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交通事故で示談が進まないときどうする?原因と対処法まとめ

更新日:

交通事故 示談が進まない

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故にあい、慰謝料や損害賠償金が欲しいのに示談がなかなか進まないことでお悩みではないでしょうか。

そもそもなぜ示談が進まないという事態が起こるのか、その原因と対処法も考えてみましょう。

この記事は、交通事故の示談が進まないことにお悩みの方示談が進まない原因をお知りになりたい方示談を進ませるための対処法をお知りになりたい方にむけて書かれています。

目次

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交通事故の示談が進まないとどうなる?

交通事故において、示談が進まないとどのような悪影響があるのか、解説していきます。
単になかなか慰謝料がもらえなくなるというだけではなく、慰謝料の請求ができなくなってしまう可能性もあるので、しっかりチェックしていきましょう。

示談が進まないと慰謝料が貰えない

交通事故における慰謝料や損害賠償金は、示談をした際の条件に従って支払われます。よって、示談が進まないということは、損害賠償金が受け取れないということを意味します。

交通事故の示談とは

交通事故の当事者間の話し合いにより、裁判などをせずに条件を定めて紛争を解決すること

一般的な交通事故ではほとんどの場合、当事者間の話し合いである示談で損害賠償額が決められます。
慰謝料を含む損害賠償金は基本的に示談成立後に支払われるので、示談が進まなければ損害賠償金は受け取れません。

交通事故の示談とは何か、どのようなことを決め、どのように進めていくのかを知りたい方は関連記事にて詳しく解説中です。

示談が進まないと損害賠償請求の時効が成立する

交通事故の示談が進まないことによる最も大きな問題は、損害賠償金が受け取れないだけでなく、損害賠償請求をする権利の時効が成立してしまうことです。

時効が成立すると、治療費や慰謝料、車の修理費など、交通事故から生じた損害の賠償請求をすることが出来なくなります。

よって、示談は時効が成立するまでに示談を締結する必要があるのです。

それぞれ、交通事故の被害ごとの時効期間は以下の通りです。

損害の例時効期間
車の修理費事故発生日の翌日から3年
(怪我が完治した場合)
治療費・休業損害・入通院慰謝料
事故発生日の翌日から5年
(後遺障害が残った場合)
後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益
症状固定日*の翌日から5年
(死亡した場合)
死亡慰謝料・死亡逸失利益・葬儀費
死亡した日の翌日から5年
*これ以上治療しても良くも悪くもならない時点

たとえば、交通事故による治療費を請求する場合は、交通事故発生日から5年以内に示談を締結するか、時効の完成猶予・中断を叶える方法をとる必要があります。

時効の完成猶予・中断については、『交通事故被害者が知っておくべき2020年4月1日以降の変更点5選』の中で解説しています。

交通事故の示談の流れを確認しておこう

示談が長引く原因は何なのかを見ていくにあたり、先に示談の流れを確認しておきましょう。

一般的な事故発生~示談に至るまでの流れは、以下のようになっています。

交通事故の示談金を受け取るまでの流れ

交通事故の示談交渉は、けがの入通院治療や後遺障害の等級申請が終わってから始まります。

「示談交渉」の流れをさらに詳しくみていくと、以下の通りです。

  1. 相手方の保険会社から示談の条件が提示される
  2. 提示された条件に納得したのであれば署名・押印
  3. 示談成立

もし提示された金額に納得がいかなかった場合は、以下のような流れとなります。

  1. 相手方の保険会社から示談の条件が提示される
  2. 提示された条件に納得いかないのであれば自身の希望額を請求書で示す
  3. 相手方と電話や書面で金額について交渉する
  4. 最終的に条件に納得すれば署名・押印して示談成立
  5. 示談が成立しなければ訴訟などの措置を取る

原則として示談金の提示は書面でなされますが、保険会社によっては担当者から電話がかかってくることもあります。

基本的には、後から言った・言わないを防ぐために具体的な示談条件は書面で残しておくべきです。

それでは、示談交渉が進まなくなっている原因とその対処法を考えてみましょう。

加害者本人に示談が進まない原因がある場合と対処法

示談が進まない原因が加害者本人にあるケースを解説していきます。
加害者に原因があり示談が進まない場合でも、適切な対処法をとれば解決できる可能性があるので、対処法も確認していきましょう。

(1)加害者が任意保険未加入・無保険

交通事故の加害者が任意保険に加入していなかったり、加入していた自賠責保険が期限切れになっていたりと保険への加入が十分でない場合、示談が円滑に進まない恐れがあります。

通常、交通事故で被害者に生じた損害への賠償は、加害者が加入している保険会社が支払ってくれます。
基本的には、一定までの金額を加害者の自賠責保険が、それを超える部分を加害者の任意保険が支払います。

しかし、相手方が任意保険に加入していない場合には、自賠責保険から補償される分を超える損害を加害者個人に請求しなくてはなりません。加害者が自賠責保険にも加入していない場合は、損害の全額を、加害者本人請求する必要があるのです。

この場合、加害者は示談交渉にて示談金額をごく低く抑えようとする、またはそもそも示談交渉を開始しようとしないなどといった態度をとり、示談が順調に進まなくなる傾向があります。

自賠責保険とはどんなものか、あるいは、相手方が無保険だった場合に取るべき対応に関しては、関連記事を役立ててください。

(2)加害者が任意保険に連絡をしていない

仮に加害者が任意保険に加入していても、交通事故があったことを加害者自身の保険会社に知らせていないために、そもそも示談交渉が始まらないことがあります。

一般的に、交通事故加害者として損害賠償のために保険を利用すると、保険の等級が下がり、次年度以降の保険料が割高になります。

交通事故を起こした場合には保険会社に対する連絡義あ務がありますが、等級が下がるのを恐れるあまりにその連絡を怠っており、相手方保険会社がそもそも交通事故の事実を知らない、という場合があるのです。

(3)加害者が示談交渉に応じない・無視してくる

保険会社への加入状況とは無関係に、加害者が交渉をなあなあにしたまま逃げ切ろうと思っていたり、示談金が支払えそうに無いため意図的に連絡を無視していることもあります。
そうなると、そもそも示談交渉が始めらないので、示談を進められなくなります。

加害者に原因がある場合の対処法は5つ

以上のような加害者本人に示談が長引いている原因がある場合、対処法としては以下のようなものが考えられます。

加害者に原因がある場合の対処法

  • 交通事故現場で加害者の加入保険を確認しておく
  • 加害者に内容証明郵便を送る
  • 加害者の自賠責保険会社に被害者請求する
  • 自身の保険会社に保険金を請求する
  • 政府補償事業を活用する

それぞれ、どのような手続きを行うのか見てみましょう。

交通事故現場で加害者の加入保険を確認しておく

こんな場合に有効

  1. 加害者が任意保険未加入・無保険
  2. 加害者が任意保険に連絡をしていない
  3. 加害者が示談交渉に応じない・無視してくる

前提として、交通事故現場で相手の自賠責保険証明書・任意保険の保険証券などを確認し、相手方がどの種類の保険に加入しているのかチェックしておくことが重要です。

加害者やその保険会社からの連絡が無い場合、時には被害者自ら連絡をする必要があるためです。

自賠責保険証明書は、運転時に携帯することが義務づけられています。

現場で確認できなかった場合は、「交通事故証明書」に相手方自賠責保険会社が記されているので、そちらで確認をすることが有効です。

交通事故証明書の入手方法については『交通事故証明書は何に使う?記載内容は?申請方法を知れば被害者でも入手可能』の記事を確認してください。

加害者に内容証明郵便で請求書を送る

こんな場合に有効

  1. 加害者が任意保険未加入・無保険
  2. 加害者が示談交渉に応じない・無視してくる

内容証明郵便とは、いつ・いかなる内容を・誰宛に送ったかについて、郵便局が証明を行ってくれる郵便を指します。

加害者本人と直接交渉を行う場合、形式が厳格な内容証明郵便にて損害賠償請求書を送れば、大したことがないと思って交渉を放置していた加害者の意識を改めさせることができます。

また、請求書を内容証明郵便の形で送っておけば、「被害者側は確かに損害賠償を加害者に請求した」ということを証明できるので、その後の交渉あるいは訴訟で役立つこともあるのです。

実際の内容証明郵便は、送る請求書とそのコピー・封筒を用意して郵便局で規定の料金を支払えば送ることができます。

加害者の自賠責保険会社に被害者請求する

こんな場合に有効

  • 加害者が、自賠責県には入っているが任意保険は未加入

加害者が任意保険に加入していない場合、加害者の自賠責保険会社に被害者請求をすることが有効です。

被害者請求とは

交通事故の被害者自ら、加害者の自賠責保険会社に対して保険金の請求を行う手続き

実際問題として、加害者が任意保険に加入していないような場合には、資力のない加害者から十分な補償を受けることは困難です。

その場合は加害者側の自賠責保険会社に、自賠責保険分の保険金を直接請求する必要があります。

原則として、自賠責保険からの保険金は以下の流れで支払われます。

  1. 加害者が被害者に損害賠償をする
  2. 加害者が支払った金額ぶんの保険金を自賠責保険会社に請求する

ですがこれでは、そもそも最初に加害者が被害者に対して損害賠償金の支払いを行わなければ、被害者は保険金が受け取れないことになります。

そこで、被害者が加害者を介さずとも自ら加害者側の自賠責保険会社に保険金の支払いを請求できる制度が、被害者請求なのです。

なお、被害者請求には以下の2つの注意点があります。

被害者請求の注意点

  • 被害者側で用意する書類が膨大になる
  • 自賠責保険の支払いには限度額がある

まず、「被害者側で用意する書類が膨大になる」ことについて、具体的には以下のような書類が必要となります。

  • 保険金請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 医師の診断書
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 付添看護自認書
  • 休業損害証明書、確定申告書など
  • (後遺障害が残ったとき)後遺障害診断書
  • (死亡したとき)戸籍謄本

他にも、請求する費目の種類によって必要となる書類は異なりますので、相手方自賠責保険会社に確認をとるか、手続き自体を弁護士に一任してしまうのがよいでしょう。

2つ目の「自賠責保険の支払いには限度額がある」ことについてですが、具体的には以下の上限があるので、自賠責保険の保険金だけでは十分な補償とは言えない可能性に注意しなければなりません。

被害者の損害補償の限度額
傷害120万円
後遺障害75万円~4000万円*
死亡3000万円
*後遺障害等級による

例えば、後遺障害の残らない傷害事件においては、治療費や慰謝料などすべて込みで120万円までしか受け取ることができません。

もしも120万円をこえる損害が発生していたときは、120万円を超える額は加害者に直接請求していくことになります。詳しくは関連記事『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説』をご覧ください。

どんな症状が後遺障害等級認定されるのかについては『後遺障害等級の一覧表|症状別の具体的な認定基準と認定の流れがわかる』の一覧表で確認可能です。

加害者の自賠責会社に仮渡金を請求する

こんな場合に有効

  • 加害者が任意保険未加入・無保険

上記の被害者請求の一環として、当面の治療費や生活費が早急に欲しいという場合には仮渡金として、一回に限り損害賠償の一部を受け取ることができます。

受け取れる金額は、死亡事故の場合290万円・傷害事故の場合その重さや入通院日数に応じて40万円・20万円・5万円となっています。

自身の保険会社に保険金を請求する

こんな場合に有効

  • 加害者が任意保険未加入・無保険

相手方が示談を進めてくれない場合、相手方保険会社からではなく、自身の加入している保険会社から保険金を受け取ることもできます。

身体・精神への損害人身傷害保険
搭乗者傷害保険
物への損害車両保険

それぞれの補償限度額や支払い条件は、各種保険会社によって異なります。

基本的な保険に加えて特約への加入が必要であること・保険を利用することで翌年から等級がダウンしてしまうことに注意が必要です。

以下の記事では人身傷害保険をメインに、人身傷害保険と搭乗者傷害保険・車両保険との違いを解説しています。
より有効に保険を活用するために、ぜひご確認ください。

関連記事

人身傷害補償特約の補償内容と必要性

その他の保険、政府補償事業を活用する

こんな場合に有効

  • 加害者が無保険

相手方が無保険であったり、加害者が誰かわからないひき逃げ事故の場合、最終的な救済として政府が損害を填補する政府補償事業の制度があります。

ただし、支払い基準は自賠責保険に準じるため支払い上限があること・健康保険や労災保険などの社会保険からの給付はすべて差し引かれることに注意が必要です。

各保険会社の窓口に対し、請求書類を提出したうえで填補額が決定されます。

加害者の保険会社に示談が進まない原因がある場合

加害者が任意保険に加入している場合、基本的には加害者側の保険会社の担当者が示談交渉の相手方となります。

実際のところ、示談が進んでいないときに相手方保険会社で手続きが滞っているパターンは非常に多いのが実情です。
また、加害者側の任意保険会社との示談交渉でもめてしまったがために、示談が進まなくなるケースも多いので、見ていきましょう。

(1)担当者の示談対応が遅れている

保険会社の担当者は、会社の規模や時期にもよりますが一人あたり100件近くの案件を抱えていることもあります。

そのため、大したことのない事故だと思われたような場合では、損害の計算・金額の提示などの手続きが遅れていることもあります。

(2)過失割合などで争いがおこっている

示談交渉にあたって、最終的な支払い額が大きく変わるような要素で食い違いが生じると、示談が長引いてしまうことがあります。

その要素で主なものは、過失割合です。

過失割合とは、交通事故で発生した損害について加害者と被害者、どちらがどのくらい責任を有しているかを表した割合を指します。

被害者にも過失割合が付くと、その割合分損害賠償金が減るので、加害者:被害者の過失割合が90:10であるのと80:20であるのとでは、最終的な支払い額が10%変わってきます。

仮に損害の全額が1000万円であるとすると、被害者の過失が10%なのか20%なのかによって100万円もの支払いの差が出てきますので、相手方保険会社も強硬に争ってくることがあるのです。

過失割合を決める事故状況で意見が食い違うことも

さらに過失割合は事故態様で決まってくるので、過失割合を争うときは交通事故がどういうものだったか、という非常に根本的なことを争わなければなりません。

つまり、「その時信号無視をした・してない」「スピードを出しすぎていた・出しすぎていない」などの要素を争うわけで、ドライブレコーダーなどが無い限り立証が難しい分野です。

過失割合で被害者・加害者で食い違いが起こった場合、互いに立証が難しく、示談が進まなくなってしまう傾向があります。

過失割合でもめている場合の対処法について知りたい方は『過失割合に納得いかない・過失割合を変更したい|より良い示談をむかえる方法』の記事をご覧ください。

(3)示談金の希望額・提示額がかけ離れている

被害者と加害者とで損害額の認識に大きな差異があると、互いに落としどころを見つけるのが難しく、示談が進まないことがあります。

被害者自身の要求額が高額すぎるのではなく、保険会社側の認識している損害額が低額すぎるような場合もあるのです。

加害者の保険会社に原因がある場合の対処法は3つ

加害者の保険会社側に示談が長引いている原因がある場合にとれる対処法には、以下のようなものがあります。

加害者の保険会社に原因がある場合の対処法

  • お客様相談センターに相談する
  • 弁護士に相談する
  • そんぽADRセンターに相談する

お客様相談センターに相談する

こんな場合に有効

  • 担当者の示談対応が遅れている

まず考えられるのは、相手方保険会社のお客様相談室に相談を入れることです。

多くの保険会社で、主に平日日中にコールセンターに対して電話をすることで、保険会社やその担当者への不満点が社内で共有されます。

うまくいけば担当者の変更や、態度の軟化に繋がることがあります。

弁護士に相談する

こんな場合に有効

  1. 担当者の示談対応が遅れている
  2. 過失割合などで争いがおこっている
  3. 示談金の希望額と提示額がかけ離れている

保険会社の担当者の対応に問題がある場合、最も効果的なのは弁護士に相談することです。

被害者側が弁護士を立てると、相手方の任意保険会社は「示談が進まなければ民事裁判に持ち込まれる」と考えます。示談金の支払いを巡って訴訟を起こされることは、支払い額・時間・手間などの側面から保険会社にとっては避けたい事態です。

そのため、示談交渉を弁護士に任せてしまうことで示談金や慰謝料の増額、交渉の迅速化などが叶います。

さらに自身あるいは保険会社側の示談条件が、それぞれ不当に低すぎたり高すぎたりした場合には修正して交渉できるため、示談が成立しやすくもなります。

過失割合など複雑な争いについても、専門家が介入することで示談が進みやすくなるので、示談が進まずお困りの場合は、弁護士への相談が有効です。もちろん、示談開示段階から弁護士を立てることもできます。

弁護士を立てるメリットは多い!

以下の関連記事では、弁護士を立てることによるメリットを解説しています。示談交渉以外にも弁護士を立てるメリットはあり、アトム法律事務所の場合、90%以上のご依頼者様が満足と答えられています。
ぜひ弁護士を立てるメリットを確認してみてください。

関連記事

交通事故を弁護士に依頼するメリット8つ

そんぽADRセンターに相談する

こんな場合に有効

  1. 担当者の示談対応が遅れている
  2. 示談金の希望額と提示額がかけ離れている

そんぽADRセンターとは、保険会社への苦情・紛争解決を行っている第三者機関です。

そんぽADRセンターに苦情を申し出た場合は、以下のような手続きが行われます。

  1. そんぽADRセンターへ苦情を申し出る
  2. 苦情内容が保険会社に通知され、解決依頼がされる
  3. 被害者・保険会社間で話し合いがされる
  4. 苦情が解決する
    解決しなかった場合は異なる紛争解決手続きが提示される

このようにそんぽADRセンターに相談を行うことで、保険会社からの謝罪や担当者の変更、態度の改善などが見込める場合もあります。

自身の保険会社に示談が進まない原因がある場合

被害者の方が任意保険会社に加入している場合、「示談代行サービス」を利用すれば、相手方との示談交渉の間にその保険会社が入ってくれます。

間に保険会社が入ることで互いに要望が言いやすくなる一方、それが示談の進まない原因になることもあるので見ていきましょう。

(1)担当者の示談代行サービスに問題がある

被害者の方が任意保険会社に加入している場合、ご自身の保険会社の示談代行サービスを利用できます。

示談代行サービスとは被害者に代わり、被害者の加入する保険会社が相手方と示談交渉を行ってくれるサービスです。

被害者自身が加害者側とやり取りする必要がなくなる点はメリットですが、そのサービスを行っている保険担当者個人の資質や仕事量によって、手続きが遅れたり事務処理が遅れることがあります。

(2)示談金の希望額・提示額がかけ離れている

被害者の要求額と相手方の提示額がかけ離れており、保険会社が落としどころを探るのに時間がかかってしまっている場合もあります。

示談交渉を保険会社に任せっきりにすると、基本的に示談金は、弁護士が交渉で獲得するような金額よりも低額になる傾向が強いです。

一般的な弁護士の相場で慰謝料を希望しても、相手方の保険会社との交渉は難航してしまいます。

自身の保険会社に原因がある場合の対処法は3つ

ご自身の保険会社側に示談が長引いている原因がある場合にとれる対処法には、以下のようなものがあります。

対処法

  • 自身の保険会社に問合せを行う
  • 希望の示談内容について弁護士に確認してもらう
  • 示談交渉を弁護士に依頼する

自身の保険会社に問合せを行う

こんな場合に有効

  • 担当者の示談代行サービスに問題がある

まず考えられるのは、保険会社の担当者に問合せを行うことです。

もしも担当者がつい手続きや連絡を忘れているだけであれば、問合せを行うだけで示談が進みだすこともあります。

直接担当者に問い合わせるのが難しい場合や担当者を変えてもらいたい場合には、お客様相談センターに問い合わせるのがよいでしょう。

希望の示談内容について弁護士に確認してもらう

こんな場合に有効

  • 示談金の希望額と提示額がかけ離れている

自身の希望する示談条件が一般的に適当なものなのかどうか、不安であれば弁護士に相談するなどして確認してもらうのもよいでしょう。

なおこのとき、保険会社の担当者に確認するのは妥当ではありません。

実は保険会社間の交渉でなされる示談の相場額は、弁護士を立てた場合に請求できる金額よりも低額な傾向があります。

ですので保険会社の担当者に確認をとると、相場よりも低額な条件を示されてしまうこ場合があります。

判例から見てより妥当な示談金の額が知りたいのであれば、弁護士への確認が最も効果的です。

示談交渉を弁護士に依頼する

こんな場合に有効

  • 担当者の示談代行サービスに問題がある
  • 示談金の希望額・提示額がかけ離れている

一般的に、弁護士に示談交渉を任せることで、以下のようなメリットがあります。

  • 示談代行サービスを利用した場合よりも、慰謝料などの大幅な増額が叶う
  • 示談交渉、保険金請求に関する手続きを一任できる

慰謝料の算定にはいくつかの基準があり、各種保険会社も独自の基準(任意保険会社基準)を有しています。

ですが判例で認められた基準(弁護士基準)は任意保険会社基準より高額になっており、弁護士に示談交渉をさせることでそれに近い額が請求可能となります。

保険会社への示談交渉の依頼は手軽ではありますが、より十分な慰謝料を手に入れるためにも、まず弁護士に相談してみて、場合によっては交渉を一任してしまうとよいでしょう。

弁護士基準の慰謝料額に関しては、自動計算が便利な「慰謝料計算機」の利用がおすすめです。入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料といった各慰謝料と、逸失利益の目安がすぐにわかります。

関連記事『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』では、慰謝料の計算方法をわかりやすく解説中です。計算の仕組みからきっちりと理解したい方は、あわせて確認してください。

依頼した弁護士に示談が進まない原因がある場合

一般的には、弁護士に依頼することで示談成立までの期間が早まるとよく言われています。
しかし、そう信じて弁護士に依頼を行ったにもかかわらず、示談が進まないこともあります。

案件自体がもともと時間のかかるものであることを除いて、弁護士自身に原因がある場合はどのようなものでしょうか。

(1)弁護士が交通事故事案に不慣れ

依頼した弁護士が交通事故事案に不慣れですと、交渉や事務処理手続きに手間取って示談が進まないことがあります。

交通事故の示談交渉には、示談金の相場感覚のみならず医療に関する知識、保険金に関する知識、各保険会社それぞれの実務に関する知識が必要となります。

それらに精通していないと不相応な金額を請求をしてしまい、示談が進まなくなってしまうことがあるのです。

弁護士はもちろん法律の専門家ですが、その中でも交通事故事案の経験が豊富な弁護士もいれば、刑事事件の経験が豊富な弁護士もいます。

どの弁護士に任せても同じくらいスムーズに対応してもらえるとは限らないので、弁護士に依頼をする場合は、交通事故事案の実績が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

(2)弁護士の連絡や進捗報告が遅れている

示談が進まないというのが、ただの弁護士による連絡の遅れであることもあります。

基本的に弁護士は複数の案件を並行して受け持っているため、実際には交渉が進んでいても、被害者や依頼人への連絡が疎かになってしまうことことは、残念ですがありえることです。
実際には交渉が進んでいても、進捗報告が遅ければ示談が進んでいないような印象を受けてしまうことになります。

弁護士に原因がある場合の対処法は2つ

ご自身の弁護士に示談が長引いている原因がある場合にとれる対処法には、以下のようなものがあります。

弁護士に原因がある場合の対処法

  • 弁護士事務所に問合せを行う
  • 弁護士を変更する

弁護士事務所に問合せを行う

こんな場合に有効

  • 弁護士の連絡や進捗報告が遅れている

まずは、弁護士へ不満がある場合は胸のうちにしまい込まず、問合せをするという形で表明すべきです。

弁護士は被害者と共に紛争を解決するために委任を受けている存在です。

もしも弁護士の連絡不足や進捗報告の遅れが紛争の解決に差し障りがあると感じるのであれば、その事実を伝える必要があります。

弁護士を変更する

こんな場合に有効

  1. 弁護士が交通事故に不慣れ
  2. 弁護士の連絡や進捗報告が遅れている

もしも問合せを行っても事態が好転しない場合は、弁護士を変更することも考えましょう。

一旦依頼した弁護士を変更することに、躊躇する必要はありません。

最終的にご自身で納得した弁護士と共に示談を締結することが、より満足度の高い解決に繋がるためです。

もっとも、弁護士を変えることを各保険会社に通知しなければいけないことや、弁護士費用が余計にかかってしまうことには注意が必要です。

交通事故の示談が進まないときは弁護士に依頼するべき?

示談が進まないときは弁護士に相談

実際のところ、示談が進まないときに最も効果的かつ簡単な手段は弁護士に示談交渉を依頼してしまうことです。

交通事故の示談が進まない原因は多岐にわたり、事態を打破しようにも様々な書類を揃えることが必要であったり、適切な主張を相手方にすることであったり、請求方法を変えてみたりと、保険の知識と経験が必要になってきます。

そんな時に示談が長引いている問題の分析から実際の示談締結まで、すべてこなすことが可能なのが弁護士となります。

依頼するにまで至らなくとも、相談をするだけで何かしら解決策が見える場合もあります。

交通事故の被害者のからの相談は無料としている弁護士事務所も多いので、お気軽に電話してみてください。

関連記事では、弁護士への相談・依頼を考えている方に向けた情報をまとめています。弁護士に依頼したら何が変わるのか、弁護士相談の具体的な流れなどわかりやすく解説しているので、弁護士相談の検討材料にしてください。

弁護士費用・裁判費用の負担について

弁護士に依頼するとなると、高額な弁護士費用を心配する人もいるでしょう。しかし、弁護士費用特約を使えば、被害者の保険会社が弁護士費用を支払ってくれるので、被害者が費用の心配をする必要はありません。

また、示談で解決できないときには、裁判を起こすことも視野に入ってきます。裁判を起こした場合、弁護士費用については一部のみ加害者負担にできますが、ほとんどのケースで費用の1割程度にとどまるため、弁護士費用特約を積極的に活用しましょう。

なお、裁判費用については、原則として敗訴した側が支払います。裁判にかかる費用とは、裁判手数料や郵便料があげられ、弁護士費用とは別です。

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交通事故の損害賠償請求が出来る期間は決まっています。

一人でも出来る打開策を探っている間に、その期限が近づいてしまったり、あるいは相手方の交渉にのせられてどんどん事態が悪い方へ行ってしまうこともあります。

もしも示談が思うように進まないことでお悩みでしたら、まずはぜひ弁護士にご相談ください。

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被害者という立場から加害者側保険会社や、加害者本人と損害賠償についてやりとりをするのは大変な負担となります。

被害者の方が「こんなに請求していいの?」と言われるような金額も、弁護士からすれば低額に過ぎるということもあります。

適正な補償を受けるためにも、まずはぜひ弁護士にご相談ください。

皆様のお電話・LINEをお待ちしております。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点