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運転代行の利用で事故|補償や保険は?自損事故のトラブルも解説

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運転代行利用中の事故|補償や保険を解説!

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

自家用車で飲食店へ行きお酒を飲んでも、運転代行を利用すれば、自分の車で家まで帰ることができます。しかし、運転代行業者に自分の車を任せて大丈夫なのか、もし事故になった場合にどうなるのか不安に思う人は多いです。

結論から言えば、運転代行業者が事故を起こした場合の補償は、運転代行業者が加入する保険が行います。ただし、場合によっては利用者にも責任が生じることがあるので、この記事を通して詳しく確認していきましょう。

その他、運転代行のサービス内容や過去の事故数、安全性を高めるための規定、利用時の注意点も解説しています。

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運転代行とは|事故数は?安全性は?

まずは、運転代行とはどのようなサービスなのか、安心して利用できるものなのか、解説していきます。

運転代行の内容や料金、注意点

運転代行とは、主に飲食店で飲酒をした人の車を代わりに運転することです(自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第二条)。
運転代行業者に連絡をすると、ドライバーが2人来て、1人は利用者の車(代行運転自動車)を運転し、1人は後ろから別の車(随伴車)で付いてきます。随伴者は、運転代行が終わった後、業者が事業所に帰るためのものです。

運転代行とは

自動車運転代行業とは、他人に代わって自動車を運転する役務を提供する営業で、次のいずれにも該当するものをいいます。

  • 主として、夜間において飲酒した運転者(顧客)に代わってその方の自動車を運転する
  • 運転する自動車に飲酒した運転手やその連れの人を乗車させる
  • 常態として、随伴用自動車(当該営業の用に関する自動車)が随伴する

 「代行運転自動車」とは、飲酒した運転者に代わって運転される顧客の自動車をいいます。
 「随伴用自動車」とは、代行運転自動車の後ろを追って顧客を自宅等に届けた後、当該自宅等から営業所等に戻るために用いる自動車のことをいいます。

引用:自動車運転代行業の概要(警視庁公式ホームページ)

料金は地域や業者によって違いますし、深夜料金がかかる場合もありますが、相場としては10㎞で3500円程度です。
自宅に帰る際にだけ利用すればいいため、行き返りでタクシーを利用する場合よりも安く済むことが多いでしょう。
運転代行の利用をキャンセルするとキャンセル料金がかかるので注意しましょう。

なお、利用者やその連れの人が随伴車に乗ることはできず、全員利用者の車(代行運転自動車)に乗らなければなりません。
随伴車に乗ると、道路運送法第四条で禁止されている白タク行為となってしまうからです。

よって、運転代行の運転手と利用者、利用者の連れの人を合わせた人数が代行運転自動車の定員をオーバーする場合、運転代行の利用を拒否されてしまうので気を付けてください。

注意点のまとめ

  • 運転代行は、キャンセル料がかかる
  • 利用者や連れの人は全員、利用者の車に乗らなければならない
  • 運転代行業者を含む乗車人数が代行運転自動車(利用者の車)の定員を超える場合、運転代行は利用できない

運転代行の安全性|法律による規定がある

運転代行を依頼する際に気にかかりやすいのが、安全性です。
しかし、運転代行の事業者に対しては、安全性を高めるために以下のような法律による規定が課されています。

運転代行業は、飲酒運転根絶に向けた取り組みの一環とされており、業界の健全化を図るために上記のような規定が設けられました。
ただし、運転代行業者によっては、利用者に対する料金や保険などの説明が不十分な場合もあるので、利用者側も、事前にしっかり確認するようにしましょう。

運転代行による事故数の実態は?

続いて、運転代行による事故は全国でどれくらい起こっているのか、運転代行業者数の推移とともに紹介します。

H15H16H17H18
事故数全体*276334402418
死亡事故数*9141215
運転代行業者数**5257563560106447
運転代行者数に対する事故数***5.2%5.9%6.7%6.5%

*参考:自動車運転代行業法の施行状況(国土交通省自動車交通局)
**参考:平成30年警察白書(警察庁)
***小数点第三位以下は四捨五入

運転代行業者の増加に伴い事故数が増えていますが、上記の表における推移をみる限りでは、運転代行業者数に対する事故数の割合は、5~6%台であることがわかります。

運転代行で事故|損害賠償金は誰が支払う?

運転代行を依頼して事故になってしまった場合、誰が事故の相手方に損害賠償金を支払うのか、自分の車の修理費や自分自身に対する損害賠償金は運転代行業者に請求できるのか、確認していきましょう。

運転代行の事故(1)相手方から賠償請求されたら

運転代行業者による事故で、相手方から損害賠償請求された場合、支払いは運転代行業者が行います。
運転代行会社は、事故を起こしたときに損害賠償措置をとれるよう、保険または共済に加入することが義務付けられているのです。
保険・共済による補償額は、国土交通省により最低でも以下の基準を満たすよう定められています。

損害補償額
対人8000万円
対物・車両各200万円

参考:自動車運転代行業者が締結すべき損害賠償責任保険契約等の補償限度額及び随伴用自動車の表示事項等の表示方法等を定める告示(国土交通省)

ただし、上記の補償額はあくまで最低限のものであり、実際にはより充実した補償内容の保険・共済に加入する運転代行業者も多いです。
事故の規模によっては運転代行業者の保険・共済だけでは損害額を補償しきれず、トラブルになる可能性もあります。運転代行を依頼する場合は、加入している保険の内容が充実している業者を選ぶと安心です。

運転代行の事故(2)自損事故で車をぶつけられたら

運転代行業者が利用者の車で自損事故を起こした場合、修理費や修理中の代車費用は、運転代行業者が加入する保険から支払われます。
随伴車が利用者の車に追突した場合も、車の修理費・代車費用を支払ってもらうことができるので安心です。

運転代行の事故(3)自分自身が怪我をしたら

運転代行中にほかの車や歩行者などと事故になり、利用者自身が怪我をしたり車が損傷したりした場合、治療費や慰謝料は運転代行の運転手か事故の相手方、またはその両方に請求できます。

損害賠償請求の相手

過失割合*賠償請求できる相手
運転代行の運転手が100%運転代行の運転手
事故の相手方が100%事故の相手方
どちらにも過失割合がつくどちらにも請求可能

*交通事故が起きた責任がどれくらいあるのかを、割合で示したもの

運転代行業者が加入する保険は、利用者に対する損害賠償金の支払いも行ってくれます。
そのため、自分自身が運転代行中の事故で被害を被った時のためにも、できるだけ充実した保険に加入している業者を選ぶことが大切です。

運転代行中の事故における損害賠償請求の仕組みは、車の同乗者として事故に遭った場合と同じなので、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

運転代行の事故で利用者に責任が生じることも

ここまで解説してきたように、運転代行中に事故が生じた場合、相手方に対する損害賠償金は運転代行業者側に支払ってもらえますし、利用者自身に生じた損害は、運転代行業者や事故の相手方に請求ができます。

しかし、以下の場合には利用者自身にも事故の責任があるとされ、事故の相手方に対する損害賠償金の支払いが必要になったり、自分自身に対する補償が十分に受けられなかったりする可能性があります。

  • 運転代行ドライバーの安全運転を妨げた場合
  • 運行供用者責任が認められた場合

どのような場合に上記のケースに当てはまるのか、見ていきましょう。

運転代行ドライバーの安全運転を妨げた場合

たとえば、泥酔して運転中の運転代行ドライバーをゆすったり、突然大声を出して驚かせたり、車内で暴れたりして安全運転の妨げとなった場合は、利用者側にも事故発生の責任があるとされます。

ただし、利用者による安全運転の妨げがどの程度事故発生に影響したとされるのかは、運転代行業者側との交渉次第です。
利用者側にも事故発生の責任があると責められてお困りの場合は、弁護士までご相談ください。

運行供用者責任が認められた場合

通常、自分の車を他の人に運転してもらっていて事故になった場合、その車の所有者も一定の責任を負わなければなりません。車の所有者として、事故防止のため中心的な責任を負うべきだとされるからです。
これが、自動車損害賠償保障法第三条で定められた「運行供用者責任」です。

ただし、運転代行の利用者にどの程度「運行供用者責任」が生じるかは、解釈の余地があり、運転代行業者との間でもめる可能性があります。

運行供用者責任については法的観点からの検討が必要なので、もめそうな場合は法律の専門家である弁護士を立ててることをすすめします。

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もしもに備えた運転代行業者選びを

運転代行業者を選ぶ場合は、もしもの場合に備えてその会社が加入している保険・補償内容を確認しておくと良いです。
酔った状態では慎重な判断が難しいので、あらかじめ運転代行を利用する可能性があるとわかっている場合は、お酒を飲む前に大方の目星をつけておきましょう。

各都道府県警のサイトから、公安委員会の認定を受けた運転代行業者を探せるので便利です。

運転代行の事故で利用者が使える任意保険

運転代行中に事故になった場合、利用者が加入する自動車保険(任意保険)も一部使えます。
どのような保険が使えるのか、どのような場合に役立つのか見ていきましょう。

(1)人身傷害補償保険|自分や同乗者に対する保険金

人身傷害補償保険とは、契約者や同乗者が事故により死傷した場合に、治療費や慰謝料などを、保険金として受け取れるものになります。

補償対象者は運転代行の利用者本人や同乗していた友人・知人・家族であり、運転代行の運転手は対象外です。

運転代行による事故で利用者自身や同乗者が死傷したものの、なかなか賠償金を支払ってもらえないという場合に役立ちます。

(2)搭乗者傷害保険|自分や同乗者に対する保険金

搭乗者傷害保険は、人身傷害補償保険と同様、自分や同乗者に対する保険です。
ただし、以下の点で異なります。

保険金額【人身傷害補償保険】
保険加入時に設定した上限額内で、実際の損害賠償金と同じ金額。
【搭乗者傷害保険】
実際の損害賠償額に関わらず、所定の金額。
支払い時期搭乗者傷害保険の方が早い。

人身傷害補償保険は、治療費や慰謝料などを計算できる段階にならなければ請求できません。そのため、治療前あるいは治療中に保険金を受け取るといったことができません。

しかし、搭乗者傷害保険は手続きをすれば速やかに所定の金額が支払われるので、治療でお金がかかるときにすぐ保険金が手に入り、便利です。

(3)車両保険|自損事故でも使える

車両保険は、車の修理費や代車費用などを補償してもらえるのものです。
何らかのトラブルにより、運転代行業者や事故の相手方からなかなか修理費を支払ってもらえない時に役立ちます。

注意|対人賠償保険は使えない

任意保険には、事故の相手方から請求された損害賠償金を補償する、対人賠償保険があります。
しかし、運転代行業者による事故の場合、利用者が加入する対人賠償保険は使えません。

そのため、運転代行業者による事故で、相手方が運転代行の利用者に損害賠償請求してきた場合、利用者自身がお金を工面して支払いをしなければならないのです。

ただし、利用者自身にも事故発生の責任がある場合や、運転代行業者が加入する保険の補償が不十分な場合を除き、事故の相手方が、運転代行の利用者に賠償請求することは基本的にありません。

運転代行で多いトラブル|自損事故に後日気づいたら

運転代行におけるトラブルとして多いのが、翌日などあとになってから車の損傷に気が付いたというもになります。運転代行の利用は夜が多いので、利用直後は暗い、酔っていたなどの理由で車の損傷に気づかないことが多いのです。

この場合、どうすれば良いのか解説していきます。

証拠を集めて運転代行業者に連絡を

運転代行を利用した後、車に傷がついているのを発見したら、運転代行業者に連絡を入れて補償を求めましょう。
ただし、運転代行中に車が損傷したことを示す証拠がなければ、基本的に補償を受けることは難しいです。

ドライブレコーダーで運転代行中の様子を確認し、どこかの場所で何かにぶつかっていないか調べてみましょう。

明らかに運転代行中に車が損傷したとわかる証拠があるにもかかわらず、運転代行業者が補償を拒否する場合は、弁護士に相談することが重要です。

トラブルを防ぐための事前対策

運転代行利用後に車の傷に気付いた場合、確固たる証拠がなければ補償を受けるのは難しいです。
後から傷に気が付いたものの補償が受けられず泣き寝入り、となることを防ぐために、運転代行の利用前後に以下の対策をしておきましょう。

  • 運転代行を依頼する直前に、車の写真を撮っておく
  • 運転代行の際、ドライブレコーダーを回しておく
  • 運転代行で目的地まで付いたら、運転手と別れる前に車をチェックする

運転代行で事故|お困りごとは弁護士まで

運転代行中に事故が発生した場合、次のようなケースでは弁護士に相談することをおすすめします。

  • 運転代行業者が加入する保険の担当者と示談交渉をすることになった
  • 運転代行業者に事故の補償を求めても取り合ってもらえない

上記のようなケースでは、弁護士を立てた方が獲得できる金額が多くなる可能性が高いです。

運転代行業者側の保険会社は、少しでも支払う金額を下げようと交渉してくるでしょう。
そのため、請求側としては法的な根拠を示して適切な金額を請求する必要があるので、法律の専門家である弁護士に交渉を行ってもらう方が、希望する金額を獲得しやすくなるのです。

その他の、弁護士へ依頼するメリットを知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリット8つ|デメリット・費用・慰謝料増額も解説』の記事をご覧ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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