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交通事故における示談交渉の方法を紹介!示談の流れ、示談書注意点など重要ポイント4選

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弁護士

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で怪我等の被害を受けると、相手方の任意保険会社と示談交渉をすることになります。示談がはじめてでどんな方法で進んでいくのか分からず不安が多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、示談で決められる内容をはじめとし、事故発生から示談交渉までの流れ等について解説していきたいと思います。

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そもそも示談交渉とは?請求できる費目とは?

保険会社との示談交渉とは?何を決める?

示談とは「当事者同士の話し合いによって民事上の紛争を解決するという手続き」です。

交通事故を含め、加害者が被害者に何らかの損害を与えたとき、その損害について加害者は損害額分の賠償をしなくてはなりません。
賠償金の金額などについて算定し、その分の金額を支払う必要があるわけです。
この手続きについて、裁判所を介さずに当人同士の話し合いによって行うことを示談と言います。

交通事故においては、事故の相手方に任意保険会社がついているのが通常です。
交通事故における示談は、相手方任意保険会社と行うことが多いです。

示談の当事者双方が示談内容に合意すると示談が成立します。示談成立後、原則的に示談のやり直しはできません。示談内容に納得いっていないのに示談書にサインするのは絶対にやめましょう。内容をきちんと理解し、損害に対して適正で妥当な補償が得られているのかどうか全て確認してからサインする必要があります。

示談についてさらに詳しく知りたい方は、『交通事故の示談|4つの注意点・流れ・交渉を弁護士に頼むべきか』の記事をご覧ください。

示談交渉で算定する示談金の費目|慰謝料と示談金の違い

相手方任意保険会社との示談交渉では、まず相手方が自社の基準で賠償金のそれぞれの費目を算定します。
算定される費目は主に以下の通りです。

示談金に含まれるお金

  • 治療関係費
    治療費や薬代、入院代など怪我の治療にかかった費用
  • 付添費
    通院治療に付添人が必要だった時に認められる費用
  • 休業損害
    怪我の治療のため仕事を休まざるを得なくなったとき等の収入減額への補償
  • 通院交通費
    通院に要した交通費
  • 傷害慰謝料
    怪我を負ったという精神的な苦痛に対する賠償金
  • 後遺障害慰謝料
    後遺障害を負った被害者の精神的な苦痛に対する賠償金
  • 死亡慰謝料
    被害者が死亡したという精神的な苦痛に対する賠償金
  • 逸失利益
    死亡事故や後遺障害が残った事故について、被害者が将来にわたって得るはずだった給料等の利益を失ったことに対する賠償

など

慰謝料というのは損害賠償金の費目のひとつです。
慰謝料を含め、その他いろいろな賠償の費目を算定し、まとめて示談金として支払われるというわけです。

治療関係費などは任意保険会社が入通院先の病院に直接支払うなどして、示談交渉の始まる前に支払いが済んでいることが大半です。
相手方任意保険会社は、自社基準で損害の額を算定し、既払い金と過失割合による減額分を差し引いて事故被害者の方に金額の提示を行います。

任意保険会社提示の算定基準「任意保険基準」とは?

相手方任意保険会社が提示する金額の算定基準は、任意保険基準と呼ばれるものです。
賠償金の算定基準には以下の3つの種類があります。

慰謝料の3基準

  • 自賠責基準
    自賠責保険から支払われる金額の基準。
    自賠責保険はすべての車に加入が義務付けられた保険であり、事故被害者の最低限度の補償を目的としている。
    支払われる金額はかなり低い。
  • 任意保険基準
    任意保険会社がそれぞれ独自に定めた金額の基準。
    自賠責基準よりは金額が高く、自賠責保険から支払われる金額をさらに補充する形でお金を支払う。
    なお、それでも後述する弁護士基準より金額が低い。
  • 弁護士基準(裁判基準)
    過去に行われた交通事故の裁判などから導き出される支払いの基準。
    法律上、被害者の方が本来もらうべき金額の基準となる。

交通事故の示談交渉において相手方任意保険会社が提示する額は、任意保険基準での金額です。
任意保険基準は、事故被害者の方が本来もらうべき金額よりも低額な基準です。
しかし事故被害者自らが弁護士基準での支払いをするよう増額交渉を行っても、任意保険会社が首を縦に振ることは無いでしょう。
任意保険会社は交通事故の案件を多く扱う示談交渉のプロと言えます。おそらく「弁護士基準は裁判を行った場合に得られる金額です」などと言葉巧みに話を進め、再度任意保険基準での金額を提示されることになります。

最終的に賠償金を支払うのは、相手方任意保険会社です。
任意保険会社が自社基準の金額を固辞した場合、いつまでも賠償金が支払われないという事態に陥ってしまいます。

増額交渉(弁護士なし)

民事裁判を提起して被害者側が勝訴すれば、相手方保険会社に対して強制力を持って裁判基準での支払いを要求できます。
ただ、被害者の独力で裁判を提起するのは大変な手間となります。

怪我の回復後、日常生活を営みながら裁判を起こすのは、現実的ではありません。
相手方保険会社もそれを知っているため、被害者に弁護士がついていない場合には強気に自社基準での金額を提示してくるわけです。

弁護士に依頼すれば、相手方保険会社に対し、過去の裁判例や類似事故の過去の増額事例など、増額すべき具体的根拠を提示できるようになります。
また、弁護士に依頼したという事実は、任意保険会社にとってはある種のプレッシャーとなります。
被害者ひとりの場合とは違い、民事裁判を起こされるという可能性が現実的になってくるわけです。
仮に民事裁判を提起された場合、裁判基準での支払いを命令されるのは必定となります。
任意保険会社としても、弁護士からの増額交渉は無下にできないのです。

増額交渉(弁護士あり)

弁護士基準での賠償金の支払いを受けたいならば、弁護士に相談するべきといえるでしょう。

任意保険基準についてさらにくわしく知りたい方は、『交通事故慰謝料の「任意保険基準」とは?慰謝料3つの基準と計算方法を解説』をご覧ください。

事故発生から示談交渉の流れとは?

事故発生直後の対応

事故発生から示談に至るまでの流れなどについても確認していきましょう。
事故発生直後は、警察への通報と自身や相手方の加入する任意保険会社への連絡を行います。

怪我をしているのであれば病院で医師に診察してもらうのはもちろん、警察へは人身事故として届け出るようにしましょう。

その後の対応は、基本的には相手方の任意保険会社を通じて行われることになります。
通常、事故のあったその日のうちに相手方保険会社の担当者から折り返しの電話があり、入通院予定の病院がどこになるか聞き出されます。

治療中の対応

通常、相手方任意保険会社は事故被害者の方の入通院先を把握すると、その病院に直接治療費を支払ってくれるようになります。
病院は任意保険会社に治療費を請求し、任意保険会社はその請求に応じて治療費を支払う仕組みとなるので、事故被害者の方に金銭的負担が生じることはありません。

ただ任意保険会社によっては、一度被害者に治療費を立て替えさせて被害者の請求に従い治療費を支払うという流れをとるところもあります。
このやり方は、一時的にしろ被害者の方に金銭的な負担が生じる点、後々加害者側と治療費の支払いについて揉めたときに支払いを受けられなくなるおそれが高くなる点から言って、あまり推奨されるものではありません。
直接病院に支払ってもらうよう交渉すべきと言えるでしょう。

交通事故の治療においては、健康保険の利用についてトラブルとなるケースもあります。
交通事故においても健康保険は利用できます。
事故の状況等によっては健康保険を利用することが事故被害者の方の大きな利益になる場合もあります。

しかし病院によっては健康保険の利用を断られるケースもあります。
そこには自由診療の方が高い治療費を取れる、治療の幅が狭くなるのを嫌うといった理由があります。
このようなときには「第三者行為による傷病届」を提出したことを示して病院を説得し、それでも無理なら病院を変えることを検討したほうが良いでしょう。

交通事故の怪我の治療についてお悩みの方は『交通事故の治療費を支払うのは誰?立て替え時は健康保険を使うべき!』の記事をご覧ください。

完治・症状固定とは?

交通事故によって負った傷害は治療を継続することにより段々と回復していき、最終的には「完治」、もしくは「症状固定」に至ります。

症状固定というのは、「これ以上治療を継続しても怪我の程度が改善しないという状態になること」を指します。

交通事故の実務では、怪我が完治もしくは症状固定に至ったあと、相手方任意保険会社と本格的な示談交渉が始まります。
賠償金の総額がいくらになるかを算定し、最終的に保険会社から被害者の方へ何円払うのか取り決められていくわけです。

場合によっては通院治療中に任意保険会社から、完治もしくは症状固定したものとして治療を終了するよう催促されることがあります。
症状固定によって賠償金の金額が算定可能になるというのは先述のとおりです。
任意保険会社としては、なるべく早く損害を確定させて示談を締結し、紛争を解決したいという思惑があります。
一般的に治療が長引けばそれだけ治療関係費がかかりますし、傷害慰謝料は治療期間の長短によって金額が変わります。
保険金を支払う立場の任意保険会社としては、紛争が長引けば長引くほど経済的な損失になるわけです。

ただし症状固定の判断をするのは保険会社ではなく、あくまで主治医です。
事故被害者の方は任意保険会社の言うことを鵜呑みにすることなく、必要な治療をきちんと受けるようにすべきです。

症状固定についてさらに詳しく知りたい方は、『交通事故の症状固定は半年が目安になる?症状固定とは何か弁護士が解説』の記事をご覧ください。

後遺障害の申請

症状固定後に残存した症状のことを一般用語として後遺症と言います。
交通事故によって怪我を負ってしまうと、治療の完了後にも場合によっては痛みが残ったり、関節の可動域に制限が残ったり、身体の部位の欠損が生じたままになったりします。
後遺症のうち、一定の要件を満たし特別な賠償の対象となるような症状を後遺障害といいます。

後遺症が残った場合には後遺障害の申請を行います。
後遺障害の認定は、損害保険料率算出機構という第三者機関が行っています。
この機関に、後遺障害に相当する症状が残存したという事を示す証拠やその他必要書類などを提示し審査を受けることになります。

後遺障害が認定されると、障害の重さごとに1級~14級までの段階に分けられた後遺障害等級が決まります。後遺障害に対して支払われる後遺障害慰謝料は、この等級に応じて金額が事前に決められています。

後遺症が残ったら賠償金増額という面から言って、後遺障害の申請を行い、等級認定を受けるべきと言えます。

後遺障害の申請方法についてさらに詳しく知りたい方は『交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状』の記事をご覧ください。

示談交渉の流れ

通常、怪我が完治するか症状固定に至ったあと、相手方任意保険会社から示談金の提示があります。怪我が完治するか症状固定に至ることで、損害賠償額が決まるので示談交渉を開始することができます。

ただし、先述のとおり相手方任意保険会社が提示する金額は、任意保険基準で計算された額となります。最も適切な金額になるのは弁護士基準で計算された額です。被害者の独力だけで弁護士基準を適用するよう保険会社を主張しても、受け入れられる可能性は限りなく低いです。

弁護士が付くことで、弁護士基準で計算しなおした金額で保険会社に請求することができます。

また、示談交渉では過失割合についても話し合いが行われます。過失割合とは「事故原因となった責任の大きさを数値で表したもの」です。

過失割合は最終的に受け取ることになる賠償額に影響するため、過失割合の決定は慎重に進めるべきでしょう。

過失割合についてさらに詳しく知りたい方は『交通事故の過失割合|事故タイプ別事例集と保険会社との示談交渉で失敗しないコツ』の記事をご覧ください。

話し合いの結果、金額に合意することができれば示談が成立します。示談が成立すると示談書を作成し、示談書を取り交わします。
示談の相手が任意保険会社だと示談書は「免責証書」という名称になっていることもありますが、示談書と免責証書は同じ法的な効果を持っています。

示談書作成の際に注意すべき点

示談書で注意しなければならない項目とは?

示談書に書くべき主な項目としては、事故の当事者双方の名前や住所、事故の発生日時や事故状況といった基本的な情報をはじめとし、既払い金や示談金額といった示談条件があげられます。しかし、この他にも注意すべき項目がいくつかあります。

まず、示談金が支払い期日までに支払われなかった時の違約金に関する「違約条項」の記載です。保険会社が示談金を支払う場合は支払いが大幅に遅れてしまうことはあまりないので特段、気にする必要はないでしょう。しかし、相手方本人が示談金を支払う場合は支払いが遅れてしまうリスクがあります。このようなリスクを回避するために、支払いが遅れた場合の違約条項を記載しておくのが大切です。

次に、示談成立後に発覚した新たな損害に対する追加の請求を認める「保留条項」の記載です。例えば、示談成立後に事故が原因の怪我でさらなる手術が必要になったような場合、示談成立後に後遺障害に発展したような場合、示談が成立したからといって一切示談金がもらえないのは不合理と言えます。
このように示談した後から交通事故による損害が発覚した場合は別途、協議するという保留条項を設けておくことが大切です。

最後に、示談成立後はお互いに金銭を請求したりせず損害賠償に関する争いは終結して解決したという「清算条項」の記載です。
示談書に記載されている内容以外、お互いに請求するようなものは一切ないと確認しておくものです。清算条項を設けておくことで、紛争の蒸し返しをふせぎます。

示談書に記載された内容に納得し、交通事故で受けた被害に関して漏れがないようであれば示談書に署名・捺印した示談書を双方で取り交わすことで示談は成立します。

示談書の主な項目

  • 事故の当事者情報:事故当事者の名前・住所・車両番号
  • 事故の詳細:事故発生日時・場所・状況
  • 示談の条件:既払い金・示談金額・支払い方法・支払期日
  • 違約条項
  • 保留条項
  • 清算条項

示談書の書き方についてさらに詳しく知りたい方は『交通事故の示談書|示談に有効な書き方と絶対載せたい3つの条項』の記事をご覧ください。

示談決裂時の対応

ADR・調停・裁判

示談は相手方との話し合いで交渉を進めていくものなので、思うように進展せず示談がまとまらないこともあります。このように示談が決裂した時の対応としてよく思いつかれるのが「裁判」の提起かもしれません。しかし、示談が決裂したからと言って全てがすぐに裁判に移行するとは限りません。

裁判をするとなると、裁判費用はもちろん解決までの時間も必要になります。費用と時間の負担をより軽くできる対応として、「ADRや調停」というものがあります。

ADRや調停は事故の当事者以外の第三者を間に挟み、裁判によらないで紛争解決の手続きを行います。
ADRは、和解のあっせんを手掛ける日弁連交通事故相談センターや交通事故紛争処理センターがADR機関として有名です。調停は、裁判所が第三者として介入します。

ADRや調停の手続きを行っても和解に至らない場合、裁判に移行することになるでしょう。

示談・裁判・ADRの違い

ADRや調停、裁判についてさらに詳しく知りたい方は『交通事故の裁判|流れ、費用、期間、調停など知っておくべき6つのポイントと裁判例3選』の記事をご覧ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


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代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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