交通事故による味覚障害 | 後遺障害の等級と慰謝料の増額方法
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交通事故で味覚障害を負った場合、後遺障害の等級認定を受けることで、慰謝料を増額することができます。味覚障害の後遺障害の等級は、味覚減退であれば14級相当、味覚脱失であれば12級相当とされていて、後遺障害慰謝料は後遺障害の等級に応じて定められているのです。
味覚障害の慰謝料を増額する方法としては、次のようなものがあります。
- 適切な等級認定を受ける
- 逸失利益を認めてもらう
- 味覚障害による精神的損害を主張する
- 弁護士に依頼する
味覚障害の弁護士に相談することで、後遺障害の等級認定や慰謝料請求のサポートが受けられます。ぜひ最後までお読みいただき、お気軽にお問い合わせください。
目次
交通事故による味覚障害とは?
交通事故による味覚障害とは、舌や味蕾、嗅覚器官などの味覚に関わる器官が損傷を受けてしまい、味覚が障害されることをいいます。味覚は4つあり、甘味、塩味、苦み、酸味に分類されているものです。
味覚障害とは、味覚の喪失、味覚の異常、味覚の変化などさまざまな症状を含みます。また、食事の楽しみを奪うだけにとどまらず、栄養不良や体重減少、うつ病などの精神的症状を引き起こす場合もあるでしょう。
味覚障害の後遺障害等級と認定基準は?
味覚障害の後遺障害の等級は、味覚の喪失程度によって12級相当または14級相当と認定される可能性があります。
味覚には甘味、塩味、苦み、酸味の4種類があり、4つすべてを失ったか、一部を失ったかで等級が決まってくるのです。
等級 | 概要 |
---|---|
12級相当 | 甘味、塩味、苦み、酸味がすべてわからない |
14級相当 | 甘味、塩味、苦み、酸味のうち1種類以上がわからない |
なお、味覚障害の後遺障害等級については、医師の診断書に基づいて第三者機関により決定されます。
味覚障害の後遺障害慰謝料はいくら?
味覚障害の慰謝料は、後遺障害の等級に応じて、定められています。後遺障害12級相当であれば290万円、後遺障害14級相当であれば110万円です。
等級 | 慰謝料の相場 |
---|---|
12級相当 | 290万円 |
14級相当 | 110万円 |
POINT
味覚障害の慰謝料は、後遺障害に関するものだけではありません。味覚障害の治療にかかった期間に生じた精神的損害を主張することで、入通院慰謝料も請求できます。
交通事故により味覚障害が残ったことで慰謝料を請求する際には、弁護士にご相談ください。弁護士は、あなたの状況を詳しく聞いて、適切な慰謝料を請求できるようにサポートします。
味覚障害の慰謝料を増額する方法3選!
味覚障害の慰謝料を増額するためには、以下の方法があります。
- 後遺障害の等級を上げる
- 精神的損害を主張する
- 弁護士に依頼する
後遺障害の等級を上げるためには、医師から後遺障害診断書を取得し、身体に残った味覚障害の程度を明確にする必要があります。等級認定を受けることはもちろん、症状に見合った等級認定を目指すべきです。
つづいて、精神的損害を主張するためには、味覚障害によって生じた精神的苦痛を具体的に説明する必要があります。弁護士に依頼して、治療期間や事故の経緯を詳しくヒアリングしてもらいましょう。弁護士なら適切な慰謝料を請求できるようにサポート可能です。
味覚障害に対する適正な慰謝料を請求する際には、これらの方法を組み合わせることで、より多くの慰謝料を獲得することができます。
交通事故後の味覚障害について弁護士に相談するメリット
味覚障害の弁護士に相談するメリットは、以下のとおりです。
- 法律の専門家として、被害者の損害をもれなく主張できる
- 被害者の代わりに相手方と交渉できる
- 適切な金額の慰謝料を請求できるようにサポートできる
- 示談書や請求関係書類を被害者の代わりに作成できる
- 交通事故の損害賠償に関する豊富な経験と知識で粘り強く交渉できる
味覚障害の慰謝料を請求する際には、一度弁護士に相談すべきです。弁護士ならば、状況を詳しく聞いて、適切なアドバイスやサポートを提供できます。
弁護士に依頼するメリットは他にもありますので、関連記事『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』もあわせてご確認ください。関連記事では、弁護士のメリットだけでなく、知っておきたい弁護士のデメリットについても解説しています。ご自身の件で本当に弁護士に頼るべきなのか判断する際にお役立てください。
交通事故後の味覚症状についてよくある5つの質問
味覚障害で後遺障害の等級認定を受けるために必要な手続きは?
交通事故で味覚障害が残ったら、後遺障害の等級認定を受けることも視野に入れましょう。後遺障害認定を受けるために必要な手続きについて、被害者自身で行う場合の流れは以下のとおりです。
- 主治医に後遺障害診断書を書いてもらう
- 自賠責保険会社に後遺障害の申請書類を提出する
- 損害保険料率算出機構にて等級認定の審査を受ける
- 後遺障害の等級が認定され、等級に応じた賠償金が支払われる
「後遺障害診断書」は後遺障害の程度を明確にするために必要なものです。自賠責保険会社に後遺障害の申請をする際には、この診断書を提出する必要があります。
損害保険料率算出機構による審査では、診断書の内容や事故の状況などが確認されます。そして、後遺障害の等級が認定されると、等級に応じた慰謝料や逸失利益などの賠償金が支払われる流れです。
後遺障害の等級認定を受けるまでの流れやさらに具体的な申請手続きについては、『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』の記事をご確認ください。
後遺障害の等級認定は、複雑で難しい手続きですし、非常に手間がかかります。弁護士に依頼すれば、それらの手間を軽減できるだけでなく、書類の作成や提出をスムーズに進めることができます。
味覚障害の慰謝料を増額するために、どのようなことを主張すればいい?
味覚障害の慰謝料を増額するためには、以下の点を主張すると良いでしょう。
- 味覚障害の程度
- 味覚障害によって生じた精神的苦痛
- 味覚障害によって生じた将来の損害
味覚障害の程度は、医師の診断書にて確認されます。味覚障害の状態が明確に記載されていることが必要です。
味覚障害によって生じた精神的苦痛は、主観的なものですので、具体的に説明することが重要といえます。一般的に、交通事故の慰謝料は治療期間をベースとして算出するものです。
そして、味覚障害によって生じた将来の損害としては、将来の収入減少が該当します。味覚障害が労働に与える影響を示す必要があり、立証しにくい部分ともいえるでしょう。
これらの点を主張することで、味覚障害の慰謝料を増額することができるでしょう。
味覚障害の治療費は誰が負担する?
味覚障害の治療費は加害者負担が原則です。これは、交通事故は加害者の過失によって発生したためです。
ただし、加害者が不明な場合や、加害者が任意保険に加入していない場合は、被害者本人がいったん治療費を負担する必要があります。
味覚障害の治療費は、医療費や薬代、通院費などです。治療関係費用は、健康保険を使うこともできますし、あとから相手の自賠責保険に対して請求できます。ただし、健康保険や自賠責保険で支給されない費用については、被害者本人が負担する必要があるでしょう。
交通事故を原因とする味覚障害の治療で健康保険を利用する場合は、手続きの方法や注意点について解説した関連記事『交通事故で健康保険は使える!メリットや健保に切り替えてと言われた時の対処法』をよくお読みください。
味覚障害の弁護士費用はいくら?
味覚障害の弁護士費用は、法律事務所ごとに異なります。もっとも、着手金が無料であったり、報酬金が成功報酬制であったりと、依頼時には弁護士費用が不要という事務所もある点には着目しましょう。
弁護士費用は高額に感じるかもしれません。しかし、弁護士に依頼することで、慰謝料や逸失利益などの損害賠償金を獲得できる可能性が高まり、最終的には増額につながることが十分あります。
また、弁護士は、交渉手続きを代わりに行ってくれるので、被害者は体調の回復や日常生活への復帰に専念可能です。
味覚障害の弁護士費用について不安がある場合は、法律相談の機会を通じて弁護士に問い合わせてみましょう。
弁護士費用についてさらに深掘りした関連記事『交通事故の弁護士費用相場はいくら?弁護士費用特約を使って負担軽減』では、弁護士費用の内訳から一般的な相場、費用を抑えたい時に役立つ弁護士費用特約のことなどについて解説しています。あわせてご覧ください。
味覚障害を弁護士に依頼するタイミングは?
味覚障害を弁護士に依頼するタイミングは、早ければ早いほど良いものです。なぜなら、弁護士に依頼することで、後遺障害の等級認定や慰謝料請求などの手続きを早期に進めることができるからです。
また、弁護士に交渉手続きを早めに任せてしまえば、自分の体調回復や仕事、家事への復帰に集中できます。
味覚障害の弁護士に依頼する際には、以下の点に注目してみてください。
- 交通事故の損害賠償に関する知識や経験が豊富な弁護士に依頼する
- それぞれ力を入れている分野は、弁護士によって異なる
- 着手金無料や成功報酬制などの弁護士費用体系を確認する
- 弁護士費用については正式な依頼前に十分に確認しておく
- 弁護士との相性も確認する
交通事故による味覚障害でお悩みの方はこちら!
「味覚障害で後遺障害認定の申請を考えている」「交通事故の損害賠償請求額に不安がある」といった方は、アトム法律事務所の無料相談をご利用ください。
相談予約は24時間365日受け付け中ですので、まずは気軽にお問い合わせください。
交通事故による味覚障害は後遺障害の認定について争いになりやすい後遺症のひとつです。
味覚障害が労働に与える影響の評価は判断が分かれやすいもので、仕事がどのような影響を被ったかといった点をしっかりと立証せねばなりません。
被害者の方が適切な補償を受け取るためにも、相手方の保険会社に対する適切な対応が必要になってくるでしょう。
また、たとえ味覚障害が後遺障害として認定されたとしても、保険会社は低額な賠償金しか提示してこないのが通常です。被害者の方だけで保険会社に増額交渉しても主張が聞き入れられず、増額する可能性は極めて低いでしょう。
一方、被害者に代わって弁護士が保険会社に増額交渉すれば主張が通り、増額する可能性が高くなります。
弁護士に相談すれば、味覚障害における後遺障害の等級認定をはじめ、保険会社との交渉の進め方など、様々なアドバイスを受けられます。まずは気軽に無料相談からはじめてみましょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了