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交通事故の慰謝料を上げる方法はある?示談金の増額ポイントとは

更新日:

2020年4月1日改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

この記事をごらんになっているあなたは、以下のいずれかに当てはまるでしょうか?

  • 保険会社との示談交渉中、保険会社の対応に憤りを感じた
  • 保険会社から慰謝料の提示を受け、低額だと感じた
  • 保険会社に慰謝料の増額を交渉したが合意できそうにない

当記事では、交通事故被害者側から慰謝料額を上げることができるのかどうか、また、上げる方法にはどのようなものがあるのかについて解説していきたいと思います。

今後の示談交渉に、ぜひお役立てください。

慰謝料(示談金)は増額できる?増額のタイミングは?

保険会社から慰謝料額が提示されたあと、被害者側から交渉することによって慰謝料額を上げることはできるのでしょうか?

結論、できる可能性があります。

その理由としては、まずは示談交渉中であれば示談は成立していないため、慰謝料額の合意には至っていないことが挙げられます。

示談が成立してしまっている場合は、基本的に慰謝料額を上げることはできません。
示談は、示談金が確定し、ひとたび解決すれば、二度とやり直しができないのが原則だからです。

(和解の効力)
当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。

民法 第六百九十六条

上記は、示談(和解)の効力を条文にしたものです。
解釈としては、示談後は仮に事実と違うことが判明したり、新たな証拠が出てきた場合であっても、これ以上は請求できないといっているのです。

よって、慰謝料を増額できるタイミングは「示談前」ということになります。

また、示談成立前であれば、「弁護士基準」で慰謝料を再計算するなどして、慰謝料を上げられる可能性があります。
(「弁護士基準」については「慰謝料が示談金の額を大幅に変える」で後述します)

以上のことから、慰謝料は増額できる可能性があり、増額できるタイミングとしては示談成立前であるといえます。

示談金のうち何が増額される?

増額される示談金とは?

交通事故の「示談金」とは

交通事故の被害者が請求しうる損害賠償金のすべて。
交通事故の解決金をいい、治療費・休業損害・入通院慰謝料・逸失利益・後遺障害慰謝料・修理費などがある(事故の態様により内容も異なる)。

交通事故の示談金のうち、交渉次第でどの項目を上げる(増額させる)ことができるのでしょうか?

まず、治療費については基本的に実費請求になります。
よって、「相場」という概念がケガの状態により変わってくるため、増額対象にはなりません。
実費以上のものを請求してしまうと、架空請求になってしまうでしょう。
物損事故の修理費についても同じことがいえます。

休業損害とは、事故によって仕事ができなくなった場合に請求できる所得の補償をいいます。
給与所得者の場合、事故前の収入を基礎として損害額が計算されます。
現実の収入減のみならず、事故により有給休暇を消化した場合であっても休業損害として認められます。

自営業などの事業所得者であっても、休業中の固定費(家賃や従業員給料など)などを含めた損害が認められます。
主婦(主夫)であっても休業損害は認められますので、保険会社からの休業損害提示額には注意をしましょう。
万が一、休業損害が増額どころか支払項目にすらなかった場合は、弁護士などに相談されることをおすすめします。

以上のことから、休業損害も増額の対象になることが考えられるでしょう。

逸失利益には、後遺障害逸失利益と死亡逸失利益とがありますが、ここでは後遺障害逸失利益についてご説明します。
まず逸失利益とは、事故にあったことにより失われた利益をいい、将来の収入を計算して支払われます。
後遺障害逸失利益の請求は、後遺障害等級が認定されていることが条件です。
そのため、正確な後遺障害等級が認定されるようしっかり行動していれば、おのずと逸失利益も増額されることになるでしょう。

逸失利益の計算や、請求できる人物・金額については逸失利益の計算|後遺障害14級や12級の逸失利益はいくら?で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
結論、後遺障害逸失利益は、弁護士などの専門家に頼ることにより、正確で適切な後遺障害等級を得ることできるため増額対象になるでしょう。

次章では、示談金を大幅に上げられる可能性の高い「慰謝料」について解説してきたいと思います。

慰謝料が示談金の額を大幅に変える

示談金のうち、増額がもっとも期待できるのは「慰謝料」であるといえます。

まずは、以下3つの慰謝料の種類を確認しましょう。

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

被害者のケガの状態および、慰謝料請求方法によって、認められる慰謝料の種類が変わってきます。
きちんと該当の慰謝料を請求するためには、請求のタイミングやポイントをしっかりおさえることが重要になってきます。

では慰謝料の種類ごとに、増額可能性増額ポイントについて解説していきましょう。

入通院慰謝料

事故のケガなどにより入院や通院をした場合、入通院慰謝料を請求することができます。入通院慰謝料とは、入院や通院における身体的・精神的苦痛などをお金に換えたものをいいます。
また、入通院慰謝料は、保険会社が計算した場合と弁護士が計算した場合とでは、額に大幅な差が出る仕組みになっているのです。

まず、弁護士が計算した場合(以下、弁護士基準といいます)の入通院慰謝料について説明しましょう。
弁護士基準の場合、入通院慰謝料の金額計算には「別表」をもちいて算定することになっています。
また、表に記載されている慰謝料額は、保険会社のもちいる「基準」と比較するとそもそも高額になっています。

そして何より、弁護士は被害者の代理人です。
被害者の意思をもって慰謝料請求をしている立場であると考えれば、慰謝料が高額になることは想像できるでしょう。

慰謝料が高額になる理由は、弁護士基準による理由だけではありません。
弁護士は、被害者の立場をしっかり考慮して、慰謝料額を上げるよう行動します。
たとえば、被害者が幼児をもつ母親である場合、慰謝料増額を請求することもあるでしょう。
そのほか、被害者の個別事情により入院期間を短縮した場合など、慰謝料の増額を請求することもあります。
(個別事情がなければ入院期間はもっと長くなっていたため、その分の増額を認めてもらう)

加害者側保険会社が慰謝料の金額を計算する場合、そのような被害者の事情を考慮してくれる可能性は少ないでしょう。
そればかりか、加害者側保険会社は、症状固定の時期を早めようとしたり、治療費の打ち切りをしようとしたりすることだってありうるのです。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、被害者の症状固定日を特定後、後遺障害に対して等級が認定されることによって認められます。

正確でない症状固定日を基準にして認定請求をしたり、認定請求のための資料が乏しかったりすると、被害者にとって安心の結果は得られません。

症状固定日とは、これ以上治療をしても医学的に良くならないと診断されたときに確定するものです。

加害者側保険会社が手続(事前認定)をおこなう場合、上記のような本来より早まった症状固定日で診断書が作成されたり、資料不足があったりと、正確な等級が認められない可能性が考えられます。

保険会社による「事前認定」とは

加害者側任意保険会社が、加害者加入の自賠責保険に損害金の請求をする際、その前提として、被害者の後遺障害等級を把握するためにおこなう手続のこと。

後遺障害慰謝料は、等級の区分により金額が決まっています。
後遺障害慰謝料の増額を希望しているのであれば、以下の2点を知っておく必要があるでしょう。

  1. 後遺障害慰謝料は正確な等級認定が重要
  2. 等級区分による慰謝料額も、弁護士基準だと高額になる

また、被害者が加害者側保険会社に手続を一任した場合、等級区分が本来より軽くなる(慰謝料額も下がる)ばかりか、そもそも後遺障害等級に該当しない「非該当」となってしまうこともあります。

正確な後遺障害慰謝料を請求し、増額をかなえるためには、慰謝料請求方法や正確な症状固定日を把握することが重要であるといえます。

被害者の意思ひとつで、保険会社に一任しないことは可能です。
後遺障害慰謝料の請求に迷いがある場合、弁護士に相談するだけでも被害者は安心を得られるでしょう。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、死亡した本人に対する慰謝料と遺族に対する慰謝料をいいます。

以下は、弁護士基準で計算される死亡慰謝料の金額です。

被害者の立場金額
一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
その他の場合2000万円~2500万円

任意保険の基準は一般公開されているわけではありませんが、おおよそ以下の額であると考えられます。

被害者の立場金額
一家の支柱1700万円
母親・配偶者1500万円
その他の場合1500万円

上記はあくまで推測ですが、弁護士基準より低いことは確実です。

慰謝料が増額・減額される過失割合とは

慰謝料を上げる方法の大前提は、「弁護士基準」であることはお話ししました。
また、示談交渉や等級認定の申請を弁護士に依頼することによって、得られる結果は正確で安心なものになるでしょう。

つぎに慰謝料額が、計算方法などの要素以外で、増額されたり減額されたりする要素「過失割合」についてみていきます。
事故態様に争いのある場合は、過失割合についてきちんと把握しておくことが重要です。

過失割合とは?

交通事故当事者の「責任の割合」を数字で表したもの。
過去の判例を基準に決定される。
弁護士・保険会社ともに「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版](別冊判例タイムズ38)」の文献を参考にしている。
事故ごとに基本の事故類型の大枠が決まり、そこから「修正要素」を加減して最終的に数字が決定する。

過失割合は、当事者同士の話し合いによって決定します。
決定にいたるまでには交渉がお決まりですが、過失割合についての知識を欠かすことはできないでしょう。

慰謝料が大幅に減額されないようにするためには、基本の事故類型から修正要素を検討していく際、加害者側とじっくり話し合う必要があります。

被害者が加害者側保険会社に過失割合の決定をゆだねてしまうと、正当な権利を主張することができません。
また、ご自分で交渉するのであれば、確実な知識をもって慰謝料増額をのための努力をしていく必要があります。

加害者側保険会社は過失割合について熟知しています。
交通事故被害者の方で、過失割合のプロは中々いないかと思いますので、交渉に少しでも自信のない方は弁護士に任せるといいでしょう。

過失割合や基本の事故類型については、交通事故の過失割合|事故タイプ別事例集と保険会社との示談交渉で失敗しないコツで全体像を解説しています。
あわせてお読みください。

アトム法律事務所の慰謝料増額事例

最後に、弊所アトム法律事務所の慰謝料増額事例・解決実績をご紹介したいと思います。
これまでご説明してきた「慰謝料を上げる方法」についてまずは簡単にまとめておきましょう。

  • 慰謝料を上げる方法1 
    慰謝料は「弁護士基準」で計算すること
  • 慰謝料を上げる方法2 
    正確な「後遺障害等級認定」を得ること
  • 慰謝料を上げる方法3 
    被害者が不利にならない「過失割合」が決定すること

増額事例1

「適切な後遺障害等級認定の申請で示談金が増額された事例」
診断:足小指骨折
後遺障害の内容:足小指の神経症状
等級:14級9号

被害者様は、後遺障害等級認定の申請前に弁護士相談。
示談金の大幅な増額が見込まれると弊所の弁護士が判断し、後遺障害等級認定の申請手続をサポート。
結果、弁護士交渉もかねて、示談金の額が3倍に増額。

増額事例2

「弁護士の慰謝料計算と示談交渉で示談金額が4.6倍に増額した事例」
診断:左足首骨折
後遺障害の内容:左足首の可動領域制限
等級:12級7号

すでに加害者側保険会社から示談金提示のあった被害者様。
提示の金額が低いと感じ、弁護士に相談・依頼したところ、3週間で示談が成立。
弁護士基準で慰謝料額などを再計算し、弁護士のスムーズな交渉のすえ納得の解決を得た。

増額事例3

「弁護士による交渉で手取り額が2,000万円を超えた事例」
診断:鎖骨骨折
後遺障害の内容:左肩の可動域制限
等級:後遺障害10級10号

示談金額が低いのではないか、とアトム法律事務所のLINE無料相談サービスでお問い合わせ。弁護士が確認したところ、後遺障害の逸失利益に大幅な増額の余地があることを確認できた。
弁護士依頼から約4ヶ月間で、約3.7倍にあたる2,300万円まで増額。依頼者様の手取り額は2,000万円を越え、満足のいく結果となった。

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まとめ

  • 交通事故の慰謝料を上げる方法は存在する
  • 慰謝料増額のためには弁護士基準による計算や交渉術が必要
  • 後遺障害慰謝料の金額を上げるには「正確な等級認定」が必要
  • 慰謝料は過失割合とその交渉・決定によって増額できる

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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