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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
この記事では、雪道でのスリップ事故の過失割合を紹介しています。
雪道の事故では「雪道ならではの道路状況」も過失割合に影響することが多いので、その点についても本記事中で確認してみてください。
過失割合は受け取れる損害賠償金額を左右する重要な項目です。
適切な過失割合にするための注意点・ポイントも解説しているので確認して、過失割合で損することのないように対策していきましょう。
まずは、雪道でのスリップ事故3種類の過失割合を紹介していきます。
いずれも「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)に記載されている情報をベースにしていますが、過失割合は細かい事故状況に応じて柔軟に調整されます。
雪道の事故において考慮されることの多い要素については次の章で解説しているので、続けて確認してみてください。
立ち往生中や走行中、スリップした後続車に追突された場合の過失割合は、「追突車:被追突車=10:0」です。
ただし、被害者側にも事故を避ける余地があったと考えられる場合や被害者側にも一定の落ち度がある場合は、被害者側にも過失割合がつきます。
たとえば追突された側の急停止によって追突事故が起きた場合は、被害者側にも非があったとされるため、過失割合は「追突側:被追突側=8:2または7:3」となります。
雪道ではスリップ事故が玉突き事故に発展することもあります。この場合の過失割合は、基本的には以下の通りです。
前方からA車、B車、C車の順で走行。
C車がB車に追突し、その勢いでB車がA車に追突。
この場合の過失割合は、C車が10、B車とA車は0。
上記の例からもわかるように、玉突き事故の場合、基本的に過失割合はすべて、最初に追突事故を起こした最後尾の車に付きます。
なお、初めにB車がA車に追突し、その後C車がB車に追突した場合は、最初に追突したB車の過失が7、次に追突したC車の過失が3、追突されただけのA車の過失が0になると考えられます。
ただし、各車の車間距離によっては過失割合が変動する可能性があります。
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スリップした前方車を避けた結果、後続車に追突されてしまった場合も、考え方は玉突き事故と同じです。
基本的には追突してきた後続車にすべての過失割合が付きます。
雪道の場合は雪によって道幅が本来よりも狭くなっていたり、雪に視界を遮られて道路標識が見えにくくなっていたりする可能性があります。
このような状況は、過失割合の算定において次のように考慮されます。
急ブレーキや急ハンドルは雪道でなくても危険な運転であり、急ブレーキに関しては道路交通法第24条でも原則として禁止されています。
第二十四条 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
道路交通法第二十四条
とくに雪道の場合、急ブレーキ・急ハンドルはスリップの原因となるため、ブレーキやカーブは少しずつかけるべきです。
そうした安全運転・注意を怠ったという意味で、急ブレーキや急ハンドルは過失割合の加算対象となります。
速度違反をしていたり、車間距離を詰めすぎていたりする場合も、過失割合の加算対象となります。
とくに雪道の場合は、ブレーキをかけて停車するまでに時間・距離がかかりがちなので、走行速度や車間距離については通常の道路を走るときよりもさらに注意すべきです。
こうした事情から、雪道の事故では通常の事故よりも、走行速度や車間距離に関して多くの過失割合が加算される可能性があります。
事故時、雪道であるにもかかわらずスタッドレスタイヤやチェーンの装着といった対策をしていなかった場合は、過失割合が加算される可能性があります。
スタッドレスタイヤについては残溝の深さが50%以上であることが重要で、それ以下だとスタッドレスタイヤをつけていたとしても過失割合が加算される恐れがあります。
チェーンについては雪道だからといって必ずしもつける必要はありませんが、大雪特別警報や大雪に関する緊急発表が出されている中で特定の国道・高速道路を走る場合は、装着が必須です。
すでに解説した通り、雪道でもスタッドレスタイヤやチェーンをつけることなく、ノーマルタイヤで走行していた場合は過失割合が加算される可能性があります。
一方、自身の加入している保険への保険金請求においては、ノーマルタイヤだったからといって保険金が減らされることはありません。
ただし、保険金を請求することで保険の等級が下がり、翌年からの保険料が上がる場合がある点には注意してください。
使える保険をチェック
交通事故にあい被害者自身にも過失割合が付くと、その割合分、受け取れる損害賠償金が減ってしまいます。
たとえば自身に2割の過失割合がつけば2割、3割の過失割合がつけば3割、受け取れる損害賠償金が減額されてしまうのです。これを過失相殺と言います。
それだけでなく、被害者自身についた過失割合分、加害者から請求されている損害賠償金を支払わなければなりません。
過失相殺による減額と加害者への支払いを合わせると、実質的な受取額が大幅に減ってしまうこともあるため、適正な過失割合の算定は非常に重要です。
たとえば
被害者が本来受け取れる損害賠償金が100万円、加害者から請求されている損害賠償金が30万円の場合
上記の場合、実質的な受取額は26万円も変わってしまう
損害賠償金の減額にもつながる過失割合ですが、以下の理由から、場合によっては不当な過失割合になってしまうこともあります。
上記のようなリスクを踏まえたうえで、次は適切な過失割合で加害者側と合意するにはどうすればよいのか、見ていきましょう。
雪道の事故で正しい過失割合を算定するためにまず重要なのは、迅速な証拠保全です。
交通事故の過失割合は事故発生状況をもとに算定していきます。
基本的に事故発生状況は警察が捜査・記録しますが、雪道の場合は警察が到着するまでの間に降雪・融雪によって現場の状況が変わりがちです。
よって、警察の到着を待つ間に以下のポイントをおさえて事故発生直後の状況を記録しておきましょう。
その他、事故直後の対応については『交通事故の発生から解決までの流れ』をご覧ください。
事故直後の様子を記録出来たら、次はドライブレコーダーや周囲の防犯カメラなどを確認しましょう。
事故の瞬間をとらえた映像があれば、正しい事故状況を踏まえた過失割合の算定がしやすくなります。
なお、店などの防犯カメラは、開示を求めても見せてもらえない可能性があります。
防犯カメラ映像の確認などでお困りの場合は、弁護士に相談してみてください。
弁護士から店側に掛け合うことで、映像を見せてもらえることがあります。
正しい事故状況を示す証拠を集めることは非常に重要ですが、それでも最終的な過失割合は加害者側との示談交渉に左右されます。
交渉相手となる加害者側任意保険会社は、日々さまざまな交通事故に関して、弁護士とも交渉することがあるプロです。
さまざまな知識や交渉術を使って加害者側に有利な過失割合を主張してくる可能性が高いので、被害者側もプロである弁護士を立てることが重要です。
弁護士を立てて示談交渉するとなると費用がかかりますが、アトム法律事務所では、費用負担を軽減できる2つの料金体系をとっています。
アトム法律事務所の料金体制
(1) | 弁護士費用特約がある場合 弁護士費用はご依頼者様の保険会社が負担する。 よって、相談料・着手金・成功報酬はすべて実質無料。 関連記事:交通事故の弁護士費用特約とは? |
(2) | 弁護士費用特約がない場合 相談料・着手金:無料 成功報酬:獲得示談金の11%+22万円(税込) ※成功報酬は獲得示談金から支払える。 よって、ご依頼者様が自費として用意する費用は0円。 |
正しい過失割合の算定や示談交渉のアドバイスなど、相談のみのご利用も可能です。
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合わせて読みたい
雪道で事故にならないためには、事前に対策をしておくことが大切です。
雪道で運転する際に施しておくべき対策や注意点について解説していきます。
雪道を運転するときは、スリップを防ぐためにスタッドレスタイヤを装着しましょう。
スタッドレスタイヤの特徴は、以下の通りです。
スタッドレスタイヤを使う場合は、以下の点に注意してください。
なお、本記事でもすでに触れましたが、国が定めた特定の国道・高速道路では、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が出されるとチェーンの装着が必要です。
大雪が予想される日に特定の国道・高速道路を走行する場合は、チェーンも用意しておきましょう。
国が定めた特定の国道・高速道路は、『チェーン規制Q&A』(国土交通省)にて紹介されています。
雪道は滑りやすい状態になっているので、滑らないよう注意すること、滑ってもあせらず対応することが重要です。基本的なブレーキ・運転の注意点は以下の通りです。
中でもカーブや下り坂、アイスバーン、夜間の道路は注意が必要なので、それぞれ対策を紹介します。ただし、雪道や凍結路での事故は直線道路でも多発しているので、雪道での運転はどんな時でも注意深く行いましょう。
雪道でカーブに差し掛かるときは、余裕をもってスピードを落とし、十分すぎるほどゆっくりと曲がりましょう。カーブを抜けてからも急にスピードを出すのではなく、徐々にアクセルを踏むことが大切です。
遠心力によって対向車と正面衝突するリスクも高まるので、対向車にも普段以上に気を配りましょう。
下り坂を走行する場合も、下り坂に差し掛かる前に十分に余裕をもってスピードを落としてください。
下り坂に入ったら、アクセルペダルから足を離すことでブレーキをかける「エンジンブレーキ」を使いながら、ゆっくり坂を下りましょう。
雪道の下り坂においてブレーキペダルを踏むと、急ブレーキがかかりスリップする可能性があるので注意が必要です。
橋やトンネルの出入り口は、風通しのよさからアイスバーンになりやすいです。また、交差点付近は多くの車の停車・発進により圧雪しやすいため、ミラーアイスバーンとなることがあります。
よって、橋やトンネル、交差点では特に、アイスバーンに注意しましょう。具体的なポイントは以下の通りです。
夜間や明け方の道路は、暗く濡れているだけに見えて実は薄く氷が張っていることがあります。これをブラックアイスバーンと言います。
気温が低く雪や雨が降っていた場合は、アイスバーンでないように見えても油断せず、急ブレーキ、急発進、急カーブなどは避けましょう。
ホワイトアウト現象とは、吹雪により視界が悪化し、運転しにくくなることです。
ホワイトアウト現象が発生した場合は運転を中断することがベストです。ハザードランプをつけて徐行し、安全な場所に停車しましょう。スリップと追突被害を防ぐため、急ブレーキも避けてください。
ホワイトアウト現象が起こりやすいのは以下のような場所です。
雪道を走る際は、事故に備えて事前に以下のものをそろえておくと良いです。
雪道を走行する場合は、あらゆる可能性を考慮して、事前にしっかり対策しておきましょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
英語:TOEIC925点
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