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人身事故の慰謝料を多くもらうための計算方法と示談金相場の見積もり

更新日:

人身事故の慰謝料

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

「人身事故にあったけど、慰謝料ってどれくらいが妥当?」

交通事故に何度もあう人は、そうそういません。
慰謝料の相場といわれてもピンと来ない人は多いでしょう。

この記事では、人身事故の慰謝料の相場や計算方法、慰謝料を少しでも多くもらうためのポイントをまとめています。

初めて事故にあった人にも分かりやすいように、基礎から解説しているので、安心して読み進めてください。

なお、弁護士に依頼した時に受けとれる示談金額を知りたい方は、慰謝料計算機がおすすめです。簡単10秒・情報入力だけで慰謝料額が分かります。

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事故発生から慰謝料獲得までの流れ

治療開始から示談までのフローチャート

人身事故の発生から治療開始、示談までの流れは、大まかに次の通りです。

交通事故による治療の流れ
交通事故による治療の流れ

示談までの流れ

  1. 治療を開始する(入院治療・通院治療)
  2. 完治:示談交渉を開始
  3. 完治しない:症状固定を経て後遺障害等級認定の申請
  4. 後遺障害等級認定の審査結果が出たら示談交渉を開始
症状固定

医学上一般的に承認された治療方法をもってしても、効果が期待できない状態
これ以上治療をしても症状の改善が見込めない状態に達したこと

ケガが治らず、医師から症状固定と判断された場合は、治療は終了となります。後遺障害等級認定を受けるか検討しましょう。

後遺障害に認定されるかは、損害賠償金額に大きくかかわります。

示談の多くは、加害者側の保険会社から示談案を提示されて始まることが多いです。人身事故の示談がどう進むのか・示談の流れについて詳しく知りたい方は、関連記事『人身事故の示談|このまま示談していいのか最終チェック』をご覧ください。

解決には示談・ADR・裁判の選択肢がある

人身事故で負った損害に対する損害賠償請求の方法には、次の3つがあります。

  1. 示談交渉
  2. ADR利用
  3. 民事訴訟

3つの解決方法のうち、まず示談交渉を選択する人が多いです。

示談の目的

当事者同士(被害者と加害者)で、お互いに納得できる点を話し合いで決め、争いをやめると合意すること。示談成立のためには、被害者・加害者双方の譲歩が必要不可欠であり、片方だけの主張を通すことを示談とはいいません。

示談交渉がスムーズに進まない時に、ADRや民事訴訟の検討に移っていきます。

ADRを利用すると、弁護士など第三者が間に入り、裁判外で争いの解決を目指す流れです。弁護士費用は無料なので、できるだけ費用を抑えるなら、訴訟を起こすよりもADRの利用が適しています。

あるいは、被害者の方に向けた弁護士事務所の法律相談を利用しましょう。一定の回数・時間内ならば無料で法律相談を受け付けている法律事務所は多数あります。

アトム法律事務所でも、被害者の方に向けた無料の法律相談を受け付けています

慰謝料は示談成立後約2週間程度でもらえる

慰謝料を含む示談金は、示談成立後、約2週間程度でもらえます。
示談成立した直後にもらえるわけではありませんので、注意が必要です。

示談成立から示談金の獲得までは、次のような流れになります。

  1. 加害者の保険会社から成立した内容の示談書が届く
  2. 被害者は示談書の内容をもう一度確認
  3. 示談書の内容に問題なければ署名や押印をして返送
  4. 保険会社内での事務処理・入金手続き

示談書を返送している間の郵送期間や、入金までの事務処理期間も存在します。示談金をもらうまでは、およそ2週間はかかると思っておきましょう。

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人身事故の慰謝料 4つの基礎知識

(1)人身事故のみ慰謝料が認められる

人身事故の場合のみ、慰謝料が支払われるのが原則です。

人身事故とは、交通事故のなかでも、人に何らかの死傷が発生した事故をいいます。一方、物損事故とは、物的損害のみが発生した交通事故のことです。

  1. 人身事故
  2. 物損事故

具体的な状況を例にして、人身事故と物損事故の違いをみてみましょう

人身事故の事例

  • 自動車に乗車中、後ろから別の自動車に追突された。
  • 横断歩道で信号が変わるのを待っていたら、バイクが突っ込んできた。

物損事故の事例

  • 運転操作を誤った自動車がバイクに突っ込んだ。バイクは誰も乗っておらず、自動車の運転手にも怪我はなかった。
  • 目の前でバイクがガードレールと接触した。ガードレールとバイクは傷ついたが、バイクの運転手には怪我はなかった。

人身事故と物損事故とでは、損害の内容が異なります。

表:人身事故と物損事故の違い

事故人の損害物の損害
人身事故ありあり
物損事故なしあり

人身事故の場合、人の損害・物の損害の両方が該当しますが、物損事故は物の損害のみです。

ケガなしの物損事故は慰謝料の対象外

慰謝料は、事故で負った精神的苦痛を緩和するための金銭をさします。
「精神的苦痛」には、「物が壊れた」という辛さは含まれていませんので、物損事故は原則慰謝料の対象外です。

自転車や自動車の損壊は、修理費の支払いで損害が補てんされると考えられます。
これまでの裁判では、物の損害に対する慰謝料が認められたケースもありますが、原則は認められないと考えておきましょう。

表:慰謝料の有無

人身事故物損事故
慰謝料あり原則慰謝料なし

人身事故の届け出には診断書が必要

人身事故として届け出る方法は、次の通りです。

人身事故として届け出る方法

  1. 病院を受診して「診断書」を発行してもらう
  2. 「診断書」を警察署に届け出る

このようにすれば、警察に人身事故として届け出ることが可能です。
事故にあったら、できるだけ早く病院を受診してください。人身事故発生から3日以内の受診が望ましいです。

物損事故から人身事故に切り替えられる

一度は「物損事故」としたけれども、人身事故に切り替えたい人もいるでしょう。たとえば、追突事故の場合で多いのは、後から痛みが出てくるむちうちのケースです。
むちうちの症状(痛み・しびれなど)が後から出てきて、物損事故として届けたことを後悔する人もいらっしゃいます。

物損事故から人身事故への切り替えも、次のフローになります。

物損から人身への切り替え

  1. 病院を受診して「診断書」を発行してもらう
  2. 物損事故を届け出た警察署へ「診断書」を提出して「人身事故」に切り替える

人身事故への切り替えは早いほうが良いです。
事故から時間をあけると、その症状と事故の因果関係が証明しづらくなります。長くても、人身事故の発生日から7日から10日までには切り替え手続きを行ってください。

事故処理の実務上は、物損事故として届け出ていても、相手の保険会社から認められさえすれば慰謝料などの請求自体は可能です。

しかし、事故の過失割合、慰謝料の金額などでもめることが予想される場合は注意しましょう。人身事故として届け出て、よりスムーズに慰謝料を受けとるよべきです。

そのほかにも慰謝料を請求する上で大切な4つのポイントがあります。詳しく知りたい方は、解説記事『交通事故の慰謝料』をお役立てください。

(2)慰謝料は3種類ある

人身事故で請求すべき慰謝料は3種類あります。

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

たとえば、ケガが治療によって完治した場合には「入通院慰謝料」のみ請求できます。

一方で、後遺障害が残ってしまった場合には「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類が請求すべき慰謝料です。

このように、被害者が負った損害によって請求すべき慰謝料が変わります。

(3)慰謝料は示談金の一部にすぎない

交通事故の損害賠償では、慰謝料、示談金とお金を表す言葉が複数使われます。

示談金とは、示談交渉で決まった損害賠償金のことです。慰謝料は示談金の一部に過ぎません。示談金には、慰謝料のほかにも、治療費、休業損害、逸失利益、修理費用などが含まれています。相手方の保険会社から支払われるお金という意味で、示談金を「保険金」という場合もあるでしょう。

慰謝料の増額請求だけではなく、増額交渉を通して、損害賠償の全体を適正に受けとりましょう。

(4)人身事故の慰謝料計算には3通りの方法がある

1.自賠責保険の基準

自賠責基準は、相手方の自賠責保険会社から支払いを受けるときの基準です。
法令「自動車損害賠償保障法施行令」に基づいた金額を受けとることができます。

この法令の目的は、「自動車損害賠償法」にて次の通りです。

第一条 この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

自動車損害賠償保障法

自賠責基準は、自賠責保険会社の基準というよりも、法令に則った支払い基準です。支払われる金額はあくまで最低限の水準となります。

2.任意保険の基準

任意保険基準とは、相手方の任意保険会社の社内基準です。かつてはすべての任意保険会社で基準が統一され、公開されていました。現在、各任意保険会社で独自に金額設定でき、なおかつ非公開になっています。

これまでの事例から見ると、任意保険会社独自の基準で計算された慰謝料は、自賠責保険の基準と同じ金額か、すこし高い金額になる傾向があるでしょう。

3.弁護士基準

弁護士基準は、裁判基準ともいわれる算定基準です。
裁判所でも使われている基準であり、これまでの裁判の結果(判例)に基づいて定められています。

自賠責保険の基準・任意保険の基準よりも、弁護士基準で計算する時、慰謝料の相場は高くなります。

しかし、相手方の保険会社からは弁護士基準での慰謝料を提案されることはありません。そのため、被害者からの依頼を受けた弁護士は、相手方の保険会社からの提案に対して、弁護士基準を用いて増額交渉を試みます。

弁護士基準は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」とばれる書籍もでも確認可能です。その書籍は表紙が赤いことから、通称「赤い本」ともいわれます。

人身事故の慰謝料|傷害・ケガ

(1)自賠責保険の基準で慰謝料を算定

自賠責保険の基準では、日額4,300円です。法改正に伴い、人身事故の発生日によって金額が変わりますので注意してください。

表:自賠責保険の基準による慰謝料

2020年4月1日以降2020年3月31日まで
日額4,300円日額4,200円

慰謝料は日額4,300円に引き上げられました。
慰謝料の対象日は、次のいずれか短い方になります。

  • 治療期間
  • 実際の治療日数の2倍

治療期間とは、最初に病院を受診した日から通院終了までと考えてください。
治療日数とは、治療期間のうち、実際に病院へ通って治療を受けた日のことです。

治療期間が2ヶ月、通院日数が22日の場合を比べてみます。

入通院慰謝料の計算

(1)治療期間・・・2ヶ月(60日)
(2)実治療日数・・・22日× 2=44日

(1)と(2)を比較すると、(2)44日の方が少ないです。
計算に用いる「慰謝料の対象日数」は44日になります。

(2)任意保険の基準で慰謝料を算定

任意保険の基準は、相手方の任意保険会社の自社ルールとなっています。
詳細は公開されていませんので、明確に説明はできません。

しかし、あくまで自賠責保険の基準と変わらない程度になると考えてください。

(3)弁護士基準で慰謝料を算定

弁護士基準で算定するとき、慰謝料は最も高額になる可能性が高いです。
弁護士基準では、日額ではなく、治療期間に応じて目安が設定されています。

慰謝料の算定には、算定表を使ってください。
算定表は2種類あり、重傷・軽傷で使い分けましょう。基本的には重傷の表を使い、むちうち・打撲・かすり傷などでは軽傷の表を参照してください。

表:弁護士基準の慰謝料(重傷)

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表:弁護士基準の慰謝料(軽傷)

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

慰謝料は、入院・通院の月数が交わるところが慰謝料額です。
「1月」は「30日」という意味です。
「1ヶ月」ではありませんので、暦によって左右されることはありません。

人身事故の慰謝料|後遺障害

自賠責基準と弁護士基準は金額が3倍違うこともある

弁護士基準で算定したときの後遺障害慰謝料相場は、110万円から2,800万円程度です。後遺障害等級ごとに金額の目安が決められており、後遺障害等級が一つ違うだけで、何百万円も金額が変動する可能性すらあります。

自賠責保険の基準で定められている後遺障害慰謝料の金額は、決して十分なものとはいえません。

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護 1,650
(1,600)
2,800
2級・要介護1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998
(958)
2,370
3級861
(829)
1,990
4級737
(712)
1,670
5級618
(599)
1,400
6級512
(498)
1,180
7級419
(409)
1,000
8級331
(324)
830
9級249
(245)
690
10級190
(187)
550
11級136
(135)
420
12級94(93)290
13級57(57)180
14級32(32)110

※()内の金額は2020年3月までに発生した交通事故に適用
※慰謝料の単位:万円

例えば、後遺障害10級に認定された場合、弁護士基準の後遺障害慰謝料は550万円です。しかし、自賠責基準で計算すると、後遺障害慰謝料は190万円程度になるでしょう。同じ後遺障害等級であるのに、算定基準が異なれば約360万円も違ってしまいます。

加害者の保険会社から提案される金額をそのままうのみにしてはいけません。弁護士基準の算定に交渉することが重要です。

ポイントをおさえて、交通事故の後遺障害等級認定を目指しましょう。
また症状別に慰謝料の相場金額がいくらになるか知りたい方は『症状別の相場金額を網羅』の記事もご覧ください。

人身事故の慰謝料|死亡

適正な慰謝料相場は2,000万円~2,800万円

弁護士基準で死亡慰謝料を算定すると、2,000万円から2,800万円が相場です。

金額は、自賠責保険の基準・任意保険の基準・弁護士基準の3つで異なります。弁護士基準で算定するとき、死亡事故で受けとる慰謝料は最も高額になる可能性が高いです。

死亡慰謝料の決まり方や相場をみていきましょう。

人身事故の死亡慰謝料相場を3基準ごとに解説

死亡事故で請求できる慰謝料は、亡くなった被害者本人に対する死亡慰謝料と、遺族に対する近親者固有の慰謝料です。

人身事故による死亡慰謝料の相場は、弁護士基準で計算したとき、一家の支柱の死亡時に2,800万円、母親・配偶者の死亡時に2,500万円、独身の男女・子ども・幼児の死亡時に2,000万円~2,500万円が相場です。
この金額は弁護士基準で算定した場合の相場で、近親者・家族への慰謝料を含みます。

一家の支柱とは、経済的に家庭を支えていた人のことです。残された家族への影響の大きさから、一家の支柱に支払われる死亡慰謝料の相場が最も高くなります。

表:死亡慰謝料の比較

被害者自賠責弁護士
一家の支柱400(350)2,800
母親・配偶者400(350)2,500
独身の男女400(350)2,000~2,500
子ども400(350)2,000~2,500
幼児400(350)2,000~2,500
以下は該当する場合のみ
+ 遺族1名550
+ 遺族2名650
+ 遺族3名以上750
+ 被扶養者あり200

※慰謝料の単位:万円
※※遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)

注意

自賠責保険の基準については、人身事故発生日によって金額が変わります。
2020年3月31日までに発生した死亡事故については、()内に金額を記載しています。

交通事故の死亡慰謝料について、もっと詳しく知りたい方は関連記事『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』をお役立てください。

自賠責基準の死亡慰謝料

死亡した本人への慰謝料は400万円(法改正前:350万円)です。
さらに、死亡した本人への慰謝料とは別に、遺族の人数ごとに加算される慰謝料(近親者固有の慰謝料)が認められるほか、被害者に扶養者がいれば200万円が加算される仕組みがあります。

最も多くの死亡慰謝料がもらえる条件を満たす場合、自賠責保険の基準では1,350万円が支払われます。なお、1,350万円の内訳は、400万円+750万円+200万円です。

自賠責基準の死亡慰謝料の特徴は、近親者固有の慰謝料が別途設けられていることです。近親者固有の慰謝料は、近親者人数と扶養者の有無で変わります。

弁護士基準との違いは、被害者本人への慰謝料が低額に設定されていることです。また、被害者の属性(社会的立場)に応じた金額差は設けられていません。

任意保険基準の死亡慰謝料

任意保険会社ごとに、人身事故の慰謝料の支払い基準が異なります。
任意保険基準の詳しい支払い内容は、一般に公開されている情報ではありません。

これまでの傾向から、自賠責基準の死亡慰謝料と同じか、やや高くなる可能性はあります。しかし、弁護士基準の死亡慰謝料の金額には届きません。

人身事故の慰謝料を増額させる4つのポイント

(1)弁護士に依頼する

慰謝料の金額には、次の3つの基準があります。

  1. 自賠責保険の基準
  2. 任意保険の基準
  3. 弁護士基準

慰謝料の金額は、相手方の保険会社から提示されることが多いです。
そのときは、自賠責保険の基準か任意保険の基準で計算されています。

しかし、同じ事故であっても、弁護士基準で算定した金額が最も高額です。
相手方の保険会社から提示された金額から増額したいなら、弁護士に依頼して、弁護士基準での金額獲得を目指しましょう。

慰謝料相場の3基準比較

(2)後遺障害認定を適切に受ける

人身事故の慰謝料は3種類あります。

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

怪我によって入院・通院した被害者が対象となる慰謝料は、入通院慰謝料です。
そして、怪我が完治せずに後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を受けることで後遺障害慰謝料が支払われます。

どのような症状が後遺障害に該当するのかを知りたい方は『後遺障害等級の一覧表|認定基準と認定の流れ、具体的な症状がわかる』の記事における一覧表で確認してください。

また、後遺障害等級認定を受けると、逸失利益も請求可能です。
逸失利益とは、後遺障害が残ったことで労働能力が下がり、収入が減ってしまった分への補てんのことをいいます。

表:後遺障害有無による慰謝料の違い

後遺障害入通院慰謝料後遺障害慰謝料逸失利益
あり
なし××

逸失利益は、原則として67歳までの減収分を請求可能です。
逸失利益の具体的な健さん方法が知りたい方は『逸失利益の計算|後遺障害14級や12級の逸失利益はいくら?』の記事をご覧ください。

  • 被害者の年齢が若い
  • 人身事故前の収入が高い
  • 後遺障害が重い

逸失利益の金額が高額化する傾向にあります。

損害賠償全体の中で逸失利益が占める割合は高くなる傾向があるので、適正に受けとるべき損害項目です。

後遺障害認定をきちんと受けることで、後遺障害慰謝料・逸失利益を請求でき、トータルの損害賠償金が増えます。

注意

むちうちは、後遺障害等級認定を受けていても、67歳までの労働能力喪失期間が認められない可能性が高いです。

労働能力喪失期間は、後遺障害14級で5年、後遺障害12級で10年程度とされています。

後遺障害等級認定基準や、逸失利益の計算方法に関する詳細記事を紹介します。より深く知りたい方は、関連記事も併せてご覧ください。

(3)過失割合を十分に検討する

過失割合とは、事故に対する責任の度合いのことです。

過失割合は、人身事故の慰謝料をふくめ、損害賠償金額を決定する重要な項目です。

事故の状況図1

この事故は、適切に停車していたB車に対して、A車が後方から追突した状況を示しています。事故の責任はA車のみに認められ、A:B=100:0が基本の過失割合です。

過失割合が100:0のとき、人身事故で生じたすべての損害について、A車側に賠償の責任があります。

事故の状況図2

この事故は、信号機のない交差点で起こった自動車同士の事故をあらわしています。

A車は直進、B車は右折しようとして追突しました。直進車が優先のため、A:B=20:80が基本の過失割合となります。

人身事故で生じたすべての損害について、Aは20%、Bは80%責任を持たなくてはいけません。
この場合、Aにも責任があることがポイントです。
Aは400万円の損害が発生していても、Bからは400万円の80%しか損害賠償を支払われません。残りの80万円分は、ご自身の加入保険を使うなどして、自分でまかなう必要があります。
そればかりか、相手に生じた損害の20%を支払うことにもなるのです。

きちんとした過失割合を確定させることが、適正な損害賠償金の獲得への第一歩となるでしょう。

なお、交通事故の類型ごとに「基本の過失割合」があります。関連記事『交通事故の過失割合|決定の流れと事例集、保険会社との示談交渉で失敗しないコツ』を読むと、基本の過失割合がイラスト付きでわかります。過失割合に関する交渉のコツも紹介していますので、一度目を通すことをおすすめします。

(4)慰謝料が増額された事例

慰謝料は、精神的苦痛に対して支払われる金銭です。しかし、精神的苦痛は個人差があり、目には見えません。金銭的な価値に置き換えるには、共通の基準が必要といえます。

何を基準にして慰謝料の金額を決めるのかは次の通りです。

  • 入通院慰謝料:入院・通院にかかった時間の長さ
  • 後遺障害慰謝料:後遺障害の重さ、症状の程度
  • 死亡慰謝料:被害者の死亡が周囲におよぼす影響

こういった一定の目安を設けて、慰謝料の金額を算定するのが現在の方針です。

しかし、金額はあくまで目安に過ぎません。
一定の条件下で起きた人身事故は、慰謝料が増額される可能性があります。

事例(1)重傷により精神的苦痛が大きいと考えられるとき

弁護士基準の入通院慰謝料については、次のとおり増額の可能性に触れています。

生死が危ぶまれる状態が継続したとき,麻酔なしでの手術等極度の苦痛を被ったとき,手術を繰返したときなどは,入通院期間の長短にかかわらず別途増額を考慮する。

民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2020

弁護士基準の入通院慰謝料は、標準的には、算定表を用いましょう。
しかし、あくまで目安額であって、被害者自身が被った苦痛に応じて増額される可能性があります。

事例(2)加害者の故意もしくは重過失|2,800万円から4,000万円へ増額

次のような行為は、加害者の故意もしくは重過失と判断され、慰謝料が増額される可能性があるので、見落とさないようにしましょう。

  • 無免許運転
  • ひき逃げ
  • 酒酔い運転
  • 著しいスピード違反
  • 分かっててやった信号無視
  • 正常運転ができない状態での運転(薬物など)

裁判では、次のような判決となった事例があります。

2,800万円から4,000万円へ増額

増額の背景

  • 加害者は酒酔い運転だった
  • 逃走し約2.9kmも引きずり被害者を死亡させた

加害者のきわめて悪質な行為により、被害者の被った苦痛は相当なものであったと判断されました。また、被害者は30歳で、妻と子を残して突然命を奪われた無念さが考慮されました。

その結果、標準的な一家の支柱の死亡慰謝料は2,800万円ですが、4,000万円(本人分3,500万円、妻子各250万円)が認められたのです。

事例(3)加害者の著しく不誠実な態度|2,800万円から3,600万円へ増額

加害者による不誠実な態度も、増額の事由となりえます。
ひとつの事例をみてみましょう。

2,800万円から3,600万円へ増額

増額の背景

  • 加害者は酒酔い運転だった
  • 事故発生後の救助活動を一切しなかった
  • 保身のため捜査段階で事実と異なる供述をした

加害者のセンターラインオーバーが事故のきっかけとなったこと、事故後に携帯電話を掛けたり、小便をしたり、煙草を吸うなどして救助活動を一切しなかったこと、また、罪を逃れるために事実と異なる供述をしたことが、きわめて不誠実であると判断されました。

「相手が全然謝罪してこない」
「相手の態度が気に入らない」

加害者の態度が悪い、納得がいかないということについてご相談いただくことは多いです。しかし、すべてのケースで増額が認められるわけではありません。

まずは弁護士にお話を聞かせてください。内容をお伺いしたうえで、慰謝料の増額の見通しを伝えます。

人身事故の慰謝料の見積もりをしたい方はこちら

損害額をスピード査定|慰謝料の自動計算機あり

人身事故の慰謝料は、慰謝料計算機を使って算定すると簡単に分かります。
さらに、慰謝料計算機を使うと、休業損害・逸失利益などの、慰謝料以外のお金も一目瞭然です。

  • 相手方の保険会社から慰謝料額の提示を受けた人
  • 治療が終わって慰謝料の見積もりをしてみたい人

情報を入力するだけで、簡単に慰謝料の金額を算定できます。
結果は弁護士基準で表示されますので、増額交渉を検討している方は、目標金額に設定するのもオススメです。

また、アトム法律事務所では、人身事故の慰謝料に関するお問い合わせを受け付けています。お電話、LINE、メールの3つの方法から、ご都合の良い方法をお選びください。

人身事故の慰謝料をお見積りすることも可能です。
見積もりを確認していただいたうえで、弁護士と正式に契約をするかご検討ください。

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これまでにアトム法律事務所をご利用いただいた方のなかには、一度もご来所されることなく、増額を実現したケースもございます。

お仕事やご家庭の事情、そして怪我の具合もあるでしょう。どのように進めていけば良いか、弁護士がきちんとご案内しますので安心してください。

まとめ

  • 慰謝料は、原則、人身事故の場合に請求できる
  • 物損事故から人身事故へ切り替えることが可能
  • 人身事故の慰謝料算定の基準は3つあり、最も相場が高いのは弁護士基準
  • 慰謝料算定基準は目安であり、増額・減額は起こりうる

人身事故の慰謝料に関して、24時間・365日、無料相談予約を受け付けています。アトム法律事務所にお任せください。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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