交通事故で「全治1週間」の軽傷でも慰謝料はもらえる?相場と請求方法

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交通事故によるケガで治療を受けた場合には、軽傷であっても慰謝料を請求することができます。

打撲や軽いむち打ちなど全治1週間程度のケガでも、通院による治療で精神的な負担が生じるため、慰謝料の請求は可能です。

この記事では、「全治1週間」「全治2週間」「打撲」「通院10日」などの軽傷事故において、慰謝料がもらえるのか、どのくらいの金額になるのかをわかりやすく解説しています。

保険会社とのやり取りで損をしないためのポイントや、慰謝料の増額を狙う方法も詳しくご紹介します。

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交通事故で「全治1週間」と診断された場合の慰謝料相場

打撲で全治1週間、軽症でも慰謝料はもらえるの?

全治1週間などの軽傷でも、交通事故の被害者である以上、慰謝料の請求が認められています。

交通事故の被害者は、治療のために入院や通院を行ったことで生じる精神的苦痛に対して、慰謝料(入通院慰謝料)を請求することが可能です。

たとえ短期の通院であっても、治療のために通院を行うことで精神的苦痛が生じるため、慰謝料を受け取る権利があります。

入通院慰謝料の請求に関するポイント

  • 「全治1週間」のような通院期間が短期なケースでも慰謝料請求が可能
  • ケガの程度よりも「通院日数」や「治療にかかった期間(通院期間)」が金額に影響

全治1週間の慰謝料の目安

慰謝料の金額は、以下の3つの計算基準があります。

  • 自賠責基準
    自賠責保険により補償される最低限の補償額を計算する際の基準
  • 任意保険基準
    任意保険会社が慰謝料額を計算する際の保険会社独自の基準
  • 弁護士基準
    裁判所や弁護士が慰謝料額を計算する際の基準
    法的正当性のある相場額が算出される
慰謝料金額相場の3基準比較

それぞれの基準で、「全治1週間と診断され、3~7日間通院したケース」での目安を比較してみましょう。

基準慰謝料額の目安
自賠責基準最大3万100円
任意保険基準自賠責と同程度、または、やや上回る程度
弁護士基準最大約4万4,000円

慰謝料の金額は、通院期間や通院日数により変動するため、完治までの目安である「全治期間」から正確な金額を算出することはできません。

治療が終了するまでの通院期間や、通院日数が明らかとなった時点で算出が可能です。

慰謝料の計算方法についてより詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

全治1週間のケガとは?通院日数との違い

全治1週間ってどんなケガ?

交通事故で医師から「全治1週間」と診断された場合、それは「おおよそ7日間で症状が治まると見込まれる」という意味です。完治までの期間ではありません。

主に以下のような軽傷が該当します。

  • 軽度の打撲や捻挫
  • 筋肉痛
  • 外傷を伴わない張り・違和感
  • 軽いむち打ち

「全治1週間」と診断されたからといって、完全に治る期間が7日であるとは限りません。

そのため、通院期間や通院日数をもとに算出される慰謝料の金額は、「全治1週間」という診断を受けただけでは計算できないといえるでしょう。

通院日数と全治日数の違い

「通院日数」と「全治日数」は以下のように異なります。

  • 通院日数
    治療のために実際に通院した日数
  • 全治日数
    医師がケガが治癒するまでに見込まれる期間を示した医学的な目安

慰謝料の金額を算出する際には、全治日数ではなく、通院期間や通院日数が基準になります。

つまり、全治1週間でも、通院期間や通院日数が1週間以下であるなら、慰謝料の金額も少なくなる可能性があるということです。

全治1週間と診断された場合の通院パターン

交通事故で「全治1週間」と診断された場合、実際の通院状況は以下のようなパターンが想定されます。

ケース通院日数治療内容
初診+経過観察1日症状が非常に軽く経過観察のみ
初診+治療3~5日湿布・痛み止めの処方、リハビリなどのため数回通院

通院日数は患者自身の体調や生活状況、また医師の方針によって調整されるため、あくまで上記は一般的な目安です。

たとえ「全治1週間」であっても、日常生活や仕事に支障がある場合、数回の通院が必要となり、通院期間が1週間以上となることは珍しくありません。

慰謝料を計算するうえでは、実際の通院期間や通院日数が重視されますので、自己判断で通院をやめず、必要な診療は必ず受けましょう。

「全治2週間」「全治3週間」のケースとの比較

通院期間や通院日数が異なってくる

「全治2週間」「全治3週間」と診断された場合は、「全治1週間」と診断された場合よりも通院期間や通院日数が増えることが多いでしょう。

そのため、慰謝料の相場額も「全治1週間」と診断された場合より増額する可能性が高いといえます。

「全治2週間」「全治3週間」の場合、慰謝料はどれくらい違う?

「全治1週間」と診断された場合と「全治2週間」や「全治3週間」と診断された場合では、慰謝料額が異なってくることが多いでしょう。

慰謝料相場の比較(自賠責基準・弁護士基準)

ケース例通院期間自賠責基準※弁護士基準
全治1週間
(通院日数5日)
10日間4万3,000円約6万3,000円
全治2週間
(通院日数10日)
15日間6万4,500円約9万5,000円
全治3週間
(通院日数15日)
20日間8万6,000円約12万6,000円

※自賠責保険では「通院日数 × 4,300円」または「通院期間 × 4,300円 × 2」のうち、少ない方が適用されます。

慰謝料の金額は通院期間や通院日数から算出されるため、「全治2週間だから2倍になる」という単純な話ではありません。

全治1週間の交通事故で相場の慰謝料を受け取るためのポイント

相場の慰謝料を受け取るためのポイント

軽傷のケースでも、加害者側の保険会社が相場より低額の慰謝料を支払うと提案することは多いです。

以下の点を押さえておけば、相場の慰謝料を受け取れる可能性が高くなります。

  • 診断書は必ず発行してもらう
  • 定期的(週1〜2回以上)に通院を継続する
  • 保険会社からの提示金額はすぐにOKせず、相場と比較する
  • 弁護士に相談・依頼すれば示談金増額の可能性も

「提示された慰謝料が少ない」と感じた場合は、弁護士が介入するだけで慰謝料が増額になるケースが珍しくありません。

保険会社が提示する金額にそのまま同意する前に一度、法律事務所の弁護士無料相談を受けてみましょう。

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弁護士に依頼すると慰謝料は増える可能性あり

弁護士に依頼することで、相場である「弁護士基準」の金額の慰謝料を請求できるようになり、結果として受け取れる金額が大きくなることがよくあります。

軽傷でも、「損をしたくない」「できるだけ正当な額を受けとりたい」と思うなら、一度無料相談を利用し、増額の余地について確認すべきでしょう。

費用が不安な場合でも、「弁護士費用特約」が利用できるのであれば、保険利用により弁護士費用をまかなうことができます。

弁護士に依頼する際に知っておくべき点について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【まとめ】交通事故の軽傷でも慰謝料請求は可能。正しい知識で損を防ごう

交通事故で「全治1週間」「全治2週間」や「通院10日」などの軽傷であっても、しっかりした診断と通院実績があれば、慰謝料は請求できます。

さらに、保険会社の提示額が少ないと感じたら、弁護士に相談することで、増額されるケースもあるのです。

不安な点や疑問があるなら、交通事故に強い弁護士に一度相談しておくことをおすすめします。早めの対応が、不利な示談を防ぐカギになります。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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