高速道路でトラックに追突され死亡した事例
弁護士に依頼後...
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直近の統計では交通事故死者数(24時間以内)は2,547人(前年比-4.4%)でした(交通局交通企画課「令和7年中の交通事故死者数について」参照)。
死亡事故の被害者遺族(相続人)は、亡くなった被害者に代わって加害者側に対して賠償金(被害者の慰謝料、遺族固有の慰謝料、逸失利益、葬儀費用など)を請求できます。
ご遺族は悲しみのなか、即座に警察対応、死亡診断書・死亡届の提出、葬儀、保険請求、加害者への損害賠償請求等の手続きが必要です。
突然のことではかり知れないショックに襲われている中、初めての対応を進めていくのは大変なことですし、深い精神的苦痛に悩まされるケースも少なくありません。
そこで本記事では、交通事故でご家族が亡くなられたご遺族の方に向け、損害賠償請求のポイント、知っておくべき手続きについて、わかりやすく解説していきます。
目次
突然の交通事故で大切なご家族を亡くしたとき、遺族は深い悲しみと混乱のなかで、警察や病院への対応、葬儀の準備、保険や補償の手続き、加害者側とのやり取りなど、数多くの判断を迫られます。
しかし、何から始めればいいのか分からず、不安を感じる方も少なくありません。
死亡事故直後は、以下のような流れで、時系列に沿って対応していくことになります。
死亡直後の対応
もっと詳しく知りたい方は『死亡事故直後の対応と被害者家族が最初に知っておきたい全手順』の記事をご覧ください。
死亡事故で大切なご家族を亡くされた直後、ご遺族はさまざまな不安や悩みを一度に抱えることになります。
しかし、交通死亡事故のご遺族には、利用できる公的支援制度や相談窓口が数多く用意されています。
まずは、使える制度を知ることが第一歩です。ここでは、国土交通省が自賠責のポータルサイトで公開している資料『交通事故にあったときには』に掲載のある支援制度をご紹介します。
交通死亡事故のご遺族に対する経済的な支援制度には、以下のようなものがあります。
交通死亡事故の「遺児」に対する支援制度としては、以下のようなものがあります。
交通死亡事故のご遺族の精神的な負担は大きなものですが、遺族・遺児を精神的に支援する制度としては、以下のようなものがあります。
事故で突然ご家族を亡くされたあと、不眠や強い不安、事故の場面が頭から離れないといった症状が続くことがあります。
こうした心身の反応は、ご遺族にとって決して特別なことではありません。
無理に一人で抱え込まず、専門家や支援機関に頼ることが大切です。
同じ立場のご遺族同士が交流できる自助グループもありますので、利用できる支援は積極的に活用しましょう。交通事故の被害者同士の自助グループでは、情報交換、手記で気持ちをあらわす、交通安全を啓もうする講演会を開くといった活動も行われています。
交通死亡事故の賠償請求の相談については、以下のような窓口があります。
交通事故における損害賠償請求についてのお困りごとは、交通事故分野に強い弁護士への相談がおすすめです。
示談交渉は一度成立すると、原則としてやり直しはできないため、徹底的な交渉が重要です。
しかし、被害者の方が死亡した重大な事故にもかかわらず、加害者側が高圧的な態度で交渉してきたり、そもそも交渉のためとはいえ、加害者側の人と接すること自体がご遺族の苦痛の増大につながったりすることも珍しくありません。
ご遺族の負担を抑えながら後悔のない交渉をするために、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士を探す方法としては、インターネットで検索をする方法、弁護士会や日弁連交通事故相談センターといった公的相談窓口を活用する方法があげられます。
関連記事『本当に交通事故に強い弁護士の特徴と探し方|弁護士に依頼すべき理由も解説』では交通事故に注力する弁護士を探す方法を解説しているので、参考にしてみてください。
交通死亡事故では、加害者は刑事・行政・民事の3つの法的責任を負います。このうち、ご遺族が直接請求できるのは、損害賠償を求める「民事責任」です。
一方、刑事責任や行政責任ついては、ご遺族が加害者の責任を直接問うことはできません。ただし、刑事裁判への参加や処分を通じて、責任の所在が明らかになることで、ご遺族の気持ちの整理につながる場合もあります。
ここでは、交通死亡事故加害者の刑事責任、行政責任ついて簡単に触れておきます。
交通死亡事故で加害者になった場合、以下のような刑罰を受ける可能性があります。
| 過失運転致死罪(自動車運転処罰法5条) | 1月以上7年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金 |
| 危険運転致死罪(自動車運転処罰法2条柱書後段) | 1年以上20年以下の有期拘禁刑 |
刑事罰は、刑事裁判で決まりますが、被害者遺族には刑事裁判に参加する権利があります。
刑事裁判で、交通死亡事故のご遺族は以下のようなことができます。
なお、被害者参加制度を利用しなくても、訴訟記録を確認したり、被害者側としての心情を述べたりすることは可能です。
交通死亡事故の場合は、まず警察による現場検証と捜査が行われ、検察官に書類が送られます。
次に検察官が、集められた証拠をもとに起訴するかどうかを判断します。検察官が起訴した場合は、刑事裁判が行われ、加害者の刑事責任が問われることになります。
事故から裁判までの流れ
行政責任とは、免許の違反点数の加算とそれに伴う罰則のことです。
違反点数は基礎点数と付加点数の合計で決まります。基礎点数は道路交通法違反の内容に応じて変動しますが、付加点数は、死亡事故の場合20点です。
これは、基礎点数がいくらであれ、免許取り消しになる点数です。
交通事故で被害者が死亡した場合、事故後の損害賠償請求は、被害者に代わり「遺族」(法定相続人)が行います。
遺族の中でも誰がどのように損害賠償請求をするのか、受け取った賠償金はどのように分配するのかなどについて、見ていきましょう。
交通事故で死亡した被害者に代わり損害賠償請求ができるのは、遺族の中でも「相続人」にあたる人です。亡くなった方のご遺族のうち、配偶者は必ず「相続人」になります。ほかには、子どもや両親、兄弟姉妹なども相続人になる可能性があります。
相続人の選出方法
被害者に配偶者がいる場合、配偶者は必ず相続人となる。
そのうえで、以下のようにさらに相続人を選出する。
交通死亡事故の遺族がそれぞれ、どのくらい賠償請求ができるかについては、相続人間の協議で決めるか、法定相続分に従うことになります。
法定相続分については、以下のとおりです。
遺族の法定相続分
法定相続分とは、民法で定められた遺産相続の分割方法のこと。交通事故の損害賠償金でも、法定相続分の適用が可能。
たとえば、相続人が配偶者と2人の子どもだった場合は、配偶者が被害者分の損害賠償金の2分の1を、2人の子どもがそれぞれ4分の1ずつを受け取ることになります。
死亡事故における相続人の選出方法や遺産分割については、『交通事故の慰謝料を遺産分割できる相続人は?』の記事をご覧ください。
交通死亡事故における示談開始のタイミングは、四十九日を過ぎた頃が一般的です。相手方の任意保険会社から連絡が入り、示談案が送られてくることから始まります。
交通死亡事故の損害賠償請求の流れは以下のとおりです。
保険会社から連絡を受ける
葬儀が終わり、すべての損害が確定したら加害者側の任意保険会社から示談案の提示を受けます。
弁護士を立ててやり取りをおこなうことも可能です。
示談交渉を開始する
示談案の内容について、主に電話や書面(FAX・郵送)を通じて、適正な賠償額への増額交渉をおこないます。
示談書へ署名・捺印する
示談成立後、示談書が届くので署名・捺印して加害者側の任意保険会社に返送します。
示談金を受け取る
示談書を返送してから1~2週間程度で賠償金が支払われます。
なお、死亡慰謝料や逸失利益など、死亡に関する賠償金を請求する権利は、被害者の死亡翌日から5年で時効となります。
入通院慰謝料や休業損害、治療費など、ケガに関する費目は事故翌日から5年で請求の時効がくるため、それまでに損害賠償請求をしましょう。
なお、加害者が特定できず不明の場合は、事故から20年が時効になります。
損害賠償請求権の時効については、関連記事『交通事故の示談に期限はある?時効期間と時効の延長方法』で詳しく解説しています。
続いて、死亡事故の示談交渉時、遺族である相続人はどのような賠償金を請求していくべきなのか、解説します。
交通死亡事故で被害者遺族が受け取れる費目は、主に以下のとおりです。
交通死亡事故の賠償金内訳
それぞれの費目について、相場も合わせて詳しく解説します。
死亡慰謝料とは、交通事故で死亡した「被害者本人」と「被害者遺族」の精神的苦痛に対する補償のことです。
過去の判例に従った死亡慰謝料の相場(弁護士基準)は、ご遺族分の金額も含めて2,000万円~2,800万円です。
死亡慰謝料の相場表(弁護士基準)
| 被害者の立場 | 金額 |
|---|---|
| 一家の支柱 | 2,800万円 |
| 母親・配偶者 | 2,500万円 |
| その他の場合 | 2,000万円~2,500万円 |
なお、死亡慰謝料の支払い対象となるご遺族は、基本的には配偶者・両親(養父母)・子(養子)が原則です。ときに兄弟姉妹や内縁のパートナーも対象となります。
実際の被害者との関係性などによっても判断は変わるので、気になる場合は一度弁護士に問い合わせることをおすすめします。
加害者側から提示される死亡慰謝料の金額は、上で紹介したものより低額であることが多いです。
加害者側の保険会社は、過去の判例ではなく独自の基準に基づく慰謝料額を提示してくるからです。
例えば以下は、自賠責基準による死亡慰謝料です。
加害者側の任意保険会社は、この自賠責基準に近い金額を提示してくるでしょう。自賠責基準は、被害者救済のための最低限の補償を目的としているため、慰謝料も最低限となります。
自賠責基準の死亡慰謝料
自賠責基準に基づくと、死亡慰謝料は最大でも1,350万円です。
弁護士基準なら死亡慰謝料は最低でも2,000万円であり、大幅な差があることがわかります。
ただし、数百万円もの慰謝料増額は決して簡単ではありません。慰謝料を適正な金額にするには、弁護士を交えた示談交渉がおすすめです。
関連記事
死亡事故の慰謝料・賠償金の相場や平均は?示談の流れや保険金も解説
死亡逸失利益とは、被害者が死亡することで得られなくなった、将来的な収入に対する補償のことです。
死亡逸失利益については、事故にあう前の被害者の収入、年齢、家庭内でのお立場などを考慮した計算式を用いて算出します。
死亡逸失利益=基礎収入額 × (1 - 生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
もっとも死亡逸失利益については計算が複雑なので、以下の計算機からご確認ください。死亡慰謝料と合計した金額がわかります。
逸失利益の計算の仕組みについても知っておきたい方は、関連記事『交通事故の逸失利益は?計算式や早見表・計算機で解説【職業別の計算も】』をご確認ください。
交通事故でお亡くなりになった方が、死亡する前に治療を受けていた場合、ご遺族はその間発生した損害についても賠償請求が可能です。
具体的には、以下のような項目の賠償請求ができる可能性があります。
詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。
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葬儀費用とは、通夜・お葬式などに関する費用のことです。
お葬式などについては、一般的に加害者側に対して請求が認められる費目と、認められにくい費目があります。次のとおりです。
| 請求 | 費目 |
|---|---|
| 認められる | 通夜・葬儀 火葬 祭壇 墓石 位牌 |
| 認められにくい | 香典返し、引き出物代 遺体運送料 初七日法要など通夜・葬儀以外の法要費用 |
通夜・葬儀、火葬、祭壇、墓石、位牌といった葬儀費用については、加害者側への請求が可能です。基本的に、葬儀費用は150万円程度を上限として実費請求できます(弁護士基準)。
加害者側との交渉次第では150万円より低い金額しか補償されない可能性もありますが、金額の正当性を証明できれば、150万円以上の金額が補償されることも十分ありえるでしょう。
一方、香典返し・引き出物代・遺体運送料などは、葬儀費用として加害者側に請求できない可能性が高いです。交渉により加害者側への請求が認められた事例のある費目もありますが、少なくともご遺族による示談交渉では請求は難しいとお考えください。
いずれにせよ、葬儀費用については実費での請求となるので、領収書は捨てずにすべて保管しておきましょう。
関連記事
交通事故の葬儀費用はいくら請求できる?葬儀費用の範囲と請求のポイント
葬儀費用は、お葬式前には受け取れません。
一般的には四十九日が過ぎてから示談交渉をして、その後に葬儀費用をはじめとする賠償金が支払われます。
しかし、突然のことでなるべく早く葬儀費用などを請求したいという場合もあるでしょう。
そうした場合は、被害者請求や仮渡金の請求、内払い金の請求などを検討してみてください。
示談金の一部を早く受け取る方法
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| 被害者請求 | 損害賠償金の一部を、示談成立前に加害者側の自賠責保険会社に請求する方法。 |
| 仮渡金 | 被害に応じた金額を加害者側の自賠責保険会社に請求する方法。死亡事故は290万円。 |
| 内払い金 | 示談成立前に加害者側の任意保険会社に請求する方法。 |
それぞれで特徴や手続きの方法が違います。ただし、いずれも「最終的に受け取る損害賠償金」からは差し引かれる、前払いのようなものと考えておきましょう。
なお、自賠責保険(被害者請求)の時効については、以下のとおりになります。
| 傷害(入院費、入通院慰謝料など) | 事故発生の翌日から3年以内 |
| 死亡(死亡慰謝料・逸失利益) | 死亡日の翌日から3年以内 |
※自賠責保険・共済ポータルサイト「支払までの流れと請求方法」『請求期限について』
被害者請求についてもっと詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
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交通死亡事故の示談交渉では、賠償金額だけではなく過失割合についても揉める可能性があります。
過失割合
交通事故が起きた責任が、加害者と被害者それぞれにどれくらいあるのか割合で示したもの。
自身についた過失割合分、受け取れる損害賠償金が減額される。
【例】
死亡事故の損害賠償金が本来3,000万円だったとしても、被害者側に10%の過失割合が付けば、実際に受け取れる金額は10%減額されて2,700万円になる。
死亡事故のように賠償金が高額になりやすいケースでは特に、過失割合が少しつくだけでも賠償金額が大きく変動します。
よって加害者側も、過失割合についてシビアな交渉をしてくることが予想されます。
そのうえ、過失割合は事故時の状況から算定しますが、死亡事故では被害者の方は亡くなっておられ、事故時のことをよく知らないご遺族が交渉にあたることになるでしょう。
こうしたことから、死亡事故では過失割合の交渉において、被害者側が不利になりがちです。不適切な過失割合により不当に大きな減額をされてしまわないよう、以下のように対策することがポイントです。
過失割合の交渉対策
ただし、ご遺族の方だけでは十分な状況確認・証拠収集は難しいことが多いです。
また、過失割合は細かい事故状況まで考慮して、柔軟に計算されるものです。事故状況が明らかであっても、そこからどのような過失割合を適切とするかについて揉める可能性もあります。
そのため、専門家である弁護士への事前相談も重要です。
関連記事では交通死亡事故で不当な過失割合で終わらせないためのポイントを説明しますので、あわせてお読みください。
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ご家族が交通事故に遭い、亡くなった場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
死亡事故はその他の人身事故と違い、事故後の流れや損害賠償請求、受け取った損害賠償金の分割など複雑な点が多いです。
また、大きなショックを受けたばかりのご遺族が、被害者本人に代わってさまざまな手続きをするのは非常に大変です。弁護士に相談しその後の手続きを一任すれば、心身の負担も軽減できますしご家族を送り出すことにも専念できるでしょう。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
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