点滅信号での事故の過失割合は?車、自転車、歩行者のケースを解説
この記事でわかること
交通事故は、どちらかの信号、あるいは双方の信号が青点滅、赤点滅、黄点滅のような点滅信号になっている時にも発生することがあります。
こうした事故の過失割合は、信号が点滅ではない場合とは違うことがあります。車同士、車と歩行者、車と自転車のケースに分けてみていきましょう。
目次
点滅信号での事故|過失割合のポイント
点滅信号での事故では、信号無視に思えても実は信号無視にはならなかったり、「信号のない交差点」として過失割合が考えられたりすることがあります。
まずはこの点について確認していきましょう。
点滅信号は信号無視にならないことがある|意味を確認
赤点滅信号や黄点滅信号は、そのまま進むと信号無視になるような印象を持たれがちですが、実は進行しても信号無視にならない場合があります。
以下に記載しているように、赤点滅信号や黄点滅信号は、停止を求めるものではないからです。
- 赤点滅信号の意味
停止位置で必ず一時停止をしたうえで進行できる - 黄点滅信号の意味
ほかの車両や歩行者などに注意しつつ、一時停止をせず進行できる
例えば赤点滅信号なら、停止位置で一時停止してから進行していたのであれば必ずしも信号無視にはなりません。
よって、「信号無視をしていたとして過失割合を加算する」ということが適切ではないケースもあります。
点滅信号だと「信号機のない交差点」と同一視されることがある
交差点において、信号が赤点滅信号と黄点滅信号だった場合、その交差点は「信号機のない交差点」として過失割合が考えられます。
先述の通り赤点滅信号と黄点滅信号はどちらも停止を求めるものではありません。こうした「交互に一方を止め、他方を通す」という交通規制が行われていない状態の場合、信号機による規制がないも同然と考えられるのです。
点滅信号で事故になった時の過失割合
ここでは、点滅信号の事故における過失割合を以下のケースに分けて紹介します。
- 車同士の点滅信号事故
- 歩行者と車の点滅信号事故
- 自動車と車の点滅信号事故
なお、ここで紹介する過失割合は「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)に記載されている情報をベースにしています。
車同士の点滅信号事故
先述の通り、赤点滅信号と黄点滅信号での事故の過失割合は、基本的に「信号のない交差点」における事故と同じように考えられます。
ここではその一部を紹介します。
交差点における出会い頭の事故
点滅信号がある場合、交差点での出会い頭事故は、一時停止線がある場合と同じ扱いになります。過失割合は互いに同程度の速度なら「赤点滅側の車:黄点滅側の車=80:20」です。
直進車と右折車の事故
交差点における直進車と右折車の事故では、過失割合は「直進車:右折車=20:80」です。
ただし、右折車がすでに右折しているところに直進車が突っ込んだ場合は、直進車の過失割合が20%加算されます。
一方、右折車が直近右折をした場合は10%、早周り右折や大回り右折をした場合は5%が右折車側に加算されます。
歩行者と車の点滅信号事故
横断歩道における歩行者と車の、点滅信号事故の過失割合は以下の通りです。
- 青点滅で横断歩道をわたる歩行者と、黄信号で右左折した車との事故
歩行者:右左折車=20:80 - 青点滅で横断歩道をわたる歩行者と、赤信号で直進した車との事故
歩行者:直進車=10:90 - 青点滅から赤信号に変わる中で横断歩道をわたる歩行者と、青信号で直進した車との事故
歩行者:直進車=30:70
なお、「青点滅で横断歩道をわたる歩行者と、赤信号で直進した車との事故」では、歩行者がこどもだった場合は歩行者側の過失割合が5%になる可能性があります。
こどもの飛び出しによる事故に関しては、『こどもの飛び出し事故対策と過失割合は?示談で不利にならない方法』で確認できます。
被害者が子供だからこその注意点も解説しているので、ご確認ください。
自転車と車の点滅信号事故
自転車が青点滅信号で横断歩道を渡り、赤信号で直進してきた車と衝突した場合、過失割合は「自転車:車=10:90」です。
自転車と車の事故については『車と自転車の事故|過失割合と慰謝料相場は?おかしいと思ったら要確認』でも確認しているので、合わせてご覧ください。
厳密な過失割合は弁護士に確認がおすすめ
過失割合は「修正要素」まで踏まえて算定される
点滅信号での事故に遭われた場合は、過失割合について弁護士に相談することをおすすめします。
本記事では点滅信号での事故の過失割合を紹介してきましたが、これらはあくまでも「基本の過失割合」に過ぎません。
実際には事故の細かい状況まで反映させて、基本の過失割合を調整していきます。この時、過去の判例など専門的な知識が必要になります。
被害者自身での厳密な過失割合の判断は難しいと言わざるを得ないので、まずは弁護士にご相談ください。
アトム法律事務所では、無料の電話・LINE相談を実施しています。
過失割合は揉めやすい|交渉まで任せれば安心
先述の通り、過失割合は被害者自身での判断が難しいものです。加えて、過失割合は示談交渉時に加害者側と揉めやすいポイントでもあります。
しかし、示談交渉まで弁護士に任せておけば、加害者側の任意保険会社に押されて不本意な過失割合になることを防げます。
他にも慰謝料の大幅増額が期待できる、加害者側とやり取りするストレスから解放されるなどメリットは多いので、弁護士への依頼もご検討ください。
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依頼時の弁護士費用の自己負担を大幅軽減する方法:交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了