てんかん発作による交通事故と外傷性てんかんの後遺障害・慰謝料を解説

てんかんと交通事故の問題は、てんかん発作が原因で交通事故が発生する問題と交通事故が原因で外傷性てんかんを発症する問題の2つに大きく分けられます。
てんかん発作による交通事故を起こして故意や過失が認められる場合には、事故相手に対する損害賠償責任を負わねばなりません。
また、場合によっては刑事責任や行政処分の対象になることもあります。
一方、交通事故で頭を強く打つ等の外傷を負った場合、外傷性てんかんを発症する可能性があります。
外傷性てんかんの症状が後遺障害であると認められれば、後遺障害慰謝料や逸失利益等の賠償金を請求できるようになります。
本記事では、てんかん発作による交通事故発生を防ぐための法的な対策や外傷性てんかんで後遺障害が認められる症状・慰謝料額の相場などについて紹介しています。
目次

てんかん発作と交通事故
てんかん発作により交通事故が発生するケースがある
てんかんとは、意識消失や痙攣、顔や手足のひきつけなどの発作を反復して引き起こす脳障害(疾患)です。
運転中にてんかん発作を起こすと、自動車の制御を失い、安全運転が困難になるため、交通事故が発生するリスクがあります。
2014年に日本てんかん学会と警察庁が協力して行った実態調査によると、てんかん患者のうち、運転中にてんかん発作の経験がある者が12%(39/330人)いること、発作誘因には睡眠不足が最も多いこと、運転中の発作が原因で交通事故が起きた割合が36%(14/39人)であることなどが分かっています。
(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/8/105_1400/_pdf)
実際、警察庁によると、令和3年には、てんかん発作を原因とする交通事故が64件発生しており、4人が死亡しています。
(参考:https://www.asahi.com/articles/ASQBC3R8VQB6TIPE001.html)
てんかん発作による交通事故の発生を防ぐための法的対策
てんかん患者の自動車運転免許取得・更新時の手続き
日本てんかん協会によると、てんかん患者の約8割は治療で発作を制御でき、自動車運転を含む日常生活を支障なく送ることができるといわれています。
そのため、自動車運転免許は、病名ではなく、あくまで症状の程度により取得が制限されています。
具体的には、てんかん患者も、下記のような一定の条件を満たしていれば自動車運転免許の取得は可能です。
- 発作が過去5年以内に起こったことがなく、医師が「今後、発作が起こる恐れがない」旨の診断を行った場合
- 発作が過去2年以内に起こったことがなく、医師が「今後、X年程度であれば発作が起こる恐れがない」旨の診断を行った場合(日本てんかん学会は、「X年」を 2〜3 年が適当としている)
- 医師が1年間の経過観察の後「発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ、今後症状悪化の恐れがない」旨の診断を行った場合
- 医師が2年間の経過観察の後「発作が睡眠中に限って起こり、今後症状の悪化の恐れがない」旨の診断を行った場合
ただし、注意点として、大型免許と第2種免許の取得は、投薬なしで5年間発作がなく、再発のおそれがない場合に限定されます。
自動車運転免許の可否は、医師の診断書もしくは臨時適性検査に基づき、都道府県の公安委員会が判断しています。
さらに、上記に該当する患者でも運転免許取得・更新時には病状を申告することが求められています。
なお、てんかん以外にも、一定の病気により運転免許の取得が制限されることがあります。
詳しくは、運転免許試験場に設けられている相談窓口にお問い合わせください。
改正道路交通法の施行
もっとも、てんかん患者は、運転免許の取り消しを心配し、過去にてんかん発作が起こったなど病状の申告率が低いという状況にありました。
そして、2012年には、京都で病状を申告せず免許を更新したてんかん患者が、てんかん発作を起こして車を暴走させ、通行人7人が死亡した事故が発生しました。
上記のことから、2014年6月から、病状などを確認する質問票の提出が義務化され、故意に虚偽の申告をした場合、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられるよう、道路交通法改正が行われました。
一方で、正しい申告を促すため、病気の症状などを理由に免許を取り消しになった場合には、取り消しから3年未満に運転適性の状況が回復すれば、実地・学科試験免除(適正検査のみ)で免許を再取得可能にするという改正も行われました。
自動車運転死傷行為処罰法の施行
また、上記の京都で発生したようなてんかん発作による死傷事故を受けて、厳罰化の声が高まり、一定の症状を呈するてんかんの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合は、通常の過失運転致死傷罪よりも重く処罰される自動車運転死傷行為処罰法が2014年5月から施行されました。
交通事故で外傷性てんかんを発症する原因と症状
交通事故による頭部外傷がほとんど
てんかんは、原因不明の突発性てんかんと、原因となる脳の病変(頭部外傷(急性硬膜下血腫や外傷性くも膜下出血など)・脳腫瘍・脳卒中など)が存在する症候性てんかんの2種類に大きく分類されます。
交通事故が原因で発症するおそれがあるてんかんは、 症候性てんかんの内、脳挫傷などの外傷性脳損傷によって引き起こされる外傷性てんかんです。
頭部への傷害により脳が損傷すると、大脳内の神経細胞の過剰な電気的興奮状態が引き起こされた結果として、てんかんを発症する可能性があるのです。
特に、頭部外傷によって頭蓋骨陥没骨折を負った場合、高頻度で外傷性てんかんを発症するといわれています。
もっとも、てんかんの詳しいメカニズムについて、現代医学では完全解明に至っていません。
交通事故被害者の外傷性てんかんの発症が疑われる場合、主に脳波検査や画像検査(MRIやCT検査)が行われます。
スパイク波(棘波)・鋭波など脳波異常所見が認められ、下記の診断基準(Walkerの基準)を満たしていれば、外傷性てんかんと診断されます。
- (受傷後8日目以降にも)てんかん発作の症状が起きている
- 外傷以前にはてんかん発作の症状を起こしていない
- 他に脳又は全身疾患がない
- 脳損傷を起こすのに十分な強い外傷だった
- 頭部外傷後、最初のてんかん発作が早期に起こった
- てんかんの発作型、脳波所見及び脳損傷部位が一致している
上記の診断基準は、交通事故と外傷性てんかんとの因果関係が争点になった裁判例でも用いられたことがあります。
外傷性てんかんの症状と治療法
外傷性てんかんの症状はさまざま
外傷性てんかんの症状は、脳の損傷・異常による「部分発作」を起こす部分てんかんと、「全般発作」を起こす全般てんかんに分類することができます。
部分発作(焦点発作)は、意識喪失せずに起こる「単純部分発作」と、意識障害が発生する「複雑部分発作」に分類することができます。
全般発作は、発作症状によって下記のように分類することができます。
- 強直間代発作(全身けいれん発作)
- 欠伸発作
- ミオクロニー発作
- 脱力発作
てんかん発作による主な症状は下記のとおりです。
- 全身のけいれん
- 身体の一部が硬直する
- 急に動作が止まる
- 手足のしびれや震え
- 耳鳴り
- 動悸
- 吐き気
- 失神
- 言葉が出にくくなる
てんかん発作は、ほとんどの場合は一過性(数秒〜数分間で終わる)のものですが、数時間以上も続くてんかん重積状態になることもあります。
発作の頻度は、1日に何度も起こる場合もあれば、数年に1回しか起こらない場合もあります。発作の重症度も、軽いものから重いものまで様々です。
発作を繰り返すことで、正常な脳神経細胞も傷ついてしまい、症状が悪化したり他の症状を引き起こすことになります。
外傷性てんかんの治療法
てんかんの治療は抗てんかん薬による薬物療法が中心となります。
抗てんかん薬には複数の種類があり、発作のタイプ、年齢、性別、体重、副作用等を考慮して服用する薬が決められるでしょう。
また、薬物療法と同時に食事療法がとられることもあります。
薬物治療や食事療法によっても発作が抑制されない場合には、外科手術を行う場合があります。
なお、てんかん患者は、自立支援医療制度が適用され、治療費の負担を軽減することができます。
交通事故による外傷性てんかんの後遺障害
外傷性てんかんによる発作が完治しなかった(病院で治療を継続しても、それ以上改善が期待できない状態(症状固定)になった)場合、症状の程度に応じて後遺障害等級が認定される可能性があります。
外傷性てんかんによる後遺障害等級は、発作の型や発作回数などが認定基準を満たすかを判断する大切なポイントになります。
外傷性てんかんの場合、後遺障害5,7,9,12級の可能性
外傷性てんかんによる発作が完治せず、後遺症となった場合には、後遺障害等級の5,7,9,12級のいずれかに認定される可能性があります。
それぞれの後遺障害等級に認定されるために必要な症状を紹介します。
外傷性てんかんで後遺障害5級
1か月に1回以上の転倒するようなてんかん発作等がある場合、後遺障害5級が認定されます。
5級2号 | |
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障害内容 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
判断基準 | 1か月に1回以上の発作があり、かつ、その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」であるもの |
転倒する発作には、意識消失が起こり、その後直ちに四肢等が強く突っ張る強直性のけいれんが続き、次第に短時間の収縮と弛緩を繰り返す間代性のけいれんに移行する「強直間代発作」や意識は通常あるものの筋緊張が消失して倒れてしまう「脱力発作」などが該当します。
意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作には、意識混濁を呈するとともにうろうろ歩き回るなど目的性を欠く行動が自動的に出現し、発作中は周囲の状況に正しく反応できないもの発作中は周囲の状況に正しく反応できないものが該当します。
外傷性てんかんで後遺障害7級
転倒するようなてんかん発作等が数か月に1回以上あるか、その他のてんかん発作が1か月に1回以上ある場合、後遺障害7級が認定されます。
7級4号 | |
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障害内容 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
判断基準 | 転倒する発作等が数か月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1か月に1回以上あるもの |
外傷性てんかんで後遺障害9級
転倒はしない程度のてんかん発作が数か月に1回以上か、服薬でほぼ完全にてんかん発作が抑制されている場合、後遺障害9級が認定されます。
9級10号 | |
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障害内容 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
判断基準 | 数か月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの |
外傷性てんかんで後遺障害12級
てんかん発作が生じていなくても、脳波上に異常が認められる場合、後遺障害12級が認定されます。
12級 | |
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障害内容 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
判断基準 | 発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの |
てんかんは高次脳機能障害を伴う可能性もある
1か月に2回以上のてんかん発作がある場合、てんかんに伴って重度の高次機能障害を発症していると考えられています。
後遺障害3級以上に該当する場合は、高次機能障害として判断されることになるでしょう。
高次脳機能障害は症状によって認定される後遺障害等級が異なりますので、関連記事『高次脳機能障害で後遺障害等級認定される後遺症とは?記憶障害や性格の変化は?』も参考にしてください。
外傷性てんかんによる後遺障害が生じたと主張するための方法
外傷性てんかんにより後遺障害が生じたと主張するためには、後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を受けることが必要です。
後遺障害に該当するという認定を受けるためには、以下のような流れで手続きを行う必要があります。
症状固定の診断を受ける
治療を続けても、これ以上は症状の改善が見込めないと医師が判断することで症状固定となります。
後遺症が残ったことになるので、後遺障害等級認定の申請が可能となるのです。
後遺障害診断書を準備する
後遺症の症状・程度や治療経過、今後の見通しなどを記載した診断書をいいます。治療を受けた医師(主治医)に作成してもらいましょう。
後遺障害等級認定申請をする
後遺障害診断書やそのほかの資料を自賠責保険に提出し、後遺障害等級認定の申請を行います。
申請方法については、相手方任意保険会社に申請手続きを一任する事前認定ではなく、被害者自身で書類を収集する被害者請求によって行うことをおすすめします。
審査機関による審査がなされ結果が通知される
審査機関である損害保険料率算出機構において、後遺障害の有無や後遺障害の程度、因果関係などについて審査がなされます。
審査結果は書面で通知され、審査結果に不服がある場合は異議申し立てが可能です。
申請手続きを正確に行い、適切な後遺障害等級の認定を受けるためには専門知識が必要となってくるため、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
申請手続きに関して詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
後遺障害等級認定の申請手続きに関する記事
- 後遺障害診断書の書き方:後遺障害診断書のもらい方と書き方は?自覚症状の伝え方と記載内容は要確認
- 申請手続きの方法と具体的な流れ:交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類
- 申請結果に対する異議申立ての方法:後遺障害の異議申し立てを成功させる方法と流れ
交通事故による外傷性てんかんで請求できる慰謝料
外傷性てんかんの慰謝料の計算方法と相場
外傷性てんかんが後遺障害等級に認定されると、後遺障害慰謝料の請求が可能です。
後遺障害慰謝料の相場は、認定された等級ごとに異なります。またあくまでも裁判基準の相場であり、実際の慰謝料の金額はケースバイケースで異なってくるものです。
後遺障害慰謝料の相場
後遺障害等級 | 相場額 |
---|---|
5級 | 1,400万円 |
7級 | 1,000万円 |
9級 | 690万円 |
12級 | 290万円 |
入通院慰謝料の請求も可能
外傷性てんかんの治療のために入通院を行った場合は、入通院慰謝料を請求することも可能です。
交通事故の慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があります。
このうち、交通事故後のケガの治療期間中に負った精神的苦痛を緩和する金銭のことを、入通院慰謝料としているのです。
つまり外傷性てんかんの治療期間に応じて、入通院慰謝料を請求できます。
入通院慰謝料の目安を知りたい方は慰謝料計算機を活用してみましょう。
もっとも、いわゆる相場観の把握にとどめ、より精度の高い慰謝料見込額を知りたい方は弁護士への無料相談を利用してください。

交通事故で外傷性てんかんとなった場合は慰謝料以外も請求できる
交通事故により外傷性てんかんとなった場合には、慰謝料以外にも以下のような損害について請求することが可能です。
- 治療関係費
投薬代、手術代など治療のために必要となった費用 - 休業損害
治療のために仕事を休んだことで生じる減収に対する補償 - 後遺障害逸失利益
後遺障害により生じる将来の減収(労働能力の喪失)に対する補償 - 物的損害
自動車の修理代や代車費用など
損害賠償請求が可能な費目と相場額に関する詳細は『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事で知ることが可能です。
交通事故の外傷性てんかんで後遺障害が残ったら弁護士に相談
外傷性てんかんについて弁護士に相談するメリット
交通事故により外傷性てんかんに関して慰謝料などの損害賠償請求をする場合には、弁護士への相談や依頼を行いましょう。
弁護士への相談や依頼により、以下のようなメリットが生じます。
- 請求できる損害賠償金額の相場を知ることができる
- 後遺障害等級の申請手続きについてサポートを受けられる
- 依頼すると弁護士が窓口となるので加害者側と連絡を取らずに済む
- 依頼により弁護士が示談交渉を行うと相場の損害賠償金を得られやすくなる
後遺障害等級の申請手続きや損害賠償請求には専門的な知識や経験が必要となるため、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
特に、加害者側は相場より低額な金額で示談しようと示談金額を提示してくることが多いので、専門家である弁護士に高額な弁護士基準の相場で示談するよう増額交渉してもらうべきでしょう。
弁護士に依頼することで生じるメリットについては『交通事故を弁護士に依頼するメリット10選と必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』でより詳しく知ることが可能です。
また、弁護士を選ぶ際には、以下の関連記事を確認すると効果的でしょう。
関連記事
弁護士に依頼する費用は軽減できる
弁護士に相談・依頼する際に気になる弁護士費用については、弁護士費用特約を利用することで軽減することが可能です。
弁護士費用特約とは、被害者の弁護士費用を保険会社が支払ってくれるという特約になります。
具体的な補償額は約款次第ですが、法律相談料として10万円まで、弁護士費用として300万円までと定める特約が多いです。
交通事故の損害賠償請求の件で弁護士を立てた場合、多くのケースで、弁護士費用特約の補償範囲におさまります。
つまり被害者は弁護士費用を支払うことなく、自分の代理人として活動してくれる弁護士を依頼できるのです。
特約は、被害者本人の名義でなくても一定範囲内の家族名義のものが利用できる場合があります。

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了