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自転車事故の加害者になったらどうすればいいの?自転車保険についても解説

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2020年4月1日改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

自転車は運転免許が必要なく、誰でも手軽に利用できる便利な乗り物です。通勤や通学などに毎日使用する方も少なくないでしょう。

その一方で、つい気が緩んで他人や他の二輪車に衝突してしまうなど、自転車事故を起こしてしまう可能性は誰にでもあります。

そこで今回は、自転車事故の加害者になってしまった場合にすべきことや、自転車事故に備えるための保険について解説していきます。

自転車事故の加害者がすべきこと

自転車事故の加害者になってしまった場合にすべきことを解説します。

負傷者の確認と警察への報告

自転車で事故を起こしてしまったら、まずは自分を含めて負傷者の確認をし、二次災害が起こらないように安全を確保します。負傷者がいる場合はすぐに救急車の手配をしましょう。

負傷者の確認が終わったら、交通事故について警察に通報します。

交通事故の当事者は、事故について最寄りの警察に報告しなければならないことが、法律で義務付けられています(道路交通法72条1項後段)。

軽微な事故の場合は、警察に報告しなかったり、その場で示談をしたりなどを提案されることがありますが、安易に応じてしまうと、後に保険金を請求できなくなる、言った言わないのトラブルになるなどのリスクがありますので、おすすめできません。

また、事故について警察に報告しなかった場合は、報告義務違反として3か月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象になってしまいます。

自転車事故を起こしたら、必ず警察に報告しましょう。

自転車保険など、自転車事故に使用できる保険に加入している場合は、保険会社にも事故の連絡をしておきましょう。

交通事故証明書の発行

警察に交通事故の報告をすると、後に交通事故証明書という書類を発行してもらうことができます。

交通事故証明書とは、交通事故が発生した事実を証明するための書類です。事故が発生した日時、場所、当事者の氏名、車両情報などが記載されます。

警察に事故の報告をすると、担当の警官が現場にやってきて実況見分を行い、事故の状況を調書に記録します。

この記録をもとに、自動車安全運転センターという機関が交通事故証明書を発行します。

交通事故証明書があれば、交通事故が発生した事実や、どのような当事者や状況のもとで交通事故が発生したかを客観的に証明するのに役立ちます。

また、自転車保険などの保険が適用されるために、交通事故証明書が必要な場合もあります。

注意点として、交通事故について警察に報告しなければ、原則として交通事故証明書は作成されません。

なお、交通事故証明書を発行してもらえる期間は、事故発生から人身事故で5年、物損事故で3年です。

自転車事故に有効な自転車保険とは

自転車事故では、自動車用の保険である自賠責保険や自動車保険は使用できません。

自転車事故の加害者になった場合の備えとして、自転車保険があります。自転車保険について解説します。

自転車保険とは

自転車保険とは、自転車による交通事故に備えるための民間保険の総称です。

自転車以外の事故も補償される場合がありますが、主に自転車事故を想定した保険内容なので、一般に自転車保険と呼ばれます。

自転車保険の内容は、自転車事故に備えやすいように個人賠償責任保険と傷害保険がセットになったものです。

個人賠償責任保険とは、他人に怪我をさせてしまったり、他人の物を損壊してしまった場合などに、治療費や修理費用などの賠償金に充てるための保険金が支払われる制度です。

なお、個人賠償責任保険は、自転車に搭乗中に事故を起こして加害者になった場合だけでなく、スポーツをしている際に誤って他人を負傷させてしまった場合など、賠償責任が生じうるケースに広く適用されるのが一般的です。

また、個人賠償責任保険は保険に加入した本人だけでなく、同居している親族も一般に補償対象に含まれます。自転車事故だけでなく、日常生活に潜むトラブルに広く対応できるのが特徴です。

傷害保険とは、自転車事故で自分が怪我をした場合に、治療費などに充てるための保険金が支払われる制度です。

その他、自転車保険によっては自転車を搬送するロードサービスや、弁護士に委任した場合の費用を負担する特約などが付帯している場合があります。

自転車保険の重要性

重傷や死亡などの重大な事故も少なくない自動車事故とは異なり、車体の小さい自転車事故の場合は、事故になってもあまり重大な結果にはならないだろうと思っていませんか?

ところが、自転車事故の場合でも、重傷などの重大な結果につながる可能性があります。実際に発生したケースとして以下のものがあります。

  • 自転車で走行していた小学生が、歩行していた60代の女性に衝突した。被害者は頭蓋骨骨折などの重傷を負い、意識不明の状態になった。
  • 自転車を運転する高校生が交差点に無理に進入したところ、60代の女性が運転する自転車と衝突した。被害者は頭蓋骨を骨折し数日後に死亡した。
  • 自転車を運転する高校生が、赤信号にも関わらず横断歩道を走行していたところ、60代の男性が運転するオートバイと衝突。被害者は頭蓋内損傷によって約2週間後に死亡した。

万が一自転車事故の加害者になってしまい、重大な賠償責任を負ってしまう可能性を考えると、自転車保険に加入しておく必要性は決して低くありません。

自転車保険が義務化されている地域も

自転車事故にもとづく損害賠償が高額化しているなどの背景から、自動車における自賠責保険のように、自転車についても保険加入を義務化すべきとの声が強まりました。

2015年10月、兵庫県が自治体としては全国初の自転車保険の加入義務化を開始しました。

その後、大阪府、滋賀県、鹿児島県などでも自転車保険の義務化が実施され、2020年には東京都でも義務化されています。

自転車保険の加入を義務化したり、努力義務としたりする自治体が増えていることから、自転車保険の重要性がうかがえます。

自転車保険の注意点

自転車保険を検討する場合は、すでに加入している保険と補償内容が重複していないかに注意しましょう。

自動車保険、火災保険、クレジットカードのサービスなどには、個人賠償責任保険を特約として付帯できるものがあるからです。また、人身傷害保険は自転車事故についても補償される場合があります。

すでに個人賠償責任保険や傷害保険に加入しているにも関わらず、自転車保険に加入してしまうと、補償内容が重複してしまう可能性があるので、既存の保険の補償内容を一度確認しておきましょう。

また、自転車事故の加害者になってしまった場合は、家族が加入している保険が使用できないか確認しておきましょう。

自分が加入していなくても、家族が保険に加入していることで補償対象になる場合があるからです。

まとめ

自転車に搭乗中に事故を起こして加害者になってしまった場合は、負傷者の確認や救急車の手配を済ませてから、事故について最寄りの警察に報告します。

自転車事故では自動車保険が使えませんが、被害者が重傷を負うケースもあるので、個人賠償責任保険や傷害保険のついた自転車保険への加入を検討しましょう。

ただし、自転車保険の補償内容は他の保険と重複している場合があるので、まずは既存の保険を確認してみることをおすすめします。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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