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ケガ・むちうちが完治しないと後遺障害?慰謝料相場も解説

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交通事故で後遺症|ケガ・むちうち|慰謝料相場も解説

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故のケガが完治しない場合、後遺障害等級認定の審査を経て等級が認定される可能性があります。

後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料を請求することが可能です。

これから治療費支払いの打ち切り対策や、後遺障害等級認定の流れなどを解説していくので、しっかりと最後まで目を通し、交通事故の賠償問題で損をしないようにしましょう。

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交通事故のケガが完治しないと後遺障害になる?

症状固定後に後遺障害等級が認定されれば後遺障害が残ったと言える

事故後、症状固定後に何らかの症状が残存してしまうことがあります。

症状固定

これ以上治療を継続しても症状の改善が見込めない状態のこと。

このように、完治せずに残った症状のことを後遺症といいます。

後遺症が残った際は、損害保険料率算出機構内の自賠責損害調査事務所に後遺障害等級認定の審査を行ってもらうことになります。

審査の結果、後遺障害等級が認定されれば、「交通事故が原因で後遺障害が残った」と言えます。

交通事故の後遺障害申請手続き|認定期間・流れ・必要書類

半年以上経ってもむちうちが治らないのは普通?

通常、むちうちの治療は1~3ヶ月程度で終了します。

以下の表でも、むちうち受傷者のうち約90%は半年以内に治療が終わっているため、治療が半年以上続くケースは稀と言えます。

むちうちの平均治療期間

データ元:各損害保険会社が受付けた事例
調査時期:1991年6月1日~8月2日
平均治療期間:入通院者全体で73.5日(中央値49日)

治療期間累積治癒率
1か月以内39.8%
2か月以内57.1%
3か月以内71.1%
4か月以内80.0%
5か月以内85.7%
6か月以内90.3%

参考: https://www.jkri.or.jp/PDF/2017/sogo_75kagawa.pdf 『交通事故によるいわゆる“むち打ち損傷”の治療期間は長いのか―損害賠償を含む心理社会的側面からの文献考証―』 P103 一般社団法人 JA共済総合研究所

半年以上経ってもまだむちうちの痛みやしびれが残っている場合、そのまま完治せず、痛みやしびれといった後遺障害が残存する可能性が高まります。

むちうちの慰謝料計算方法、整形外科や整骨院の治療内容を解説

むちうちの後遺障害等級は何級が認定されるのか

むちうちの治療を半年以上続け、症状固定してもまだ痛みやしびれが残っている場合、後遺障害等級認定の申請を行うことになります。

むちうちで後遺障害等級が認定される場合、特に認定されやすい等級は14級9号12級13号です。

等級後遺障害
14級9号局部に神経症状を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの

他覚的所見(MR・CTR画像診断など)が無いものの、常時性がある症状を受傷直後から一貫して訴えているような場合は、14級9号が認定される可能性があります。

他覚的所見が認められる場合は、12級9号が認定される可能性があります。

圧迫骨折の後遺障害等級は何級が認定されるのか

交通事故に遭った際、腰椎・胸椎・頸椎といった脊椎の圧迫骨折を負うことがあります。

脊椎の圧迫骨折とは

外部から加えられた圧力により、脊椎の椎体と呼ばれる部分が圧し潰されて起こる骨折のこと。
骨折した部位により、腰椎圧迫骨折・胸椎圧迫骨折・頸椎圧迫骨折と呼び分けられる。

圧迫骨折で脊柱が曲がり、そのまま症状固定を迎えて変形障害が残った場合、6級、8級、11級の等級が認定される可能性があります。

脊椎の圧迫骨折が原因で首や背中が曲がりにくくなった、などの運動障害が残った場合、6級、8級の等級が認定される可能性があります。

腰椎・胸椎・頸椎圧迫骨折とは?後遺症と慰謝料相場も解説

治療費支払いの打ち切り

交通事故の治療費支払いの仕組み・打ち切りとは何か

交通事故に遭った際、被害者自身が病院に対して治療費を支払うケースはあまりありません。

通常は被害者の代わりに相手方の任意保険会社が治療費を直接病院に支払うことになっています(「一括対応」といいます)。

ただ、被害者が通院を数ヶ月続けたあたりのタイミングで、相手方の任意保険会社から「そろそろ治療も終わりそうなので、治療費支払いの一括対応を打ち切りたいと思います」と打診されることがあります。

なぜかというと、被害者がこれ以上続ける必要が無い治療を続けると、相手方の任意保険会社が負担することになる治療費が増加し続けてしまうためです。

そのため、相手方の任意保険会社は症状固定するであろうタイミングで打ち切りを打診し、治療費の支出を抑えようとしてきます。

通事故の治療費打ち切りとは?打ち切り対処法も解説

打ち切りを撤回してもらう方法

治療費支払いの打ち切りを打診されたからといって素直に応じる必要はありません。

症状固定したかどうかを判断するのは相手方の任意保険会社ではなく、被害者の主治医です。

そのため、症状固定が予定されている時期を主治医から相手方の任意保険会社に伝えてもらえれば、その時期まで治療費が支払われる可能性があります。

交通事故の症状固定は半年経ってからじゃないとNGな理由は?

後遺障害等級認定の流れ

(1)症状固定後に後遺障害診断書を作成してもらう

症状固定後に何らかの症状が残った場合、主治医に後遺障害診断書を作成してもらいます。

通常、後遺障害診断書は相手方の任意保険会社から送付してもらえるので、それをそのまま使用しても支障はありません。

もしも自分で用意したい場合は、自賠責保険に書式を請求するか、書式をダウンロードしてA3サイズで印刷したものを使用することになります。

後遺障害診断書には、傷病名、既存障害、自覚症状、他覚症状および検査結果などが記載されます。

医師によっては後遺障害診断書を書き慣れておらず、症状において抽象的な書き方をしてしまい、等級認定の可能性が低くなってしまう場合があります。

そのため、適切な等級の認定を目指す方は記載内容をしっかりと確認しながら主治医に後遺障害診断書を作成してもらうようにしましょう。

後遺障害診断書|書き方のコツ・書式・費用・流れ

(2)被害者請求か事前認定で等級認定審査をしてもらう

後遺障害等級認定の申請方法には、被害者請求事前認定の2種類があります。

後遺障害等級認定における被害者請求とは、被害者自身が相手方の自賠責保険に後遺障害診断書を直接提出する方法のことです。

事前認定とは、被害者が相手方の任意保険会社に後遺障害診断書を提出し、その後の手続きを任意保険会社にやってもらう方法のことです。

被害者請求は被害者自身が納得のいくまで証拠を集めることができるというメリットがある反面、手間がかかるというデメリットがあります。

反対に、事前認定では添付資料が不足してしまう可能性があるというデメリットがあるものの、手間がほとんどかからないというメリットがあります。

後遺障害申請は被害者請求と弁護士依頼が正解|必要書類も紹介

(3)審査結果に納得がいかないときは異議申立てか紛争処理制度を利用する

後遺障害等級認定の審査結果が等級非該当、または納得のいかない等級だったとき、異議申立てを行うことが可能です。

異議申立てを行う場合、異議申立書異議申立ての趣旨と異議申立ての理由などを記載します。

その後、異議申立書を被害者自身が相手方の自賠責保険に提出するか(被害者請求)、相手方の任意保険会社に提出し(事前認定)、等級認定再審査の結果が出るまで待つことになります。

また、異議申立てではなく、自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度を利用して等級認定の審査を行ってもらう、という選択肢もあります。

異議申立てと紛争処理制度のどちらも無料で利用できますが、異議申立ては何度でも利用可能なのに対し、紛争処理制度は1度しか利用できない点をご留意ください。

後遺障害の異議申立て成功確率は5%?結果はいつ出る・異議申立書の書き方解説

後遺障害が残ったときの慰謝料相場

後遺障害慰謝料の相場|弁護士基準と自賠責基準

後遺障害等級が認定された場合、相手方に対して後遺障害慰謝料を請求することができます。

弁護士に示談交渉を依頼している場合は高額な弁護士基準で金額が算出される可能性が高まります。

しかし、被害者自身で交渉した場合は、最低限の補償である自賠責基準か、自賠責基準と同程度の水準である任意保険基準で金額が算出されるでしょう。

以下の表からもわかる通り、弁護士基準と自賠責基準では後遺障害慰謝料に大きな金額差があります。

後遺障害等級表(要介護)

等級自賠責基準*弁護士基準
第1級1,650
(1,600)
2,800
第2級1,203
(1,163)
2,370

後遺障害等級表(要介護でない)

等級自賠責基準*弁護士基準
第1級1,150
(1,100)
2,800
第2級998
(958)
2,370
第3級861
(829)
1,990
第4級737
(712)
1,670
第5級618
(599)
1,400
第6級512
(498)
1,180
第7級419
(409)
1,000
第8級331
(324)
830
第9級249
(245)
690
第10級190
(187)
550
第11級136
(135)
420
第12級94
(93)
290
第13級57
(57)
180
第14級32
(32)
110

*()内は令和2年3月31日以前に発生した交通事故に適用
* 単位は万円

後遺障害慰謝料の金額相場は?逸失利益の計算方法や請求の流れも解説

逸失利益の計算方法

後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料に加えて、逸失利益も請求することが可能です。

逸失利益は以下の計算方法で算出することができます。

逸失利益の計算方法

▼有職者または就労可能者
・基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

▼症状固定時に18歳未満の未就労者
・基礎収入 × 労働能力喪失率 × 67歳までのライプニッツ係数 – 18歳に達するまでのライプニッツ係数

なお、逸失利益は給与所得者(サラリーマンなど)だけではなく、専業主婦学生でも請求することが可能です。

内定を受け取っている方が事故によって就職の機会を逃した場合は、内定先の収入に基づいて計算されることもあります。

逸失利益の計算|後遺障害14級や12級の逸失利益はいくら?

弁護士に依頼して慰謝料を増額できた事例を紹介

アトム法律事務所にご依頼いただいた結果、最終的な回収額を増額できた一例をご紹介いたします。

むちうち、14級9号で増額できた事例

傷病名:むちうち
後遺障害等級:14級9号
最終回収金額:309万円*(当初の提示額:171万円)
示談交渉期間:3か月

* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。

上記は相談段階で14級9号の後遺障害等級が認定済みだったケースです。

増額の見込みがあったため、弁護士が交渉を行い、当初の提示額171万円から最終回収金額309万円へ増額することができました。

このように、弁護士に交渉を依頼すると当初の提示額から大きく増額できる可能性があります。

ケースによっては2~3倍以上も増額できる場合があるため、どの程度増額できるのか見積もりだけでも弁護士に出してもらうことをおすすめします。

交通事故の慰謝料事例を紹介|増額のための3つのポイント解説

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点