示談トラブルでお悩みの方へ|解決法を弁護士が教えます!
本記事は、なぜ示談がトラブルになるのか、トラブルはどう対処していくべきかといった疑問が解決できる内容となっています。
示談でトラブルが発生してどうしたらいいかわからない場合や、示談でのトラブルが心配な場合はぜひ最後まで確認してみてください。
示談でトラブルになりやすい10ケース
(1)車と自転車の交通事故である場合
車と自転車の事故の場合、以下ような理由からもめる可能性があります。
- 参考にできる過去の判例が少ない
示談交渉では過失割合について、事故状況や過去の判例を参考にしながら決めます。
しかし、車と自転車の事故は自動車事故と比べて過去の判例が少ないため、もめる可能性があります。 - 損害賠償金が高額になりやすい
損害賠償金が高額になる場合、示談交渉はシビアなものになりがちです。車と自転車の事故の場合は、自転車側が重傷を負いやすく、その分損害賠償金も高額になりやすいので、交渉がスムーズに進まない可能性があります。
なお、自身が自転車側である場合・自動車側である場合を別々にみると、次のような理由によるトラブルも考えられます。
自身が自転車側である場合
- 保険に入っていない場合はトラブルになりやすい
- 自転車保険に入っていない場合は、相手方任意保険会社と自分自身で示談交渉しなければなりません。
任意保険会社は交渉のプロであり、経験も知識も豊富なので、交渉の主導権を握られることが予想されます。 - 相手方から請求された損害賠償金はすべて被害者自身で支払わなければならず、支払いに苦しむ可能性があります。
- 自転車保険に入っていない場合は、相手方任意保険会社と自分自身で示談交渉しなければなりません。
自身が自動車側である場合
- 相手(自転車)が無保険である可能性が高い
自転車保険は自動車保険より加入率が低いため、相手が保険に入っていない場合があります。
この場合、損害賠償金は相手本人が支払うことになるので、資力によっては示談金の振り込みがきちんとされないなどのトラブルが起こりえます。 - 後遺障害の認定機関がない
事故相手が自動車の場合は、後遺障害認定は専門機関がおこないます。
しかし、相手が自転車の場合は後遺障害の認定機関が存在しないので、後遺障害の有無や障害の重さに関して相手方ともめてしまうことが予想されます。
関連記事『車と自転車の事故|過失割合と慰謝料相場は?おかしいと思ったら要確認』では、車と自転車の事故における複数の過失割合のパターンや注意点を詳しく解説しています。
自動車同士の事故とは異なる注意点も多いので、よく確認しておくことをおすすめします。
(2)交通事故でむちうちになった場合
交通事故で負ったケガがむちうちである場合は、以下の点からトラブルが起こりやすいです。
- 事故の数日後から症状が出ることも多い
初診が遅れると、事故とむちうちとの関連性がわかりにくくなり、治療費や慰謝料についてもめる可能性があります。 - 整骨院で施術を受ける場合もある
整骨院は厳密には病院ではないので、いくつかのポイントをおさえたうえで通院しなければ、治療費や慰謝料の請求に支障が出る可能性があります。 - 治療費の打ち切りを打診されることがある
むちうちの場合は治療期間が3ヶ月を超えるころに治療費を打ち切られる可能性があります。適切に対処しなければ、請求できる慰謝料の金額・種類に支障が出る恐れがあります。
交通事故でむちうちを負った場合に考えられる注意点と対処法については、『交通事故によるむちうち(外傷性頚部症候群)の症状や治療期間|慰謝料も解説』で詳しく解説しています。
(3)整骨院で治療を受けた場合
上でも解説しましたが、交通事故によるケガの治療で整骨院へ通った場合には、治療費や慰謝料について示談でトラブルになる可能性があります。
整骨院は厳密には病院ではないため、整骨院での施術はその有効性や必要性、事故との関連性が疑われやすいのです。
よって、整骨院で施術を受ける場合には、以下の3点を守ることが重要です。
- まずは病院で診察・検査を受ける
- 病院の医師に整骨院通院の許可をもらう
- 整骨院通院が始まっても、病院へも通う
整骨院へ行く前に読みたい
(4)通院日数が少ない場合
通院日数が少ないと、以下の点から相手方が慰謝料や治療費の減額を主張してきて、トラブルになる可能性があります。
- 治療が長引いたり、後遺症が残ったりしたのは、治療に消極的だった被害者の責任なのではないか
- 少ない日数でよかったということは、必ずしも治療が必要ではなかったのではないか
たしかに、治療期間が短いと慰謝料はその分少なくなりますし、通院頻度が低い場合には慰謝料が減額される可能性があります。
しかし、医師から自宅療養の指示を受けたために通院日数が少なくなっていたなど、適切な理由がある場合は事情を考慮してもらうべきです。
ただし、適切な理由を主張してもどの程度相手方が考慮してくれるかは交渉次第です。
事情があって通院日数が短くなっている場合には、一度弁護士に相談しておいた方が良いでしょう。
通院日数が少ない人必見
通院日数が少ない場合でも交通事故の慰謝料を適正額で獲得する方法
(5)リハビリをした場合
リハビリをした場合も、慰謝料やリハビリ費用は支払われます。
ただし、以下の点に気を付けていないと、示談交渉の際にトラブルになる可能性があります。
- 転院する場合は事前に相手方保険会社に伝える
- 整骨院へは病院の医師の許可を得て、病院への通院と並行しながら通う
- リハビリの頻度・内容に要注意
- リハビリ中に治療費を打ち切られる可能性がある
なお、リハビリ期間に対して慰謝料や費用が支払われるのは、原則として後遺症が残ったことを意味する「症状固定」までです。
後遺症を悪化させないためにリハビリが必要など、適切な理由がある場合は症状固定後もリハビリ費用などを請求できる可能性がありますが、あくまでも示談交渉次第となります。
リハビリする場合は要チェック
交通事故の慰謝料はリハビリでももらえる!計算方法と通院の注意点7つ
(6)治療費の打ち切りを打診された場合
治療がまだ必要なのに、相手方保険会社から治療費打ち切りを宣告された場合には、打ち切り延長を求めるか、治療費を立て替えながら最後まで治療を続けることが重要です。
しかし、この場合には以下のようなトラブルが予想されます。
- 治療費打ち切りの延長交渉に応じてもらえない
- 立て替えた治療費を示談交渉の際に請求しても、十分に支払ってもらえない
上記のトラブルを防ぐためには、打ち切り延長交渉で医師や弁護士の協力を仰ぐ、自身の保険をうまく活用する、示談交渉で弁護士を立てるといった対策が必要です。
最後まで治療を続けるべき理由
治療費打ち切りに対する具体的な対処法、治療費打ち切り後も治療を続けるべき理由を解説しています。
(7)自営業者や主婦、学生が休業損害を請求する場合
交通事故のケガによって仕事ができず収入が減ると、休業損害を請求できます。
休業損害は、サラリーマンのような給与所得者はもちろん、自営業者や専業主婦、一部の学生でも請求可能です。
ただし、自営業者、専業主婦、学生については以下の点で、休業損害をめぐってトラブルになる可能性があります。
- 自営業者
- 確定申告していない場合や過少申告している場合は、実際の所得を証明しにくい
- 勤怠管理が明確でない場合は休業日数を証明しにくい
- 赤字経営や夫婦での自営業の場合は計算が複雑になる
- その他、経営状況や収入などの実態に応じた事情が考慮されるかどうかは交渉次第となる
- もっと詳しく:交通事故の慰謝料・個人事業主編
- 専業主婦
- 休業日数を証明しにくい
- 基礎収入を低く見積もられがち
- もっと詳しく:主婦の交通事故|慰謝料が計算機ですぐ計算できる
- 学生
- 就職遅れなどによる休業損害は、基礎収入を低く見積もられる可能性がある
- 示談の際、休業損害の請求の可否が問題になる場合がある
- もっと詳しく:学生(大学生・中高生)の交通事故慰謝料は?計算方法や相場を解説
(8)双方が主張する示談金額が違う場合
示談金額は基本的に、相手方保険会社が計算して提示してくれますが、提示額は低めに算定されていることが多いです。
よって、妥当な金額を得るためには被害者側が増額交渉をしなければなりません。
しかし、相手方保険会社は少しでも示談金額を低くしたいので、多くの場合簡単には増額を受け入れてくれません。
よって、示談金を低く抑えたい加害者側と、妥当な金額まで引き上げたい被害者側とで主張が平行線となり、トラブルになることが考えられます。
十分な金額を得るためには?
交通事故の示談金相場は?計算方法や増額させるコツ、交渉の注意点を解説
(9)双方が主張する過失割合が違う場合
過失割合は最終的に受け取れる示談金の金額に影響するため、もめがちです。
過失割合とは?
交通事故が起きた責任が、加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したもの。
事故時の状況をもとに決められる。
自身についた過失割合分、受け取れる示談金が減額される。(過失相殺)
相手が主張する過失割合に納得いかない場合はまず、以下のどちらのケースに当てはまるのかを考えてみましょう。
- 相手の主張する事故状況が間違っているため、過失割合に納得いかない
- 相手の主張する事故状況は合っているが、それに対する過失割合が間違っているため納得いかない
上記のどちらに該当するかによって、交渉時のアプローチ方法や提示すべき資料が違ってきます。▶交通事故の過失割合に納得いかない・おかしい!ゴネ得を許さず割合を変更
なお、過失割合を正しく算定するためには、専門的な知識を持ち、過去の事例に精通している必要があります。
よって、まずは弁護士に正しい過失割合を算定してもらうことも重要です。
(10)示談成立後に新たな損害・問題が発覚した場合
示談成立後に新たな損害や問題が発覚し、再度損害賠償請求や交渉をしたいと思っても、原則としてできません。
以下の場合には例外的に再交渉できる可能性もありますが、相手方が再交渉に応じようとせず、トラブルになることも予想されます。
- 示談当時予想しえなかった損害が発覚した場合
- 示談内容が公序良俗に反する場合
- 示談を成立させる意思がなかった(心裡留保)場合
- 示談の前提や重要な事実について誤った理解をしたまま示談した場合
- 脅迫・詐欺により示談が成立した場合
よって、上記に該当し再交渉を望む場合は、弁護士に相談しましょう。
再交渉できるケースを詳しく
示談後、撤回や追加請求は可能?後遺障害があとから発覚したら?
示談でトラブルになるとどうなるか
低額な示談金しかもらえない可能性が高まる
示談交渉でトラブルになり、相手方保険会社と意見が対立した場合、低額な示談金しか得られない可能性が高まります。
示談交渉の経験・知識は、被害者よりも相手方保険会社の方が圧倒的に豊富です。
そんな相手と示談でトラブルになった場合、どうしても被害者側が不利になってしまい、相手の主張する示談金額・過失割合で示談が成立しがちなのです。
以下の計算機では、示談金の中でも特に増額の余地が大きい慰謝料・逸失利益の相場が簡単にわかります。
すでに相手方から示談金額の提示を受けている場合は、相手方の主張通りに示談が成立するとどれくらい損になるのか、確認してみてください。
心身の負担が増大し、時効も迫ってくる
示談でトラブルになれば、当然示談成立までの期間が長引きます。
すると、次のようなデメリットが生じてきます。
- 被害者側の精神的な負担が大きくなる
- 示談交渉は仕事や家事と並行しておこなわれるため、体力的な負担も大きくなる
- 損害賠償請求権*の消滅時効が迫ってくる
- *相手に損害賠償金を請求する権利の時効。時効が成立すると、損害賠償金の請求ができない。
はじめは納得がいくまで粘り強く交渉しようと思っていても、精神的・体力的な負担が増えてきたり、損害賠償請求権の消滅時効が迫ってきたりすると、最終的には妥協した内容で合意せざるを得なくなりがちです。
時効の成立については延長する方法もありますが、手間がかかるため、早く納得のいく内容で示談を成立させるに越したことはありません。
こちらを要チェック
示談交渉の平均的な期間や、損害賠償請求権の消滅時効が成立するタイミングは、知っておくべきポイントです。▶交通事故の示談が長引く原因5つ&対処法
示談金の支払いが遅れ、固定支出などに困る
示談金は基本的に示談成立後に支払われるので、トラブルによって示談が長引けば、その分示談金の受け取りも遅くなってしまいます。
すると、以下のような点から金銭的に困ってしまう可能性があります。
- 交通事故後の休業による減収がなかなか補償されない中でも、家賃など固定支出は生じる
- 車の修理費や、後遺障害に対応するためのリフォーム代・器具購入費など、被害者側で立て替えたお金がなかなか戻って来ず、家計の打撃となる
- 上記の状態で、子供の学費・修学旅行代の支払い、親族の冠婚葬祭などが重なったりすると、さらに家計の負担となる
なお、以下のような対応をとれば、ある程度まとまったお金を早めに受け取れます。
早くお金をもらう方法
- 毎月休業損害の請求手続きをする
- 相手方の自賠責保険に被害者請求や仮渡金請求する
- 相手方の任意保険に内払いや任意一括対応をしてもらう
- 自身の任意保険を活用する
詳しい手続き方法▶交通事故の慰謝料はいつもらえる?誰が払う?支払い期間を早める方法
トラブル回避の示談術
トラブルの原因となりうる人ごとに対策を確認
示談でトラブルを回避するには、示談に関わる人に合わせた対策を確認することがポイントです。
示談のトラブルと言っても、起こりうるトラブルは原因となる人によって異なるからです。
とくに以下の人々は示談トラブルの原因となる可能性がありますが、それぞれで起こりうるトラブルも対処法も違います。
- 加害者本人
- 加害者側の保険会社
- 被害者側の保険会社
- 被害者が立てた弁護士
よって、トラブルの原因となりえる人ごとに、起こりうるトラブルと対処法を確認しておくことが重要です。
さっそく確認
加害者本人、加害者側の保険会社、被害者側の保険会社、被害者側の弁護士それぞれが原因となって起こりうるトラブルと、その対処法を解説しています。▶交通事故で示談が進まないときどうする?原因と対処法まとめ
必要書類・主張を裏付ける証拠を揃える
示談交渉をスムーズに進めるためには、まず必要書類をもれなく用意しておくことが重要です。
漏れがあると、示談金を正しく計算できなかったり、損害賠償請求のための事務手続きが滞ったりするからです。
示談での必要書類
- 交通事故証明書、事故発生状況報告書、実況見分調書
- 診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書
- 休業損害証明書、給与明細書、源泉徴収票、確定申告書の控え
- 交通費などの領収書
- 車の修理費用見積書、損壊した車の写真
加えて、ドライブレコーダー映像や目撃者の証言、後遺障害が日常生活にどう影響しているかを記した「日常生活報告書」なども用意しておくと、事故時の状況やケガ・後遺障害の程度などについてもめたときに役立ちます。
各書類の取り寄せ方はこちら
交通事故の解決に示談が必要な理由は?示談の必要書類・流れ・注意点
トラブルを回避する示談書の書き方をする
示談成立後のトラブルは、示談書の書き方に注意することで回避しましょう。
示談書は多くの場合、相手方保険会社が作成して送ってきますが、署名・捺印する前に次の内容に漏れ・間違いがないか確認してください。
- 交通事故当事者に関する情報
- 事故の詳細に関する情報
- 示談条件
- 示談金額、既払い金額
- 支払い方法、支払い期限
- 支払い遅滞時の違約金
- 留保条項
- 後から損害が発覚した場合は、別途協議する旨
- 清算条項
- 原則として互いにこれ以上の損害賠償請求はしない旨
- 署名・捺印
示談成立後のトラブルを防ぐために特に重要なのは、留保条件です。
あとから損害が発覚した場合でも、留保条件を明記しておけば、それを根拠に相手に再交渉を求められるからです。
なお、留保条項を明記したとしても、示談成立後の再交渉が認められるのはあくまでも例外的なケースです。
示談書の内容がこれで良いのか不安な場合は、署名・捺印する前に迷わず弁護士に相談しましょう。
示談書の内容はここからチェック
示談書の内容の他、示談書に記載された示談金を確実に支払ってもらう方法も解説しています。▶交通事故の示談書の書き方と記載事項!テンプレート付きで注意点も解説
事前に弁護士に相談し、アドバイスをもらう
示談でのトラブルを回避する一番の方法は、弁護士に相談することです。
弁護士は法律の専門家であり示談交渉のプロなので、状況を見てこの先起こりそうなトラブルを予測できます。
また、トラブルに発展した場合には速やかかつ効果的に対応することが可能ですし、他にも次のようなメリットがあります。
弁護士に相談するメリット
- 被害者では実現が難しい、慰謝料の大幅増額が期待できる▶弁護士への依頼で増額した実例5選
- 休業損害や過失割合の交渉も成功しやすい
- 弁護士を立てると相手方保険会社の態度が軟化しやすい
- 示談交渉のストレスを軽減できる
弁護士への相談を迷っているなら読みたい▶交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?
相談できる法律事務所を探してる場合には、以下の点からアトム法律事務所も検討してみてください。
- 着手金が原則無料なので、示談金獲得前に支払う弁護士費用は0円。
- 無料相談のみの利用もOK。
- 無理に委任契約を迫ることはないので安心。
相談は、病院での初診~示談成立までの間であればいつでも可能ですが、幅広いアドバイス・サポートを望む場合は、早めの相談をおすすめします。
示談がトラブルになった時の対処法
弁護士に相談する/弁護士を変更する
示談が始まってからでも、弁護士に相談・依頼することは可能です。
示談開始後にトラブルが発生した場合は、自分自身で何とか対処しようとしている間にすっかり相手に有利な状況になってしまうリスクがあります。
また、対処法を誤ると、より一層巻き返しが厳しくなる可能性もあるので、示談交渉中に困ったことが出てきた場合は、速やかに弁護士に相談してください。
すでに弁護士に依頼している場合
すでに弁護士に委任しているのに示談交渉が進まない等のトラブルを感じている場合は、弁護士の変更を検討しましょう。変更する際の手順は以下の通りです。
- 他の弁護士にセカンドオピニオンをとる
- 弁護士変更を現在の弁護士に通知
- 弁護士変更を保険会社に通知
- 新しい弁護士と契約する
- 弁護士間で引継ぎをおこなってもらう
変更前の弁護士に支払った着手金は返却されない等の注意点があるので、弁護士を変更する際は留意しておきましょう。
詳しい手続きの流れと弁護士探しのコツ▶交通事故の弁護士は変更できる!変更方法と注意点。やる気ないは解約理由になる?
調停で解決を図る
交通事故の損害賠償問題を解決するにあたって、示談だけでなく「調停」という方法もあります。
調停とは、裁判官と調停委員に第三者として仲立ちをしてもらい、話し合いによって問題解決を試みる手段です。
裁判ほど費用がかからない点や利用条件がない点などがメリットですが、以下のような注意点もあります。
- 裁判官や調停委員はあくまでも第三者として仲立ちをするので、常に被害者の側に立ってくれるわけではない
- 最終的には双方の合意が必要なので、相手が合意しなければ問題は解決しない
- 相手が調停の期日に欠席した場合、調停は不成立となってしまう
示談ではなく民事調停で交通事故の解決を目指すときは、『交通事故の民事調停|示談・裁判との違いはどこにある?手続きの流れを弁護士が紹介』の記事をご参考ください。
ここで紹介した以外のメリット・デメリットや特徴もあるので、示談での解決が難しい場合には確認してみてください。
裁判で解決を図る
示談が決裂し、調停等を利用しても紛争が解決に至らなかった場合、民事裁判を起こして法廷で争うことになります。
裁判に勝利すると、裁判基準での支払いを受けられる・遅延損害金の支払いを受けられる・相手の合意がなくても紛争が解決されるといったメリットが期待できます。
一方、時間がかかる・費用がかかる・立証の手間がかかる・敗訴のリスクがある等のデメリットがあることも理解し、裁判を利用するかどうか検討する必要があります。
裁判を考えているなら必見
弁護士費用が心配な方へ
弁護士費用の相場|注意すべきは費用倒れ
弁護士費用は各弁護士事務所ごとに差があるのでここでは具体的な相場額は省きますが、主な内訳は次の通りです。
- 相談料
- 着手金
- 日当
- 実費(交通費・収入印紙・通信費)
- 成功報酬
各費目の具体的な相場額、アトム法律事務所の弁護士費用はこちら▶交通事故の弁護士費用相場はいくら?
なお、弁護士費用について注意すべき点として「費用倒れ」があります。
費用倒れとは、弁護士に依頼したことによる示談金の増額幅よりも弁護士費用の方が高額になり、「弁護士に依頼することで、かえって手元に入るお金が減ってしまった」という状態になることです。
ただし、実際には弁護士費用を差し引いてもなお、弁護士を立てた方が多くのお金が手元に入ったということも多いです。
また、委任契約前の法律相談で獲得が見込める示談金額を試算してもらえば、弁護士費用と照らし合わせて費用倒れのリスクを確認できるので、まずは法律相談を利用してみましょう。
詳しくはこちら
費用倒れになるボーダーラインや、費用倒れになりやすいケースを解説しています。
弁護士費用の負担を減らす3つの方法
実は、弁護士費用の負担は以下の方法によって減らすことができます。
- 弁護士費用特約を利用する
自身の保険の弁護士費用特約を使えば、弁護士費用を保険会社に負担してもらえる。よって、弁護士費用を自己負担しなくて済む▶交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介 - 相談料・着手金無料の事務所を選ぶ
相談料や着手金が無料なら、示談金獲得前に支払う費用がなくなるので、すぐに大きなお金が用意できなくても安心。 - 司法書士に依頼をする
弁護士よりも司法書士の方が費用が安い。ただし、司法書士にできる依頼については制限も多く、弁護士の方が幅広い内容に対応できる。▶交通事故は弁護士か司法書士のどちらに相談?
弁護士費用の負担が減れば、おのずと費用倒れのリスクも下がります。
アトム法律事務所の無料相談のお申込みはこちら
アトム法律事務所では、交通事故でケガをした方への無料法律相談を実施しています。
無料法律相談の利用にあたっては、まずご予約をお取りください。ご予約窓口は年中無休でつながります。
アトム法律事務所とは
- 交通事故の被害者に向けて、無料の法律相談を実施中
- 電話またはLINEのためその場で相談を始められる
- 交通事故の多くのノウハウをもつ弁護士が在籍
- 全国の交通事故に対応しています
- 弁護士費用に関するお問い合わせにも明確にお答え
- 原則着手金無料、具体的には弁護士がご説明します
- 弁護士費用特約の有無を教えて頂けるとよりスムーズです
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了