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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
バイク事故で被害を負ってしまったが、慰謝料はいくらもらえるのか。
今後の生活のことを考えると、様々な不安をお持ちでしょう。
この記事を読めば、相手方の保険会社が提案する慰謝料が十分な金額なのかどうかを判断するポイントがつかめます。
特にバイク事故は、人の身体に重大な損傷を与える可能性が高い交通事故です。
被害者の方が損をすることのない金額での解決を共に目指しましょう。
目次
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交通事故の慰謝料請求において、被害者が絶対に知っておくべき2つの基礎知識があります。それは、「慰謝料の種類」と「慰謝料の決まり方」です。
交通事故の慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛を和らげるために支払われる金銭のことです。
被害者が交通事故によって被った精神的損害を緩和するために支払われる金本人が請求することはできないため、慰謝銭
交通事故被害者への慰謝料は3種類あります。交通事故で受けた損害によって、請求すべき慰謝料が異なるのです。
交通事故の慰謝料3種類
慰謝料 | 対象 |
---|---|
入通院慰謝料 | 怪我の治療のために入院・通院した人 |
後遺障害慰謝料 | 怪我が治らず後遺障害が残った人 |
死亡慰謝料 | 事故で死亡してしまった人 |
バイク事故の被害者の方に知っておいてほしいことは、誰が慰謝料を算定するのかで、同じ事故であっても、慰謝料額が全く異なるということです。そして、弁護士基準での交渉をしないと、慰謝料などの損害賠償請求で損をしてしまうことになるのです。
慰謝料は、交通事故被害者の精神的苦痛を和らげるために支払われます。しかし、精神的苦痛は目には見えないもので、感じ方も人それぞれです。そこで、一定のルールに従って算定されています。慰謝料算定のルールは、次の3つがあります。
自賠責保険の基準とは、相手方の自賠責保険会社が慰謝料を算定する時に用いる計算基準のことです。自動車損害賠償法施行令に基づく、交通事故の被害者を救済するための社会のセーフティーネットといえます。
自動車の運転手には、自賠責保険への加入が義務付けられています。事故の相手方が自動車の運転手であれば、相手が法律違反(自賠責保険に未加入)でないかぎり、自賠責基準に基づいた補償は必ず受けられます。
任意保険の基準とは、相手方の任意保険会社が慰謝料を算定する時に用いられる基準のことです。自賠責基準とは異なり、各任意保険会社が独自に定める社内ルールです。詳細は公にされていませんが、任意保険基準だからといって、自賠責基準から大幅な増額は期待できません。
任意保険は自由加入の保険のため、事故の相手方の加入有無は、できるだけ早く確認すべきです。
弁護士基準とは、被害者から依頼を受けた弁護士が、事故の相手方と示談交渉する際に用いる基準のことです。大切なことは、弁護士基準で算定する時、慰謝料が最も高額になることです。
慰謝料金額相場の3基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)を比べると、弁護士基準で算定しないと、損をしてしまう可能性が極めて高いです。
弁護士基準は、裁判基準ともいわれています。事故の加害者を相手取った民事裁判を起こした場合に、裁判所で使われる基準と同じだからです。
あるいは、書籍「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称:赤い本)に掲載されていることから、赤い本の基準といわれることもあります。
民事裁判での解決は、示談交渉と比べて長期化する傾向にあります。
実際、交通事故の多くでは、相手方との示談交渉による解決が図られます。示談交渉がまとまらなかった時に、裁判という選択肢を採るパターンが多いです。
示談交渉では、まず相手の保険会社から慰謝料を含む示談金の提示を受けます。
提案額は、自賠責基準や任意保険基準に基づいたもので、増額の余地があります。
示談交渉を弁護士に依頼することで、裁判を起こすことなく、裁判と同等の基準まで引き上げる増額交渉が可能となるのです。
また、交通事故の慰謝料を適切にもらうためのポイントをおさえて、適切な金額の獲得を目指しましょう。
慰謝料計算の3基準について
入通院慰謝料は、バイク事故によって受けた怪我の痛みに耐えて、病院に入院したり、通院した方を対象としています。
入通院慰謝料の金額は、入院・通院に費やした時間の長さで決まります。
原則として、治療に費やす時間が長いほど、慰謝料の金額も高額になります。
バイク事故による腕の骨折などを負った場合を例に、入通院慰謝料を計算してみましょう。
自賠責基準では、日額4,300円が入通院慰謝料となります。
以下の2つの式で、金額の少ない方を採用します。
自賠責基準の入通院慰謝料
民法改正に伴い、交通事故発生日が2020年3月31日以前の場合は日額4,200円になる点にご注意ください。
では、上で例示したケースの場合は自賠責基準の入通院慰謝料がいくらになるのか計算をしてみましょう。
腕の骨折などで、治療は210日かかりました。
入院日数は30日間、通院日数は180日間でした。
そのうち、実際に病院で治療を受けたのは60日間でした。
自賠責基準の入通院慰謝料計算式に当てはめると、次の通りです。
(2020年4月以降に発生した交通事故の場合)
2つの計算式を比較して、金額の少ない方を入通院慰謝料として採用します。
自賠責基準で計算した入通院慰謝料は、64万5,000円となります。
任意保険基準は、各保険会社で独自に定められている計算基準です。
以前はすべての任意保険会社で共通した算定基準を持っていました。
現在でも、かつての旧統一基準を踏襲していたり、近い基準を設定している任意保険会社が多いので、参考程度に旧統一基準をご紹介します。
任意保険基準(旧統一基準)
旧統一基準では、入院・通院の日数の交わる部分を慰謝料としています。
「月」は30日表しますので、「1ヶ月」と混同しないようにしてください。
先ほど紹介した例は、腕の骨折などで、治療は210日かかりました。
入院日数は30日間、通院日数は180日間でした。
そのうち、実際に病院で治療を受けたのは60日間でした。
入院1月・通院6月の交わるところが、入通院慰謝料です。
任意保険会社の旧統一基準に基づいた入通院慰謝料は、83万2,000円です。
自賠責基準で計算した入通院慰謝料64万5,000円と比べると、金額は上がります。
弁護士基準で入通院慰謝料を計算するときは、慰謝料算定表を使います。
算定表には「重傷」「軽傷」の2つがあります。
基本的には「重傷」の表を使いますが、打撲・擦り傷・むちうちなど比較的軽い怪我の時には「軽傷」の表を使ってください。
重傷の入通院慰謝料算定表(弁護士基準)
つづいて、軽傷時に使う弁護士基準の慰謝料算定表です。
軽傷の入通院慰謝料算定表(弁護士基準)
先ほど紹介した例は、腕の骨折などの怪我のため、重傷の算定表を使います。
入院日数は30日間、通院日数は180日間だったので、入院1月・通院6月の交わるところを見ます。
弁護士基準での入通院慰謝料は、1,490,000円(149万円)です。
例:バイク事故による腕の骨折など
この交通事故の場合、入通院慰謝料は次のようになります。
入通院慰謝料の3基準比較
自賠責 | 任意 | 弁護士 |
---|---|---|
64万5,000円 | 83万2,000円 | 149万円 |
※任意基準は旧統一基準による
※2020年4月以降に起こった交通事故の場合に適用
交通事故の入通院慰謝料は、弁護士基準で算定する時に最も高くなることがよく分かります。
後遺障害慰謝料とは、交通事故で負った怪我が完治せず、後遺障害が残った方に対して支払われる慰謝料のことです。
後遺障害慰謝料の金額は、おおよそ後遺障害等級ごとに相場が決められています。後遺障害等級が1つ違うだけで慰謝料の金額が変わりますので、適切な後遺障害等級認定を受けることが大切です。
後遺障害慰謝料の算定についても、入通院慰謝料と同様に、慰謝料の3基準を用います。任意保険基準については現在非公開とされているため、自賠責基準と弁護士基準の後遺障害慰謝料の目安を示します。
後遺障害慰謝料(自賠責基準と弁護士基準)
等級 | 自賠責* | 弁護士 |
---|---|---|
1級・要介護 | 1,650 (1,600) | 2,800 |
2級・要介護 | 1,203 (1,163) | 2,370 |
1級 | 1,150 (1,100) | 2,800 |
2級 | 998 (958) | 2,370 |
3級 | 861 (829) | 1,990 |
4級 | 737 (712) | 1,670 |
5級 | 618 (599) | 1,400 |
6級 | 512 (498) | 1,180 |
7級 | 419 (409) | 1,000 |
8級 | 331 (324) | 830 |
9級 | 249 (245) | 690 |
10級 | 190 (187) | 550 |
11級 | 136 (135) | 420 |
12級 | 94 (93) | 290 |
13級 | 57 (57) | 180 |
14級 | 32 (32) | 110 |
※慰謝料の単位:万円
※()内は2020年3月31日までに発生した交通事故に適用
後遺障害慰謝料は、自賠責基準と弁護士基準の相場に大きな差額があります。その差額は2倍から3倍近くにもなるのです。
後遺障害の等級認定を受けたら、入通院慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料を請求しましょう。さらに、後遺障害逸失利益についても算定すべきです。
症状別の慰謝料相場金額についてくわしく知りたい方は「【症状別】交通事故慰謝料相場」もご覧ください。
バイク事故により命を落とされた場合、死亡慰謝料の請求を行いましょう。
死亡慰謝料は、亡くなられた被害者本人に支払われます。
ただ、当然ながら被害者本人が請求することはできないため、慰謝料の請求権を引き継いだ遺族・近親者などが請求を行います。
死亡慰謝料も、入通院慰謝料と同様に、慰謝料算定の3基準によって金額が変わります。任意保険基準は非公開とされていますので、自賠責基準と弁護士基準を比較してみます。
死亡慰謝料(自賠責基準と弁護士基準)
被害者 | 自賠責 | 弁護士 |
---|---|---|
一家の支柱 | 400(350) | 2,800 |
母親・配偶者 | 400(350) | 2,500 |
独身の男女 | 400(350) | 2,000~2,500 |
子ども | 400(350) | 2,000~2,500 |
幼児 | 400(350) | 2,000~2,500 |
以下は該当する場合のみ | ||
+ 遺族1名 | 550 | – |
+ 遺族2名 | 650 | – |
+ 遺族3名以上 | 750 | – |
+ 被扶養者あり | 200 | – |
※慰謝料の単位:万円
※※遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)
※※※( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用
自賠責基準は、被害者1名につき400万円の死亡慰謝料が認められます。そして、被害者の遺族の人数と扶養者の有無に応じて金額が加算されます。加算分は、近親者固有の慰謝料ともいわれ、死亡慰謝料と区別されています。
弁護士基準では、死亡慰謝料の算定時に、被害者の社会的立場を考慮して金額を算定します。弁護士基準の死亡慰謝料には、既に自賠責基準上の近親者固有の慰謝料が含まれている点に注目です。
関連記事
死亡事故で慰謝料はいくらもらえる?慰謝料相場と遺族がもらえる損害賠償金を解説
バイク事故で損害賠償請求できる費目は、慰謝料だけではありません。
慰謝料だけでなく、治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益、葬儀費などの費用も、示談金に含まれるお金です。
示談金の主な内訳
損害 | 人 | 物 |
---|---|---|
財産的 | 治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益、葬儀費 | 車両の修理・買替費、代車料、評価損、休車損害 |
精神的 | 入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料 | – |
慰謝料は、請求すべき示談金の内訳の一つに過ぎません。
損害賠償請求の関連記事
休業損害は、交通事故にあって仕事ができなくなった人への補償です。
事故当時に仕事をしていた人や、仕事をしていたであろう人(例:内定をもらっていた、明日から働く予定だったなど)にも認められます。
また休業損害の対象者は、給与所得者・雇用形態を問いません。
主婦の家事労働、自営業者、アルバイトの学生なども、休業損害の対象です。
休業損害は、対象となる休業日数分の日額を受け取ります。
日額の算定方法は、自賠責基準と弁護士基準で異なり、弁護士基準で算定するほうが日額は高くなることが多いです。
任意保険基準の休業損害算定方法は、非公開とされています。そこで、自賠責基準と弁護士基準の算定方法をみてみましょう。
休業損害の日額計算方法
自賠責 | 弁護士 |
---|---|
6,100円(※) | 事故前3ヶ月の給与合計÷ 事故前3ヶ月の就労日数 |
※証明ができれば上限19,000円まで認められる
※2020年3月31日までの交通事故の場合:5,700円
事故前3ヶ月の給与合計が60万円だとします。(1月あたり20万円)
3ヶ月で合計60日働いていたとしたら、日額1万円となります。
休業損害でよくあるお問い合わせにお答えします。
不明点があれば、以下の内容以外でも、お気軽にお問い合わせください。
主婦も休業損害の対象です。弁護士なしの場合、相手方の保険会社からは、法令の最低基準である6,100円(※2020年4月以降の事故の場合)で提示を受けるでしょう。もし弁護士に依頼いただけたら、日額10,000円以上での交渉が可能です。
関連記事:「交通事故の休業損害は職業別に異なる」
いいえ、有給休暇を取得した日も休業損害の対象日としてください。
事故がなければ有給休暇を取得することはなかったと想定されますので、有給休暇を取得させられた損害ととらえてください。
休業損害は、給与所得者の場合「休業損害証明書」を相手方の保険会社に提出して2週間程度を目安に支払われます。
専業主婦の場合は家族分の記載がある住民票の写し、自営業者の場合は前年度の確定申告書の控えが必要です。もっとも、専業主婦・自営業者の休業損害は、給与所得者とくらべて、相手方の保険会社にきちんと認めてもらえないなどのトラブルが多い部分です。
相手方の保険会社と揉めている場合は、お早めに弁護士にご相談下さい。
逸失利益は、後遺障害が残った場合に認められる「後遺障害逸失利益」と、死亡時に認められる「死亡逸失利益」の2つがあります。
慰謝料や休業損害のように算定基準ごとの違いはなく、それぞれ以下の計算式で算定します。
逸失利益の計算方法
【後遺障害逸失利益】
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
【死亡逸失利益】
基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
基礎収入とは、交通事故にあう前年の年収をさします。
労働能力喪失率は、後遺障害等級ごとに目安が定められています。後遺障害の内容が重いほど労働能力は低下すると考えられるので、労働能力喪失率は上昇します。
労働能力喪失率
等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
1 | 100% |
2 | 100% |
3 | 100% |
4 | 92% |
5 | 79% |
6 | 67% |
7 | 56% |
8 | 45% |
9 | 35% |
10 | 27% |
11 | 20% |
12 | 14% |
13 | 9% |
14 | 5% |
労働能力喪失期間・就労可能年数とは、原則67歳までの年数をさします。被害者が症状固定となった年齢から67歳までを引き算します。事故にあわなければ67歳まで労働による収入が得られていた、と仮定されるのです。
たとえば40歳で症状固定(これ以上治療を続けても症状が改善しないと判断されること)をむかえたなら、労働能力喪失期間は27年です。
労働能力喪失期間とライプニッツ係数
労働能力喪失期間 | ライプニッツ係数 |
---|---|
1年 | 0.97(0.95) |
5年 | 4.58(4.33) |
10年 | 8.53(7.72) |
20年 | 14.88(14.46) |
30年 | 19.60(15.37) |
※()内の数値は2020年3月31日までに発生した交通事故に適用
生活費控除率とは、その方が存命していれば、収入から一定程度差し引かれていたであろう生活費のことです。
亡くなられた以上は生活費の支出を免れることになるため、生活費に相当する金額が死亡逸失利益から控除されます。
被害者 | 生活費控除率 |
---|---|
一家の支柱 (扶養家族1人) | 40% |
一家の支柱 (扶養家族2人以上) | 30% |
女性 | 30% |
男性 | 50% |
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慰謝料をはじめとして、示談金は、相手方の保険会社から提案を受けて、被害者が内容を検討することになります。
「この金額で納得していいのか?」
「適正なのか判断できない」
「いったい相場通りもらえているの?」
はじめて交通事故の被害者となった人は、金額を見てもピンと来ないでしょう。
そこでおすすめの計算ツールがあります。
それは「慰謝料計算機」という、慰謝料・休業損害・逸失利益の自動計算ツールです。
示談金に含まれる多くの項目が簡単に・自動で計算できますので、複雑な計算式で電卓をたたく必要はありません。
警察庁発表の「令和元年中の交通事故の発生状況」によると、バイク事故の特徴として、重症事案の割合が高いことが分かります。
発表資料(表2-4-2:損害主部位別・状態別死傷者数)によると、バイク(二輪車)による交通事故の被害状況は次の通りです。
死者 | 重傷者 | 軽傷者 | |
---|---|---|---|
人数 | 510 | 8,034 | 40,292 |
割合 | 1.04% | 16.4% | 82.5% |
※警察庁「令和元年中の交通事故の発生状況」 表2-4-2より作成
バイク事故のうち、約17.44%が死亡または重傷となっています。
同様に、自動車・自転車・歩行中の情報を元に、死者・重傷者の割合を算定してみます。
自動車 | 自転車 | 歩行中 | |
---|---|---|---|
死者 | 1,083 | 433 | 1,176 |
重傷者 | 8,408 | 7,461 | 8,065 |
軽傷者 | 280,579 | 71,088 | 37,174 |
割合 | 3.2% | 9.9% | 19.9% |
※警察庁「令和元年中の交通事故の発生状況」 表2-4-2より作成
※割合は全体に占める死者と重傷者
バイク事故は歩行者と同じくらい、死亡事故、重傷事故になる傾向があるのです。同様に、バイク事故の後遺症も、重いものになる可能性があります。
事故の概要:神戸地判平29.3.30
事故時32歳の男性がバイクに乗車中、右折してきた対向乗用車に衝突された。
びまん性軸索損傷、くも膜下出血などの傷害を負い、後遺障害 別表11級1号と認定された。寝たきりの状態となってしまい、将来の介護費も請求の対象となった。
認められた損害内容の一部を抜粋します。
非常に重い後遺障害が残り、生命の維持のための24時間介護が必要と認定されました。被害者は32歳と若く、67歳までの就労可能年数も35年ありました。
介護をするための居宅リフォーム費用に加えて、介護の担い手である親族が高齢になった際の職業人介護の必要性も認められました。
事故の概要:京都地判平23.4.15
バイクに乗車中の被害者と、センターラインを越えて走行してきた軽自動車の衝突事故が起こった。左下腿の挫創、腰椎捻挫、頭部・側面に外傷を負い、入院・通院を続けた。2年10ヵ月後、後遺障害等級認定は自賠責保険非該当とされた。被害者はPTSDにより9級10号に後遺障害を負ったことを主張した。
精神神経科医の診察結果もあり、PTSDが認定されました。後遺障害等級については、被害者の主張通りとはならず、自賠責後遺障害11級相当との結論づけられました。認められた損害内容の一部を紹介します。
後遺障害等級については、被害者の主張通りの等級とはなりませんでした。しかし、精神科医の診断結果などをもとにPTSDの認定がなされた結果です。
バイク事故が発生してから示談までの流れは、次のようなフローになります。
事故発生から示談までの流れ
示談までの流れには、いくつか分岐点があります。
一つ目は、後遺障害等級認定の申請をするかという点です。
怪我が完治しなかった場合は、症状固定の診断を受ける時が来ます。
症状固定の判断は、医師の見解が尊重されます。
医学上、一般的に承認された治療による効果が期待できない状態、これ以上治療をしても症状の改善が見込めない状態に達したこと
後遺障害等級認定の申請をするときには、後述しますが、被害者請求という方法での申請をおすすめします。
二つ目の分岐点は、示談がまとまらない時です。
示談交渉が難航してしまい、双方ともに納得できる内容が定まらない場合は、次のような選択肢が考えられます。
ADRとは、裁判外紛争解決手続きといわれます。あっ旋・調停など、裁判以外の方法で、解決を目指します。いずれも第三者に間に入ってもらうもので、裁判と比べると、比較的手続きが簡易であり、費用が低額におさえられるメリットがあります。
民事裁判は、相手方との示談交渉がうまくいかず、話し合いによる解決が難しいと判断される場合の手段ともいえます。交通事故の解決では、刑事裁判と混同されやすいので注意しましょう。民事裁判とは、損害賠償請求に関する争いを解決する手段であり、懲役・禁固刑などの刑事罰の裁定をする裁判ではありません。
交通事故の慰謝料は、示談金の一部です。
示談金は、示談交渉を通して確定する金銭なので、示談終了後に受けとることができます。
しかし実情としては、以下のような悩み・要望を抱えている被害者の方が多いです。
「少しでも早く慰謝料を貰いたい」
「事故のせいで出費が多くて早く一定のお金が欲しい」
「まだ治療が続きそうで示談までが遠くて生活が不安だ」
アトム法律事務所の弁護士にご依頼いただければ、「被害者請求」という方法で、示談金の一部を先行して受けとるサポートをいたします。
被害者請求とは、被害者自身が直接相手方の自賠責保険会社に慰謝料などの請求を行うことをいいます。
事故の相手方が任意保険に加入している場合、任意保険会社は「示談代行サービス」に基づいて、加害者本人の代わりに、被害者との窓口となり示談交渉をします。だから、被害者が示談交渉する相手は、相手方の任意保険会社の担当者なのです。
もうひとつ、任意保険会社は「任意一括払」というサービスを持っています。任意一括払では、自賠責保険会社から被害者へ支払われるべき損害賠償金を、任意保険会社が代わりに支払うというものです。示談交渉の相手は任意保険会社の担当者で支払元は自賠責保険会社、という二重構造を避けることにもなり、被害者にとってもメリットはあります。
しかし、任意保険会社を介して慰謝料を受けとるということは、受け取り時期が示談交渉の進捗次第ということになってしまいます。
そこで、任意保険会社を通さずに、被害者が直接、自賠責保険会社に支払いを求めることで、示談を待たずに受けとることができます。
ただ、被害者請求で請求できるのは、あくまで自賠責保険会社から支払われる分にとどまります。
自賠責保険会社から支払われる損害賠償金は、法令に定められた通りの内容です。被害者に生じた損害が高額化すれば、自賠責保険会社による支払金額では不足するのです。自賠責保険会社による支払いで不足する分を、任意保険会社がカバーして支払います。
自賠責保険会社による支払い基準は次の通りです。
これらの金額までは、被害者請求で請求が可能です。
被害者請求の手続きには、書類の収集・準備の負担がかかりますが、弁護士が丁寧にサポートしますのでご安心ください。
ちなみに、被害者請求は、後述のバイク事故の慰謝料請求で後遺障害等級認定を受ける時にも利用できます。
損害賠償請求には、時効があります。
2020年4月1日の民法改正に伴い、一部の時効が延長されました。
被害者にとってはメリットが増えたことになります。
しかし、一つの交通事故の中で、異なる時効が並列することになり、やや複雑になった側面もあります。
損害賠償請求の時効は次の通りです。
民法改正で適用される時効
請求内容 | 時効 |
---|---|
人身事故(後遺障害なし) | 事故発生翌日から5年 |
人身事故(後遺障害あり) | 症状固定翌日から5年 |
死亡事故 | 死亡翌日から5年 |
物的損害(人身事故の物損含む) | 事故発生翌日から3年 |
自賠責保険への被害者請求 | 3年 |
原則、2017年4月1日以降に発生した交通事故については新しい時効が適用されます。
ただし、相手方の自賠責保険会社への被害者請求については民法で定められておらず、今回の改正の対象外なので、3年のままです。
時効に関するご不安・ご不明点等ございましたら、お早めの弁護士相談をおすすめします。
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慰謝料など損害賠償の性質を持つ金銭は、原則、課税対象ではありません。所得税・相続税はかかりませんし、自営業者の方も確定申告の対象ではありません。
しかし、被害者が死亡した時に受けとる生命保険金などは、損害賠償ではなく、保険金となりますので、所得税・相続税・贈与税などの対象となりえます。
また、常識の範囲を超える金額を「お見舞金」などとして受けとった場合も、課税対象となる可能性があります。(例:むちうちで100万円など)
交通事故の過失割合は、まず、相手方の保険会社から提示を受けることが多いです。これまでの裁判結果を集めた書籍「過失相殺率の認定基準 判例タイムズ」を元に基本の過失割合を算出し、個別の事故状況などを加味した過失割合案が提示されます。
たとえば、次の事例を考えてみましょう。
事故状況図は、四輪車が進路変更をしたことでバイクとの交通事故が起きたケースを示しています。
基本の過失割合は、A(バイク):B(自動車)=20:80です。
損害のシミュレーション
過失割合が20:80でまとまった場合、被害者は、相手に生じた損害の20%を支払う必要があります。相手に対して4万円(損害20万円の2割)を支払うことになります。
加害者には、8割の過失があります。
被害者は、80万円(損害100万円の8割)の支払いを受けます。
過失割合は損害賠償額に直結します。
相手方と自身の主張が異なる場合、過失割合に納得がいかない場合は、そのままうのみにしてはいけません。
たとえば、修正要素に注目すべきです。
修正要素とは、事故ごとの事情を反映して、基本の過失割合に変更を与えうる事項です。
相手方の車両が、車線変更禁止場所で車線変更をしてきたケースや、進路変更の合図をせずに車線変更をしてきたケースなら、被害者の過失割合は下がると考えられます。
事故の様態ごとに修正要素は異なります。
個別の過失割合の相談・疑問は、弁護士相談をご利用ください。
後遺障害等級認定の申請は、事前認定と被害者請求の2つの方法があります。
適正な後遺障害認定を受けるためには、被害者請求での申請をおすすめします。
事前認定と被害者請求のメリット・デメリットは次の通りです。
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
被害者の手間 | 少ない | 手間がかかる |
申請時の工夫 | できない | できる |
後遺障害等級は1級から14級まであります。
それぞれの等級の認定基準は次の通りです。
等級 | 症状の内容 |
---|---|
第1級 |
|
第2級 |
|
等級 | 症状の内容 |
---|---|
第1級 |
|
第2級 |
|
第3級 |
|
第4級 |
|
第5級 |
|
第6級 |
|
第7級 |
|
第8級 |
|
第9級 |
|
第10級 |
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第11級 |
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事前認定は、相手方の任意保険会社を中心に、後遺障害等級認定の申請をする方法です。被害者は、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらい、任意保険会社に提出するだけで作業完了です。
いう本来の申請目的を達するための工夫が
事前認定のメリットとしては、被害者にかかる手間は少ないことがあげられます。
しかし、後遺症の存在をより正確に示すための「検査結果」や「説明資料」を同封するなどの工夫はできません。すべて加害者側の任意保険会社にゆだねることになります。
また、想定していた後遺障害等級の認定がなされなかった時、相手方に任せきりにしたことで、「なぜ?」という疑心がつのり、心情的なしこりが残る傾向があります。
被害者請求は、加害者側の任意保険会社を介さず、直接、自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定を申請する方法です。被害者は、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらったら、これまでの治療経過が分かるような資料・検査結果とあわせて、自賠責保険会社に提出します。
被害者請求は、後遺障害等級認定の申請主体が、被害者自身になります。
事前認定では加害者側の任意保険会社に任せていた手続きも、被害者自身で行うことから、手間がかかります。
しかし、「後遺障害等級認定を受ける」という本来の申請目的を達するための工夫ができます。手間がかからない方法でも、結局、目的が達成できなければ不満が残ってしまいます。
バイク事故では、重傷事案になる傾向があります。
その分、後遺障害も重いものになる可能性があります。一生つきあっていくことになる重い後遺障害に対して、適正な補償を受ける権利があります。
弁護士にご依頼いただければ、被害者請求に関するご負担を軽減するためのサポートをいたします。被害者お一人ですべてを行う必要はありませんので、ご安心ください。
前述した通り、交通事故の慰謝料には算定基準があります。
しかし、個別の事情を考慮して、基準より高額な慰謝料が認められる場合があります。
慰謝料増額が認められうる事由の一部をご紹介します。
事由 | 具体例 |
---|---|
加害者の過失が重大 | 酒気帯び運転、薬物使用での運転、居眠り運転、信号無視、大幅なスピード違反、ひき逃げ |
加害者の態度が悪質 | 事実を認めず虚偽を繰返す、反省の態度が全く見えない |
治療期間短縮 | 被害者が幼い子供の養育のために入院を早期に切り上げなくてはならなかった |
加害者の運転そのものの悪質性、著しく悪質な態度は、被害者を精神的に追い詰めたと判断されます。
また、やむをえない事情で治療期間を早く切り上げなくてはならなかったことも、慰謝料で斟酌されるべき事由です。
難しいことに、「加害者の態度に納得できない」「加害者が謝罪に来ない」といった事柄だけでは、増額余地の有無は判断できません。事情をお伺いして、弁護士の視点でアドバイスさせていただきますので、一度ご相談ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
英語:TOEIC925点
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