後遺障害が思うように認定されない|もらえる慰謝料と対処法

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交通事故特集|後遺障害認定されない時の対処法

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で後遺症が残ってしまったにも関わらず、後遺障害等級に認定されない、または認定された等級に納得がいかない…。

このような場合は、認定されない理由を知って、この後どう対応するかを決めなければなりません。
等級認定されない理由を踏まえて再審査を受ければ、納得のいく後遺障害等級が獲得できる可能性があるからです。

この記事では、納得のいく後遺障害等級に認定されない理由や、等級認定されない場合の対処法を解説しています。

後遺障害が認定されない理由は?

症状固定が早すぎる

一般的に、症状固定になるまでの治療期間が6ヶ月以下であると、以下の理由から後遺障害等級に認定されない可能性が高まります。

  • もう少し治療をすれば完治するのではないかと疑われる
  • 治療期間が半年以下の後遺症は、後遺障害等級に認定されるほど重くないと判断される

場合によっては相手方保険会社から症状固定をせかされたり、まだ治療が必要なのに治療費の打ち切りを告げられたりすることもあるでしょう。

しかし、治療期間が半年以下であり、まだ治療が必要な場合には、適切な対応をとって治療を継続してください。

なお、指の欠損など目に見て明らかであり、かつ治療の長短に関わらず回復が見込めない後遺障害の場合は、治療期間が半年以下でも問題ありません。

こちらをチェック

症状固定の概要や、相手方保険会社から症状固定を打診された場合の対処法がわかります。▶症状固定とは?

医学的他覚所見がない

後遺障害等級が認定されない理由としては、「後遺障害の存在・程度を証明する医学的・客観的証拠(他覚所見)」が足りないというものも考えられます。

後遺障害等級の認定審査は基本的に、審査機関に提出した書類のみを見ておこなわれます。

そのため、後遺障害等級の認定を受けるには、各種検査結果やレントゲン写真・MRI画像・CT画像などの医学的他覚所見をとおして後遺障害の残存・程度を証明しなければならないのです。

たとえば、むちうちで認定されうる後遺障害12級13号、14級9号なら、以下のような他覚所見が必要です。

受ける検査は、基本的には医師が判断します。

しかし、医学的観点から必要な検査と、後遺障害等級の審査の観点から必要な検査は違うことがあります。

よって、後遺障害等級の審査や認定基準に詳しい弁護士にも、どんな検査を受けるべきかアドバイスを求めることがおすすめです。

弁護士費用は実質無料にできる▶交通事故の弁護士費用特約とは?

後遺障害診断書の記載が不適切

後遺症の症状や状態などを記載した後遺障害診断書は、後遺障害等級の認定審査でも重要視されます。
よって、その後遺障害診断書の記載内容が不適切な場合には、後遺障害等級が認定されない可能性があります。

後遺障害診断書にはさまざまな記載事項がありますが、いくつかの項目について注意点をあげると以下の通りです。

  • 他覚症状および検査結果
    • 原因不明、違和感があるなど曖昧な表現は不適切
  • 障害内容の増悪・緩解の見通し
    • 予後不明、治癒の見通しありなどの内容は不適切

その他の項目についても要チェック▶後遺障害診断書の書き方やもらい方、等級認定される記入例

医師は医学の専門家ではありますが、後遺障害等級認定については必ずしも詳しいとは限りません。

よって、医師に後遺障害診断書を書いてもらったら、一度内容を確認するようにしましょう。

内容が適切かわからない、医師に訂正を依頼しにくいという場合は弁護士にご相談ください。

後遺障害等級認定の申請方法が事前認定

後遺障害等級認定の申請方法には「事前認定」と「被害者請求」があります。
このうち事前認定を選んだ場合は、審査対策不足のために等級認定されない可能性があります。

  • 事前認定
    • 後遺障害診断書を相手方任意保険会社に提出すると、残りの書類はすべて保険会社が用意し、審査機関に提出してくれる
    • 書類集めの手間がかからない
    • 後遺障害診断書以外の書類の内容をチェックしたり、追加書類を添付したりできないので、審査対策が甘くなりがち
  • 被害者請求
    • 全ての書類を用意し、相手方自賠責保険会社を介して審査機関に提出する
    • 事前認定よりも書類集めの手間がかかる
    • 全ての書類の内容をチェックしたり、審査に効果的な追加書類を添付したりと、十分な審査対策ができる

事前認定と被害者請求どちらを選ぶかは自由に決められますが、基本的には被害者請求を選んだ方が等級に認定される可能性は高まるでしょう。

後遺障害申請の方法を詳しく

後遺障害の申請手続きは弁護士には依頼した方がいい?

後遺障害の申請手続きは、以下の点から弁護士に依頼することがおすすめです。

  • 被害者請求であっても、弁護士に書類集めを依頼できるので手間がかからない
  • 被害者請求において提出書類の内容チェック・修正、追加書類の選定などをしてもらえるので、後遺障害認定の可能性が高まる
  • 後遺障害認定後の示談交渉も依頼できるので、十分な示談金額の獲得が見込める

後遺障害等級認定について、被害者自身で審査の仕組みや認定基準、過去の事例を十分に把握することは難しいです。

しかし、効果的な審査対策を立てるためにはこれらについてしっかり理解していなければなりません。

特に被害者請求をする場合は、弁護士のアドバイスやサポートがないと、被害者請求のメリットを生かしきれないことになりかねないので、一度弁護士に相談することをおすすめします。

効果的な被害者請求にしたいなら

後遺障害申請は被害者請求と弁護士依頼が正解|必要書類も紹介

後遺障害認定されないときの対処法

異議申し立てをして再審査を受ける

後遺障害等級に認定されない・納得のいく等級にならなかった場合には、異議申し立てによって再審査を受けることができます。

ただし、異議申し立てをしても、必ずしも等級が上がるとは限りません。
よって、異議申し立てをするときには以下の点に注意しましょう。

  • 一度目の審査結果が本当に正しくないのか確認する
  • 一度目の審査結果に至った理由を分析し、それに応じた対策を立てる
  • 「異議申立て書」を具体的かつ論理的に書く

異議申し立ての詳しい流れやポイントは、『後遺障害の異議申し立てを成功させる方法』にて解説しています。

納得のいく等級に認定されない場合には、この記事を参考にして異議申し立てを検討してみましょう。

異議申し立て以外の方法での等級変更も検討

納得のいく後遺障害等級に認定されない場合は、異議申し立て以外にも「紛争処理制度の利用」「訴訟を起こす」といった手段が考えられます。

  • 紛争処理制度の利用
    • 専門知識を持つ紛争処理委員による審査が受けられる
  • 訴訟を起こす
    • 裁判にて、適切な後遺障害等級に応じた損害賠償請求をする

後遺障害が認定されず、異議申し立て・紛争処理制度・訴訟を検討している場合は、『後遺障害が認定されなかったら非該当の理由を知って異議申立て等を対策しよう』の記事が参考になります。

どの手段をとるか迷っている場合には参考にしてみてください。

等級認定されなくても慰謝料請求できるケースもある

例外的なケースではありますが、たとえば以下のような場合、後遺障害等級が認定されない状態でも、後遺障害慰謝料がもらえる可能性があります。

上記2つのどちらかに該当しそうな場合は、たとえ後遺障害等級が認定されなくても、後遺障害慰謝料の請求をあきらめるのは早いです。

一度弁護士に相談してみてください。

後遺障害に認定されたらもらえる示談金相場は?

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料とは

交通事故により、後遺障害が残ってしまったという精神的苦痛に対し支払われる慰謝料

後遺障害等級が無事認定されると、その等級に応じて後遺障害慰謝料が支払われます。

後遺障害慰謝料の金額は後遺障害等級ごとに決まり、以下の通りです。

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護1,650
(1,600)
2,800
2級・要介護1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998 (958)2,370
3級861 (829)1,990
4級737 (712)1,670
5級618 (599)1,400
6級512 (498)1,180
7級419 (409)1,000
8級331 (324)830
9級249 (245)690
10級190 (187)550
11級136 (135)420
12級94 (93)290
13級57 (57)180
14級32 (32)110

単位:万円
*()は2020年3月31日以前の事故の場合

なお、自賠責基準とは交通事故被害者に補償される最低限の金額基準、弁護士基準とは過去の判例に基づく金額基準を指します。

示談交渉の際、相手方保険会社は自賠責基準に近い金額を提示してくることが多いですが、法的正当性が高いのは弁護士基準の金額です。

提示された金額を鵜呑みにするのではなく、しっかり増額交渉することが必要です。

まだ等級がわからないなら

どんな後遺障害が何級になりうるか、症状別に紹介しています。▶後遺障害等級の一覧表

逸失利益の相場

後遺障害等級が認定されると、逸失利益も請求できます。
逸失利益とは、後遺障害が労働能力に影響することで減ってしまう、生涯収入に対する補償です。

逸失利益は基本的に以下の式から計算されます。

逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する係数

基礎収入の考え方やその他の数値については『逸失利益の計算方法|計算機や計算例つきでわかりやすく解説』で詳しく解説しています。

なお、逸失利益の金額は以下の計算機からも確認できるので、利用してみてください。

等級認定されない場合は弁護士に相談を

今後に関する疑問はすべて弁護士にご相談ください

ここまで読んできて、後遺障害認定されない理由や再審査などについて分かった一方、次のような疑問も生じてきたのではないでしょうか。

  • 等級認定されない理由を踏まえた審査対策って具体的にはどうすればいい?
  • 自分は再審査を受けるべき?再審査を受けても時間の無駄になるだけ?
  • 再審査は異議申し立て・紛争処理制度・裁判のうちどれにすればいい?
  • 弁護士基準の慰謝料を獲得するには?

こうした疑問は、弁護士に相談・依頼していただければ専門的な観点からアドバイス・サポートが可能です。

後遺障害等級認定については調べればいろいろと出てくるものの、被害者ご自身では理解しきれない部分や判断しにくい部分も多々あるものです。

一度、後遺障害等級認定のサポート経験が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士費用の負担は軽減できます

弁護士へ相談・依頼というと費用に関して不安に思われがちですが、アトム法律事務所では以下の方法によって弁護士費用の負担が軽減できるようになっています。

  • 弁護士費用特約を利用しての相談・依頼が可能
  • 相談料・着手金が無料
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    • 示談金獲得前に支払うお金がないので、すぐに大きなお金が用意できなくても安心

アトム法律事務所では、電話やLINEにて無料相談をおこなっています。

無料相談のみのご利用も可能なので、今後のことについて少し聞いてみたい、どんな弁護士がいるのか少し話してみたい、相談してから依頼するかどうか決めたいという方も、お気軽にご連絡ください。

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