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交通事故の慰謝料請求方法と請求書の書き方|正しい相場と計算方法も解説

更新日:

交通事故慰謝料 請求方法

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の被害者は、加害者側に慰謝料や賠償金を請求します。しかし、実際には具体的に何をしたらいいのか、請求できる慰謝料にはどんなものがあるのか、よくわからない方も多いでしょう。

本記事では、慰謝料請求の道筋がはっきり見えていない方にもわかりやすいように、慰謝料請求のために知っておくべきことをまとめています。

この記事を読んで、適正な慰謝料額や慰謝料が増額されるケース、慰謝料請求の方法・ポイントをつかみましょう。
弁護士相談の無料窓口も案内もしていますので、弁護士に相談したいという方も最後までご確認ください。

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交通事故の慰謝料請求の流れ

慰謝料請求から受け取りまでの流れ

交通事故の慰謝料を得るためには、治療や後遺障害等級認定などを経て加害者側と示談交渉することが必要です。
交通事故の慰謝料請求の流れは次のようになります。

示談金の受け取りまでの流れ

それぞれの段階でのポイントは次の通りです。

事故発生警察への届け出を怠ると、罰則がある
ケガがないと思っても病院へ行くべき
入通院治療通院頻度や治療費打ち切りに要注意
後遺障害申請2種類の申請方法のうち、適切な方法を選ぶことが重要
示談交渉加害者側の任意保険会社と対等に交渉することが重要
時効に注意

示談交渉の相手や時効については、後ほど本記事内でも解説しますので、興味のある方は読み進めてください。

各段階でするべきこと、気を付けるべきことについて解説した記事をまとめました。より理解を深めたいという方はご活用ください。

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慰謝料を受けとるタイミング

慰謝料は示談金の一部として示談後に支払われます。示談成立から慰謝料の受け取りまでは約2週間ほどかかる見込みです。

しかし、加害者側との示談交渉がなかなか進まなかったり、後遺障害が残った場合などはそもそも示談交渉を始めることすらできない場合もあります。つまり、慰謝料がいつもらえるか目途が立たないケースもあるのです。

加害者側の自賠責保険会社に直接請求することで、示談前に慰謝料を受けとる被害者請求」では、示談より前に慰謝料を受けとることができます。

もっとも、請求できる金額は自賠責保険の支払基準内です。たとえば、入通院慰謝料(傷害慰謝料)は、治療費や通院交通費などの治療にかかった損害として合計120万円までになります。自賠責保険の支払基準を超える金額については、加害者側の自賠責保険会社には請求できません。

慰謝料の支払い時期や被害者請求について詳しく知りたい方は、関連記事をお役立てください。

慰謝料請求の方法と請求書作成の注意点

被害者請求のフローと必要書類

交通事故の慰謝料を請求する方法は、大きく2つに分かれます。

  • 加害者側の任意保険会社に請求する方法
  • 加害者側の自賠責保険会社に請求する方法

加害者側の任意保険会社に請求する方法は、示談交渉を通して金額を決めて、示談を結んだ後に示談金の一部としてまとめて受けとる流れです。
示談がまとまらないと、被害者の元に慰謝料が振り込まれることはありません。

一方、加害者側の自賠責保険会社に請求する方法であれば、示談より前に慰謝料を受けとることができます。この方法を被害者請求といいます。

被害者請求のステップは次の通りです。

  1. 加害者側の任意保険会社に被害者請求することを伝える
  2. 被害者請求に必要な書類を用意する
  3. 加害者側の自賠責保険会社に書類を提出する
  4. 加害者側の自賠責保険会社が書類を確認して被害者に保険金を支払う

被害者請求に必要な書類は、原則として次のものになります。

必要書類発行者・作成者
支払請求書請求者
請求者の印鑑証明書市区町村役場
交通事故証明書自動車安全運転センター
事故発生状況報告書運転者、被害者など
診断書医師
診療報酬明細書医療機関
通院交通費明細書請求者
死亡診断書または死体検案書*医師
省略の無い戸籍謄本*市区町村役場

*死亡事故の場合に必要

この他にも、仕事を休んだ場合には「休業損害証明書」、後遺障害申請をするなら「後遺障害診断書」など、必要に応じた損害立証証明書が必要です。

被害者請求の手続きをしたくても、これだけの書類を集めるのは大変でしょう。弁護士であれば、被害者請求手続きのサポートが可能です。

弁護士であれば、被害者の損害を証明するために、どんな書類をどうやって入手するかわかっています。弁護士のアドバイスがあれば、被害者請求の負担は相当軽減可能です。

請求書を作成する時の注意点

請求書に記載するべきものは、慰謝料ではなく「損害賠償金」です。
慰謝料は賠償金のうちの一種にすぎないので、被害者請求するには、まず請求するべき金銭を明らかにしていきましょう。一般的な交通事故で請求する損害賠償金の項目は以下の通りです。

損害賠償金の内訳

治療費、休業損害、通院交通費、入通院慰謝料、逸失利益、後遺障害慰謝料 など

治療費は、加害者側の任意保険会社が直接病院に支払っている場合が多いでしょう。その場合、治療費に関してはすでに損害賠償を受けていることになり、被害者請求の対象とはなりません。

請求書は、加害者側の自賠責保険会社から書式を入手できます。しかし、被害者自身で「何を請求できるのか」は知っておきましょう。

交通事故の慰謝料請求の注意点3つ

(1)交通事故の慰謝料請求には時効がある

交通事故の慰謝料請求には時効があり、時効を過ぎると加害者に対して慰謝料や賠償金を請求する権利を失います。そのため、時効前に示談を成立させなければなりません。

ここで、「後遺症なしの人身事故」「後遺症ありの人身事故」「死亡事故」の慰謝料請求の時効と慰謝料請求にかかる一般的な期間を紹介します。

慰謝料請求にかかる一般的な期間と時効を見比べると、基本的には時間に余裕があることがわかります。しかし、中には時効成立までに示談を成立させることが難しい場合もあります。

時効までに示談が成立しそうにない場合には時効の完成を阻止することもできますので、弁護士にご相談ください。

後遺症なしの人身事故の時効

損害賠償請求権の消滅時効:事故日から5年
※2017年4月1日以降に発生した交通事故の場合

慰謝料請求にかかる一般的な期間

治療終了~示談開始1ヶ月程度
示談開始~示談成立1~2ヶ月程度
示談成立~示談金振り込み2週間程度

治療終了から示談開始まで1ヶ月程度かかるのは、示談前に加害者側の任意保険会社が診断書や診療報酬明細書などを取り寄せて示談金を計算するからです。

後遺障害ありの人身事故の時効

損害賠償請求権の消滅時効:症状固定から5年
※2017年4月1日以降に発生した交通事故の場合

慰謝料請求にかかる一般的な期間

症状固定~後遺障害等級認定1~3ヶ月程度
後遺障害等級認定~示談開始1ヶ月程度
示談開始~示談成立1~2ヶ月程度
示談成立~示談金振り込み2週間程度

後遺障害等級認定の結果は、多くの場合1~3ヶ月程度で通知されます。ただし、高次脳機能障害など等級の判断が難しい場合は、審査に数ヶ月~数年かかることもあります。

死亡事故の事故

損害賠償請求権の消滅時効:死亡日から5年
※2017年4月1日以降に発生した交通事故の場合

慰謝料請求にかかる一般的な期間

死亡~示談開始2ヶ月程度
示談開始~示談成立1~2ヶ月程度
示談成立~示談金振り込み2週間程度

示談交渉は葬儀や通夜が終わった時点で開始できますが、多くの場合、四十九日が過ぎてから始められます。そのため、死亡~示談開始までが2ヶ月程度となっています。

(2)慰謝料は交渉次第で低額にも高額にもなる

交通事故の慰謝料には3つの金額基準があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準

3つの金額基準については後ほど詳しく説明しますが、3つの金額基準を慰謝料計算に用いると、それぞれ慰謝料額に大きな差が出るのです。自賠責基準と任意保険基準の金額は同程度で、弁護士基準だけが突出して高額になります。

加害者側の任意保険会社が提示する任意保険基準に近い金額になるのか、任意保険基準よりも大幅に高額な弁護士基準に近い金額になるのかは、示談交渉次第です。

示談交渉は、慰謝料の金額を決定において重要な意味をもちます。

(3)示談の相手は交渉のプロである

示談交渉は、基本的に加害者側の任意保険会社を相手に行います。
加害者側の任意保険会社の担当者は、仕事として交通事故の示談交渉を数多く経験してきたプロで、知識もテクニックも豊富です。

交渉を優位に進めるためにあえて被害者に不愛想に接したり、被害者からの質問に詳しく答えなかったりすることもあります。

その結果、加害者側の任意保険会社の対応にストレスと感じる、交渉がうまくいかない、という被害者も多いです。

加害者側の任意保険会社の担当者と対等に交渉をし、主張を通すためには、弁護士に示談交渉を代理してもらうこともご検討ください。

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交通事故で請求できる慰謝料とは?

慰謝料は肉体的・精神的苦痛に対する補償

交通事故の慰謝料とは、「交通事故によって被害者が受けた肉体的・精神的苦痛に対する補償」のための金銭です。

慰謝料は交通事故の賠償金の一部であり、交通事故の被害者は慰謝料以外にも次の賠償金を加害者側に請求できます。

  • 入院・通院関係費(治療費、入院費、通院交通費、介護費など)
  • 休業損害
  • 後遺障害逸失利益
  • 死亡逸失利益

交通事故の慰謝料にはどんな種類と特徴があるのかをみていきましょう。

請求できる慰謝料の種類は3つ

交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。

(1)入通院慰謝料

入通院慰謝料は、交通事故による入通院で被害者が受けた肉体的・精神的苦痛に対する補償として支払われる金銭です。傷害慰謝料ともいい、交通事故によって受傷していれば、後遺障害の有無に関係なく加害者側に請求できます。

  • 治療や手術が怖い、苦しい
  • 痛みやケガによる不自由さ
  • 入通院による時間や行動範囲の制限
  • 治るのかな?後遺症が残ったらどうしよう…といった不安

交通事故後の入院や通院で感じた苦痛・不安は、入通院慰謝料として加害者側に補償を請求しましょう。

(2)後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故により後遺障害が残ったことで将来にわたって受け続ける精神的苦痛に対する補償です。
後遺障害慰謝料については、「後遺症が残れば必ず請求できるというわけではない」という点に注意してください。

後遺障害慰謝料と聞いた時、「後遺障害」と「後遺症」の違いが気になった方もいるでしょう。後遺障害と後遺症の違いは重要なポイントです。

まず、後遺障害と後遺症の違いを確認してみましょう。

後遺症交通事故によるケガが完治せずに残った症状のこと
後遺障害後遺症のうち「後遺障害等級」が認定された症状のこと

後遺障害慰謝料は、交通事故によって「後遺障害」が残った場合のみ受け取ることができます。
つまり、交通事故により後遺症が残り、その後遺症に対して後遺障害等級が認定された場合のみ、後遺障害慰謝料を受け取れるのです。

後遺障害等級認定されるためには、後遺障害認定申請をして、審査を受けなければなりません。審査の受け方や症状別の慰謝料相場金額については、以下の記事を参考にしてみてください。

(3)死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故によって死亡した被害者とその遺族の精神的苦痛に対する補償のことです。
交通事故の被害者だけではなく、その遺族も支払いの対象となる点が、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料と大きく違います。

なお、遺族とは、親(養父母含む)、配偶者、子(養子含む)のことです。

兄弟姉妹や内縁の妻でも、親や配偶者、子と同じくらい被害者と関係性が強く、その悲しみも深いと認められれば、死亡慰謝料の対象になります。

物損事故では慰謝料がもらえない!理由は?

交通事故の慰謝料は、人身事故の場合のみ加害者側に請求できます。
これは、交通事故の慰謝料が「被害者の身体の損傷に伴って生じた肉体的・精神的苦痛に対する補償」だからです。

物損事故でも愛車が壊れると精神的苦痛を感じます。しかし、被害者の身体の損傷とはいえません。そのため、残念ながら物損事故では慰謝料が請求できないのです。

交通事故の慰謝料は基本的に課税されない

交通事故の慰謝料に対して税金がかかることは原則としてありません。このことは、所得税法9条によって定められています。

ただし、次の場合には税金がかかるので注意してください。

所得税過剰な慰謝料
賠償以外の目的の見舞金
本来経費に計上できるもの
相続税示談後に被害者の方が亡くなった場合の慰謝料・賠償金

また、損害賠償金としての性格を持たない死亡保険金に対しては、次のように税金がかかります。

契約者=受取人所得税
契約者=被保険者相続税
契約者≠被保険者≠受取人贈与税

受け取った慰謝料や賠償金に税金がかかるという場合は、税金の種類に応じて次のように納税しましょう。

所得税方法:確定申告
期間:課税対象となる収入を得た翌年の2月16日から3月15日まで
相続税方法:被相続人の住所地の所轄税務署に申告・納税
期間:相続の開始があったことを知った日翌日から10か月以内
贈与税方法:被相続人の住所地の所轄税務署に申告・納税
期間:贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで

交通事故の慰謝料相場・計算方法は?

慰謝料計算機なら請求すべき金額がすぐわかる

交通事故の慰謝料相場は、慰謝料計算機で簡単に計算できます。
慰謝料計算機でわかる「弁護士基準」の慰謝料は、相場が最も高額になる計算方法です。

慰謝料計算機の結果よりも加害者側の提示額が低い場合は、弁護士に依頼することで増額できる可能性があります。

事故前の収入について

この計算機では、慰謝料の他にも逸失利益の金額を知ることができます。逸失利益の金額を知りたい方は、事故前の収入、年齢などの必要情報を入力してください。

なお、金銭的な収入は得ていなくても、家事労働をしている主婦・主夫には逸失利益が認められます。事故前収入は3,880,000円(全年齢平均給与額から算出・令和元年の場合)と入力してください。

3つの金額基準と計算方法

交通事故の慰謝料には3つの金額基準があり、どの基準を計算に採用するかで金額は大きく変わります。実際の慰謝料額は、3つの基準による金額を参考にして示談交渉で決めていくものです。

では、3つの金額基準がそれぞれどのようなものなのかをご紹介します。

自賠責基準交通事故の被害者が受け取れる最低限の金額基準
任意保険基準示談交渉で加害者側の任意保険会社が提示してくる金額基準
計算方法は各保険会社ごとに決められている
弁護士基準示談交渉で被害者側弁護士が主張できる金額基準
過去の判例をもとにしているため、裁判基準とも呼ばれる

3つの基準による慰謝料額の大小関係は、次のようになっています。

慰謝料金額相場の3基準比較

自賠責基準と任意保険基準の金額はそれほど変わらず、弁護士基準だけが突出して高額です。
こんなに違うなら、弁護士基準の金額を獲得したい!」と思うでしょう。

弁護士基準に近い金額を獲得する方法として、弁護士への示談交渉依頼をおすすめしています。
なぜ弁護士に依頼すると良いのかについては、本記事の「慰謝料請求を弁護士に相談するメリットは?」を参考にしてください。

ここからは、慰謝料の計算方法を詳しく解説します。
ただし、任意保険基準の計算方法は残念ながら非公開なので、金額が近い自賠責基準の計算結果を参考にしてください。

入通院慰謝料の計算方法

入通院慰謝料は、自賠責基準では計算式、弁護士基準では「入通院慰謝料算定表」という表を用いて計算します。
一見難しそうに見えるかもしれませんが、それほど難しくはありませんので、ゆっくりみていきましょう。

自賠責基準での計算方法

自賠責基準では、次の計算式によって入通院慰謝料の金額を算出します。

4300円×入通院日数
※入通院日数は、次のうち少ない方を採用
・入院日数+通院期間
・入院日数+実通院日数×2
※2020年3月31日以前の事故については、日額4200円

たとえば入院7日間、実通院日数35日間、通院期間60日だった場合を想定しましょう。
まず、入通院日数を検討します。

  • 入院日数+通院期間=7日+60日=67日
  • 入院日数+実通院日数×2=7日+35日×2=77日

この場合、67日の方が少ないため入通院日数は67日として計算してください。
入通院慰謝料は4300円×67日で、28万8100円となります。

弁護士基準での計算方法

弁護士基準の場合は、「入通院慰謝料算定表」という表をもとに金額を算出します。

表は、軽傷用と重傷用の2種類を使いわけてください。レントゲン写真やMRI画像といったいわゆる「他覚所見」に異常が写る場合は重傷用、写らない場合は軽傷用を使いましょう。

通院月数と入院月数の交わるところが入通院慰謝料の金額です。

重傷用

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

軽傷用

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

通院が1ヶ月と10日のように「端数」がある場合は、表をもとに別途計算をしなければなりません。

ただ、その計算は少々複雑になってしまいます。上で紹介した計算機に入院日数や通院日数を入力する方が早く正確に計算できますので、活用してください。

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級に応じて決められています。
自賠責基準の金額と弁護士基準の金額は、下表でまとめている通りです。

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護1,650
(1,600)
2,800
2級・要介護1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998 (958)2,370
3級861 (829)1,990
4級737 (712)1,670
5級618 (599)1,400
6級512 (498)1,180
7級419 (409)1,000
8級331 (324)830
9級249 (245)690
10級190 (187)550
11級136 (135)420
12級94 (93)290
13級57 (57)180
14級32 (32)110

単位:万円
*()内は2020年3月31日以前の事故の場合

同じ等級でも、自賠責基準なのか弁護士基準なのかによって最大1000万円以上も違いがあることがわかります。並べてみると、その差は一目瞭然です。

死亡慰謝料の計算方法

死亡慰謝料の金額の計算方法も、自賠責基準と弁護士基準で異なります。それぞれみていきましょう。

自賠責基準での計算方法

自賠責基準の場合、死亡した被害者本人に対する死亡慰謝料は400万円となります。(2020年3月31日以前の事故については、350万円)

遺族に対する金額は、人数に応じて次のとおりです。

遺族扶養家族無し扶養家族あり
1人550万円750万円
2人650万円850万円
3人以上750万円950万円

たとえば、被害者に扶養内の遺族が2人いた場合、死亡慰謝料は400万円+850万円で1250万円となります。

弁護士基準での計算方法

弁護士基準の場合は、基本的には遺族の人数は関係ありません。被害者が生前家族内でどのような立場にあったかによって金額が変わるのです。

被害者死亡慰謝料
一家の支柱2,800万円
母親・配偶者2,500万円
独身者・子供2,000万円~2,500万円

ただし、一家の支柱の場合、扶養家族が4人以上いる場合は上記の金額よりも死亡慰謝料が高額になる可能性があります。

慰謝料が相場より増額・減額されることがある

交通事故の慰謝料が増額できる場合5選

次のような疑問を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

  • 加害者に反省の色が見えないから、もっと慰謝料請求したい!
  • 一時は命が危ない状態にあったのだから、相場よりも増額してもらわないと納得いかない!
  • 事故のせいで留年したり、内定取り消しを受けたりしたけれど、この損害はどう請求したらいいの?

交通事故の慰謝料は、事情に応じて柔軟に増額できる場合があります。どのような場合に慰謝料を増額させられるのかをみていきましょう。

ただし、実際に増額ができるかどうかは示談交渉次第であること、増額できるケースはここでご紹介するもの以外にもあることをご留意ください。

(1)加害者の態度が悪い

  • 加害者に反省の色が見えない
  • 被害者を挑発してくる
  • 不誠実な態度をとる
  • 悪質な態度が事故の被害を拡大させた

加害者の態度によって被害者の苦痛が増大したとして、慰謝料の増額が認められる可能性があります。

(2)交通事故にあったことで離婚・破談になった

交通事故をきっかけに被害者が離婚したり、婚約が破談になったりした場合、その精神的苦痛を考慮して慰謝料が増額される可能性があります。

ただし、離婚・破談を理由とした慰謝料の増額請求では、離婚や破談の原因が本当に交通事故にあるのかが争点です。

(3)交通事故により失職した

交通事故で失職してしまった場合は、退職後でも休業損害が認められます。認められる休業損害は、次のうち短い期間分です。

  • 次の就職先が見つかるまでの期間
  • 再就職先が見使えるまでの期間として妥当な期間

ただし、退職後も休業損害を受け取るためには、「会社都合」で退職する必要があります。自分から退職願などを提出すると「自己都合」での退職とされてしまいますので、気を付けましょう。

(4)交通事故により留年した・入学が遅れた

治療のために入学が遅れた、留年したという場合は、新たに生じた学費や教材費を加害者側に請求できる場合があります。

また、遅れを取り戻すために塾への通学や家庭教師が必要になった場合も同様です。費用を請求できる可能性がありますので、弁護士への相談をおすすめします。

(5)交通事故により内定取りが取り消された・就職が遅れた

交通事故によるケガで就職が遅れたり、内定が取り消された場合は、本来なら就職していたはずの日から治療終了時までの期間に対して休業損害が支払われる可能性があります。

実際の裁判例をみてみましょう。

就職が内定していた修士課程後期在学生(男・事故時27歳)につき、事故により就職内定が取り消され症状固定まで就業できなかった場合に、就職予定日から症状固定まで2年6カ月余の間、就職内定先からの回答による給与推定額を基礎に、955万円余を認めた(名古屋地判平14.9.20 交民35・5・1225)

『損害賠償額算定基準上巻(基準編)2019』(日弁連交通事故相談センター東京支部)

専門学生(男・事故時18歳、右目失明・外貌醜状等で併合5級)につき、事故がなければ翌々年4月から就労開始予定であったとして、(略)就労開始予定時から症状固定までの約40月分、989万円余を認めた(大阪地判平24.7.30 交民45・4・933)

『損害賠償額算定基準上巻(基準編)2019』(日弁連交通事故相談センター東京支部)

交通事故の慰謝料が減額される場合3選

交通事故の慰謝料は事情を反映して増額されることがある一方、減額されてしまうこともあります。
どのような場合に減額されてしまう可能性があるのかを確認して、思い当たる部分があれば弁護士に早めに相談してください。

また、慰謝料が減額されるケースはこの記事で紹介する事由だけではありません。些細なことと思わず、不安なことはぜひ弁護士に相談してください。

(1)身体的素因があった

身体的素因による減額とは、被害者が元々持っていた疾患が原因で損害が発生・拡大した場合に、賠償金を減額することです。具体的な事例を挙げてみます

  • 元々腰痛持ちだったが交通事故により腰痛が悪化した
  • 以前にも事故にあってケガをしたことがあり、今回の事故で同じ症状が再発した

上記のような場合、腰痛や以前の事故によるケガが「身体的素因」とされます。
このような身体的素因がなければもう少し被害は小さかったかもしれないと考えると、事故による被害のすべてを加害者のせいだとは言い切れなくなります。

そのため、慰謝料が減額される可能性があるのです。

ただし、老化による自然な身体的要因、元々の身体的特徴(首が長いなど)は、身体的素因減額の対象とはなりません。
身体的素因と身体的特徴の区別は難しく、裁判にもなった事例があるため、不安な方は弁護士に相談することをおすすめです。

(2)心因的素因があった

心因的素因減額とは、被害者の性格・自発的意欲の欠如 ・賠償神経症(賠償金を多く得たいという願望からくる神経症 )など、被害者の心理的な要因が損害の発生・拡大を招いた場合に、賠償金を減額することです。

それぞれの心因的素因を、もう少し具体的な形に落とし込んでみます。

心因的素因具体例
被害者の性格一般的な被害者以上にケガの症状に敏感、神経質
自発的意欲の欠如ケガの回復に対する意欲が見られない、治療に消極的
賠償神経症賠償金を多く得たいという願望から、実際よりも症状が重いと思い込んでいる

特別な理由なく通院回数が異常に少なかったり、実際の症状と自覚症状との差が大きかったりすると、心因的素因減額が適用される可能性があるので、注意してください。

(3)過失割合がついた

過失割合とは、交通事故が起きた責任が被害者と加害者それぞれにどれくらいあるのかを割合で示したものです。
被害者にも過失割合がつくと、基本的にその割合分、慰謝料・賠償金が減額されます。この考え方は、過失相殺というものです。

交通事故では、たとえ被害者であっても過失割合がつくことは珍しくありません。しかし、加害者側の任意保険会社が提示する過失割合は被害者分が多めに見積もられている可能性があります。

そのため、加害者側の任意保険会社のいうことを鵜呑みにするのは危険です。

交通事故の慰謝料請求は弁護士にお任せ

慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

交通事故の慰謝料が早くもらえる

交通事故の慰謝料は、基本的に示談成立後に振り込まれます。
そのため、示談が長引くとその分慰謝料獲得が遅くなるのです。

しかし弁護士が示談交渉を代行すると交渉がスムーズに進むため、より早く慰謝料を受け取れる可能性が高まります。

また、もし示談交渉が長引いた場合でも、示談成立前にお金を受け取る被疑者請求についてアドバイスを受けられるため、少しでも早くお金を受け取りたいという方は、弁護士に交渉を依頼することがおすすめです。

慰謝料額がアップする

弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士基準での金額を主張することができます。弁護士基準の金額は高額であるため、被害者自身が主張しても聞き入れてもらえる可能性が非常に低いのです。

また、被害者自身が交渉をするよりも弁護士が交渉をする方が加害者側の任意保険会社の態度が軟化する傾向にあります。

そのため、より高い金額で示談が成立する可能性が高いのです。

ストレス・不安から解放される

弁護士に示談交渉を依頼すると、被害者は加害者側の任意保険会社とやり取りする必要がなくなります。
また、示談交渉の進み具合や加害者側の主張については、弁護士がわかりやすく報告・解説するので、安心です。

そのため、不愛想な加害者側の任意保険会社に悩まされることも、よく理解できないまま示談が進んでしまう不安もなくなります。

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96万円から288万円への増額

傷病名足小指骨折
後遺障害の内容足小指の神経症状
後遺障害等級14級9号

441万円から2153万円への増額

傷病名足首骨折
後遺障害の内容足首の可動域制限
後遺障害等級10級11号

アトム法律事務所には、どれくらいの慰謝料・賠償金額が妥当なのか、加害者側の任意保険会社の提示額にはどれくらいの増額の余地があるのかといったご相談も多数寄せられています。

まずはお気軽にご相談ください。

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アトム法律事務所では、90%以上のご依頼者様にご満足いただいています。
弁護士への相談は初めてで緊張されている方や、難しい状況にあり悩んでいる方のお力にならえるよう、弁護士・事務員一同努めております。

相談のお電話・LINEには無料でお応えしておりますので、まずはゆっくりお話をお聞かせください。

最後に、実際にご依頼者様から頂いた声をご紹介します。

契約前にも親切にアドバイス頂き、頼むことにしました。先生はとても話やすく、事故に強い先生だったので、思っていたより金額が出てびっくりしました。

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納得のいかない点、判らない点を1つ1つ整理して下さり、手順を追って、それぞれ電話・メール・fax・手紙等で丁寧に対応してくださいました。…こちらの法律事務所と弁護士さんの対応は、とても身近に感じ有難かったです。

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提示された金額が適正なのかどうか分からず話だけでもと思い、法律事務所に相談することにしました。結果、納得できずにいた問題もすっきり解決して頂き示談金は3倍にもなりました。アトム法律事務所はわかりやすく説明をしてくださり、相談料も明確で安心ができました。

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いくつかの法律事務所に相談したところ、電話受付の方の親切、丁寧で押し付けてくることがなかった事がきっかけとなりアトム法律事務所にお世話になることを決めました。

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まとめ

交通事故の慰謝料請求の流れや慰謝料額について解説してきました。実際にどのような点が考慮されて慰謝料の増額・減額につながるかは、弁護士に相談しなければわかりません。
慰謝料請求の負担を減らし、納得のいく慰謝料額を得るためにも、ぜひ弁護士にご相談ください。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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