自転車事故の保険請求の流れや補償内容|どんな保険が使える?

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自転車事故で保険補償内容がわかる

自転車事故が起こったとき保険に入っていないと、非常に高額な損害賠償を請求されたり、十分な補償を受けられず泣き寝入りになったりするリスクがあります。

自転車事故で使える保険は、いわゆる「自転車保険」として販売されている保険だけではありません。

この記事では、自転車事故で使える保険の種類や補償内容だけでなく、実際に自転車事故にあってしまった場合の保険請求の流れやポイントも解説します。

警察庁の統計によると、自転車事故は令和4年に69,985件発生しています。発生した交通事故のうち、自転車事故が占める割合は増加傾向にあり、誰もが遭遇する可能性のあるものです。

自転車事故に備えるために、使える保険を確認しておきましょう。

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自転車保険の補償内容

一般的に「自転車保険」として販売されている、自転車事故を対象とした保険がセットになっている保険商品の補償内容を紹介します。以下は自転車保険の主な補償内容です。

  • 事故の相手方への補償(個人賠償責任保険)
  • 自身のケガへの補償(傷害保険)
  • 示談交渉で役立つ補償
  • 盗難などトラブルに備える補償

ここで紹介するのはあくまで一般的な補償内容です。保険会社やプランによって補償内容の差異はあるので、実際に保険に加入したり補償を受けたりする際は、契約内容をよくご確認ください。

(1)事故の相手方への補償(個人賠償責任保険)

個人賠償責任保険とは、自転車事故を起こした際、相手方に支払う損害賠償金を補償してもらえる保険のことです。

自転車事故を起こし、相手方に損害を与えた場合、治療費や入院費、慰謝料、自転車や車の修理費などを請求されることになります。個人賠償責任保険に入っていれば、このような損害賠償金を保険でまかなえるのです。

自転車には、自動車やバイクと違って自賠責保険のような法律上強制的に加入することとなる保険がありません。
そのため、保険に未加入で自転車事故を起こすと、金銭的な負担が非常に大きくなる恐れがあります。

このような事情から、自転車事故を対象とする保険に加入すべきでしょう。

なお、個人賠償責任保険には上限額が設定されていることも多いです。自転車事故の損害賠償金は高額になるケースもあることを鑑みて、加入前によく保険会社ごとの比較・検討をおすすめします。

自転車事故で高額賠償となった裁判例

実際に、自転車事故で高額な損害賠償が発生した判例を見てみましょう。

判例1 9266万円
自転車同士の事故。被害者には言語障害が残った。
(東京地方裁判所 平成20年6月5日判決)
判例2 9521万円
自転車と歩行者の事故。被害者は植物状態になった。
(神戸地方裁判所 平成25年7月4日判決)
判例36779万円
自転車と歩行者の事故。被害者は亡くなった。
(東京地方裁判所 平成15年9月30日判決)
判例45438万円
自転車と歩行者の事故。被害者は亡くなった。
(東京地方裁判所 平成19年4月11日判決)

自転車保険に加入していない、加入していても補償の上限額が低い状態で自転車事故の加害者になると、高額な損害賠償金を自己負担で支払わなければならない可能性があります。

高額な損害賠償金を自己負担しなければならない場合、数年にわたり分割で支払い続ける必要があるだけではなく、家や車といった資産を差し押さえられる恐れもあるのです。

また、被害者が負ったケガが重大なもので、なおかつ自転車側に重過失があると判断された場合、自己破産をしても損害賠償金の支払いは免責にならない可能性もあるでしょう。

このようなリスクを踏まえると、高額の損害賠償請求にも対応できる保険への加入が望ましいといえます。

自転車事故の加害者になってしまったときの対応については、『自転車事故の加害者になったらどうすればいいの?』の記事もご参考ください。

(2)自身のケガへの補償(傷害保険)

傷害保険とは、自転車事故によって加入者自身が死傷した場合に補償してもらえる保険のことです。

傷害保険に加入していた場合、一般的に以下のような保険金を受け取れるでしょう。

傷害保険の種類と概要

種類概要
通院保険金自転車事故により通院した日数に応じて、保険金が支払われる
入院保険金自転車事故により入院した日数に応じて、保険金が支払われる
手術保険金自転車事故により手術を受けた場合に支払われる
後遺障害保険金自転車事故により後遺障害が残った場合に支払われる
死亡保険金自転車事故により死亡した場合に支払われる

なお、上記はいずれも、事故日から180日以内に生じた通院・入院・手術・後遺障害・死亡を対象としている場合が多いです。

(3)自転車事故の示談交渉で役立つ補償

自転車事故にあった際は、基本的に相手方と「示談交渉」をして損害賠償金の金額などを決めていくことになります。

示談交渉とは、「裁判外で話し合いによって損害賠償問題の解決を目指す方法」のことです。

自転車保険には、示談交渉で役立つ以下のような補償が付帯されていることがあります。

  • 弁護士費用特約
    弁護士に相談・依頼する際の費用を保険会社に負担してもらえる
  • 示談代行サービス(示談交渉サービス)
    示談交渉を保険会社の担当者に代行してもらえる

弁護士費用特約を使えば、上限の範囲内で相談料や弁護士費用を保険会社にまかなってもらえます。
上限の金額は相談料が10万円まで、弁護士費用が300万円となっていることが多く、実際に生じる費用はこの上限内に収まることが珍しくありません。

そのため、弁護士費用特約を利用すると、基本的に自己負担なく弁護士に相談・依頼することが可能となるのです。

弁護士費用特約

弁護士費用特約と示談代行サービス、どちらがいい?

「弁護士費用特約は、示談代行サービスがあるなら必要ない?」「弁護士費用特約と示談代行サービスをどちらも使えるなら、どちらを優先した方がいい?」といった疑問を抱かれる方も多いでしょう。

自転車事故による示談交渉を行う場合は、示談代行サービスを使って保険会社の担当者に代行してもらうより、弁護士費用特約を使って弁護士に委任することをおすすめします。
その理由は以下のとおりです。

  • 示談代行サービスは、加入者に過失がないときは利用できない
  • 弁護士に交渉してもらった方が、獲得できる金額が大幅に増える傾向がある
  • 弁護士に依頼すれば、示談交渉以外にもさまざまなサポートを受けられる

とくに注目したいのは、弁護士に依頼すると賠償金の増額が期待できることです。

たとえばケガによる辛さや痛みに対して支払われる慰謝料の額は、治療期間をベースに算定します。
しかし、同じ治療期間であっても、保険会社が慰謝料を算定する場合より、弁護士が慰謝料を算定する場合のほうが高額になる可能性が高いです。

弁護士による増額交渉

さらに、専門知識と国家資格を持つ弁護士に任せる方が、効果的かつ幅広いサポートを期待できるのです。弁護士に依頼するメリットについては、『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』の記事もあわせてご覧ください。

(4)盗難などトラブルに備える補償

自転車保険には、以下のような自転車に関するトラブルに備える補償も付帯されている場合があります。

  • 自転車盗難特約
    自転車の盗難被害にあった場合、補償を受けられる
  • ロードサービス
    トラブルで自転車を動かせなくなった場合、無料で希望の地点まで搬送してもらえる

自転車盗難特約で補償を受けられる金額は、プランによりさまざまです。中には、自転車の後付けパーツも補償の対象としているプランもあります。
購入金額が一定以上でないと加入できないプランもあるので、事前に条件をよく確認するようにしましょう。

ロードサービスは、以下のようなトラブルに見舞われた際に役立ちます。

  • タイヤがパンクした
  • 電動アシスト自転車のバッテリーが切れた
  • 自転車のスポークが折れた
  • 夜なのに自転車のライトが点灯しなくなった

サイクリングで遠出をする機会の多い人はもちろん、通勤・通学や買い物などで自転車に乗る人にとっても役立つサービスと言えるでしょう。

【コラム】自転車保険の加入義務がある自治体

現在、自転車事故の被害者を救済することを目的に、条例で保険への加入を義務化する自治体が増えています。

なお、加入を義務付けられているのは、自転車で人身事故を起こした際に相手方の損害を補償できる保険または共済です。

「自転車保険」という名称で販売されている保険商品でなくとも、上記の補償を受けられる保険であれば問題ありません。後述する自動車保険や火災保険などで補償を受けられるのであれば、新たに自転車保険に加入する必要はないのです。

令和5年4月時点で自転車保険等の加入義務または努力義務とされている自治体は以下のとおりです。

  • 自転車保険等への加入義務がある自治体
    • 宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、新潟県、静岡県、岐阜県、愛知県、三重県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、岡山市
  • 自転車保険等への加入が努力義務である自治体
    • 北海道、青森県、岩手県、茨城県、富山県、和歌山県、鳥取県、徳島県、高知県、佐賀県

※参考:国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について

この他にも、令和6年10月1日から、山口県と岡山県において自転車保険等への加入が義務付けられる予定となっています。

加入義務のない自治体に住んでいる人が、加入義務のある自治体において自転車を利用する場合も加入義務の対象となりうる点に注意してください。

無論、自転車保険等への加入が義務付けられない自治体に住んでいる場合でも、万が一自転車事故を起こしてしまったときのため、保険に加入しておくことを強くおすすめします。

自転車事故で保険から補償を受ける|請求の流れと要点

事故後の初期対応を済ませた後に気になるのが、どうやって補償を受け取るのかということでしょう。自分の加入する保険から保険金を受け取れる可能性があること、そして相手の保険から補償を受け取ることの2つを考えなくてはいけません。

自分の加入する保険に保険金を求める場合と、相手の保険に補償を求める場合に分けて説明します。

自転車事故で保険金を請求する流れ

自転車事故の被害にあった場合、一般的には保険会社と以下のようなやりとりをすることになるでしょう。

自転車事故の保険請求の流れ

  1. 事故が発生したことをすみやかに保険会社に連絡する。
  2. 自身が使える保険を確認する。
  3. 事故の相手方にも保険会社に連絡するよう依頼する。
    この際、忘れずに相手方の保険会社や証券番号を確認する。
  4. ケガの治療、自転車の修理費の見積もりなどを行う。
  5. 事故で生じた損害がすべて確定したら、相手方の保険会社と示談交渉を行う。
    (相手が無保険、被害者にも過失があるといった場合は、自身の保険会社からも補償を受ける。)
  6. 示談成立後、約2週間程度で保険金が振り込まれる。

交通事故発生後にすべき対応や、保険会社とやりとりする流れについては、以下の関連記事で確認可能です。

関連記事

自動車による交通事故を想定した記事ですが、自転車事故でも参考にできる内容になっています。

相手へ請求する際のポイント|自賠責保険加入の有無に注意

事故にあったら、相手の保険会社から治療費や慰謝料といった補償金を受け取ることになります。そこで相手の保険について基本をおさえておきましょう。

まず知っておきたいことが、自賠責保険の有無です。自賠責保険とは、事故の被害者救済を目的として加入が義務付けられている保険のことをいいます。

下表の通り、自動車やバイクには自賠責保険があります。一方で、自転車や歩行者には自賠責保険のように加入が義務付けられている保険はありません。

相手自賠責保険
自動車あり
バイクあり
自転車なし
歩行者なし

相手が自動車やバイクのときの保険

相手が自動車やバイクであれば、自賠責保険への加入が義務付けられています。
そのため、相手の保険から何も補償してもらえないという事態はある程度防げる可能性が高いです。

また、自賠責保険に加えて任意保険に加入している可能性も十分考えられます。相手が任意保険に加入しているときには、まずは治療に専念し、治療が終わってすべての損害が明らかになったら、相手の任意保険会社と示談交渉を開始する流れです

示談金の受け取りまでの流れ

相手保険からの補償は、示談成立後に一括して支払われることが原則です。
また、任意保険会社から支払われる補償金には、自賠責保険から支払われる分も含まれています。
そのため任意保険と示談が成立すると、その後さらに自賠責保険に請求することはできません。

保険会社対応は弁護士に任せるべき!

基本的には、相手の任意保険会社から「損害賠償案」や「示談案」などといって、金額の提示を受けることから示談がスタートします。

しかし、相手の保険会社に任せるだけでは支払ってもらえない金銭もあるのです。
たとえば、ケガで仕事を休んだ際の休業損害や通院交通費などは、被害者側が書類をそろえて請求する必要があります。

また何らかの後遺症が残った場合には、後遺障害申請をおこなって補償を求めることとなるでしょう。

相手の保険から補償を受けるまでの道のりは想定より長く、「こういった損害は出ていませんか?」などと積極的にヒアリングしてもらえるとは限りません。交通事故事案を取り扱っている弁護士に相談をして、対応を任せることも検討してみてください。

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相手が自転車や歩行者のとき

自転車や歩行者には、自賠責保険のようにすべての人に加入が義務化されている保険はありません。
そのため、相手が個人的に加入している自転車保険や日常の個人賠償責任保険への請求となります。

大まかな流れとしては、まずは治療に集中して、治療が終了したら示談交渉を開始していく流れです。

ただし、自身にも交通事故の発生に関して過失が認められる場合は、過失割合に応じた減額により相手保険からの補償額が不十分になることも考えられます。

ご自身の自転車保険を活用して損害を補てんしたり、相手方が主張する過失割合を安易に受け入れずに法律の専門家の意見を聞いてみることも大切です。

自転車事故で使える自転車保険以外の保険

自転車事故にあった際は、一般的な「自転車保険」だけではなく、加入しているさまざまな保険を利用することが可能です。代表的なものは以下のような保険になります。

  • 自動車保険の特約
  • 火災保険・傷害保険・団体保険などの特約
  • 労災保険・健康保険

ここからは、自転車事故で使える代表的な保険をご紹介します。

(1)自動車保険の特約

自動車保険に付帯されている保険や特約の種類によっては、自転車事故の補償を受けられることがあります。具体的には、以下のような保険や特約が挙げられます。

  • 個人賠償責任保険(日常生活賠償保険)
  • 人身傷害補償保険
  • 自転車特約

しかし、上記の保険や特約ですべての事故状況・補償をカバーできるわけではない点には注意が必要です。それぞれの保険や特約でどのような補償を受けられるのか、確認していきましょう。

個人賠償責任保険

自動車保険の個人賠償責任保険(日常生活賠償保険)では、事故の相手方への損害賠償金を補償してもらえます

自動車保険の個人賠償責任保険は、自動車事故以外の日常生活における事故において、加入者が他人の身体や物を傷つけた場合に利用可能です。自転車に乗っていて事故を起こした場合も補償の対象となるでしょう。

人身傷害補償保険

自動車保険の人身傷害補償保険では、加入者自身が死傷した際、治療費や休業損害といった補償を受けられます

基本的には契約車両に搭乗中であった場合に利用できる保険ですが、プランによっては自転車に乗っていて自動車と事故になった場合にも利用可能です。

ただし、人身傷害補償保険を利用できるのは対自動車の事故のみです。自転車同士の事故や自転車と歩行者との事故では利用できないことが多いので、注意する必要があります。

人身傷害補償保険については『人身傷害補償特約は必要?いらない?補償内容や他の保険との違いとは』の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご一読ください。

自転車特約

自動車保険に付帯できる自転車特約は、保険会社によって補償内容が異なります

事故の相手方への補償のみ受けられるもの、自身のケガへの補償のみ受けられるもの、両方の補償を受けられるものがあるため、加入前に補償内容を詳細に確認するようにしましょう。

なお、各自治体が加入を義務付けている保険は、自転車事故の相手方への賠償を行える保険です。「自転車特約という名前だから自転車保険に入っていることになるだろう」と誤って判断しないようにご注意ください

弁護士費用特約の有無を確認しておこう

保険の補償内容について確認する際は、弁護士費用特約が付帯されているかどうかについても確認しておきましょう。

実際に自転車事故が起きた際に、相手方へ損害賠償請求を行う際には、弁護士に相談・依頼を行う方がよい結果となる場面は多いです。

また、弁護士費用特約が複数の保険に付帯しているなら、保険料を必要以上に負担していることになるので、契約内容が重複していないのかについても確認しておくべきでしょう。

(2)火災保険・傷害保険・団体保険などの特約

自転車事故で利用できるのは、自転車保険・自動車保険だけではありません。

以下のような保険に個人賠償責任保険(日常生活賠償保険)が付帯されていれば、自転車事故の相手方への損害賠償金を補償してもらえるでしょう。

  • 火災保険
  • 傷害保険
  • 団体保険(会社・学校などで加入している保険)
  • クレジットカード
  • 各種共済 など

上記のような保険から自転車事故の相手方への賠償を受けられるなら、いわゆる「自転車保険」に加入する必要はありません。
ただし、保険のプランによっては上限額が低く、十分な補償を受けられない可能性もある点には注意してください。

また、傷害保険や団体保険の契約内容によっては、自身のケガなどへの補償も受けられるでしょう。

(3)労災保険・健康保険

自転車事故にあった場合、労災保険や健康保険から、自身のケガなどへの補償を受けることも可能です。

労災保険は、勤務中または通勤中に自転車事故にあった場合に補償を受けられます。労災保険からは「特別支給金」も受け取れるので、他の保険との併用を検討してもよいでしょう。

また、治療費を被害者自身で支払ったり、一旦立て替えたりする必要がある場合は、健康保険の利用も可能です。
なお、労災保険を利用できる場合は健康保険を利用できない点には注意が必要です。

自転車事故の保険についてよくある質問

次に、自転車事故の保険に関するよくある質問にお答えしていきます。

Q1.自転車保険の選び方は?

自転車保険を選ぶ際は、以下のポイントに注意するとよいでしょう。

  • 補償内容・対象者
  • 補償の開始日
  • 保険料の支払い方
  • 保険料の値段

それぞれのポイントについて、掘り下げて解説していきます。

保険の補償内容・対象者

自転車保険で補償される内容は、商品やプランによって差異があります。ご自身にとって必要な補償をカバーできるものを選びましょう。

また、加入者だけではなく加入者の家族も補償範囲に含まれるプランもあります。家族も自転車を使うのであれば、自転車を使用するする家族全員を対象とできるプランを検討してもよいでしょう。

なお、別居の家族は補償対象外となる場合もあるので、事前に約款をよく確認するようにしてください。

補償の開始日

自転車保険には、加入当日から補償を受けられるものと、加入後に一定期間が経ってから補償を受けられるものがあります。

日常生活において自転車事故が起こりやすい場所を通る場合や、遠方へのサイクリングを予定している場合は、補償開始日が早いものを選ぶのがおすすめです。

保険料の支払い方

自転車保険の保険料の支払い方には、クレジットカード払い、コンビニ払い、ATM払い、携帯電話料金とまとめて支払いなど、さまざまなものがあります。

保険を選ぶ際は、「自身にとって便利な方法で支払えるか」も確認しておきましょう。

保険料の値段

自転車保険の保険料は保険会社やプランによって異なり、安いものだと月300円程度のものもあります。補償内容と保険料のバランスを見て選ぶとよいでしょう。

Q2.TSマーク付帯保険とは?

TSマークとは、自転車安全整備士が点検整備した自転車に貼付されるマークのことです。

TSマークの貼付を受けた自転車は、マークの色に応じて次の三井住友海上火災保険株式会社の保険に加入していることになります。

マークの種類保険の種類
青色マーク
(第一種TSマーク)
賠償責任補償(事故の相手方への補償)
傷害補償(自分自身への補償)
赤色マーク
(第二種TSマーク)
賠償責任補償(事故の相手方への補償)
傷害補償(自分自身への補償)
被害者見舞金

TSマーク付帯保険によって補償される金額は、以下のとおりです。

  • 青色マーク(第一種TSマーク)
    • 賠償責任補償(死亡もしくは後遺障害1級~7級):1,000万円
    • 傷害補償(死亡もしくは後遺障害1級~4級):30万円
    • 傷害補償(15日以上の入院):1万円
  • 赤色マーク(第二種TSマーク)
    • 賠償責任補償(死亡もしくは後遺障害1級~7級):1億円
    • 傷害補償(死亡もしくは後遺障害1級~4級):100万円
    • 傷害補償(15日以上の入院):10万円
    • 被害者見舞金:10万円

TSマーク付帯保険のメリットは、人ではなく自転車単位での契約となるため、ひとつの自転車を複数人で共有している場合に便利なことです。

一方、賠償責任補償の範囲が重度の後遺障害に限定されていることや、補償される金額が一律であることには注意した方がよいでしょう。状況によっては、TSマーク付帯保険だけでは十分な補償を受けられない可能性があります。

なお、TSマーク付帯保険の有効期間は、TSマーク記載の点検基準日から1年間です。TSマーク付帯保険を利用したい場合は、毎年点検を受ける必要があることに注意しましょう。

Q3.ヘルメット未着用だと保険がおりない?

2023年4月1日から施行された道路交通法の改正により、すべての人が、自転車に乗るときにはヘルメットを着用するように努めるとされています。

あくまで努力義務にあたる現段階では、ヘルメット未着用だけを理由に保険金請求を断られるケースはないでしょう
ただし、今後ヘルメット着用の扱いが変わることで、保険約款が変わることもありますので、注意が必要です。

自転車保険がおりないケース

自転車保険がおりないケースとしては、たとえば、飲酒運転や薬物服用など、正常に自転車を運転できる状態になかった場合があげられます。

そのほかにも故意に事故を起こしたと見なされたり、家族間での事故では、保険金がおりない可能性があるでしょう。その他具体的には、加入する自転車保険の約款に従うことになります。

Q4.自転車事故の被害者が保険未加入だとどんな損がある?

自転車事故の被害者になった場合、治療費や慰謝料は加害者側に請求することになります。
しかし、加害者の保険加入状況によっては、十分な補償をすぐに受けられない可能性があるのです。

例として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 加害者が自動車に関する任意保険に未加入で、自賠責保険にしか入っていない
  • 加害者が自転車に関する保険に入っていない

このようなケースでは、加害者本人にも損害賠償を請求する可能性が高いでしょう。
そのため、加害者が十分にお金を持っていない場合は支払いが分割になったり踏み倒されたりするリスクが生じるのです。

しかし、自身が保険に入っていれば、その保険から補償を受けられます。
よって、自転車事故の被害にあった際に泣き寝入りになってしまう可能性を減らせるのです。

自転車事故においてどのような損害について請求できるのか、賠償額がいくらになりうるのかについて知りたい方は『自転車事故の慰謝料相場はいくら?被害者がすべき対応や高額賠償事例』の記事をご覧ください。

自転車事故の被害にあったら弁護士の無料相談も使おう

自転車事故の被害にあった場合は、弁護士への相談もご検討ください。

一般的に、事故の相手方は損害賠償金を低めに計算して提示してくる傾向にあります。弁護士が交渉を行えば、提示された金額の2倍~3倍に増額できるケースも少なくありません

アトム法律事務所では、弁護士への無料相談を電話・LINEで実施しています。以下のようなお悩みがある方は、ぜひお気軽にご利用ください。

  • 相手方の保険会社から提示された金額が少ない気がする
  • 過失割合が不当に高い気がする
  • できるだけ早く交渉を終わらせ、保険金を受け取りたい
  • 相手方とのやりとりが負担になっている
  • 弁護士費用が不安なので、あらかじめ見積もりを取りたい

アトム法律事務所の弁護士費用

アトム法律事務所では、基本的に相談料・着手金無料の料金体系を取っています。法律相談だけなら無料ですし、ご依頼いただく際にも初期費用は原則かかりません。

弁護士費用体系のポイント

  • 弁護士費用特約を使った場合
    • 法律相談料や弁護士費用については保険会社が支払ってくれる
      特約の補償範囲でおさまることが多いため、被害者の自己負担は基本的にゼロ
  • 弁護士費用特約がない場合
    • 法律相談料は無料、依頼時の着手金も原則無料
      示談成立までには原則費用がかからない、初期費用ゼロ

弁護士費用特約は、自転車保険以外にも、自動車の保険やクレジットカード、火災保険などにも付帯されている場合があります。ご自身ではなく、家族が加入していても使えるケースもあるので、一度保険会社に確認してみてください。

なお、弁護士費用特約の有無問わず、法律相談は無料で利用していただけます。相談予約は24時間365日いつでも受け付けているので、まずは気軽にお困りごとをお聞かせください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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