赤ちゃん・子どもが交通事故でむちうちに?見逃したくない症状と対処法を解説

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小さなお子様が交通事故に巻き込まれたとき、見た目にケガがなくても「本当に大丈夫なの?」「病院へ連れて行くべき?」とご不安になっておられるでしょう。

特に、外見上わかりにくいむちうちを負っている場合、赤ちゃんや幼い子どもでは自分で痛みを訴えることがむずかしく、親御さんが異変に気づくまで時間がかかることもあります。そのまま放置してしまうと、将来にわたって後遺症や発達への影響が出る可能性もあるかもしれません。

そこでこの記事では、治療の観点からや、交通事故後の対応フローをまとめて解説します。

事故後すぐの行動がトラブルを防ぐカギとなりますので、保護者として今できることを一緒に確認していきましょう。

目次

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赤ちゃん・子どもでもむちうちになる?

赤ちゃん・子どもにもむちうちリスクは当然ある

「むちうち(頸椎捻挫)」とは、急ブレーキや追突事故などの衝撃で首に不自然な力がかかることで、首の筋肉や関節、靭帯などが損傷を受ける状態をいいます。

赤ちゃんや小さな子どもは頭が大きく首が細いため、車の揺れや追突などで強い負荷を受けやすいという特徴があります。

表面的な外傷がなくても、大人と同じように赤ちゃんや子どもでも、内側で炎症が起きたり、痛みを感じていたりする場合もあるため注意が必要です。

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交通事故・転倒・揺さぶりなどむちうちの原因はさまざま

むちうちは交通事故だけでなく、日常生活のさまざまな場面でも発生する可能性があります。​

  • 自転車での転倒事故
  • ベビーカーや抱っこひもからの転倒
  • ジャンプ遊びや遊具からの落下
  • 親の不注意による強い揺さぶり

さまざまな原因があり、日常の中でもむちうちは起こり得ることを知っておきましょう。

赤ちゃん・子どものむちうち症状チェックリスト

むちうちの可能性がある行動チェック

赤ちゃんや子どもは自分の体調や痛みを言葉でうまく伝えられません。赤ちゃんや子どもの「行動の変化」や「しぐさ」で異変を読み取る必要があります。

以下のような症状が見られる場合はむちうちの可能性があるので、すみやかに小児科や整形外科、場合によっては救急を受診しましょう。

  • 急に泣き止まない/過剰に泣く
  • 抱っこを嫌がる、布団で体勢を変えられない
  • 首や頭を触られるのを嫌がる
  • 授乳を嫌がる、食欲がない、むせるようになった
  • 体勢によって機嫌が悪くなる
  • 首が傾いたまま、不自然な動きがある
  • 睡眠が浅く、夜泣きが増えた
  • 嘔吐・熱・けいれん※
    など

※頭部外傷の可能性もあるためさらなる注意が必要

むちうちは見た目には異常がないことが多いため、「少し機嫌が悪いだけかな?」と見逃されやすい症状です。しかし、症状を放置してしまうと、成長に影響を与える可能性もあります。

我が子の様子が「いつもと違う」と感じた時点で早めに医療機関を受診しましょう。

むちうちによる後遺症の可能性と注意点

赤ちゃんや子どものむちうちは、まれに以下のような後遺症につながることもあります。

  • 首の可動域が狭くなる
  • 頭痛・吐き気・めまい
  • 集中力の低下
    など

交通事故によって負ったむちうちでこうした症状が続けば、医師による「後遺障害診断書」をもとに後遺障害等級の認定を受けるため、後遺障害申請を行いましょう。ただし、そのためには、事故当初からの通院記録や経過観察が不可欠です。

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痛がってなくても病院に行くべき?事故後の受診判断ガイド

痛がっていなくても受診が必要な理由

「まったく痛がっている様子がない」「泣いていない」からといって安心するのは早計です。

赤ちゃん・子どもは症状を表現する力が未熟なため、痛みがないのではなく「痛いと言えない」だけというケースも多いのです。

また、むちうちの症状は事故直後ではなく、数日〜1週間後にあらわれることもあるでしょう。

事故に遭った事実があるなら、たとえ無症状でも一度医師の診察を受けておくことをおすすめします。

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チャイルドシートに乗せていたから安心の認識は危険

「きちんとチャイルドシートに乗せていたし、泣いてないから大丈夫」といった安心感が、むしろ危険サインの見逃しにつながるおそれがあります。

実際には以下のような場合、むちうちを負っていたり、最悪の場合は脳にもダメージを受けていたりする可能性もあります。

  • チャイルドシート自体が合っていなかった
  • チャイルドシートの固定が甘かった
  • 事故直後はアドレナリンが出て泣かないこともある
    など

事故後は我が子の様子をよく観察し、無傷に見えても念のため病院を受診しましょう。

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小児科・整形外科・脳神経外科…どこにかかればいい?

一般的に、交通事故にあったら赤ちゃんや子どもでも、大人と同じようにまずは整形外科などを受診してください。必要に応じて、脳神経外科や小児科など紹介されることもあるでしょう。

交通事故であれば治療にかかる費用は通常、加害者側の任意保険が支払ってくれます。

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交通事故後にやるべきこと|保険・慰謝料の基礎知識

赤ちゃん・子どもが交通事故に遭った際の初期対応フロー

万が一事故に巻き込まれた場合、以下のようなステップで行動しましょう。

  1. まずはケガ人を救護する
  2. 現場の安全を確保する
  3. 警察へ事故発生を報告する
  4. 事故相手と連絡先などを情報交換する
  5. 写真や動画などを使って証拠保全する
  6. 警察の捜査に協力する
  7. 保険会社に交通事故発生を連絡する
  8. ケガがなくても念のため病院に行く
  9. 自動車に破損や故障があるなら修理する

事故直後の対応が、後の示談金の請求や慰謝料の受け取りに大きく関わります。

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慰謝料・治療費の負担と保険

赤ちゃんや子どもが事故で負傷した場合も、大人と同様に治療費や慰謝料などを加害者側に請求できます。

交通事故の補償には、大きく分けて2つの保険が登場します。

  • 自賠責保険(強制保険)
    すべての車に加入が義務づけられており、最低限の補償をカバーする保険
  • 任意保険(民間の追加保険)
    自賠責保険では足りない部分を補う保険で、多くのドライバーが加入している
任意の自動車保険と自賠責保険の関係

通常、事故相手となる加害者が任意保険に加入していれば、任意保険の担当者と示談交渉して賠償を受け取る流れになるでしょう。

賠償の対象となる費用

事故でお子さんがケガをした場合、主に以下のような費用が賠償の対象になります。

  • 治療費(病院代・薬代)
    通院や入院にかかる医療費全般が含まれる。
  • 通院交通費
    病院までの公共交通機関の運賃。タクシー代も対象になることがある。
  • 付き添い看護費
    保護者などが入院や通院に付き添って看護を行うために必要となる費用。
  • 入通院慰謝料
    ケガによる精神的苦痛に対する補償。通院日数や期間に応じて金額が算出される。
  • 後遺障害慰謝料
    後遺症による精神的苦痛に対する補償。後遺障害等級に応じて金額が算出される。
  • 後遺障害逸失利益
    事故にあわなければ得られらはずの将来的な収入に対する補償。

※後遺症が残った場合、後遺障害等級に応じて支払われる

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しっかり賠償金を得るために

治療費に関しては一部立て替えが必要なケースもありますが、加害者側の任意保険会社としっかり示談交渉することで補償されることがほとんどでしょう。

ただし、慰謝料やその他の賠償金に関しては、任意保険会社の提示が低額であるケースが多いです。

「慰謝料の金額って妥当なの?」「保険会社の対応に不安がある」という方は、弁護士に相談して内容を確認してもらうようにしましょう。

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保険会社との交渉に不安がある方へ|弁護士への無料相談も選択肢に

相手方保険会社とのやりとりで起こりがちなトラブル

交通事故のあと、保険会社とのやりとりにストレスを感じる方は多いです。特に、以下のようなトラブルが考えられるでしょう。

  • 治療費の支払いが急に打ち切られる
    「子どもは軽傷だから」「もう十分に通院したはずだ」といった理由で、保険会社から一方的に治療費の打ち切りを伝えられることがある
  • 慰謝料が想像よりも少ない
    実際に提示された金額がネットなどで見た相場より明らかに低い
  • 示談内容がわかりにくく、不利な条件を飲んでしまう
    専門的な言葉が多く、内容を十分に理解しないままサインしてしまう

これらのトラブルを避けるには、保険会社と対等に交渉できる専門家のサポートが心強い味方になります。

弁護士に依頼することで得られるメリット

事故後の対応を弁護士に任せることで、以下のようなメリットがあります。

  • 保険会社との交渉をすべて代行してもらえる
    煩雑な書類作成や保険会社とのやり取りを任せられるので、お子さんのケアに専念できる
  • 慰謝料額が正当に評価されやすくなる
    過去の判例や専門知識をもとに、適正な慰謝料を見極めて請求できる
  • 不安や疑問を専門的にサポートしてもらえる
    法律的にどう対応すればいいのか分かりやすく説明してくれるので、精神的な安心感にもつながる

特に、お子さんの体調や将来が関わる問題なので、慎重に対応を進めていくべきです。多くの弁護士事務所では「初回無料相談」が可能なので、弁護士に早めに相談しておくことが後悔しないための第一歩です。

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弁護士費用特約があるなら早めの相談が良い

加入している任意保険の弁護士費用特約が使える場合、上限額の範囲内で自己負担なく弁護士のサポートが受けられます。

弁護士費用特約があれば、費用を気にせず弁護士への依頼が可能です。

弁護士費用特約が使えるかは、ご自身が加入する自動車保険の保険証・保険約款を確認してください。また、医療保険・火災保険・個人賠償責任保険・クレジットカードの保険などにも特約が付帯されている可能性があります。

「事故にあったらまず相談」の姿勢が結果的にトラブル回避につながるでしょう。

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交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介

【無料相談あり】今すぐ専門家に相談したい方はこちら

赤ちゃんや子どもが事故に遭った場合は、まずはアトム法律事務所の無料相談を利用してみてください。

無料相談の受け付けは、24時間365日いつでも対応中です。気軽にお問い合わせください。

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赤ちゃん・子どものむちうちに関するよくある質問Q&A

Q.急ブレーキをかけたときでもむちうちになる?

たとえ衝突がなくても、強い急ブレーキで首に負荷がかかることがあるので、むちうちになるケースもあるでしょう。

Q.後から症状が出る場合はどうすればいい?

少しでも異変を感じたら、事故から日数が経っていてもすみやかに病院へ行きましょう。事故との因果関係を証明するための記録として、診断書の存在は必要不可欠です。

Q.弁護士に相談する費用は?後払いは可能?

初回相談や着手金が無料の法律事務所も多く、後払いの成功報酬型に対応している弁護士もいます。

また、加入している任意保険の弁護士費用特約が使える場合、上限額の範囲内で自己負担なく弁護士に相談・依頼することができます。

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交通事故の弁護士費用相場はいくら?弁護士費用特約を使って負担軽減

Q.交通事故以外でも慰謝料請求はできるの?

第三者の過失や施設の管理ミスなどが原因の場合は、慰謝料の請求が認められる可能性があります。

たとえば、保育園での事故や遊具事故などが考えられるでしょう。詳しい内容については、弁護士に相談してみてください。

まとめ|事故後は我が子の見えにくい異変に最大限の注意を払う

赤ちゃんや小さな子どもは、自分の痛みや異常をうまく言葉で伝えられません。
「いつもと様子が違う」「泣き方がおかしい」「首を触ると嫌がる」など、小さなサインを見逃さず、早期受診と的確な対応を心がけましょう。

保険会社とのやりとりに不安があれば、交通事故の案件に注力する弁護士へご相談ください。大切なお子さまの未来を守るために、今できる最善の行動を選びましょう。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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