害を請求しましょう。

なお、休業損害や治療費、入通院慰謝料を請求する権利は事故翌日から5年で消滅してしまいます。この「損害賠償請求権の消滅時効」も意識するようにしてください。

休業損害はいくらもらえる?

休業損害の計算方法

休業損害は、基本的に以下のように計算されます。

日額(事故前3ヶ月間の収入÷実稼働日数)×休業日数

休業日数には、有給を使って休んだ日も含まれます。半休を取った日については日額の半分が支払われます。

なお、医師から通院の指示がなく、自己判断で休んだ日については休業損害の対象とならない可能性があるので注意しましょう。

もし自己判断で休むのであれば、病院へ行き「その日は休業が必要な状態であった」ということを医師に確認してもらうことが望ましいです。

休業損害の計算方法、休業日数の数え方は『交通事故の休業損害|計算方法や休業日の数え方、いつもらえるかを解説』でさらに詳しく確認できます。

毎月の支払いが少ない場合は示談で請求

毎月または数ヶ月ごとに休業損害を請求する場合、支払われる金額が実際の減収額より少ないことがあります。

これは、加害者側の保険会社が日額を「事故前3ヶ月間の収入÷実稼働日数」ではなく「事故前3ヶ月間の収入÷90日」で計算するなどしていることが多いからです。

こうした場合、足りない分の金額は示談交渉時に請求することになります。

休業損害が振り込まれたら、上で紹介した計算方法を参考にして支払われた金額が正しいかを確認してみてください。

また、足りない休業損害を請求しても、加害者側の保険会社が応じてくれるとは限りません。反論されて争いになることもあるので、事前に弁護士に相談しておくと安心でしょう。

休業損害を請求するなら弁護士にも1度ご相談ください

休業損害は加害者側ともめやすい費目

休業損害は、加害者側ともめることの多い費目です。

「事故前3ヶ月の収入を実稼働時間で割るのか、90日で割るのか」「休業した日の一部を休業損害の対象として認めるか」といった点でもめることが考えられます。

加害者側の保険会社は交通事故の損害賠償に関する知識を豊富に持っていますし、示談交渉にも慣れています。

「過去の事例に照らし合わせても休業損害は弊社の提示額が妥当だ」などと言われれば、被害者側はそれ以上反論できなくなってしまうでしょう。

休業による減収をしっかり回収するためにも、休業損害について少しでも疑問があれば弁護士にご相談ください。

弁護士を立てれば慰謝料の大幅アップも見込める

加害者側の保険会社は、慰謝料についても相場より大幅に低い金額を提示してくることが多いです。

加害者側の保険会社は自社基準に沿って計算した金額を提示してきますが、これは、過去の判例に基づく相場の半分~3分の1程度でしかないことが多いのです。

しかし、被害者自身の力で過去の判例に近い金額を獲得するのはほぼ不可能でしょう。専門知識があり、実際に裁判を起こすこともある弁護士なら裁判レベルの金額獲得も可能です。

弁護士を立てれば加害者側とのやり取りも一任できるので、弁護士への相談・依賴もぜひご検討ください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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