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ウーバーイーツ配達員と交通事故|賠償責任は誰に?その後の対応も解説

更新日:

ウーバーイーツ配達員と事故

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

フードデリバリーの需要が高まる中で、ウーバーイーツの配達員による交通事故が多発しています。
ウーバーイーツの配達員と交通事故になった場合、配達員には賠償請求できますが、ウーバーイーツ側に補償を求めることは現状できません。

この記事では、ウーバーイーツとの事故における損害賠償請求の相手や、損害賠償請求までの流れ・ポイントについて解説しています。
通常の事故とは事情が異なる点もあるので、よく確認していきましょう。

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ウーバーイーツと事故|損害賠償請求の相手は?

ウーバーイーツの配達員と事故になった場合、損害賠償請求の相手として配達員やウーバーイーツが思い浮かぶでしょう。しかし、現状としては配達員に対してしか損害賠償請求できません。

損害賠償請求の相手について、詳しく解説していきます。

基本的には配達員に損害賠償請求する

ウーバーイーツの配達員と事故になった場合は、基本的には直接の加害者である配達員に損害賠償請求をします。
ただし、損害賠償金が支払われる仕組みは、配達員が配達中だったのかそれ以外だったのかによって異なるので、注意点とともに解説します。

配達員が配達中だった場合|保険が適用される

ウーバーイーツの配達員は、ドライバー登録の際に自動的に、三井住友海上火災保険の「対人・対物補償責任保険」に加入しています。配達員が配達中に起きた事故であればこの保険が適用されるので、損害賠償金は保険会社から支払われます。

対人・対物賠償責任
配達中の事故により、他人を死傷させたり、他人の物品を壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償します。

尚、補償額には1億円の上限があります。

一例:
・配達中に歩行者にぶつかって怪我を負わせた場合
・商品の受け渡し時に誤って料理をこぼしてしまい、注文者に火傷を負わせた場合
・配達中に注文者の自宅や第三者の車両に損害を与えた場合

Uber公式ホームページ

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 配達中とは、配達リクエストを受けた時点から配達が完了、またはキャンセルするまでの間のこと。
  • 補償額には1億円の上限があり、損害賠償金が1億円を超える場合、超過分は加害者自身に支払ってもらう。
  • この対人・対物賠償責任保険には示談代行サービスがないので、示談交渉は加害者本人または加害者が個人的に加入する保険会社の担当者と行う。

なお、この保険はあくまでも配達員が加入する保険であり、「損害賠償金の支払いを、配達員に代わって保険会社が行う」ものです。
この保険を利用してウーバーイーツ側が被害者に補償を行うわけではありません。

保険の加入者である配達員が特定できていないと、この保険は適用されないので注意してください。

配達員が配達中でなかった場合

配達員が配達中ではなかった場合は、上記の保険は適用されません。よって、損害賠償金は加害者である配達員本人または配達員が個人的に加入している保険から支払われます。

特に加害者本人から損害賠償金の支払いを受ける場合、以下の点に注意する必要があります。

  • 加害者の資力によっては分割払いになる可能性がある
  • 加害者が損害賠償金の支払いを踏み倒す可能性がある

上記のようなリスクに対応するためには、被害者自身が自分の保険から保険金を受け取る、示談書を公正証書にするなどの対策が必要です。

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ウーバーイーツへの損害賠償請求は現状できない

加害者が仕事中に起きた交通事故なら、通常は使用者責任を負う雇用主にも損害賠償請求ができます。
このことは民法715条で定められていますが、ウーバーイーツ側は「個人事業主である配達員に業務委託しているだけであり、雇用しているわけではないので使用者責任は負わない」と主張しています。

民法715条

(使用者等の責任)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

民法七百十五条 使用者等の責任

ウーバーイーツはホームページにて、配達員に向けても利用者に向けても、「配達員はウーバーイーツに雇用された者ではなく、独立した第三者(個人事業主)である」旨を明記しているので、こちらも紹介しておきます。

Uber Eats の仕事はシフトがありません。1時間だけでも、土日だけでも、空き時間に配達することが可能です。個人事業主なので、働く時間やスケジュールを決めるのは自分自身。

Uber公式ホームページ ドライバー登録ページ

貴殿は、Uberがデリバリー等サービスを提供するものではなく、全ての当該デリバリー等サービスはUber又はその関連会社により雇用されていない独立した第三者の契約者により提供されることを了承することとします。

Uber公式ホームページ 法的情報

ウーバーイーツへの損害賠償請求は裁判になる

事業の仕組み上、ウーバーイーツは民法715条に記載されている「ある事業のために他人を使用する者」に該当するのではないかという声も多いです。

しかし、ウーバーイーツの使用者責任を認める判例がない現状では、ウーバーイーツ側にも損害賠償請求をするのは難しいと言わざるをえません。

ウーバーイーツ側にも損害賠償請求をしたい場合は、裁判になるでしょう。

加害者には危険運転として刑事罰が下ることも

交通事故の原因がウーバーイーツの配達員による危険運転であるとわかれば、配達員には刑事罰が下ります。
具体的には以下の通りです。

  • 危険運転致傷
    • 15年以下の懲役(自動車運転致死傷処罰法2条柱書前段)
    • 12年以下の懲役(自動車運転致死傷処罰法3条1項前段2項)
  • 危険運転致死
    • 1年以上の有期懲役(自動車運転致死傷処罰法2条柱書後段)
    • 15年以下の懲役(自動車運転致死傷処罰法3条1項後段2項)
  • 過失運転致死傷
    • 7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金(自動車運転致傷処罰法5条)

こうした刑事罰は刑事手続きの中で行われます。刑事裁判になった場合には、被害者も裁判に出ることを求められる可能性があります。

この章のまとめ

  • ウーバーイーツの配達員との事故では、損害賠償請求は配達員に行う
  • ウーバーイーツ側への損害賠償請求は現状できない

ウーバーイーツにひき逃げ・当て逃げされた場合

ウーバーイーツの交通事故では、配達員がそのまま逃げてしまうケースも多発しています。事故のあと配達員がそのまま行ってしまった場合、損害賠償請求はどうなるのか解説していきます。

損害賠償請求には、配達員の特定が必要

ウーバーイーツの配達員にひき逃げや当て逃げをされた場合は、加害者がわからなければ損害賠償金の請求はできません。
ウーバーイーツに連絡をしても、事故をした配達員が特定できていないと、具体的な対応はしてもらえないでしょう。

事故を警察に届け出る際、以下のような加害者特定につながりそうな証拠・証言を提出しておくと良いです。

  • ドライブレコーダーや防犯カメラの映像
  • 配達員がバイクであれば、ナンバープレートの内容
  • 加害者の背格好

加害者が見つかれば、前の章で解説した通り、損害賠償請求は配達員に対して行います。

ひき逃げ・当て逃げには刑事罰もある

ひき逃げや当て逃げに対しては、刑事罰も下されます。具体的には以下の通りです。

  • ひき逃げ
    • 5年以下の懲役または50万円以下の罰金(道路交通法117条1項)
    • 10年以下の懲役または100万円以下の罰金(道路交通法117条2項)
  • 当て逃げ
    • 1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道路交通法117条の5第1号)
    • 3月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法119条1項10号)

この章のまとめ

ウーバーイーツの配達員にひき逃げ・当て逃げされた場合は、配達員が特定できないと補償を受けられない

ウーバーイーツと事故|対処の流れとポイント

続いて、ウーバーイーツの配達員との事故における、損害賠償請求までの流れを見ていきましょう。
ウーバーイーツとの事故ならではのポイントも紹介していきます。

ウーバーイーツとの事故|損害賠償請求までの流れ

ウーバーイーツの配達員と事故になった場合の大まかな流れは、一般的な事故の場合と同じです。

示談金受け取りまでの流れ
  1. 警察に連絡し、相手と情報交換
    警察への連絡は、道路交通法上の義務です。違反すると3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が生じるので、必ず連絡しましょう。
    加害者から聞き出すべき情報については、この後詳しく解説します。
  2. 治療
    治療費は、治療と並行して加害者側が病院に直接支払うか、被害者が一旦立て替えておき、あとから加害者に請求します。
    治療の頻度が低すぎたり、整骨院や接骨院をメインに通院していたりすると慰謝料を減らされる可能性があるので注意しましょう。
    関連記事:交通事故の治療の流れ|整骨院と整形外科のどちらに通うのが正解?
  3. 後遺障害認定
    後遺症が残ったら、後遺障害認定を受けます。ここで後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益の請求ができます。
    関連記事:交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状
  4. 示談交渉
    加害者側と示談交渉をして、慰謝料・損害賠償額や過失割合を決めます。
    関連記事:交通事故の示談ガイド|流れと要点

ポイント(1)名前・電話番号・注文番号は必ず聞く

交通事故の相手がウーバーイーツの配達員なら、必ずフルネーム・電話番号を聞き、配達中であれば注文番号も確認しておきましょう。
一旦解散したあと加害者と連絡が取れなくなっても、上記3点をウーバーイーツに伝えると、配達員を特定してもらえる可能性があります。

なお、加害者に対しては上記3点の他、以下についても確認しておきましょう。

  • バイクであればナンバープレートの内容
  • 保険の加入状況、保険会社
  • 住所、勤務先、通学先
    ※免許証や学生証の写真を撮らせてもらうとなお良し

ポイント(2)配達中ならキャンセル手続きをしてもらう

ウーバーイーツの配達員は緊急事態の場合、配達員専用のアプリから配達キャンセルの手続きができます。それにより、別の配達員の手配やお客さんへの返金といった対処がなされます。

加害者が「配達があるから」とその場を離れようとした場合には、アプリからキャンセル手続きをすれば良い旨を伝え、警察が到着するまでその場にとどまってもらいましょう。

ポイント(3)ウーバーイーツの事故は弁護士を挟むべき

示談交渉の相手は、ウーバーイーツの配達員が個人的に保険に入っているかによって異なります。しかし、いずれの場合でも示談交渉では弁護士を立てることが大切です。

配達員が個人的に保険に入っている場合

配達員が個人的に保険に入っている場合は、その保険会社の担当者と示談交渉を行います。この際の注意点は以下の通りです。

  • 保険会社の担当者は、慰謝料・損害賠償金を低く算定する傾向にある
  • 担当者は、日々さまざまな被害者・弁護士と示談交渉をしているので、保険会社側の主張を覆すのは非常に難しい

保険会社の担当者が交渉相手となる場合、経験や知識の豊富さといった点から相手方の方が圧倒的に有利と言わざるをえません。
加害者側は慰謝料や損害賠償金を少なめに提示してきますが、十分に増額させられず、本来もらえるはずの金額がもらえないケースも多いのです。

被害者側も示談交渉の経験が豊富で専門知識を持つ弁護士を立てることが大切です。

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配達員が個人的に保険に入っていない場合

相手の配達員が個人的に保険に入っていない場合は、基本的には加害者本人と示談交渉することになります。この場合の注意点は以下の通りです。

  • 当事者同士が直接やり取りすることで、感情的になったり相手から脅されたりして、トラブルになる可能性がある
  • お互いに専門知識がない状態で交渉するので、正当な示談金額に決まらない可能性が高い
  • そもそも示談交渉に応じてもらえない可能性がある
  • 配達員が休憩中に起きた事故であれば、示談金は全額加害者本人が支払うが、踏み倒される可能性もある

上記のようなトラブルを防ぎ、適切な示談金額を安全にスムーズに受け取るためには、専門家である弁護士を挟むことが必要です。

この章のまとめ

  • ウーバーイーツとの事故における対応の流れは、基本的には一般的な事故と同じ
  • 配達員には、名前・電話番号・注文番号を必ず確認する
  • 示談交渉の際は、弁護士を立てることが大切

アトムなら相談から示談代行まで自己負担金0円

ウーバーイーツの配達員と交通事故になった場合、適切な慰謝料・損害賠償額を安全にスムーズに獲得するためには、弁護士を立てることが必要です。
アトム法律事務所なら、相談はもちろん後遺障害認定のサポートや示談交渉の代理まで、自己負担金0円で可能です。

自己負担金0円の仕組み

弁特料金
あり保険会社が弁護士費用を負担するので、実質無料
関連記事:交通事故の弁護士費用特約とは?
なし相談料・着手金:無料
成功報酬:獲得示談金の11%+22万円(税込)
※成功報酬は獲得示談金から支払えるので、ご依頼者様が自己負担で用意するお金は0円

弁特とは、弁護士費用特約のこと

弁護士費用特約がない場合、獲得示談金から成功報酬が引かれてしまいます。
しかし、成功報酬を差引いても、弁護士を立てなかった場合よりも多くの金額が手元に残ることがほとんどです。

獲得が見込める示談金額は、依頼前の無料相談でも試算が可能です。
無料相談のみのご利用やセカンドオピニオンとしてのご利用も可能なので、ウーバーイーツの配達員と事故になった場合は、ひとまずお気軽にご連絡ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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