タクシー事故の慰謝料や請求先は?めんどくさい理由と示談の対策!

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タクシー事故慰謝料請求先はどこ?

タクシー事故では慰謝料請求の相手がわかりにくかったり、示談交渉相手が「タクシー共済」になったりすることがあり、一般車両との事故よりめんどくさいと言われることがあります。

そこでこの記事では、タクシー事故の慰謝料請求先や請求するときの注意点、受け取れる慰謝料の相場などを弁護士が解説します。

タクシー事故の慰謝料請求先についてはタクシー乗車中に事故にあった場合、タクシーと事故になった場合、タクシー車内での事故に分けて解説するので、ご確認ください。

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タクシー事故にあったときの対処法と注意点

一口にタクシー事故と言っても、その中には被害者がタクシー乗車中に発生した事故や、被害者が車を運転中にタクシーと接触した事故など、いくつかの種類があります。

まずはいずれの場合でも共通するタクシー事故の対処法を見ていきましょう。

タクシー事故が発生した場合の対処法と流れ

タクシー乗車中に事故にあった、もしくはタクシーと事故になった場合は、以下の流れで対処しましょう。

  1. ケガ人の救護、現場の安全確保、警察や保険会社への連絡など
  2. 警察への捜査協力
  3. ケガをしている場合は治療
  4. 後遺症が残った場合は後遺障害認定を受ける
    後遺障害認定とは?:交通事故で後遺障害を申請する|認定を受ける流れとは?
  5. 示談交渉で損害賠償請求

タクシー事故においても、行うべきことは通常の交通事故と基本的に変わりません。

交通事故発生時における初期対応について詳しく知りたい方は『交通事故にあったら初期対応の手順は?事故を起こしたらまずすること』の記事をご覧ください。

タクシー事故発生の際に注意すべき点

タクシー事故が発生した際の対応における注意点は、以下のようなものとなります。

  • その場で示談しない
  • 警察への届け出を必ず行う
  • ケガをしている場合には人身扱いにする
  • 事故後はすぐに病院で診てもらう
  • タクシーの代車に乗る前に証拠を保全する

その場で示談しない

交通事故が起きた際に、ケガがなく、物的損害も大したことがないとして、その場で示談を持ちかけられても応じてはいけません。

事故によって生じた損害額が確定していない時点で示談してしまうと、あとから新たな損害が発覚しても原則として追加の請求はできないからです。

必ず警察に届け出て、その場では示談に応じない

警察への連絡は、タクシーの単独事故でも相手方がいる事故でも、物損事故でも人身事故でも必要です。

警察に連絡を入れなければその後の賠償請求・保険金請求で必要な「交通事故証明書」が発行されません。もしタクシー運転手から警察に届け出ないように言われても応じないようにしてください。

交通事故証明書の入手方法については『交通事故証明書のもらい方は?後日取得やコピーの可否も解説』の記事で確認可能です。

ケガをしているなら人身扱いにすることが重要

タクシー事故では、タクシーの運転手やタクシー会社から「物損扱いにしてほしい」と言われることがあります。

しかし、ケガをしているのに人身扱いにしないと、以下のようなデメリットが生じます。

  • 物損事故で届け出ると、書面上は人身の被害が生じていないことになる
    あとから治療費や慰謝料の支払いを拒否される可能性がある
  • 物損事故では、警察による実況見分が行われない
    事故の詳細な状況を示す証拠である実況見分調書がなくなってしまう。
    相手方が過失割合について誤った主張をしてきても反論が難しくなる
    関連記事:『実況見分の流れや注意点!聞かれる内容や過失割合への影響、現場検証との違い

たとえ「物損扱いにしてもきちんと治療費や慰謝料は支払う」と言われたとしても、後からトラブルになる可能性は否定できません。

ケガをしているなら必ず人身扱いにしましょう。

あとから痛みが出ることもあるので病院へ行っておく

なるべく早く病院で診察を受け、ケガをしていると診断を受けた場合には、診断書を作成してもらいましょう。

一見ケガがないように思えても、あとから首や腰に痛みが出てむちうちが発覚するようなケースもあります。

初診が遅れると事故とケガとの関連性が曖昧になり、ケガに関する損害賠償請求に支障が出る場合があるので、早期の受診が大切となるのです。

物損事故として警察に届け出たあとにケガが発覚した場合は、人身事故への切り替えをしてください。

人身事故への切り替え方法は、『物損から人身への切り替え方法と手続き期限!』で解説しています。

また、治療のために通院する場合には通院費度に気を付ける必要があります。
詳しくは『交通事故の被害者は毎日通院した方がいい?慰謝料の観点からの通院頻度』の記事をご覧ください。

タクシー会社の代車を利用する前に証拠の保全を

タクシーの乗客として事故にあった場合、タクシー会社が代車を手配してくれることがあります。急ぎの用であれば代車で目的地へ向かっても構いません。

しかし、後日警察の捜査に協力するまでの間にタクシーを修理されてしまうと、警察は事故による被害を正確に把握できなくなります。

示談交渉・損害賠償請求にも支障が出る可能性があるので、代車に乗ってその場を離れる前に、運転手の名前やタクシーのナンバー、事故直後のタクシーの様子などを記録しておいてください。

タクシー乗車中の事故の損害賠償請求相手は?

タクシー乗車中に事故にあった場合の損害賠償請求相手は、相手車両がいる事故か、単独事故(自損事故)か、車内事故かで変わります。

それぞれのケースにおける損害賠償請求の相手を詳しく解説します。
なお、タクシー乗車中の事故ではタクシー共済が示談交渉相手となることがあるでしょう。

タクシー共済との示談交渉には注意が必要です。本記事内「タクシー事故はめんどくさいと言われる理由」で詳しく解説するのでご確認ください。

(1)タクシー乗車中に他車両と接触した事故

タクシー乗車中にタクシーと他の車とが事故になった場合、乗客が損害賠償請求できる相手は以下のとおりです。

  • タクシーに全過失がある場合
    • タクシー側(タクシー運転手とタクシー会社)に賠償請求
    • 基本的にはタクシー会社が加入する「タクシー共済」と示談交渉
  • 相手車両に全過失がある場合
    • 相手車両の運転手に賠償請求
    • 基本的には加害者が加入する任意保険と示談交渉
  • タクシーと相手車両の双方に過失がある場合
    • タクシー側(タクシー運転手とタクシー会社)と相手車両の運転手に賠償請求
    • どちらかに全額請求しても、双方に何割かずつ請求しても良い(実際の負担額は双方の間で後ほど話し合われ、精算される)

例えば追突事故だと、基本的には追突した側に全過失があるとされます。乗車中のタクシーが後続車に追突されたのであれば、損害賠償請求の相手は相手車両の運転手となる可能性があるでしょう。

ただし、タクシーが急ブレーキを踏んだ結果、追突事故が発生した場合は、タクシーにも過失があるとされます。
この場合は、タクシー運転手とタクシー会社、相手車両の運転手が賠償請求相手になる可能性があるのです。

このように、似たような事故でも、細かい事故状況によって誰に過失があるかは変わってきます。判断が難しい場合は弁護士に相談することがおすすめです。

タクシー側にタクシー会社も含まれるのはなぜ?

タクシー側に運転手だけでなくタクシー会社も含まれるのは、タクシー会社には、雇用主としての責任(使用者責任/民法715条)や、運転手にタクシーを運転させて利益を得ている者としての責任(運行供用者責任/自賠責法3条)があるからです。

基本的には乗客はタクシー会社に損害賠償請求し、のちほどタクシー会社が運転手に損害賠償金の一部を請求する形となるでしょう。

運行供用者責任をもっとわかりやすく:運行供用者責任とは?わかりやすく具体例つきで解説

(2)タクシー乗車中の単独事故(自損事故)

タクシーが電柱やガードレールに衝突した事故では、タクシー運転手とタクシー会社に損害賠償請求します。

基本的にはタクシー会社が加入するタクシー共済の担当者と示談交渉することになるでしょう。

(3)タクシー乗車中の車内事故

「タクシーが他の車両やガードレールなどに衝突したわけではないけれど、急ブレーキや急カーブによって乗客がケガをした」という場合、乗客が損害賠償請求できる相手はタクシー運転手とタクシー会社です。

基本的に示談交渉はタクシー会社が加入するタクシー共済と行います。

注意!タクシーの乗客でも賠償請求されることはある

タクシーの乗客として交通事故にあった場合、基本的に乗客には事故に対する過失はないとされます。

しかし、以下のような場合は事故発生のきっかけを作ったとして過失がつき、タクシー側や事故の相手車両から車の修理費や治療費などを請求される可能性があります。

  • 乗客がタクシー運転手を急かしていた
  • 乗客がタクシー運転手を驚かせるなど安全運転の妨げになることをしていた

ただし、乗客に100%の過失がある場合を除き、請求されるのは損害賠償金の一部となるでしょう。

請求される費目は、車両の修理費や、運転手の治療費、慰謝料、休業損害などです。タクシー側からは「休車損害」も請求される可能性があります。

これは、タクシーを修理に出すことで稼働台数が減り、タクシー会社の収益に支障が出た場合の補償です。

タクシーとの接触事故の損害賠償請求相手は?

運転中・歩行中のタクシー事故では、タクシー運転手とタクシー会社に損害賠償金を請求しましょう。

基本的にはタクシー会社が加入しているタクシー共済の担当者と示談交渉をして、損害賠償金を受け取ることになります。

なお、タクシーの乗客がタクシー運転手の安全運転を妨げていた場合は、乗客にも損害賠償請求が可能です。

タクシー事故で請求できる慰謝料相場や賠償金費目

タクシー事故の被害者が請求できる内容は、基本的に通常の交通事故の場合と同じです。
具体的な費目は以下のとおりです。

タクシー事故で請求できる主な費目

  • 慰謝料
    • 入通院慰謝料
    • 後遺障害慰謝料
    • 死亡慰謝料
  • 治療関係費
    • 治療費
    • 器具・装具費(松葉づえ代など)
    • 整骨院の施術費
    • 通院交通費
    • 付添看護費
    • 入院雑費 など
  • 事故による減収の補償
    • 休業損害
    • 逸失利益
  • 物的損害の補償
    • 車や所持品の修理費など

示談金に含まれる各費目のより詳しい内容は、『交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説』で説明しているのであわせてご覧ください。

それぞれの費目の相場などを確認していきましょう。

(1)慰謝料|種類と相場額

慰謝料とは、事故による精神的苦痛を金銭化したものです。

交通事故にあったときは、事故の被害に応じて、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」を請求可能です。なお、物損事故では基本的に慰謝料は請求できません

  • 入通院慰謝料
    事故でケガを負い、入通院した精神的苦痛の補償
  • 後遺障害慰謝料
    事故で後遺障害を負った精神的苦痛の補償
  • 死亡慰謝料
    事故で亡くなった精神的苦痛の補償

それぞれの慰謝料の相場を確認していきましょう。

慰謝料にはいくつかの計算基準がありますが、ここでは「自賠責保険が用いる慰謝料の基準(自賠責基準)」と「弁護士や裁判所が用いる慰謝料の基準(弁護士基準)」により算出される金額を紹介します。

自賠責基準は加害者側の提示額に近い金額、弁護士基準は法的正当性の高い相場の金額と考えてください。

入通院慰謝料の相場額

入通院慰謝料は入院や通院の期間に応じて金額が決まります。
計算基準ごとの具体的な金額は以下の通りです。

通院期間自賠責※弁護士※※
1ヶ月12.9万円重:28万円
軽:19万円
2ヶ月25.8万円重:52万円
軽:36万円
3ヶ月38.7万円重:73万円
軽:53万円
4ヶ月51.6万円重:90万円
軽:67万円
5ヶ月64.5万円重:105万円
軽:79万円
6ヶ月77.4万円重:116万円
軽:89万円

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合
※※軽傷はむちうち・すり傷・打撲などの場合、重傷はそれ以外の場合

タクシー事故の慰謝料相場は、通院1ヶ月のケガであれば軽傷で19万円、重傷で28万円程度が相場です。

あるいは、通院6ヶ月におよぶケガの場合には軽症で89万円、重傷で116万円の相場となり、入通院の期間が長いほど慰謝料は高額になるでしょう。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害の程度に応じて認定される後遺障害等級に基づいて決まります。
後遺障害等級ごとの具体的な金額は、以下の通りです。

後遺障害等級 自賠責※弁護士
1級・要介護1,650万円2,800万円
2級・要介護1,203万円2,370万円
1級1,150万円2,800万円
2級998万円2,370万円
3級861万円1,990万円
4級737万円1,670万円
5級618万円1,400万円
6級512万円1,180万円
7級419万円1,000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

タクシー事故の結果、後遺症が残った場合の慰謝料相場は110万円から2,800万円です。

死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の金額は、被害者の家庭内の立場に応じて異なります。
具体的な金額は、以下の通りです。

被害者の立場自賠責※弁護士
一家の支柱400万円2,800万円
母親・配偶者400万円2,500万円
独身の男女400万円2,000万円~2,500万円
子ども400万円2,000万円~2,500万円
幼児400万円2,000万円~2,500万円
以下は該当する場合に加算
遺族1名550万円
遺族2名650万円
遺族3名750万円
被扶養者あり200万円

※2020年4月1日以降に発生した事故の場合

タクシー事故によって死亡した場合、弁護士が交渉する時の慰謝料相場は2,000万円から2,800万円です。

もっとも、交通事故の被害者に最低限の金額として認められている自賠責基準からは、400万円から1,350万円の範囲で給付されます。

弁護士基準で示談するには弁護士に依頼すべき

示談交渉では、相手方は「自賠責保険が用いる慰謝料の基準」とほぼ同額~やや高額な慰謝料を提示してくるでしょう。

しかし、被害者が本来受け取るべきなのは、より法的に妥当と言える「弁護士や裁判所が用いる慰謝料の基準」の金額です。

法律の専門家である弁護士に依頼すれば、示談交渉の段階で「弁護士や裁判所が用いる慰謝料の基準」に近い金額を受け取ることも可能です。提示された慰謝料に納得できない方は、弁護士への依頼を検討してみてください。

ご自身のケースにより即した「弁護士や裁判所が用いる慰謝料の基準」の相場は、以下の計算機からも確認できます。

あわせて役立つ記事

(2)治療関係費|費目と相場額

タクシー事故にあったときは、治療のための費用も相手方に請求することが可能です。

実際に請求できる主な費目と相場を見ていきましょう。なお、実費以外の金額が認められる費目については、「弁護士や裁判所が用いる基準」にそった金額になります。

治療関係費の費目と相場

費目相場
治療費実費
器具・装具費実費
整骨院の施術費実費
通院交通費実費
付添看護費入院:日額6,500円※
通院:日額3,300円※
入院雑費日額1,500円

※家族が付き添った場合

整骨院の施術費は、基本的に医師が整骨院への通院を認めた場合のみ請求可能です。
交通事故で整骨院に通院するときの慰謝料などの扱いについては、『交通事故の治療を整骨院で受けても慰謝料はもらえる』の記事をご覧ください。

通院交通費は、基本的に公共交通機関の料金になりますが、必要性が認められれば自家用車のガソリン代やタクシー運賃も支払ってもらえることがあります。
交通費については、『交通事故にあったら【交通費】と慰謝料を請求できる?』の記事で詳しく解説しています。

付添看護費は、医師の指示で家族や職業看護人が被害者の入通院に付き添った場合に認められる費目です。なお、職業看護人が付き添った場合、基本的に実費が認められます。
付添看護費を請求できる状況の方は、『交通事故の付添費|付き添いに認められる範囲と相場は?』の記事もあわせてご一読ください。

(3)事故による減収の補償

タクシー事故でケガをして仕事を休んだことによる減収や、タクシー事故で後遺障害を負ったため将来的に発生する減収なども、相手方に請求できます。

事故による減収の補償には以下の種類があります。なお、物損事故ではいずれの費目も基本的に請求できません

  • 休業損害
    事故でケガをしたため仕事を休んだことによる減収の補償
  • 逸失利益
    • 後遺障害逸失利益
      事故で後遺障害を負ったため減った将来的な収入の補償
    • 死亡逸失利益
      事故で亡くなったため得られなくなった将来的な収入の補償

なお、実際に収入を得ていない専業主婦の方でも、休業損害・逸失利益を請求できます。これは、家事労働が賃金労働と同様に評価されるためです。

気になる方はこちら

また、事故発生の時点では働いていない学生の方、求職中の方なども、条件がそろえば休業損害・逸失利益を請求できるでしょう。

休業損害は事故前3ヶ月分の平均賃金など、逸失利益は事故前の年収などをもとに計算します。詳しい計算方法や相場については、以下の関連記事をご参照ください。

関連記事

(4)物損に関する補償

タクシーに乗車中の事故で壊れた物品の買い替え費用、タクシーとの接触事故で壊れた車の修理費用なども、基本的に実費で請求することが可能です。

ただし、支払ってもらえるのはあくまで交通事故との因果関係が認められる範囲に限られます。事故前からあった傷や、事故後に生じた故障などについては、当然ながら補償を受けられません。

また、必ずしも新品の価格を支払ってもらえるわけではないことにも注意しましょう。購入から時間が経っていたなら市場価値が下がっていると思われるので、その分支払ってもらえる金額は低くなります。

タクシー事故はめんどくさいと言われる理由

タクシー事故の示談で特徴的なのは、「タクシー共済」が示談交渉相手になる可能性がある点です。

事前にできる対策の1つとして、よくある主張を把握し対策を練っておくことが挙げられるので、タクシー共済との示談における注意点とともに確認していきましょう。

タクシー側との示談交渉は基本的に「タクシー共済」が相手になる

タクシー共済とは、タクシーが事故を起こした際の損害賠償問題を解決するため、一定数のタクシー事業者が結成している共済協同組合のことです。タクシーにとっての任意保険のようなものと考えてください。

タクシー側に損害賠償請求する場合の示談交渉相手はこのタクシー共済の担当者であることが多いです。
ただし、タクシー共済には「物損事故で損害額が30万円以下の場合は保険を利用できない」といった免責事項が付されている場合もあります。

よって、損害額が30万円以下の物損事故であれば、タクシー共済の担当者ではなくタクシー会社の担当者、あるいはタクシー会社が雇った弁護士が示談交渉相手になることもあるでしょう。

タクシー共済との示談がめんどくさい3つの理由

タクシー共済との示談交渉は、次のような点から任意保険との示談交渉よりも厳しいため、めんどくさいといわれる傾向にあります。

  • 任意保険は金融庁の監督下にあるのに対し、タクシー共済は行政の監督を受けていない
  • タクシー共済は任意保険に比べると契約者が少ないため、財源もやや小規模であり、簡単には大きな金額を支払えない
  • タクシー共済は複数のタクシー会社が独自に組織・運営しており、加入会社同士の相互扶助組織という側面が強いので、タクシー会社の利益を守ることを第一方針としている

上記の理由から、タクシー共済は任意保険よりも低い慰謝料・賠償金を提示し、なおかつ増額交渉にも応じにくい傾向があるとされています。

事故の相手方が一般的な車・バイクであり、任意保険と示談交渉する場合でも、妥当な金額で示談を成立させることは難しいです。

しかし、相手方がタクシー共済の場合はさらに納得のいく示談が難しくなるので、入念な対策のうえ示談交渉に臨むことが重要となります。

タクシー事故はめんどくさそうと感じた方の対処法

タクシー事故の被害にあった場合は、法律の専門家である弁護士への依頼も検討することをおすすめします。その理由を解説していきます。

弁護士を立てれば難しい示談でもより良い結果が期待できる

先述のとおり、タクシー事故では示談交渉の相手がタクシー共済になることが多いです。

タクシー共済は、行政の監督を受けていない、財源が小規模であるといった理由から、さまざまな事由を述べて相場どおりの賠償金を支払うことを拒否してくる傾向にあります。

相場どおりの金額を受け取るためには粘り強い交渉が必要になります。
しかし、法律知識が不十分な場合、タクシー共済側が納得するような主張を行うことは難しく、適切な金額で示談することは容易ではありません。

法律の専門家である弁護士に依頼すれば、正確な法律知識に基づいて相場の賠償金を支払うよう交渉してもらえます

タクシー共済側も、専門家による主張であれば態度を軟化させる可能性が高いので、賠償金への増額が成功しやすいでしょう。

増額交渉(弁護士あり)

また、タクシー共済側の態度が変わらないのであれば、裁判を起こして損害賠償金を回収してもらうことも可能です。

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弁護士を立てると時間的・精神的負担も減らせる

タクシー側との示談交渉では、以下のような理由から、被害者の方が強いストレスを覚えることも少なくありません。

  • 交渉が長期化するうえ、平日の日中に連絡に対応しなければいけない
  • タクシー側がなかなか非を認めようとしない
  • タクシー側の心無い言動で傷ついてしまう
  • タクシー側が専門用語を多用し、強引に交渉を進めようとする など

弁護士に依頼すれば、タクシー側とのやりとりを一任することも可能です。

その結果、被害者はタクシー側とのやりとりによるストレスに煩わされることなく、治療や仕事、子育てなどに専念できるようになるのです。

また、弁護士のサポートを受けることで、示談交渉の早期成立も目指せるでしょう。

弁護士に依頼するメリットについては『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選|弁護士は何をしてくれる?』の記事でも紹介しています。ぜひあわせてご一読ください。

弁護士費用は実はあまり心配しなくてよい

タクシー事故で納得のいく賠償金を受け取りたい場合、弁護士を立てることが効果的です。
しかし、弁護士に依頼する費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、弁護士費用の負担は以下の方法によって軽減することが可能です。

  • 弁護士費用特約を活用する
    • 自身の加入する保険に弁護士費用特約が付いている場合、保険会社に一定金額まで弁護士費用を負担してもらえる
    • 多くの場合、弁護士費用は弁護士費用特約の補償額内に収まる
  • 相談料・着手金が無料の事務所を選ぶ
    • 示談金の獲得前に支払う「初期費用」が無料となるので、すぐに大きなお金が用意できなくても安心して依頼できる
    • 無料相談で弁護士費用の見積もりをとり、依頼するとかえって損しないか判断することもできる

アトム法律事務所は、相談料・着手金が基本的に無料の料金体系を取っています。また、弁護士費用特約を利用していただくことも可能です。

弁護士費用特約の利用方法については、『交通事故の弁護士費用特約を解説|使い方は?メリットや使ってみた感想も紹介』の記事をご覧ください。

弁護士に気軽に相談できる!電話・LINE無料相談

アトム法律事務所では、電話・LINEによる弁護士への無料相談を実施しています。

タクシー事故の被害にあった方、タクシー事故の示談交渉でトラブルが起こっている方は、気軽に弁護士にご相談ください。事務所までお越しいただかなくても、自宅から相談していただけるのがアトムの無料相談の強みです。

無料相談のみの利用、セカンドオピニオンとしての利用でも大丈夫です。

相談予約は24時間365日受け付けています。
まずは、事故に関するお悩みごと・お困りごとをお伝えください。交通事故の解決実績が豊富な弁護士が、よりよい解決に向けてアドバイスいたします。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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