交通事故|示談前の被害者必見!納得のいく示談を弁護士と目指そう

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示談前の被害者必見

交通事故の被害者になった場合、うまく示談できるかどうかは大きな不安点でしょう。

そもそも示談ではどのようなことをどのような流れで決めるのか、厳密にはわからないといった方も多いです。

この記事では、交通事故の示談に関して被害者が抱きやすい疑問に答えています。

示談の流れや自力で示談できるのかについても解説しているので、ぜひ最後までチェックしてください。

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示談とは?交通事故被害者の疑問4つに回答

Q1. 交通事故の示談とは?誰と何を決める?

交通事故の示談交渉とは、損害賠償問題について加害者側と被害者側が話し合って解決することです。

交渉相手や交渉で決める内容は次の通りです。

示談交渉の相手

基本的には加害者が加入する任意保険の担当者。
ただし、以下のような場合もある。

  • 加害者や加害者側の任意保険会社が立てた弁護士
  • 加害者本人(加害者が任意保険未加入の場合)
  • 加害車両の所有者など

※加害者本人が交渉相手となる場合は、示談交渉に応じてもらえない、決まった示談金を支払ってもらえないなどのリスクがあるので対策が必要。▶交通事故相手が無保険でお金がない!賠償請求の方法とリスク対策

示談交渉で決められること

  • 損害賠償金の内訳、金額
    • 請求できる費目や金額は、損害の内容や程度によって異なる
    • 示談交渉によって決められた損害賠償金は示談金と呼ばれる
  • 過失割合
    • 過失割合とは、交通事故が起きた責任が加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したもの
    • 自身についた過失割合分、受け取れる損害賠償金が減額される
  • その他
    • 示談金の支払い期限や支払い方法など

損害賠償金額や過失割合は、基本的には相手方の任意保険会社が算定して提示してくれます。

提示された内容に問題がなければ交渉せず示談成立とすることも可能ですが、提示内容に納得いかない場合は主に電話やFAXなどを通して交渉します。

相手方の提示内容は交渉の余地があることが多いので、すぐに鵜呑みにするのではなく、弁護士に確認をとることが大切です。

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Q2. 交通事故で示談しないとどうなる?

交通事故に遭ったのに示談をしないでいると、損害賠償請求権の消滅時効が成立してしまいます。

損害賠償請求権の消滅時効

交通事故の相手方に対して損害賠償請求できる時効。
消滅時効が成立すると、相手方に損害賠償請求する権利を失う。

ただし、示談をしないで他の方法により損害賠償請求するという選択肢もあります。

裁判を起こしたり、交通事故紛争処理センターに和解あっ旋をしてもらったりする方法もあるのです。

一般的には示談による損害賠償請求が多いですが、示談をしないで他の方法をとった方が良いこともあるので、必要に応じて検討してみましょう。

示談以外の方法や、示談以外の方法をとった方が良いケースについては以下の記事で解説しています。

詳しくはこちら

Q3. 交通事故の示談にかかる期間は?

交通事故の示談にかかる期間の目安は以下の通りです。

示談にかかる期間の目安

事故形態示談成立までの目安
物損事故発生日から2~3ヶ月
人身(完治)治療終了から半年程度
人身(後遺障害あり)後遺障害等級認定から半年~1年程度
死亡法要・相続確定から半年~1年程度

※個別の事情による変動あり

ただし、相手方と主張が対立して交渉が進まなくなったり、治療や後遺障害認定の長期化で交渉開始が遅れたりすれば、その分示談成立までの期間が長くなってしまいます。

その結果、示談金の支払いが遅くなったり「損害賠償請求権の消滅時効」が迫ってきたりするので、示談成立が遅くなりそうな場合には、弁護士を立てて交渉した方が良いでしょう。

参考になる記事

交通事故の種類別に示談にかかる期間の目安や、示談成立が遅くなる要因を解説しています。▶交通事故の示談にかかる期間の目安は?早く終わらせたいときの対処法

Q4. 示談金は誰がいつ支払う?

示談金は、基本的に交通事故の加害者が加入する自賠責保険会社と任意保険会社から、示談成立後に支払われます。

示談交渉で決まった金額のうち、自賠責保険の上限額までは相手方自賠責保険会社から、それ以上の部分は相手方任意保険会社から支払われるのです。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

ただし、実際には自賠責保険の支払い分も任意保険の支払い分も、相手方任意保険会社からまとめて支払われることが多いです。

なお、示談金の支払い主・支払い時期については以下のようなケースもあることを知っておきましょう。

事故発生から示談までの流れと被害者向け注意点

(1)事故現場での対応|その場で示談しない

事故が発生したら、まず以下のような対応をします。

  • ケガ人の救護と現場の安全確保
  • 警察への連絡
  • 加害者や目撃者との情報交換
  • 証拠の確保
  • 警察の捜査への協力
    ※各対応については『交通事故にあったら初期対応の手順は?』で詳しく解説しています。

事故直後に注意すべきなのは、その場で示談に応じてしまわないことです。

事故現場で加害者側から「示談金として〇万円支払います」などと言われたとしても、この時点ではまだその金額が妥当かどうかわかりません。

示談は一度成立すると原則として再交渉・追加の賠償請求はできないので、示談交渉はまた改めて行う旨を伝え、その場では応じないようにしてください。

(2)治療を受ける|頻度や治療費打ち切りに注意

事故後、ケガをしている場合は治療が必要です。

基本的には医師の指示通りに治療を受けるべきですが、以下の場合はその後の示談交渉で不利になる可能性があるので注意しましょう。

  • 治療頻度が正当な理由なく高すぎる・低すぎる
  • 漫然治療が続いている
  • 相手方保険会社からの治療費打ち切りに応じて、まだ必要な治療をやめてしまう
  • 病院の医師から許可を得ることなく整骨院や接骨院に通う

示談金額を決めるのは示談交渉の時ですが、示談交渉に至るまでの行動が示談金減額の要因になってしまうこともあります。

示談開始前に示談金減額の要因を作ってしまうと、示談交渉時の挽回が難しくなります。
もし治療に関して不安や疑問があるのであれば、早めに弁護士に確認してください。

治療の時に読みたい記事

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(3)後遺症が残れば後遺障害申請|入念な対策を

治療の結果後遺症が残ったら、後遺障害申請をし、後遺障害等級の認定審査を受けます。

これにより後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料・逸失利益が示談金に加わるからです。

ポイント

後遺障害慰謝料・逸失利益が請求できるようになれば、示談金全体の金額が大幅に増えます。

また、後遺障害慰謝料・逸失利益は「後遺障害等級」に応じて金額が算定されます。
等級が1級違うだけでも金額は大きく変わるので、適切な等級に認定されることも重要です。

後遺障害申請の方法には事前認定と被害者請求の2種類がありますが、妥当な等級に認定される可能性を高める意味では被害者請求の方がおすすめです。

被害者請求の流れ
事前認定の流れ

事前認定・被害者請求については『後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由を解説』でご確認ください。後遺障害の申請を弁護士に任せるメリットもわかります。

(4)示談案が届くので確認・交渉|内容を鵜呑みにしない

示談交渉は、すべての損害が確定したら始められます。

損害が確定するタイミングは?

  • ケガが完治した人身事故:治療終了後
  • 後遺症が残った人身事故:後遺障害認定の結果がでたあと
  • 死亡事故:葬儀後
    ※示談交渉は四十五日ののちに始めることが一般的

基本的には相手方任意保険会社から示談金額や過失割合などを記載した「示談案」が届くので、その内容を確認し、納得いかない点があれば交渉に入ります。

このときの注意点は以下の通りです。

  • 示談案の内容は加害者側に有利な内容になっていることが多いので、鵜呑みにせず、妥当性をしっかり確認する
  • すべての損害が確定する前に示談案が届いても、まだ合意したり交渉を始めたりしない
    ※物損に関する費目のみ早めに交渉を始めることもあります▶交通事故の示談交渉はいつ開始する?

適切な示談金額についてはこのあと本記事内でも解説していきますが、厳密な示談金額は弁護士に聞かなければわかりません。

よって、示談案を受け取ったら、一度弁護士に見てもらった方が安心でしょう。

ワンポイント

弁護士に依頼しようにも、弁護士費用が気になるのは当然のことです。

ご自身の加入する保険に弁護士費用特約が付いていれば、保険会社が弁護士費用を支払ってくれます。約款に上限額が定められているので、保険会社に利用の可否を含めて問い合わせてみましょう。

なお、示談開始前に相手方から「受任通知」が来た場合も、弁護士に相談してください。
受任通知は加害者側が弁護士を立てたことを示しているので、示談交渉がより一層厳しいものになる可能性があります。

受任通知が届いたらどうする?

交通事故で加害者が弁護士を立てた!通知受取後の対応やNG行為

(5)示談が成立したら示談書にサイン

示談が成立したら、基本的には相手方任意保険会社から示談書が送られてきます。

示談交渉で決まった内容が記載されているので、間違いがないかよく確認したのち、署名・捺印をして返送しましょう。

示談書に署名・捺印すると、原則として交渉のやり直しはできなくなる点には要注意です。

示談書に盛り込むべき内容については以下の関連記事で解説しています。
示談金額や過失割合以外にも盛り込んでおくべき重要な項目はあるので、ぜひチェックしてみてください。

こちらをチェック

(6)示談金が振り込まれる

示談書に署名・捺印をして相手方任意保険会社に返送したら、2週間程度で示談金が振り込まれます。

示談交渉時に決めた支払い期限を過ぎても示談金が振り込まれない場合は、一度相手方に問い合わせてみましょう。

交通事故示談金|被害者がもらうべき相場と内訳

交通事故示談金の内訳

交通事故の示談金の内訳は、次の通りです。

  • 人身事故全般の費目
    • 入通院慰謝料
    • 治療関係費(診察費用、入院雑費、通院交通費、診断書作成費など)
    • 休業損害
  • 後遺障害等級が認定された場合
    • 後遺障害慰謝料
    • 後遺障害逸失利益
  • 物損部分に関する費目
    • 修理費
    • 代車費用
    • 評価損 など
  • 死亡事故の場合
    • 死亡慰謝料
    • 死亡逸失利益
    • 葬儀費 など

なお、被害者の属性や被害内容に応じて上記以外の費目も請求できることがあります。

請求できる費目に疑問がある場合は、弁護士にお問い合わせください。

加害者側の提示額を鵜呑みにしてはいけない理由

相手方が提示してくる示談金額は、以下の理由から鵜呑みにすべきではありません。

  • 相手方任意保険会社は、慰謝料が低額になる算定基準(自賠責基準・任意保基準)を用いて慰謝料を計算している
  • 慰謝料などの示談金は事情に応じて増額されることもあるが、相手方任意保険会社が進んで事情を汲んでくれるとは限らない

過去の判例に基づく法的正当性の高い算定基準(弁護士基準)で慰謝料を計算し直し、示談金増額につながる事情をしっかり考慮すれば、示談金額はもっと高くなる可能性があります。

慰謝料金額相場の3基準比較

よって、たとえ相手方任意保険会社に提示額の正当性を説明されたとしても、鵜呑みにするのではなく、一度弁護士基準での金額を確認すべきなのです。

弁護士基準での慰謝料計算方法はこちら▶交通事故の慰謝料は弁護士基準で請求!慰謝料相場と増額成功のカギ

交通事故の慰謝料相場が簡単にわかる計算機

弁護士基準の慰謝料相場は、以下の計算機から簡単にわかります。

ただし、事情に応じた増額までは考慮できないこと、慰謝料・逸失利益以外の費目は計算できないことから、厳密な示談金相場は弁護士に聞いてみることがおすすめです。

被害者が自分で示談することが難しい理由

相手方保険会社の方が交渉力・知識量が圧倒的に豊富

被害者自身での示談交渉が難しい理由としてまず挙げられるのが、相手方任意保険会社との交渉力・知識量の差です。

多くの交通事故被害者にとって、示談交渉や損害賠償金はあまりなじみのないものでしょう。

それに対して相手方任意保険会社は、仕事として日々さまざまな交通事故被害者や弁護士と示談交渉をしているプロです。

交渉に慣れている相手方任意保険会社は、以下のように交渉を有利に進めてしまいます。

  • 被害者が根拠を持って主張をしても、専門家ではないから説得力がないと言う
  • 被害者がわからない専門用語を並べ、強引に交渉を進める
  • もっともらしい理由を並べ、被害者を納得させる
  • あえて高圧的な言動をとり、被害者を委縮させる

これに対して被害者が自分の力で巻き返しを図るのは、難しいと言わざるを得ないでしょう。

実際の交渉の様子は?

以下の記事では、実際の示談交渉の体験談を紹介しています。

示談交渉は精神的・時間的・体力的負担が大きい

自分でおこなう示談交渉には精神的・時間的・体力的負担がかかるので、中途半端な対策により納得のいく結果にならなかった途中までは頑張って交渉したけれど最後は力尽きて妥協してしまった、という状態になる可能性があります。

示談交渉の3つの負担

  • 精神的負担
    相手方任意保険会社の高圧的な言動によるストレス、交渉がうまくいかない焦り・いらだち・不安などが生じる可能性があります。
  • 時間的負担
    示談交渉は日常生活に戻った後、仕事や家事、育児の合間を縫っておこなわれます。
    事前にまとまった時間を確保して話し合うというよりも、電話やFAXなどで何度もやり取りをしていく形をとるので、時間的な負担も大きくなると考えられます。
  • 体力的負担
    上でも解説した通り、示談交渉は仕事や家事、育児などと並行しておこなわれます。
    また、示談交渉の準備は治療やリハビリの段階から始めるので、体力的にも負担が大きくなります。

上記のような負担を軽減するには、示談交渉をスムーズに進めるテクニックを身につける必要があります。

ただし、すでに解説した通り相手方任意保険会社は交渉のプロなので、テクニックの効果にも限界があるのが実情です。

《記事》被害者でも実践できる交渉テクニックは?▶交通事故の示談テクニック8つ!自分でできる交渉術と慰謝料増額の近道

交通事故の示談は弁護士に依頼がおすすめ

被害者が弁護士に交通事故示談を任せるメリット

交通事故の示談を弁護士に任せると、被害者自身で相手方任意保険会社とやり取りする必要がなくなるので、上で紹介したような精神的・時間的・体力的負担が大幅に軽減されます。

また、弁護士を立てると以下の理由から被害者側の主張が通りやすくなり、被害者自身では難しい示談金の大幅増額も見込めます。

  • 弁護士は法律の専門家であり交渉のプロなので、主張に説得力があるうえ交渉術にも長けている
  • 弁護士が出てくると相手方任意保険会社は裁判への発展を警戒し、態度を軟化させる傾向にある
示談交渉(弁護士あり)

弁護士への依頼は初診後~示談成立前であればいつでも可能です。
少しでも不安やお困りごとがあるのであれば、まずは弁護士への法律相談を利用してみてください。

法律相談とは?

弁護士への依頼前におこなう相談のこと。
法律相談の時点ではまだ委任契約(依頼)は成立しておらず、相談のみで終了することもできる。

基本的に料金はかかるが、アトム法律事務所のように無料相談をおこなっている事務所もある。

合わせて読みたい

弁護士費用をおさえる方法

弁護士に相談・依頼すると費用がかかりますが、弁護士費用は以下の方法によっておさえられます。

  • 自身の保険に付いている弁護士費用特約を利用する
  • 相談料・着手金無料の事務所を選ぶ
    • 弁護士費用のうち、相談料と着手金が無料の事務所を選ぶと、弁護士費用特約が使えなくても費用をおさえられる

実際には、弁護士費用を差し引いてもなお、弁護士を立てた方がより多くの示談金額が手に入ることは多いです。

しかし、損害額の少ない交通事故などでは、弁護士費用を支払うことでかえって獲得金額が減ってしまう「費用倒れ」のリスクもあります。

弁護士費用特約が使えない場合は、法律相談の際に費用倒れのリスクも相談しておくと安心です。

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弁護士に無料で相談できる窓口はこちら

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なお、事前に弁護士費用特約の有無を確認していただけると、よりスムーズにご案内できます。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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