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交通事故の慰謝料はどう請求する?請求可能な相場についても解説

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2020年4月1日改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故でケガを負った、ケガが完治せずに後遺症が残った、という方はこのような損害に対して慰謝料を請求することができます

どのような慰謝料が請求でき、だれに対してどのように請求していくべきなのか簡単に解説していきます。

慰謝料はどうやって請求するか

慰謝料の請求先はどこ?

慰謝料の請求先は、事故の相手方となる加害者が「任意保険に加入済み」の場合と「任意保険に未加入の場合」で異なります。

加害者が任意保険に加入済みの場合、請求相手は加害者側の任意保険会社となります。交通事故で受けた損害が確定すると任意保険会社から示談案が届いて示談交渉がはじまるでしょう。

加害者が任意保険に未加入の場合、まず加害者側の自賠責保険に賠償金を請求し、自賠責保険から支払われる賠償金を超えた部分の損害に対しては加害者本人に請求していくことになります。

交通事故慰謝料の請求方法|慰謝料相場や計算方法・請求書の書き方も解説!

自賠責保険に被害者が直接請求する方法がある

事故の相手方が加入する自賠責保険に対して被害者が直接請求する方法を被害者請求といいます。被害者請求を行うことで、示談成立前にお金を受け取ることができます

というのも、交通事故で受けた損害に対して保険会社から支払われる保険金は基本的に示談成立後にしか受け取れません。お金の受け取りを示談成立後まで待てるのであれば問題ないですが、示談交渉の進み方や利用状況によっては示談が成立するまで数年かかることもあります。

被害者請求を行うことで、自賠責保険から支払われる範囲内という上限はあるものの示談成立前でも先にお金を受け取ることができるのです。

自賠責保険の請求方法と必要書類|被害者請求で有利な結果を得る方法

自賠責の120万円超えた分は誰に請求するか

自賠責保険で補償される傷害部分の上限は120万円です。120万円を超える損害があった場合は、相手方が加入する任意保険会社に対して請求していくことになります。

もっとも相手方が任意保険に未加入の場合、自賠責の120万円を超えた部分に関しては相手方本人に対して請求していくことになります。

交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説

慰謝料はいつ請求できるか

慰謝料を請求してからいつ支払われるのか

示談交渉を通して請求した慰謝料の金額等、示談の内容について双方が合意に至ると示談が成立します。慰謝料は、示談が成立してから支払われるのが通常です。

示談交渉の相手方が加害者が加入する任意保険会社である場合、示談の内容に合意の意思を示すと保険会社から示談書が送られてきます。示談書の内容を確認して署名・押印して返送すると、保険会社が示談金の支払い手続きを行います。

示談成立から保険金の支払いまでは合計で大体2週間程度かかるといわれています。

交通事故慰謝料はいつ支払われる?支払いを早める方法をご紹介!

事故から慰謝料請求までの流れ

事故が発生したら警察と任意保険会社に連絡しましょう。ケガを負ったのであれば、病院を受診して治療を受けるようにしてください。治療によってケガが完治すれば、事故から完治した時点までの損害に対する慰謝料・損害賠償を請求することができます。

もし、治療を続けてもケガが完治しなかったら後遺障害申請をして後遺障害等級の認定を受けましょう。認定された等級に応じて後遺障害に対する慰謝料等を請求することができるようになります。

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交通事故で請求できる慰謝料には種類がある

交通事故の慰謝料は3つの種類があげられます。

  • 傷害慰謝料(別称:入通院慰謝料)
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

傷害慰謝料とは「ケガを負ったという精神的苦痛に対する賠償」として支払われるお金です。

後遺障害慰謝料とは、「後遺障害が残った精神的苦痛に対する賠償」として支払われるお金です。後遺障害の等級に応じて支払われる金額は異なります。

死亡慰謝料は事故で「被害者が死亡したという精神的苦痛に対する賠償」として支払われるお金です。死亡した被害者本人のほか、父母や配偶者等の近親者にも固有の慰謝料が認められています。

交通事故慰謝料の種類|傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の金額算定3基準とは?

慰謝料の他に請求できるお金

慰謝料は、交通事故で相手方から支払われる金銭の一部です。交通事故でケガを負った場合に請求できるのは、慰謝料の他に治療費・付添看護費・入院雑費・通院交通費・文書料・診断書発行費・休業損害等があげられます。

ケガが完治せず後遺障害が残った場合には、逸失利益も併せて請求することができます。

さらに交通事故で車が傷ついた等の物的損害が生じている場合、修理費・買い替え差額・評価損・代車使用料・休車損等を請求することができます。

交通事故の慰謝料ほか示談金の内訳|慰謝料の増額方法は?

どれくらいの相場で慰謝料は請求できるか

慰謝料の相場は症状別ごとに違う

交通事故で負ったケガが後遺障害として残らなかった場合、治療で受けた精神的苦痛に対する慰謝料の相場は治療期間に応じて決まります

一方、治療を続けたにもかかわらず完治しなかった場合は後遺障害に認定されることで等級に応じた慰謝料の相場を別途、請求することができます。

交通事故の慰謝料相場|症状別の相場金額を網羅!慰謝料増額事例3選

通院1日あたりに請求できる慰謝料相場

自賠責保険に請求する場合の慰謝料は、通院1日あたり4300円(2020年3月31日までに発生した事故では4200円)の日額が決められています。

もっとも、これは請求できる交通事故の慰謝料として最低ラインの金額となっています。弁護士が示談交渉に介入することで、1日4300円以上の慰謝料を得ることが可能になるでしょう。

交通事故の慰謝料は通院1日いくら?8600円の真実と通院6ヶ月の相場

請求できる慰謝料の計算方法

慰謝料はどうやって計算するのか

慰謝料の計算方法は、慰謝料の種類と用いる算定基準によって異なります

慰謝料は傷害慰謝料(別称:入通院慰謝料)・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類で、それぞれの算定方法があります。

慰謝料の算定基準も3つあり、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類です。基準ごとに算定方法が異なりますが、このうち最も妥当な金額になるのは弁護士基準による算定を実現できた時です。

交通事故の慰謝料計算方法を解説|慰謝料計算機で金額シミュレーション

計算機を使って請求可能な慰謝料を自動計算

慰謝料をはじめとした交通事故の損害賠償金を計算するには計算方法を知る必要があります。簡単に金額だけを知りたいという方は、自動の計算機をお使いください。

治療を開始~終了の日付や年齢、年収等の必要な項目を入力するだけで請求できる金額を知ることができます。以下の記事で計算機を使用することができるのでぜひご覧ください。

交通事故の慰謝料計算機|示談前に確認できる簡単計算ツールをご紹介

こんな場合でも慰謝料は請求できる

子供でも慰謝料は請求できる

交通事故の被害を受けたのが子供でも、大人と同じように慰謝料を請求することができます。

傷害慰謝料(別称:入通院慰謝料)と後遺障害慰謝料は大人と同じくらいの相場で請求することができる一方で、死亡慰謝料に関しては大人より相場が低くなる傾向にあります。

交通事故慰謝料|子供が被害にあった時の相場は?正しい金額で請求する方法

主婦でも慰謝料は請求できる

交通事故でケガを負ったのが主婦でも、サラリーマン等お仕事をされている方と同じように慰謝料を請求することができます。

交通事故でケガを負った場合の慰謝料の請求には、主婦といった立場よりもケガの程度や治療にかかった日数、後遺障害が残ったかという点が重要になってきます。

主婦という立場が影響するのは、休業損害や逸失利益等の収入に関する補償を請求する場合になります。

主婦(主夫)が正当な慰謝料相場を受け取る方法|交通事故の慰謝料計算

むちうちでも慰謝料は請求できる

交通事故で負ったケガの種類がむちうちでも、慰謝料を請求することができます。

むちうちの程度にもよりますが治療に要する期間としては1ヶ月~6ヶ月程度が目安で、これに対応する最も適正な金額となる慰謝料相場は19万円~89万円程度となるでしょう。

むちうちが完治しなかった場合は、後遺障害に認定されると後遺障害慰謝料を請求することができます。むちうちで認定される可能性があるのは12級または14級です。最も適正な金額となる後遺障害慰謝料の相場は、12級で290万円、14級で110万円です。

交通事故の慰謝料相場|むちうちの金額が倍増する計算方法をご紹介

打撲でも慰謝料は請求できる

交通事故で負ったケガの種類が打撲でも、慰謝料を請求することができます。

打撲の程度にもよりますが治療に要する期間としては数週間から3か月程度が目安で、これに対応する最も適正な金額となる慰謝料相場は8万円~53万円程度となるでしょう。

交通事故で打撲をした場合の慰謝料はいくらになる?弁護士が解説

通院日数が少なくても慰謝料は請求できる

通院日数が少なくても適正な慰謝料を得る方法があります。通院日数が少ないことに事情があるのなら、慰謝料が減額されない可能性もあります。

たとえば骨折でギプス固定して自宅で安静にするのみという方は通院する回数がそう多くはなりません。このような場合、保険会社から通院日数の少なさを理由に慰謝料を減額されることがあります。しかし、必要に応じた治療を受けた結果として通院日数が少なくなっているにすぎません。通院日数ではなく通院期間で慰謝料を算定してもらうことで適正な慰謝料を請求することができます。

ただし、通院する必要があるにもかかわらず通院をおろそかにすると治療の必要がなかったと判断されて慰謝料が減額される可能性がるので注意が必要です。

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事故相手が無保険でも慰謝料請求をあきらめない

事故相手が無保険(任意保険未加入)だと、加害者側の自賠責保険から支払われる分しか慰謝料等の補償が得られない可能性があります。不足している部分に関しては加害者本人に対して請求していく方法もありますが、資力がないことも多いので十分な金額が手にできない可能性もあります。

このような場合、被害者ご自身が加入する保険会社に保険金を請求する方法もあります。

  • 搭乗者傷害保険
  • 無保険車傷害保険
  • 車両保険
  • 人身傷害保険

被害者自身が使える保険として代表的な自動車保険は以上のようなものがあげられます。

事故相手が無保険!交通事故の慰謝料請求はどうする?6つの対応をご紹介

自転車事故でも慰謝料は請求できる

自転車事故でも、基本的に交通事故と同じ計算方法を用いて算出された慰謝料を請求することができます

ただし加害者側が自転車で保険に未加入の場合、示談交渉が進まない可能性が高いです。保険に未加入だと事故の当事者同士で示談交渉をおこなう必要があるからです。

また、保険未加入だと加害者本人に慰謝料等を請求していくことになるのできちんと支払われないリスクがあったり、後遺障害の認定機関が損害しないので後遺障害の有無や等級の認定に関して争いになることが予想されるでしょう。

交通事故|自転車と車の事故の慰謝料相場!被害者が知るべき計算方法

納得いく慰謝料を請求するために

完治しなければ後遺障害の被害者請求する

交通事故で負ったケガが完治しなければ後遺障害の申請を行いましょう。申請は「被害者請求」による方法を用いることをおすすめします。

被害者請求は、被害者自身が申請に必要な書類を準備して、相手方の自賠責保険会社に対して書類を提出します。被害者自身で書類を集める必要があるので手間はかかりますが、認定につながるような医師の意見書等の資料も併せて提出することができます。

後遺障害に対する損害賠償の請求は後遺障害に認定されなければ請求することができません。症状に見合った等級の後遺障害が認定されることが大切です。

また、被害者請求による後遺障害の申請を通して後遺障害等級が認定されれば、等級に応じた後遺障害慰謝料や保険金の支払いが示談成立前でも受け取ることができます。

後遺障害申請は被害者請求の方法&弁護士が正解|必要書類も紹介

過失割合は慰謝料の請求額に影響する

過失割合は受け取ることができる慰謝料の金額に影響します。交通事故の被害者であっても、何らかの過失があるのならその過失割合分の慰謝料が減額されることになります。

たとえば被害者の損害額が1000万円で過失が20%あった場合、加害者に対して請求できる金額は過失分20%を差し引いた800万円しか請求できません。

事故の内容を適正に反映した過失割合でなければ、本来得られたはずの金額よりも少ない金額でしか相手に請求できないことになります。過失があるのならその分の責任はご自身で果たす必要がありますが、適正な過失割合になっていないと負わなくていい責任を余計に追ってしまうことを意味します。

交通事故の慰謝料と過失割合は変わる|事故の示談は保険会社に任せてはいけない

まとめ

交通事故でケガ等の損害を受けたら、ご自身のケースではどのような種類の慰謝料が請求でき、慰謝料の金額としてどのくらいが妥当なのか知っておく必要があります。保険会社から言われるままの内容では、本来得られるはずの金額よりも相当低くなってしまうことが予想されます。

交通事故の慰謝料に関して不明点や疑問点がある方は、弁護士に一度相談してみることをおすすめします。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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