交通事故で歯が折れたら慰謝料いくら?前歯欠損は後遺障害認定される?

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事故で歯が折れた

交通事故により歯に強い衝撃が加わると、歯が折れてしまうことがあります。

早期の治療が必要になりますが、場合によっては歯が欠損してしまうといった後遺症が残ることもあり、後遺症の程度によっては高額の損害賠償金が生じることもあるでしょう。

本記事では、交通事故により歯が折れた場合にすべきことや、どのような請求が可能となるのかについて解説を行っております。

交通事故により歯が折れたら何をすべきなのか知りたい方は、是非ご覧ください。

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交通事故で歯が折れたらどうする?

交通事故により歯が折れた場合には、速やかに以下のような行動を順次とるように心がけてください。

  • 早めに歯科医院を受診
  • 警察に被害届を提出
  • 保険会社に連絡
  • 歯を3本以上失ったら後遺障害申請

それでは、各行動についてどのように対応していくべきか簡単にみていきましょう。

早めに歯科医院を受診

歯が折れた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。歯が折れたまま放置すると、感染症や歯周病のリスクが高まります。

さらに、交通事故から期間が開いた後に受診すると、事故との因果関係を疑われる恐れがあるでしょう。

また、歯が折れるということは顔面や頭部を強く打ち、顔面骨折や頭部外傷を負っている可能性も考えられます。歯科医院だけでなく、形成外科や脳神経外科など病院も受診するようにしましょう。

警察に被害届を提出

歯が折れた原因が交通事故によるものである場合は、警察に被害届を出す必要があります。

被害届を出すことで、交通事故証明書や実況見分調書といった、加害者への損害賠償請求を行う際に証拠となる資料を得ることが可能となるのです。

また、ひき逃げ事故のため加害者が特定できていない場合には、警察に被害届を出して、捜査によって加害者を特定してもらう必要もあります。

被害届の出し方については関連記事『交通事故で被害届を出さないとどうなる?事故相手がいい人だったら?出し方も解説』をご確認ください。

保険会社に連絡

加害者が特定できたら、加害者側の保険会社に連絡しましょう。保険会社は、加害者が支払う必要のある治療費や慰謝料の支払いを代わりに行ってくれます。

また、自身の加入している保険会社にも連絡を行いましょう。
連絡が遅れると、本来使えるはずであった保険が使えなくなる恐れがあります。連絡する際は、事故の状況を詳しく説明しましょう。

交通事故で歯が折れた場合は、上記の対応を早めに行うことが大切です。

保険会社との具体的なやり取りについては関連記事『交通事故の保険会社への対応の流れ|相手方の保険や自分の保険とのやりとり一覧』で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

歯を3本以上失ったら後遺障害申請

交通事故で後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定の申請ができます。申請によって後遺症の症状が後遺障害に該当すると判断されると、症状に応じた後遺障害等級の認定が受けられるのです。

後遺障害等級の認定を受けると、加害者側に対して後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになります。

もっとも、後ほど解説しますが、交通事故で歯が折れたり抜けたりして後遺障害等級の認定を受けられるのは、歯を3本以上失った場合になります。

失った歯が2本以下の場合、基本的に後遺障害等級の認定が受けられないので、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できません。

後遺障害の具体的な申請方法については関連記事『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』で深掘りしていますので、あわせてご覧ください。

歯が折れた場合の後遺障害等級と慰謝料

ここからは、交通事故で歯が折れた場合に認定される可能性のある後遺障害等級と、等級に応じて請求できる後遺障害慰謝料について解説します。

歯が折れた場合の後遺障害等級

交通事故で歯が折れた場合には、以下のような後遺障害が生じる可能性があるでしょう。

  • 歯の喪失や著しい欠損による歯牙の障害
  • 歯とともにあごの骨を折るなどして咀嚼機能や言語機能が低下する障害

これらの後遺障害について認定されうる後遺障害等級について解説を行います。

歯牙の障害

交通事故により、前歯欠損など歯の喪失や著しい欠損が生じた場合において認定される可能性がある後遺障害等級は、10級4号・11級4号・12級3号・13級5号・14級2号です。

等級ごとの認定基準は以下のようになります。

等級症状
10級4号14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
11級4号10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
12級3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
13級5号5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14級2号3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

「歯科補綴を加えたもの」とは、喪失または欠損した歯について、かぶせ物や入れ歯などの人工物で補うことをいいます。対象となるのは永久歯です。

交通事故により喪失・著しく欠損した永久歯の本数に応じて、認定される等級が異なります。

咀嚼・言語機能の障害

交通事故により歯が折れるほどの衝撃を口に受けると、あごの骨が折れるなどして、咀嚼機能や言語機能に障害が生じることがあります。

咀嚼機能障害、言語機能障害によって認定される可能性がある後遺障害等級は、1級2号・3級2号・4級2号・6級2号・9級6号・10級3号です。

等級症状
1級2号咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3級2号咀嚼又は言語の機能を廃したもの
4級2号咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
6級2号咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
9級6号咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
10級3号咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの

どのような食べ物が咀嚼できなくなったのか、また、どのような言語が発生できなくなっているのかによって認定される等級が異なります。

事故により歯が折れるだけではなく、顎の骨が折れるような顔面骨折も生じた場合には、『顔面骨折で後遺障害認定される?鼻骨骨折・頬骨骨折・下顎骨折の後遺症』の記事も参考になりますので、あわせてご確認ください。

歯が折れた場合の後遺障害慰謝料

歯が折れた場合の後遺障害慰謝料の金額は、認定される後遺障害等級によって異なります。
後遺障害等級に応じて請求できる後遺障害慰謝料の金額は、110万円~2800万円です。

等級 慰謝料額
1級2,800万円
3級1,990万円
4級1,670万円
6級1,180万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

交通事故で歯が折れた場合のその他の損害賠償

交通事故で歯が折れた場合、損害賠償を請求することができます。
具体的には、先ほど紹介した後遺障害慰謝料を含めて主に以下のような損害についての請求が可能です。

  • 治療関係費
  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 逸失利益
  • 休業損害

ここからは、後遺障害慰謝料以外のその他の損害賠償についてみていきましょう。

治療関係費

治療関係費とは、歯を治療するために支出した費用全般です。

歯科医院における治療代だけでなく、通院のための交通費や、通院に付添が必要となった場合の付添費用なども請求することができます。

インプラント費用は請求できない恐れがある

歯科補綴のためにインプラントを行う場合、高額なインプラント治療を行うと、治療費用の一部について請求が認められない恐れがあります。

治療関係費として認められるのは、治療のために必要といえる範囲です。
高額なインプラント治療を行うと、治療のためではなく審美目的の費用であると判断され、費用の一部について請求が認められない可能性があります。

インプラント治療を行う際には、治療のために必要な範囲であるかどうかを医師や弁護士に確認すべきでしょう。

入通院慰謝料|入院・通院したことで生じる慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故による怪我の治療のために入院や通院したことで生じる精神的苦痛に対する賠償金です。

入通院慰謝料の金額については、治療のために入院や通院した期間から算出されます。
具体的には、以下の表を用いることとなるでしょう。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

入通院慰謝料は、通院1日からでも請求できます。詳しくは関連記事『交通事故の慰謝料は通院1日いくら?8600円の真実と通院6ヶ月の相場』をご覧ください。

逸失利益|将来生じる収入の減少に対する請求

逸失利益とは、将来の収入の減少による損害です。

交通事故により後遺障害が生じたことで仕事に支障をきたし、将来の収入が減少する可能性がある場合は、逸失利益を請求することができます。

逸失利益の金額は、事故前の収入、年齢、後遺障害により生じる労働能力の低下の程度などから決められるでしょう。

逸失利益の具体的な計算方法については『【逸失利益の計算】職業別の計算例や早見表・計算機つき』の記事でも詳しく解説していますが、慣れないと算定が複雑です。妥当な金額の逸失利益をどのように算定するかも、弁護士に聞いてみましょう。

歯の欠損や咀嚼機能低下で逸失利益が認められない恐れがある

歯の欠損や咀嚼機能の低下により後遺障害が生じた場合には、そもそも逸失利益が認めらないと加害者側が主張して問題となることがあります。

歯の欠損や咀嚼機能の低下による後遺障害では、仕事に支障が生じて、収入が減少していないとして逸失利益の請求が認められないと加害者側が主張することがあるためです。
特に、歯の欠損の場合には仕事には、影響のない後遺障害であると主張される可能性が高いでしょう。

このような主張がなされた場合には、被害者の仕事内容から、後遺障害により仕事に具体的な支障が生じていることを明らかにすることが必要です。

欠損や低下した機能の程度や、仕事内容からすると困難な場合もあるでしょう。

そのため、逸失利益の請求が可能かどうかや、具体的な請求金額について知りたい場合は、専門家である弁護士への相談を行うことをおすすめします。

休業損害|仕事を休んだことによる減収に対する請求

休業損害とは、仕事に支障をきたしたことによる損害です。

交通事故で歯が折れたことで、治療のために仕事の休職や欠勤を余儀なくされた場合は、休業損害を請求することができます。

休業損害の金額は、被害者の収入や休業日数から算出されるでしょう。

休業損害のより詳しい計算方法については『交通事故の休業損害|計算方法や休業日の数え方』の記事をご確認ください。

交通事故で歯が折れたら弁護士に相談

交通事故で歯が折れた場合、早めに弁護士に相談することが重要です。

弁護士に相談・依頼を行うことで様々なメリットを得ることができます。

交通事故で歯が折れて弁護士に相談するメリット

弁護士に相談し、依頼を行うと、以下のようなメリットがあります。

  • 適切な後遺障害等級認定を受けることができる
  • 加害者側との示談交渉を代わりに行ってくれる

それぞれのメリットについてみていきましょう。

適切な後遺障害等級認定を受けることができる

後遺障害等級の認定については、認定される等級に応じて請求できる金額が変わってきます。
そのため、適切な等級認定を受けることができないと、損害賠償金額が減少してしまう危険性があるのです。

しかし、後遺障害等級認定の申請を行う際には後遺障害が生じている医学的な証明が必要となるため、申請は簡単には行えないでしょう。

弁護士に依頼して後遺障害等級認定の申請を代わりにしてもらえば、弁護士が過去の経験や専門知識を駆使して、適切な後遺障害等級認定が得られるよう申請を行ってくれるでしょう。

後遺障害等級の認定を受けることで請求できる金額が大きく変わるため、弁護士によるポイントを押さえた適切な申請手続きを行ってもらい、適切な後遺障害等級の認定を受けるメリットは大きいといえます。

加害者側との示談交渉を代わりに行ってくれる

交通事故で歯が折れた場合は、加害者側との示談交渉は弁護士に任せることをおすすめします。

加害者側との示談交渉については、多くの場合、加害者が加入している任意保険会社の担当者と行うこととなるでしょう。

保険会社は支払う金額をできるだけおさえようと、相場よりも低い金額で示談するよう交渉してきます。

示談交渉の経験が豊富な保険会社と交渉し、相場の示談金額が得られるよう増額交渉を行うことは非常に困難でしょう。

弁護士なら適切な金額に増額するよう交渉可能

一方、交通事故に関する法律や手続きを熟知している弁護士なら、保険会社との示談交渉において適切な金額で示談することが可能です。

弁護士に依頼することで、相場に近い金額まで増額した損害賠償金を得ることできるでしょう。

交通事故で歯が折れた場合の弁護士の選び方

交通事故で歯が折れた場合、適切な損害賠償金を獲得するためには、弁護士に相談・依頼することが重要です。
それでは、弁護士を選ぶ際にはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

交通事故に強い弁護士を選ぶ

交通事故に強い弁護士を選ぶためには、以下の点を考慮しましょう。

  • 交通事故に特化した弁護士であるか
  • 多くの交通事故案件の経験があるか
  • 交通事故に関する法律や手続きに精通しているか
  • 親身になって相談に応じてくれるか

弁護士選びに迷いがある場合は、どういった弁護士なら交通事故に強いのかについて解説した『交通事故に強い弁護士とは?弁護士なら誰でも交通事故に強い訳ではない』の記事をあわせてご覧ください。

無料相談を利用する

弁護士によっては、無料相談を行っていることがあります。

無料相談を利用することで弁護士に直接相談し、弁護士の費用や対応方針を知ることが可能です。
そのうえで、依頼すべき弁護士かどうか判断すると良いでしょう。

アトム法律事務所では、弁護士による無料相談を実施しています。無料相談の特徴について詳しくは「交通事故の無料相談」のページをご覧ください。

複数の弁護士を比較する

複数の弁護士を比較することで、自分に合った弁護士を見つけることができます。

弁護士の費用や対応方針、人柄などを比較して、自分に合った弁護士を選びましょう。
無料相談を利用すれば、金銭的な負担なく弁護士の比較が可能です。

アトム法律事務所の無料相談は、セカンドオピニオンとしての利用も可能です。相談後に無理に契約を迫ることもありませんので、気軽にご利用ください。

交通事故で歯が折れた場合の弁護士費用

交通事故で歯が折れた場合、弁護士に依頼する際には費用が発生します。
弁護士費用は、着手金、報酬金、実費に分類されます。

着手金

着手金は、弁護士に依頼する際に支払う費用をいいます。
一般的に、着手金は請求する金額の10~20%程度が相場です。

ただし、着手金が無料の弁護士もいます。

報酬金

報酬金は、弁護士が受任した案件を解決した際に支払う費用になります。

一般的に、報酬金は実際に得られた利益の10~20%程度が相場です。
着手金が無料の場合は、報酬金の金額が高額になりやすいでしょう。

実費

実費は、弁護士が依頼人のために支出した費用です。
実費には、交通費、書類送付の際の切手代、訴訟提起のための印紙代などがあります。

依頼の際に実費として数万円を依頼者から頂き、依頼が終了した時点で精算を行うことが多いでしょう。

交通事故で歯が折れた場合、弁護士に依頼する際には、弁護士費用を事前に確認しておくことが重要です。弁護士費用について不明な点がある場合は、弁護士に相談する段階で聞いておきましょう。

また、自身の加入する保険の弁護士費用特約が利用できるのであれば、弁護士費用を加入している保険会社に負担してもらえる可能性があります。

交通事故の弁護士費用や弁護士費用特約の使い方に関しては、関連記事『交通事故の弁護士費用相場はいくら?弁護士費用特約を使って負担軽減』をご覧ください。

交通事故で歯が折れて慰謝料請求するなら無料相談から

交通事故で歯が折れたら、治療費や慰謝料などの賠償金を加害者側に請求できます。

被害者として妥当な賠償金を得るには、加害者側の任意保険会社との示談交渉をどのように進めていくかが重要です。

保険会社の言うままに合意してはいけません。

まずは弁護士に相談して、妥当な金額がいくらになるか聞いてみましょう。

アトム法律事務所では、弁護士による無料の法律相談を行っています。法律相談をご希望の場合は、下記のバナーより相談予約をお取りください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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