タクシー事故はめんどくさい?慰謝料相場や弁護士費用を解説

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タクシー事故慰謝料請求先はどこ?

交通事故の中でもタクシーが関連する事故は、「めんどくさい」といわれることがあります。

タクシー事故が「めんどくさい」といわれる最大の理由は、示談交渉の相手が一般の保険会社ではなくタクシー共済になることが多いためです。タクシー共済は任意保険会社とは仕組みが異なり、提示額が相場を下回りやすく、解決までの期間も長引きやすい傾向があります。

もっとも、請求相手・流れ・慰謝料の考え方自体は通常の交通事故と大きく変わりません。本来受け取れるタクシー事故の慰謝料相場は、以下の通りです。

入通院慰謝料の相場
(弁護士基準)
軽傷重傷
通院1か月19万円28万円
通院3か月53万円73万円
通院6か月89万円116万円

タクシー共済からの提示額がこの相場を下回っているケースはよくあります。

しかし、弁護士に依頼すれば、面倒な連絡や交渉をすべて一任でき、精神的な負担を軽減しながら、適正な賠償金の獲得を目指せます。弁護士費用特約の活用や、着手金無料の事務所を選ぶことで、費用の負担を抑えることも可能です。

この記事では、タクシー事故に遭った方が適切な損害賠償を受けるために、請求する相手、めんどくさいといわれる理由と対処法、解決までの流れ、慰謝料相場を解説します。

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目次

タクシー事故がめんどくさいといわれる理由

タクシー事故の相手はタクシー共済になることが多い

タクシー事故が「めんどくさい」といわれる理由は、示談交渉の相手が、一般の任意保険会社ではなくタクシー共済になることが多いためです。

タクシー共済とは、一定数のタクシー事業者が結成している共済協同組合のことです。タクシーが事故を起こした際の損害賠償問題を解決するために設けられた組織で、タクシーにおける保険会社のような存在といえます。

タクシー会社の多くはこの共済に加入しているため、事故対応や示談交渉も共済が窓口となります。共済が任意保険会社とは異なる仕組みで動いているために、提示額が相場を下回ったり、交渉が長引いたりするのです。

タクシー共済は任意保険会社と何が違うのか

タクシー共済と一般の任意保険会社では、監督官庁・運営主体・財源の規模が異なります。

タクシー共済と任意保険会社の違い

項目任意保険会社タクシー共済
監督金融庁の監督下にある金融庁の監督下にない
運営主体保険会社加入するタクシー会社が組織する共済協同組合
立場契約者の事故対応を行う加入会社同士の相互扶助を目的とする
財源契約者が多く規模が大きい契約者が少なく規模が小さい

金融庁の監督下にないため、対応の水準や手続きの進め方が組織によって異なり、「このくらいはしてくれるはず」といった一般的な想定が通用しない部分があります。

また、加入会社の相互扶助組織という性格からタクシー会社の利益を守ることが第一方針となり、財源も小規模であるため、支払いに慎重な傾向があるのです。

タクシー共済との示談で起きやすいこと

こうした性質の結果として、タクシー事故の示談では次のようなことが起こりがちです。

タクシー共済との示談で起きやすいこと

  • 提示額が弁護士基準の相場を下回る
  • 自賠責保険の上限を超えそうになると支払いを渋られる
  • 過失割合や損害の有無について強引な主張をされる
  • 解決までの期間が長引きやすい

とくに注意したいのが、自賠責保険の上限です。上限を超えた部分はタクシー共済の自己負担になるため、賠償金が高額になりやすい重傷の方や通院が長期にわたっている方は、提示額が相場どおりか必ず確認しましょう。

保険会社から慰謝料の提示を受けた方は、金額が妥当か以下の計算機で確認できます。通院期間などを入力するだけで、10秒ほどで弁護士基準の相場がわかります。

タクシー事故で慰謝料などを請求する相手

タクシー事故で慰謝料などを請求する相手は、事故類型ごとに異なります。

タクシー事故の類型

  • 自分とタクシーとの接触事故
  • 自分がタクシー乗車中の事故

以下、それぞれについて、慰謝料等の賠償請求の相手を解説します。

タクシーとの接触事故│タクシー会社に請求

あなたがタクシーと接触してケガをしたような場合、損害賠償請求の相手は、基本的にタクシー会社となります。

タクシー事故では、事故を起こしたタクシー運転手(個人)に賠償請求することもできますが、支払い能力の観点から、タクシー会社に損害賠償請求・示談交渉をすることが一般的です。

タクシー事故の責任

タクシー会社が責任を負う理由について、詳しく知りたい方は『運行供用者責任とは?要件・具体例・使用者責任との違いをわかりやすく解説』をご参照ください。

実際の慰謝料・示談金交渉の相手はだれ?

タクシー会社の多くがタクシー共済に加入していますので、実際はタクシー共済に対して損害賠償請求・示談交渉することが多いです。

なお、タクシー会社がタクシー共済に加入していても、タクシー会社に対して損害賠償請求・示談交渉しなければいけない場合もあります。

  • タクシー共済に示談代行サービスがついていない場合
  • 物損事故で損害額が免責事項の金額以下の場合

タクシー乗車中の事故│過失割合によって変わる

タクシーの乗車中に、タクシーが他の車と衝突事故をおこして、あなたがケガをしてしまう場合もあります。

タクシー乗車中の事故で慰謝料等の賠償金を請求する場合、請求相手は過失割合によって変わります。

タクシー乗車中の事故

事故相手にのみ過失(タクシー0:相手方100)

乗車していたタクシーに全く過失がない場合には、基本的には事故相手に損害賠償請求を行います。

実際には、事故相手が加入している任意保険会社との間で損害賠償額を決めていくこととなるでしょう。

事故相手の任意保険会社の担当者と連絡を取りながら示談交渉を行い、治療費や休業損害、慰謝料といった賠償を受けることになります。

相手車両に全過失があるケース

  • タクシー側が信号待ちで停車中に後方から追突された
  • タクシー側が走行中に、対向車線から車が突っ込んできた

双方(事故相手・タクシー運転手)に過失がある場合

双方に過失がある場合は、タクシー側と事故相手の双方に損害賠償請求が可能です。

どちらかに全額請求しても、双方に何割かずつ請求しても問題ありません。実際の負担額は双方の間で後ほど話し合って精算されますが、被害者は気にしなくとも問題ありません。

たとえば、交通事故の相手とタクシーの過失割合が9対1だったとして、タクシー側に全額請求しても、相手側に全額請求しても問題がない、ということです。

タクシー側にのみ過失(タクシー100:事故相手0)

乗車していたタクシー運転手にすべての過失がある場合には、タクシー側に損害賠償請求します。

なぜならば、あなたがケガを負った責任は100%タクシー側にあるためです。

タクシーの過失が100%のケース

  • タクシー側が赤信号を見落として交差点に進入、青信号で進入してきた車両と衝突した
  • タクシー側がセンターラインを越えて対向車両と正面衝突した

タクシー事故の発生から解決までの流れ

タクシー事故の発生から解決までの流れは、「警察に通報→病院での受診→通院→後遺障害認定(必要な場合)→示談交渉」の順で進みます。それぞれのステップで注意すべきポイントを解説します。

タクシー事故の流れ

  1. タクシー事故を警察に通報
  2. タクシー事故直後に病院で受診
  3. 完治または症状固定まで通院
  4. 後遺症が残ったら後遺障害認定を申請
  5. 示談交渉|同意前に計算機で確認

(1)タクシー事故を警察に通報|ケガをしたら人身扱いに

タクシーとの接触事故でも、タクシー乗車中の事故でも、事故が発生したら、ただちに警察に通報しましょう。警察への事故報告は、道路交通法上の義務です。

このとき、ケガをしているなら必ず「人身事故」として届け出てください。ケガをしていない場合は「物損事故」となります。軽傷だと人身扱いを拒まれるケースもありますが、ケガをしたなら人身事故として届け出るのが基本です。

人身事故にしないと治療費や慰謝料の支払いを拒否されるなどのデメリットが生じる可能性があります。人身事故にしないデメリットについて詳しく知りたい方は『交通事故を人身扱いにしないと示談金が減る?人身扱いのメリットと保険への影響』の記事をご覧ください。

乗客でも人身事故の通報は可能

なお、「タクシー側が連絡をするだろう」「自分は乗客で無関係だから」と、現場から黙って立ち去ってしまうことは避けましょう。

実際に、タクシー側が警察に連絡した場合でも、その後、事故の当事者としてその場に立ち会い、警察への報告内容を確認することが重要です。

また、タクシーが警察に連絡を入れず誰も通報しなかった場合、事故が記録に残りません。その後の賠償請求・保険金請求で必要な「交通事故証明書」が発行されないという事態に陥ります。

なお、タクシー運転手から、「仕事に支障が出るので警察には届け出ないでほしい」と言われることもありますが、被害者として適切に賠償請求を行うためにも、こうした申し出には応じないほうがよいでしょう。

交通事故証明書の入手方法については『交通事故証明書とは?後日取得の期限やもらい方、コピーの可否を解説』の記事で確認可能です。

(2)タクシー事故の直後に病院で受診

人身事故ならできるだけ早く病院を受診

タクシーとの衝突事故、タクシー乗車中の事故に遭ったら、事故直後、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。ケガをしていると診断された場合には、診断書を作成してもらいます。

一見ケガがないように思えても、あとから首や腰に痛みが出てむちうちが発覚するようなケースもあります。

(3)完治または症状固定まで通院

通院は、「完治」または「症状固定」(後遺症が残った)と診断されるまで、継続しましょう。

症状固定とは

交通事故によるケガが、これ以上治療しても改善が見込めない状態になったこと。症状固定のタイミングで残っている症状が「後遺症」になる。

症状固定のタイミング

ただし、治療を始めて一定期間が経過すると、タクシー共済が治療費支払いの打ち切りを打診してくることがあります。

治療費打ち切りを打診されたら、主治医の「まだ治療が必要である」という診断書や証言をもとに、打ち切りは時期尚早だと交渉しましょう。また、治療費を一旦自己負担して通院を続け、後からタクシー共済に請求するという方法もあります。

重要なのは、タクシー共済が打ち切りを主張しても、勝手に治療を中断してはいけないということです。

治療を途中で止めてしまうと、「被害者が治療を適切に受けなかったから後遺症が残った、治療が長引いた」と、後遺障害等級の認定や示談交渉で不利になってしまう可能性があるからです。

治療費の支払い打ち切りの連絡に対する対処法については『交通事故で治療費打ち切りの連絡が保険会社から来た!阻止するための対応方法』の記事で詳しく知ることができます。

(4)後遺症が残ったら後遺障害認定を申請

タクシー事故の後、一定の治療期間を経て症状固定となり後遺症が残った場合は、後遺障害認定の申請をしましょう。

後遺障害認定を受けられた場合、人身事故の賠償金は大きく増額する可能性があります。

後遺障害認定とは、後遺症の内容や程度に応じて等級を認定する手続きです。交通事故による後遺症については、労働能力の低下の有無やその程度を自賠責保険の認定機関が審査し、等級が決定されます。

後遺障害は1級~14級の範囲で認定されます。認定された等級によって賠償額(後遺障害慰謝料・逸失利益)が変わってくるので、しっかり準備して申請しましょう。

もしご自身で後遺障害認定の申請を行うのが難しい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

(5)示談交渉|同意前に計算機で確認

交通事故のケガが完治または後遺障害認定が完了して、すべての損害額が確定すると、いよいよ示談交渉です。

示談交渉は、タクシー共済から損害賠償額を示す案内を受け取るところから始まります。

タクシー事故の示談交渉

  1. タクシー共済から賠償額の案内が送られてくる
  2. 被害者がその内容を確認し、納得した場合は合意の意思を示す
  3. 合意に基づいて、示談書が作成される
  4. 示談書に基づき、2週間~1か月程度で示談金が支払われる

ただし、前述したようにタクシー共済は賠償金の支払いを渋る傾向にあります。そのため、提示金額をすぐに受け入れてはいけません。

以下の慰謝料計算機を使えば、おおよその慰謝料相場が分かりますので、示談案に合意する前に必ず確かめてみてください。

なお、示談交渉では解決できない場合は、調停や民事訴訟も視野に入れる必要があります。詳しくは『交通事故で示談が進まない・難航したときどうする?原因と対処法まとめ』をお読みください。

タクシー事故で請求できる慰謝料相場

タクシー事故の慰謝料相場は、弁護士基準で計算した場合、通院1か月なら19万円~28万円、通院6か月なら89万円~116万円です。後遺障害が残った場合や死亡した場合は、さらに高額になります。

タクシー事故の慰謝料相場(弁護士基準)

慰謝料の種類相場
入通院慰謝料通院1か月:19万~28万円
通院6か月:89万~116万円
後遺障害慰謝料110万~2,800万円
(14級~1級)
死亡慰謝料2,000万~2,800万円

以下、それぞれの慰謝料について、自賠責基準の金額とあわせて確認していきましょう。

タクシー事故で請求できる慰謝料とは?

慰謝料とは、事故による精神的苦痛を補償するものです。交通事故にあったときは、事故の被害に応じて、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」を請求可能です。なお、物損事故では基本的に慰謝料は請求できません。

  • 入通院慰謝料
    事故でケガを負い、入通院した精神的苦痛の補償
  • 後遺障害慰謝料
    事故で後遺障害を負った精神的苦痛の補償
  • 死亡慰謝料
    事故で亡くなった精神的苦痛の補償
交通事故の慰謝料は3種類

なお、タクシー事故で請求できるのは慰謝料だけではありません。主な費目は以下のとおりです。

タクシー事故で請求できる主な費目

分類費目
慰謝料入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料
治療関係費治療費、器具・装具費(松葉づえ代など)、整骨院の施術費、通院交通費、付添看護費、入院雑費 など
事故による
減収の補償
休業損害、後遺障害・死亡逸失利益
物的損害の補償車や所持品の修理費 など

示談金に含まれる各費目の内容は、『交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説』で説明しているのであわせてご覧ください。

慰謝料にはいくつかの計算基準がありますが、ここでは「自賠責保険が用いる慰謝料の基準(自賠責基準)」と「弁護士や裁判所が用いる慰謝料の基準(弁護士基準)」により算出される金額を紹介します。

自賠責基準は加害者側の提示額に近い最低限の補償額、弁護士基準は法的正当性の高い相場の金額と考えてください。

タクシー事故の入通院慰謝料の相場

入通院慰謝料は入院や通院の期間に応じて金額が決まります。入院または通院をした方であれば誰でも請求できます。

計算基準ごとの具体的な金額は以下の通りです。

入通院慰謝料の相場

通院期間自賠責※弁護士※※
1か月12.9万円重:28万円
軽:19万円
2か月25.8万円重:52万円
軽:36万円
3か月38.7万円重:73万円
軽:53万円
4か月51.6万円重:90万円
軽:67万円
5か月64.5万円重:105万円
軽:79万円
6か月77.4万円重:116万円
軽:89万円

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合
※※軽はむちうち・すり傷・打撲などの軽傷、重はそれ以外の重傷

タクシー事故の慰謝料相場は、通院1か月のケガであれば軽傷で19万円、重傷で28万円程度が相場です。

あるいは、通院6か月におよぶケガの場合には軽傷で89万円、重傷で116万円の相場となり、入通院の期間が長いほど慰謝料は高額になるでしょう。

タクシー事故の後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料は後遺障害認定された場合のみ請求できます。後遺障害の程度に応じて認定される後遺障害等級に基づいて金額が決まります。

後遺障害等級ごとの具体的な金額は、以下の通りです。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害等級 自賠責※弁護士
1級・要介護1,650万円2,800万円
2級・要介護1,203万円2,370万円
1級1,150万円2,800万円
2級998万円2,370万円
3級861万円1,990万円
4級737万円1,670万円
5級618万円1,400万円
6級512万円1,180万円
7級419万円1,000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

タクシー事故で残った後遺症について、後遺障害認定を受けた場合、後遺障害慰謝料相場は110万円から2,800万円です。

タクシー事故の死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の金額は、被害者の家庭内の立場に応じて異なります。
具体的な金額は、以下の通りです。

死亡慰謝料の相場

被害者の立場自賠責※弁護士
一家の支柱400万円2,800万円
母親・配偶者400万円2,500万円
独身の男女400万円2,000万円~2,500万円
子ども400万円2,000万円~2,500万円
幼児400万円2,000万円~2,500万円
以下は該当する場合に加算
遺族1名550万円–
遺族2名650万円–
遺族3名750万円–
被扶養者あり200万円–

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

タクシー事故によって死亡した場合、弁護士が交渉する時の慰謝料相場は2,000万円から2,800万円です。

もっとも、交通事故の被害者に最低限の金額として認められている自賠責基準からは、400万円から1,350万円の範囲で給付されます。

弁護士基準で示談するには弁護士に依頼すべき

示談交渉では、相手方は「自賠責基準」とほぼ同額~やや高額な慰謝料を提示してくるでしょう。

しかし、被害者が本来受け取るべきなのは、より法的に妥当と言える「弁護士基準」の金額です。

法律の専門家である弁護士に依頼すれば、示談交渉の段階で「弁護士基準」に近い金額を受け取ることも可能です。提示された慰謝料に納得できない方は、弁護士への依頼を検討してみてください。

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タクシー事故にあった際のポイント

(1)その場で示談しない

タクシーの運転手は交通事故を大事にしたくないと考え、その場で「〇万円で示談にしませんか」などと提案してくることもあるでしょう。

しかし示談は一度成立すると原則取り消せず、あとから新たな損害が発覚しても追加の請求はできません。示談は双方の合意があれば口頭でも成立します。

そのため、ご自身の損害額が確定していない段階で示談に応じてしまうと、あとから治療費や物損の修理費が思わぬ高額になったとしても、タクシー側に請求できなくなってしまうのです。

一見ケガが無ければ、その場で示談に応じてしまいたくなりますが、「事故時はアドレナリンで痛みを感じていなかったが、後日病院に行ったら骨折していた」といったケースも珍しくありません。骨折だと数万円の示談金では到底釣り合わないでしょう。

通院し、すべての損害額が確定するまでは示談しないよう注意してください。

(2)ケガをしているなら人身事故扱いにする

タクシー事故では、タクシーの運転手やタクシー会社から「物損事故扱いにしてほしい」と言われることがあります。

なぜなら、人身事故扱いにするとタクシー運転手には免許停止などの処分がくだされ、業務に影響が出ることが多いからです。

しかし、タクシー事故でケガをした場合は、必ず警察に人身事故として扱ってもらいましょう。

人身扱いにしないと、以下のようなデメリットが生じます。

人身扱いにしないデメリット

  • タクシー側から治療費や慰謝料の支払いを拒否される可能性がある
  • 損害賠償請求に追加の資料提出が必要な場合がある
  • 相手方が過失割合について誤った主張をしてきても反論が難しくなる

あとから治療費や慰謝料の支払いを拒否される可能性がある

治療費や慰謝料というのは、人のケガの部分、つまり人身部分の損害に対して支払われます。

書類上は「物損事故」として届け出ている場合、支払いを拒否や支払いを渋られる可能性が高まってしまうのです。

「物損事故と届け出るくらい軽傷だったのだろう」として、早々に治療費や休業損害を打ち切られてしまう可能性もあります。

追加の資料提出が必要な場合がある

交通事故においては、相手が支払いを渋ったり、示談より先に一部の賠償金を受け取ったりする目的で、事故相手の自賠責保険会社へ直接賠償請求することが可能です。

こうした手続きを「被害者請求」といいますが、被害者請求の際には人身扱いの交通事故証明書が必要です。

交通事故証明書

交通事故が発生した事実を証明する書類。事故発生の日時、場所、当事者の氏名、人身事故か物損事故かなどが記載されている。

物損事故扱いの交通事故証明書では被害者請求できないため、代わりとなる「人身事故証明書入手不能理由書」を書き添える必要があり、被害者にとってひと手間かかってしまいます。

人身事故証明書入手不能理由書についての詳細は『人身事故証明書入手不能理由書とは?書き方を記入例付きで弁護士が解説』でご確認ください。

相手方が過失割合について誤った主張をしてきても反論が難しくなる

交通事故が「人身事故」であるとき、警察は実況見分をおこない、事故の詳細な状況を示す証拠である実況見分調書を作成します。

しかし「物損事故」においては実況見分は実施されないため、実況見分調書も作成されません。

相手方との主張が食い違ったときには警察が作成した実況見分調書が証拠資料となりますが、物損事故ではこうした資料を欠くことになるのです。

たとえ「物損扱いにしてもきちんと治療費や慰謝料は支払う」と言われたとしても、後からトラブルになる可能性もあるため、ケガをしているなら必ず人身扱いにしましょう。

人身事故への切り替え方法を知りたい方、過失割合の交渉を知りたい方は関連記事も参考にご覧ください。

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(3)代車利用前に運転手名やナンバーなどを記録しておく

タクシーの乗客として事故にあった場合、タクシー会社が代車を手配してくれることがあります。急ぎの用であれば代車で目的地へ向かっても構いません。

しかし、後日警察の捜査に協力するまでの間にタクシーを修理されてしまうと、警察は事故による被害を正確に把握できなくなります。

示談交渉・損害賠償請求にも支障が出る可能性があるので、代車に乗ってその場を離れる前に、運転手の名前やタクシーのナンバー、事故直後のタクシーの様子などを記録しておいてください。

タクシー事故を弁護士に依頼するメリット

タクシー事故にかかわらず、交通事故の被害者が事故相手から適切な賠償を受けることには様々なハードルがあります。

タクシー事故においては、一般車両の保険会社ではなくタクシー共済を相手にすることから、さらに面倒に感じることも多いといえるのです。

タクシー事故の被害にあった場合は、法律の専門家である弁護士へ依頼することをおすすめします。その理由を解説していきます。

(1)弁護士基準で慰謝料増額を目指せる

タクシー事故に限らず、交通事故一般に言えることですが、弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士基準での交渉などにより、慰謝料等の損害賠償金の金額が増額しやすくなります。

特にタクシー事故では、示談交渉の相手がタクシー共済になることが多いです。

タクシー共済は、金融庁の監督下にない、財源が小規模であるといった理由から、さまざまな事由を述べて相場どおりの賠償金を支払うことを拒否してくる傾向にあります。

法律知識が不十分な場合、タクシー共済側が納得するような主張を行うことは難しく、タクシー側に強気な態度を取られるなど、適切な金額で示談することは容易ではありません。

増額交渉(弁護士なし)

法律の専門家である弁護士に依頼すれば、正確な法律知識に基づいて相場の賠償金を支払うよう交渉してもらえます。

タクシー共済側も、専門家による主張であれば態度を軟化させる可能性が高いので、賠償金への増額が成功しやすいでしょう。

増額交渉(弁護士あり)

また、タクシー共済側の態度が変わらないのであれば、裁判を起こして損害賠償金を回収してもらうことも可能です。

どういった方針が被害者にとって最適なのか、弁護士が事案ごとに判断してサポートします。

(2)弁護士に保険会社とのやり取りを一任できる

弁護士に依頼すれば、保険会社とのやり取りを一任することも可能です。

特に、タクシー側との示談交渉では、以下のような理由から、被害者の方が強いストレスを覚えることも少なくありません。

  • 交渉が長期化するうえ、平日の日中に連絡に対応しなければいけない
  • タクシー側がなかなか非を認めようとしない
  • タクシー側の心無い言動で傷ついてしまう
  • タクシー側が専門用語を多用し、強引に交渉を進めようとする など

しかし、弁護士に依頼すれば、被害者はタクシー側とのやりとりから解放されるので、ストレスが減ります。その結果、治療や仕事、子育てなどに専念できるようになるのです。

弁護士が保険会社とやりとりしてくれる

また、弁護士のサポートを受けることで、示談交渉の早期成立も目指せるでしょう。

弁護士に依頼するメリットについては『交通事故を弁護士に依頼するメリット9選|弁護士依頼のメリットを最大化する方法』の記事でも紹介しています。ぜひあわせてご一読ください。

タクシー事故に強い弁護士の選び方

交通事故では、弁護士選びが賠償金額に直結するといっても過言ではありません。

今回は、タクシー事故に焦点をあわせた弁護士の選び方のポイントをご紹介します。

(1)タクシー事故の解決実績が豊富か

タクシー事故を依頼する弁護士選びでは、まず、タクシー事故の解決実績が豊富かという点が重要です。

特に、タクシー共済・タクシー会社との交渉は、一般の保険会社とは勝手が異なります。
行政の監督を受けておらず、独自の基準で交渉を進めてくることも多いため、タクシー共済との交渉経験が豊富な弁護士を選ぶべきです。

事務所のウェブサイトに掲載されている解決事例を確認し、タクシー事故・乗車中の事故・タクシー共済との交渉案件が含まれているかをチェックしてみましょう。

(2)初回相談で具体的なアドバイスをくれるか

弁護士選びでは、初回相談で具体的なアドバイスをくれるかという点も重要です。

弁護士の実力を見極めるうえで、無料相談の質は大きな判断材料になります。「弁護士に任せておけば大丈夫」という曖昧な回答しか得られない場合は注意が必要です。

信頼できる弁護士は、事故の状況をヒアリングしたうえで、タクシー共済との交渉でどのような主張ができるか、慰謝料の相場はどのくらいになりそうかなど、自分のケースに即した具体的な見通しを示してくれます。

相談後に、「自分のケースで何ができるか」といった具体的な収穫があったかどうかを弁護士選びの基準にしてみてもよいでしょう。

(3)タクシー事故について親身になってくれるか

最後に、弁護士選びでは、親身になってくれる弁護士かどうかも非常に重要です。

タクシー共済との交渉は長期化しやすく、被害者が精神的に消耗しやすいです。弁護士に依頼する最大のメリットのひとつは、交渉の窓口をすべて弁護士に一任できる点にあります。

無料相談の際に、事故の状況や不安をしっかり聞いてくれるか、疑問に対してわかりやすく答えてくれるかを確認しましょう。

相談のみの利用やセカンドオピニオンとしての相談を受け付けているかも、信頼できる事務所かどうかの目安になります。

アトムの解決事例(タクシー事故)

こちらでは、アトム法律事務所の弁護士が解決したタクシー事故を一部ご紹介します。

タクシー乗車中の追突事故│約58万円回収

タクシー乗車中追突で女子学生がむちうち等を負った事例

乗車しているタクシーが信号で停車していたところ、後続車に追突され、負傷した事故。追突してきた車両の任意保険会社が高圧的であると、ご相談いただいたケース。


弁護活動の成果

慰謝料について、示談交渉では弁護士基準の80〜90%水準でまとまることが多いなか、本件では弁護士基準の満額(100%)を獲得。最終的な受取金額は約58万円となった。

年齢、職業

10代、学生

傷病名

腰椎捻挫

後遺障害等級

無等級

こちらのタクシー乗車中の事故で、慰謝料満額を獲得した決め手となったのは、「成人式に振袖が着られない」という具体的な精神的苦痛の主張です。

腰椎捻挫による支障を丁寧に伝えることで、慰謝料の増額評価につながりました。

タクシー乗車時の追突事故│約83万円回収

タクシー乗車時に追突され頚椎腰椎捻挫を負った事例

タクシーに乗車しようとした際、後続車に追突された事故で、被害者は頚椎捻挫・腰椎捻挫等の傷害を負った。過失割合は10:0。通院日数が非常に少なく、慰謝料の増額交渉にご不安があったケース。


弁護活動の成果

提示額の約15万円から、最終的な受取金額が約83万円まで増額された。

年齢、職業

20~30代、会社員

傷病名

頸椎捻挫

後遺障害等級

無等級

こちらのタクシー事故は、入通院慰謝料の算定基礎となる通院日数が非常に少ない事案でしたが、弁護士基準にもとづく慰謝料等の増額交渉を行った結果、当初の提示額から約68万円の増額となりました。

タクシー事故の弁護士費用・負担軽減の方法

タクシー事故で納得のいく賠償金を受け取りたい場合、弁護士に依頼することが効果的です。しかし、弁護士に依頼する費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、弁護士費用の負担は以下の方法によって軽減することが可能です。

弁護士費用の負担を減らす方法

  • 弁護士費用特約を活用する
  • 相談料・着手金が無料の事務所を選ぶ

ここでは、タクシー事故の弁護士費用(税込み)のほか、2つの弁護士費用の負担を減らす方法を紹介します。

タクシー事故の弁護士費用(税込み)

タクシー事故の弁護士費用は、弁護士事務所ごとに異なります。

弁護士と契約をする前に、初回の法律相談や契約書などでよく確認しましょう。

弁護士費用の一例として、アトム法律事務所の弁護士費用(税込み)をご紹介します。

相談料

電話、LINE、メールでの相談料無料0円

※ケースによってはお受けできない場合があります。

着手金

損害賠償請求の着手金無料0円

※ケースによってはお受けできない場合があります。
※案件の性質上、着手金0円でご依頼をお受けできない場合があります。

成功報酬(総額表示)

損害賠償請求の成功報酬回収額の11%~16.5% + 22万円
 または
増額分の22% + 22万円

※事案により異なるため法律相談時に詳しくお伝えします。

弁護士費用特約で負担を軽くする

自身の加入する保険に「弁護士費用特約」が付いている場合、保険会社に一定金額まで弁護士費用を負担してもらえます。

弁護士費用特約とは

交通事故事案の弁護士費用は、特約の補償範囲内に収まることが多いので、自己負担なく弁護士に対応を依頼できる場合がほとんどです。

弁護士費用特約の利用方法については、『交通事故の弁護士特約とは?使い方・使ってみた感想やデメリットはあるかを解説』の記事をご覧ください。

相談料・着手金無料の弁護士で負担を軽くする

相談料・着手金無料の弁護士を選ぶことで、弁護士費用の負担を軽減する方法もあります。

示談金の獲得前に支払う「初期費用」が無料となるので、すぐに大きなお金が用意できなくても安心して依頼可能です。

無料相談で弁護士費用の見積もりをとり、依頼するとかえって損しないか判断することもできるため、安心して弁護士依頼を検討できます。

無料相談のご案内

アトム法律事務所は、相談料・着手金が基本的に無料の料金体系を取っています。

  • 24時間つながる相談予約窓口
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タクシー事故に関するよくある疑問

Q.タクシーの急ブレーキでケガをしたときは?

タクシー乗車中に、タクシーの運転手が急ブレーキをかけたことでケガをした場合、損害賠償請求できる可能性があります。示談交渉する相手はタクシー会社またはタクシー共済です。

ただし、歩行者の飛び出しなど、危険を回避するためにやむを得ず急ブレーキをかけたケースでは、タクシー側の責任が認められにくくなります。急ブレーキが不適切なものだったと乗客の側で証明するのは、簡単ではありません。

そのため、急ブレーキで怪我をしたときは、以下のような記録を早い段階で残しておくことが役立ちます。

  • 急ブレーキが起きた日時・場所・状況をメモに残す
  • タクシー会社名・車両ナンバー・運転手名を控える
  • ドライブレコーダーの映像が残っているか、タクシー会社に確認する
  • 痛みが出たらすぐに病院を受診し、診断書を作成してもらう

なお、急ブレーキによる怪我でも、警察へ通報して人身事故として扱ってもらうことは可能です。乗客であっても、事故の当事者として通報できます。

Q.タクシーが自損事故を起こしたら?

タクシーが電柱やガードレールに衝突するような自損事故でケガをした場合は、タクシー会社またはタクシー共済に損害賠償請求・示談交渉します。

なぜなら、あなたは乗客ではありますが「タクシー運転手の運転のせいでケガをした」という点では、通常の事故の被害者と同じであるためです。

Q.タクシーの乗客でも賠償請求されることはある?

タクシーの乗客として交通事故にあった場合、基本的に乗客には事故に対する過失はないとされ、賠償請求されることは原則ありません。

しかし、場合によっては事故発生のきっかけを作ったとして過失がつき、タクシー側や事故の相手車両から車の修理費や治療費などを請求される可能性があります。

具体的には以下のようなケースです。

  • 乗客がタクシー運転手を急かしていた
  • 乗客がタクシー運転手を驚かせるなど安全運転の妨げになることをしていた

ただし、乗客に100%の過失がある場合を除き、請求されるのは損害賠償金の一部となるでしょう。

請求される費目は、車両の修理費や、運転手の治療費、慰謝料、休業損害などです。タクシー側からは「休車損害」も請求される可能性があります。

これは、タクシーを修理に出すことで稼働台数が減り、タクシー会社の収益に支障が出た場合の補償です。

Q.ライドシェア事故では誰に損害賠償請求できる?

ライドシェア事故では、ライドシェアの運転者や管理を行っている市町村・タクシー会社への損害賠償請求が可能です。

ライドシェアとは、自家用車の所有者と、自動車による移動を行いたい人を結びつける(マッチング)させるサービスをいいます。

日本におけるライドシェアは、バスやタクシー事業では十分な輸送サービスを受けられない一定の地域において導入されており、事業の運営は市町村やタクシー事業者が行っているのです。

そのため、ライドシェア事故では、ライドシェアの運転者だけでなく、ライドシェア事業の運営や管理を行っている市町村やタクシー会社に対しても損害賠償請求を行えます。

ライドシェア事故の請求相手や請求できる内容については『ライドシェア中の交通事故は誰が責任を負うのか。補償内容も紹介』の記事で詳しく知ることができます。

弁護士に気軽に相談できる!電話・LINE無料相談

アトム法律事務所では、電話・LINEによる弁護士への無料相談を実施しています。

タクシー事故の被害にあった方、タクシー事故の示談交渉でトラブルが起こっている方は、気軽に弁護士にご相談ください。事務所までお越しいただかなくても、自宅からご相談いただけるのがアトムの無料相談の強みです。

無料相談のみの利用、セカンドオピニオンとしての利用でも大丈夫です。

相談予約は24時間365日受け付けています。
まずは、事故に関するお悩みごと・お困りごとをお伝えください。交通事故の解決実績が豊富な弁護士が、よりよい解決に向けてアドバイスいたします。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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