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交通事故の慰謝料・会社役員編|休業損害の計算方法は?役員報酬に要注意!

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交通事故の慰謝料|会社役員編

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

会社経営者や代表取締役、会計参与や監査役といった会社役員が交通事故にあい、慰謝料や賠償金を請求する場合、特に休業損害についてはしっかり理解しておく必要があります。

その理由は以下の3点です。

  • 会社役員はたとえ休業しても、休業補償を請求できない場合があるから
  • 会社役員の休業損害計算は複雑だから
  • 会社役員の休業によって会社に損害が出た場合、会社からも加害者側に損害賠償請求できるケースがあるから

この記事では、会社役員の休業損害について詳しく解説しています。ぜひ最後までチェックしてくださいね。

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会社役員が請求できる慰謝料・賠償金

まず、交通事故にあった場合に会社役員が加害者側に請求できる慰謝料・賠償金についてご紹介していきます。

会社役員の慰謝料・賠償金一覧

交通事故にあった場合に会社役員が加害者側に請求できる慰謝料・賠償金は、次の通りです。

後遺障害のない人身事故

  • 治療関係費:入院費、治療費、通院交通費など
  • 入通院慰謝料:入通院により生じた精神的苦痛に対する補償
  • 休業損害:交通事故を理由に休業した日の収入に対する補償

後遺障害のある人身事故

  • 治療関係費、入通院慰謝料、休業損害
  • 後遺障害慰謝料:後遺障害が残ったことで、今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
  • 後遺障害逸失利益:交通事故により後遺障害が残ったことで得られなくなった、将来の収入に対する補償

死亡事故

  • 死亡慰謝料:死亡事故の被害者とその遺族の精神的苦痛に対する補償
  • 死亡逸失利益:交通事故により被害者が死亡したことで得られなくなった、将来の収入に対する補償
  • 亡くなるまでに入通院期間があった場合は、治療関係費や入通院慰謝料も請求可能

会社役員の場合は休業損害に要注意

慰謝料やその他の賠償金は、基本的に職業ではなく怪我の程度などに応じて金額が決まります。そのため、会社役員でもサラリーマンやアルバイトのような給与所得者でも、主婦でも学生でも基本的に金額の計算方法は同じです。

しかし、休業損害については注意しましょう。その理由は、以下の2点です。

  • 会社役員は、たとえ休業していても休業損害を請求できない場合がある
  • 会社役員の休業損害計算は少し複雑

そこでここからは、会社役員の休業損害について、詳しく解説していきます。

なお、慰謝料の計算方法については『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』で解説していますので、併せてご確認ください。

会社役員の休業損害が認められる場合・認められない場合

上でも触れたように、会社役員の場合はたとえ仕事を休んでも、休業損害が認められない場合があります。そこでまずは、会社役員の休業損害が認められる場合と認められない場合について見ていきましょう。

会社役員の休業損害が認められない場合

会社役員の休業損害が認められないのは、役員報酬のほとんどが利益配当分である場合です。
利益配当分は休業中も支払われることが多いため、たとえ交通事故によって休業したとしても減収は生じません。そのため、休業損害は認められないのです。

たとえば社外監査役や非常勤取締役、名目的取締役などが受け取る役員報酬は、ほとんどを利益配当分が占められています。そのため、休業損害は認められない可能性が高いです。

会社役員の休業損害が認められる場合

会社役員の休業損害が認められるのは、役員報酬に労働対価が含まれている場合です。

すでにご説明したように、役員報酬のうち利益配当分は、休業損害の対象とはなりません。

しかし労働対価分は休業中に支払われないため、交通事故による休業で生じた損害として、休業損害で補償されるのです。

実際に以下の判例では、印刷機器の販売等を行っている会社の代表取締役の休業損害について、代表取締役が単独で業務を行っていたとして役員報酬全額(月額90万円)を労務提供の対価とみています(東京地判平28.11.17)。

(略)EはAの一人会社であり,原告やG(原告ら夫婦の長男の妻。以下「G」という。)が経理事務等を手伝うほかは,A単独で印刷機器の販売等を行っていたことが認められる。かかる事実に照らすと,Aの役員報酬は全て労務提供の対価というべきであり,その基礎収入は1080万円とするのが相当である。

東京地判平28.11.17

会社役員の休業損害はいくら?

続いて、会社役員の休業損害の計算方法を見ていきましょう。
休業損害の計算式自体は、他の職業の場合と同じです。しかし、計算で用いる基礎収入の考え方は少し複雑ですので、わかりやすく解説していきますね。

休業損害の計算方法

休業損害には3つの算定基準があり、それぞれで計算方法も異なるのです。まずはこの3つの算定基準をご紹介します。

3つの算定基準

自賠責基準交通事故被害者に最低限補償される金額の算定基準
自賠責保険に請求する場合に用いられる
任意保険基準加害者側の任意保険会社が用いる算定基準
裁判基準過去の裁判例に基づいた相場額の算定基準
弁護士も利用するため弁護士基準とも呼ばれる

任意保険基準の計算方法は各保険会社ごとに異なり非公開なので、ここでは割愛します。任意保険基準により算出される金額は、自賠責基準に少し上乗せした程度と言われていますので、参考にしてみてくださいね。

自賠責基準での休業損害計算

自賠責基準での休業損害の計算方法は、次の通りです。

日額:6100円×休業日数
※2020年3月31日以前の交通事故の場合は、日額:5700円

自賠責基準では、1日当たりの収入を6100円として休業損害を計算します。しかし、実際の1日当たりの収入がそれ以上であると証明できれば、1万9000円を上限として日額を増やすことが可能です。

会社役員の1日当たりの収入は、役員報酬から利益配当分を引いた額、つまり労働対価部分の金額を指します。

関連記事

自賠責保険の慰謝料の支払い限度額はいくら?補償を早くもらう方法

裁判基準の休業損害計算

裁判基準の場合の休業損害の計算方法は、次の通りです。

基礎収入×休業日数

会社役員の場合は、役員報酬のうち労働対価部分の金額を基礎収入とします。
労働対価部分の金額とはどれくらいなのかについては、次の項で解説しますね。

関連記事

交通事故の慰謝料は弁護士基準で計算!慰謝料相場と増額成功のカギ

休業損害計算で用いる、労働対価はいくら?

役員報酬のうち労働対価部分はどれくらいなのかは、さまざざまな事情を考慮して決められます。一般的には、次の項目が参考することになるでしょう。

  • 被害者である当該役員の年齢・地位
  • 当該役員やほかの役員の役員報酬額・職務内容
  • 従業員の給与や職務内容
  • 会社の規模・収益
  • 同族会社であるかどうか

上記のような項目を参考にして、被害者がどれくらい労務提供していたのかを判断します。そしてそのうえで、役員報酬のうち何割が労働対価部分といえるのかが決まるのです。
しかし、この判断は、被害者自身や加害者側の任意保険会社では非常に難しいため、弁護士に確認することをおすすめします。

また、役員報酬のうち何割を労働対価部分とするかについては、示談交渉で争点になりやすいです。相手方に労働対価部分の割合を主張する際には、次の資料を根拠として提示しましょう。

  • 株主総会議事録
  • 法人事業概況説明書
  • 決算報告書
  • 月次損益計算書

該当役員の労務提供がどの程度なのか実態が把握できなかった場合には、厚生労働省が公開している賃金センサス(賃金構造基本統計調査の男女別平均賃金を参考に、基礎収入を決めます。

こんな場合は損害賠償請求できる?

会社役員が休業した場合、会社も損害を被る場合があります。また、会社から該当役員に支援金などを支給することもあるでしょう。
そのような場合、会社も加害者側に損害賠償請求できるのでしょうか?詳しく解説していきます。

会社役員の休業で会社に損害が出た場合

小規模企業などで会社役員もプレイヤーとして働いていた場合には、会社役員の休業によって業務に支障が生じ、会社にも次のような影響が出る可能性があります。

  • 会社役員の休業による売上の減少
  • 会社役員の休業を補うための外注費の発生

こうした損害は、会社から加害者側に請求可能です。
なお、小規模会社で会社役員が一般社員としての役割も兼ねていた場合には、個人事業主として休業損害が計算されることもあります。

個人事業主の休業損害については『交通事故の慰謝料・個人事業主編|休業損害の計算方法は?休業日数や経費の考え方』や『交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある|いつもらえる?相場はいくら?』の記事で解説していますので、参考にしてくださいね。

会社役員として休業損害を請求すべきか、個人事業主として休業損害を請求すべきかわからない場合には、弁護士にご相談ください。

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会社が役員に治療費や生活費を支援した場合

会社役員の休業中、会社が治療費や生活費の支援として、役員報酬と同等の金額を支払うことがあります。

治療費などのお金は、本来加害者側が損害賠償金として被害者に支払うべきです。それを会社が代わりに支払っていたことになるため、この費用は会社から加害者側に請求できます。

会社から役員に役員報酬を貸し付けた場合

会社役員が交通事故で休業している間も、会社から役員報酬が満額支払われていた場合には、原則休業損害は認められません。

しかし、それが休業損害を回収するまでの貸し付けとして支払われたものなのであれば、加害者側に休業損害を請求できる可能性があります。

会社役員が慰謝料・休業損害以外に請求できるものについて

治療費用の内容と計算方法

交通事故により生じた怪我を治療するための支出については、治療費用として加害者に請求することが可能です。被害者が会社役員であることで請求できる範囲に影響はありません。

ただし、治療のために生じた費用であればどんなものでも請求できるわけではないので、治療方法や治療期間を間違えると適正な請求を行えないという問題が生じる恐れがあります。

治療費用に関して具体的に知りたい方は『交通事故の治療費を支払うのは誰?立て替え時は健康保険を使うべき!』の記事を確認してください。

逸失利益の内容と計算方法

逸失利益とは、交通事故により被害者が後遺障害を負った、または死亡したことで、事故前のように仕事ができなくなったために将来得られるはずの収入を得られなくなったという不利益をいいます。

逸失利益も、休業損害と同様に交通事故が原因で収入額が減少したことを主張立証する必要があるため、役員報酬に労務対価部分が存在するのかが問題となるでしょう。

逸失利益の具体的な計算方法については、『逸失利益の計算|後遺障害14級や12級の逸失利益はいくら?』の記事を確認してください。

会社役員の慰謝料・休業損害は弁護士にご相談を

会社役員が交通事故にあった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。その理由と弁護士費用について、ご紹介していきますね。

会社役員が弁護士に相談すべき2つの理由

会社役員が交通事故にあった際、弁護士に相談すべき理由には次の2つがあります。

  1. 会社役員の休業損害は認められない可能性がある
  2. 弁護士の介入がない示談交渉では、慰謝料や休業損害が低額になる可能性が高い

それぞれについて解説しますね。

(1)会社役員の休業損害は認められない可能性がある

会社役員の休業損害は、役員報酬のうち労働対価部分についてのみ支払われると解説してきました。
しかし、以下のように、加害者側の任意保険会社が会社役員の休業損害を認めない可能性もあります。

  • 労働対価部分の割合を判断することが難しいため、労働対価部分はないので休業損害は生じないと判断する
  • 休業中も支払われた利益配当分の金額が高額であるため、休業損害は必要ないと判断される

加害者側の任意保険会社がこのような判断をした場合、それを覆すのは簡単ではありません。
基本的に被害者は、加害者側の任意保険会社よりも交通事故の損害賠償金に関する知識が浅いです。そのため、基本的に被害者本人の主張を聞き入れてくれません。

(2)弁護士の介入がない示談交渉では、慰謝料や休業損害が低額になる可能性が高い

加害者側の任意保険会社は示談交渉の際、相場よりも低い慰謝料や休業損害を提示してくる可能性が高いです。
しかし、被害者自身の交渉では、これらを十分に増額させることは難しいでしょう。

なぜなら、加害者側の任意保険会社は、交渉相手が被害者本人であれば、大幅な増額には応じないという方針をとっていることが多いからです。
しかし、弁護士が交渉相手として出てくれば、加害者側の任意保険会社は柔軟に増額に応じる傾向にあります。

増額交渉(弁護士あり)

加害者側の任意保険会社から低い金額を提示されてお困りの場合や、提示された金額が妥当かどうか確認したい場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

交通事故の慰謝料計算機を使うと、弁護士が増額交渉時に目安とする慰謝料や逸失利益の相場がわかります。目安額を早く知りたい方は、自動計算で便利な慰謝料計算機を使ってみませんか。

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弁護士費用の内訳・相場は?

弁護士費用は一般的に、相談料・着手金・成功報酬から構成されています。

相談料弁護士に事案を依頼する前の法律相談料
着手金弁護士に事案を依頼し着手してもらう際に支払う費用
成功報酬事案解決後に支払う費用

それぞれの金額は法律事務所によって異なりますが、相場は以下の通りです。

弁護士費用の相場(税込)

  • 相談料:5500円/30分
  • 着手金:22万円
  • 成功報酬:獲得したお金の11%

中には、着手金を無料とし、成功報酬を獲得したお金の11%+22万円(税込)としている事務所もあります。

弁護士費用をおさえる2つの方法

弁護士費用の相場は上でご紹介した通りですが、費用をおさえる方法もあります。ここからは、弁護士費用をおさえる2つの方法をご紹介します。

(1)弁護士費用特約

弁護士費用特約

弁護士費用特約とは、弁護士費用を被害者加入の任意保険会社に負担してもらえる制度です。任意保険に加入する際、オプションとしてつけていれば利用できます。

弁護士費用特約のポイントは次の2点です。

  • 利用しても、保険の等級が下がらない
  • ご家族加入の弁護士費用特約でも、使える場合がある

弁護士費用特約については、『交通事故の弁護士費用特約とは?加入なしでも大丈夫?使い方とメリット&デメリット』でさらに詳しく解説していますので、ご確認くださいね。

(2)相談無料の法律事務所を利用する

法律事務所の中には、無料で相談を受け付けているところもあります。

  • 依頼先を決めるために、複数の法律事務所に相談してみたい
  • 多様なアドバイスを受けるために、複数の弁護士に相談したい

上記のような場合には、相談料もかなりかかってしまう可能性があります。
しかし、相談無料の法律事務所を利用すれば、弁護士費用を抑えることが可能です。

アトム法律事務所のご案内

最後に、アトム法律事務所のご案内をします。
実績、口コミ評価や費用体系やについてご紹介しますので、弁護士への相談・依頼の際にはぜひご検討ください。

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アトム法律事務所では、電話・LINEでの無料相談が可能です。
以下に該当する方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

  • 法律事務所まで出向けない方
  • 忙しく、隙間時間に相談したい方
  • 対面相談よりも気軽に相談したい方

※電話相談では、まず専任のオペレーターがお話を伺い、後から弁護士が折り返しお電話いたします。

アトム法律事務所の実績

アトム法律事務所には、交通事故事案に強い弁護士や示談交渉経験の豊富な弁護士が多数在籍しております。
示談交渉での示談金増額実績も豊富ですので、ここでその一部をご紹介しましょう。

示談金増額に成功した事例(1)

傷病名右手骨折、右母指の機能障害
後遺障害等級10級7号
獲得金額609万円→891万円

示談金の増額に成功した事例(2)

傷病名首の痛み、右手の痺れ、腰の痛み
後遺障害等級併合14級
獲得金額200万円→361万円

示談金獲得実績

傷病名腰椎圧迫骨折、脊柱変形障害
後遺障害等級11級7号
獲得金額1256万円

その他の実績についてもご覧になりたい場合は、以下のページをご確認ください。

アトム法律事務所の口コミ評価

満足度90%超え

アトム法律事務所では、90%以上のご依頼者様から満足のお声をいただいております。その一部をご紹介しますね。

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特に丁寧な対応と、増額実績についてご満足いただいております。その他の口コミ評価も確認したい場合には、以下のページもご覧ください。

アトム法律事務所の料金体系

アトム法律事務所では、弁護士費用特約の利用が可能です。
弁護士費用特約をご利用いただけない方には、以下の料金体系でご案内しております。

相談料無料
着手金無料
成功報酬獲得示談金の11%+22万円*

*一部例外あり

まずは無料相談から、お気軽にご連絡ください。お待ちしております。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点