交通事故・刑事事件に加えてネット削除依頼等の対応を本格化しています。

バイク事故は死亡率が高い!原因と対策は?事故対応や賠償金も解説

更新日:

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

バイクは小回りが利きやすく便利な乗り物ですが、車体などの特性上、事故にあった場合には死亡や重傷といった重大な被害を受けやすいというリスクがあります。

この記事では、バイク事故における死亡の割合などの統計やバイク事故で死亡・重傷が多くなる理由と対策について解説しています。

合わせて、バイク事故で死亡してしまった場合の対応や損害賠償金についても解説しているので、確認してみてください。

バイク事故は死亡につながりやすい

死亡事故全体に占めるバイク事故の割合

死亡事故全体に占めるバイクの割合は、都道府県や調査時期によって変動はあるものの、ここ数年で見れば20%前後であると言えるでしょう。

ここでは、警視庁による2021年中のデータ(全国・東京都)と、警察庁交通局による令和4年度春の交通安全運動期間中(2022年4月6日~15日)のデータを紹介します。

警視庁の統計|2021年中

警察庁交通局の統計|2022年

バイク事故の死亡率は自動車・自転車より高い

次はバイク事故における死亡率を見てみましょう。

『令和3年度版交通安全白書』(内閣府)によると、2020年度のバイク事故における死亡率は1.3%です。
重傷率も合わせて自動車や自転車などと比べると、以下のようになります。

  • 死亡率
    • バイク:バイク事故全体に対し1.3%
    • 自動車:自動車事故全体に対し0.4%
    • 自転車:自転車事故全体に対し0.6%
    • 歩行者:歩行中の事故全体に対し2.6%
  • 重傷率
    • バイク:バイク事故全体に対し17.5%
    • 自動車:自動車事故全体に対し3.1%
    • 自転車:自転車事故全体に対し9.8%
    • 歩行者:歩行中の事故全体に対し18.0%

上記の統計から、バイクに乗っていて交通事故にあった場合、自動車や自転車に乗っていた場合よりも死亡または重傷となる確率が高いことがわかります。

どんなバイク事故での死亡が多い?

『二輪車の交通死亡事故統計(2021年中)』(警視庁)では、2021年中の東京都のバイク死亡事故について、以下のような報告がされています。

  • 通行目的
    • 出勤:28.6%
    • 退勤:22.9%
    • 観光・娯楽・ツーリング:20.0%
    • その他:28.6%
  • 事故類型
    • 単独事故:17件
    • 出会い頭の事故:6件
    • 追突事故:4件
    • 右折時の事故:3件
    • 正面衝突:2件
    • 追越し時の事故:1件
    • その他:3件
  • 致命傷部位
    • 頭部:62.9%
    • 胸部:17.1%
    • 腹部:5.7%
    • その他:14.3%

バイク事故で死亡や重傷が多い理由

バイクは身体が露出している

バイクは自動車とは違い、身体が外に露出した状態で運転します。
そのため、事故にあった際、ボディやエアバッグによって身体が保護されることなくそのまま外に投げ出され、頭部や胸部など重要な部位を強打しやすくなります。

バイク事故で死亡や重傷が多い理由のひとつには、こうした事情が挙げられるでしょう。

ヘルメットをかぶると視野が狭くなりがち

ヘルメットの着用はバイク運転時の義務ですが、かぶることでバイクの運転者の視界は肉眼よりも狭くなってしまいます。

四輪車の運転者の方ではバイクの存在が目視できていても、バイクの運転者側は四輪車の存在に気づいていない場合があるのです。それによって思わぬ事故につながりやすくなります。

バイクは車の死角に入りやすい

車体が小さいバイクは、以下のような形で四輪車の死角に入りやすいため、バイクに気づいていない四輪車に衝突されるリスクが高いです。

  • 対向車の陰に隠れてしまう
  • 窓柱の後ろに車体が入ってしまう
  • 四輪車のサイドミラーやバックミラーに映らない
  • トラックなどの大型車の側面や後方に隠れてしまう 

バイクが自動車の死角に入った場合、自動車側はバイクの存在を認識していないので、スピードを落とすことなくバイクに衝突してきます。

そのため、事前に相手に気づいて急ブレーキをかけたものの衝突してしまった、という事故よりもぶつかる際の勢いが強く、死亡や重傷につながりやすいのです。

なお、バイクが死角に入った場合に起こりやすい巻き込み事故については、『巻き込み事故ってどんな交通事故?過失割合や事故を防ぐコツを解説』で解説しています。

損害賠償額を左右する過失割合についても紹介しているので、確認してみてください。

危険なすり抜けが多い

赤信号や渋滞などで他の車の間をすり抜けて走行する、いわゆるすり抜けが可能なのがバイクの特徴ですが、これもバイク事故の原因となりえます。

自動車の死角に入った状態でのすり抜け、無理のある状況でのすり抜けにより、自動車にぶつかったり、ぶつかって投げ出されたときに後続車に轢かれたりする危険性があるからです。

さっとすり抜ければ大丈夫だと過信することなく、慎重に運転しましょう。

バイクは車よりも早く停まる

バイクのブレーキは前輪と後輪が独立して作用し、車体も四輪車に比べて軽量なことから、一般にバイクは四輪車よりも短い距離で停止しやすいのが特徴です。

前方を走行していたバイクが短い距離で停止したことから、ブレーキが間に合わずに後方の四輪車が前方のバイクに衝突してしまう、という事故が生じやすくなります。

バイク事故での死亡を避けるための対策

(1)通勤時間帯は時間と心に余裕を持つ

本記事で紹介した統計にもある通り、2021年中に東京都で発生したバイク事故の半数は通勤・退勤時に発生しています。

急いでおり運転が荒くなりやすい、渋滞ですり抜けが多くなるなどの事情が関係していると思われるため、通勤・退勤時は時間と心に余裕を持った運転をすることが重要です。

渋滞しやすい時間帯は、自分以外のバイク・自動車・歩行者も同じように時間や心に余裕がない可能性が高いので、その点も留意して運転するようにしましょう。

(2)ヘルメット・プロテクターで頭・胸・腹部を守る

バイク事故における致命傷は、頭部・胸部・腹部のケガが多くなっています。そのため、万一バイク事故にあってしまっても死亡・重傷を避けるためには、身体を守るヘルメット・プロテクターをつけることが重要です。

特にヘルメットは、道路交通法によりバイク運転時の装着が義務付けられています。

第七十一条の四 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。

 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。

道路交通法第七十一条の四

ヘルメットをかぶる際は、あご紐までしっかりしめるようにしましょう。

ただし、すでに解説した通りヘルメットをかぶると視野が狭くなる点には注意してください。

プロテクターの着用は任意ではありますが、胸部や腹部を強打することも十分に考えられるため、着用しておくことをおすすめします。

(3)すり抜けやブレーキは慎重に

バイクに乗っていて車の間をすり抜けたりブレーキをかけたりするときは、慎重になることも重要です。

すり抜けようとしたところで車が急に車線変更をしてきたり、停車しているタクシーのドアが突然開いたりすることもあるので、さまざまな可能性を考慮しながら運転することが大切です。

なお、すり抜け(追越し・追い抜き)に関しては、場所によっては違法となるケースもあります。
詳しくは『バイクのすり抜け事故|過失割合や違反になるケースは?逃げた場合の対処法も』の記事をご覧ください。

【重要】対策の有無は事故時の損害賠償金にも影響!

ここで挙げたような対策は、バイク事故にあわないため、そして万一事故にあっても死亡や重傷といった深刻な被害を受けないために重要なことですが、同時に事故に遭った場合の損害賠償金の減額を防ぐためにも重要です。

バイクに乗っていて事故の被害者になった場合でも、事故直前にバイク側が急ブレーキをかけていたり、ヘルメットをかぶっていなかったり、違法なすり抜けをしていたりすると、過失割合が加算されて損害賠償金が減額されてしまう可能性があるのです。

過失割合とは

交通事故が起きた責任が、加害者側と被害者側にどれくらいあるかを割合で示したもの。

自身に過失割合が付くと、「過失相殺」によりその割合分、受け取れる損害賠償金が減額されてしまう。

たとえば、追突事故の過失割合は基本的に「追突された側:追突した側=0:10」です。

しかし、追突された側の急停止によって追突事故が発生した場合は、追突された側に1~2割の過失割合が加算されてしまいます。

つまり、受け取れる損害賠償金も1~2割減額されてしまうのです。

バイク事故にあった場合に過失相殺で悔しい思いをしないためにも、日ごろから事故対策をしっかりしておくことが重要です。

バイク事故で家族が死亡してしまったら

バイク事故で死亡した被害者のご家族がすべき対応

バイク事故で被害者が死亡した場合、その後の対応はすべてご家族がすることになります。

具体的な対応の流れは次の通りです。

  1. 通夜・葬儀
    加害者側から香典や参列の申し出があった場合、受け入れたくなければ断っても大丈夫です。
    香典を受け取る場合は、あとから「あれば損害賠償金の前払いだった」と言われてもめる可能性があるので、事前に損害賠償金とは別物であることを確認しておきましょう。
  2. 加害者側との示談交渉で損害賠償請求
    一般的に、示談交渉は四十九日が終わるころに始められます。
    示談交渉には遺族の中から選ばれる相続人が対応しますが、弁護士に任せることも可能です。
  3. 示談成立後、2週間程度で損害賠償金が支払われる

交通事故で家族が死亡した場合の対応については、『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』で詳しく解説しています。

相続人の決め方や損害賠償金の相続の割合、示談交渉前にすべき準備などについてわかるので、確認してみてください。

バイク事故で死亡した場合の損害賠償金

バイク事故で被害者が死亡した場合は、以下の損害賠償金を加害者側に請求します。

  • 死亡慰謝料
    交通事故によって死亡した被害者本人とその遺族の精神的苦痛に対する補償。
  • 死亡逸失利益
    交通事故で死亡したことにより得られなくなった、被害者の将来の収入に対する補償。
  • 葬祭費
    葬儀、法要、供養、墓碑建立、仏壇購入など。

死亡までの間に入通院期間があった場合は、治療関係費や入院費、入通院慰謝料も請求できます。

バイク事故で被害者が死亡した場合の損害賠償金の相場は、上でも紹介した記事『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』または以下の計算機から確認してみてください。

弁護士への相談もご検討ください|無料相談あり

バイク事故で被害者が亡くなった場合、以下の点から示談交渉で加害者側ともめたり、不利な状況になったりしやすいです。

  • 損害賠償金が高額になる分、加害者側がシビアな態度で交渉に臨んでくる
  • 事故時の状況を知っている被害者本人は亡くなっているため、加害者が事故発生時の状況を偽り被害者側の過失割合を多めに主張してきても、反論が難しい

死亡事故の場合は他にも相続人を決めたり損害賠償金をご遺族の中で分配したりと、知識がなければ対応が難しい部分も多く出てきます。

弁護士費用の負担は以下の方法によって減らすことができるので、少しでも不安がある場合は弁護士にご相談ください。

  • 弁護士費用特約を利用する
    保険会社に弁護士費用を負担してもらえるので、弁護士費用が実質0円となる
  • 相談料・着手金無料の事務所を利用する
    相談だけならお金はかかりませんし、その後ご依頼まで進んでも初期費用がかからないため、すぐに大きなお金を用意できなくても安心

弁護士費用を差し引いてもなお、弁護士を立てた場合の方が多くの損害賠償金が手元に残ることは多いので、まずは一度お気軽にご相談ください。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

あわせて読みたい記事

全ての記事を見る