骨挫傷で後遺症は残る?後遺障害認定される等級と慰謝料の計算方法
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交通事故で病院にかかり、骨挫傷(こつざしょう)と診断される方がいます。
骨挫傷とは、骨折手前の重い打撲で、骨の内部に内出血や浮腫が生じるケガです。
骨挫傷の多くは3か月程度で完治しますが、症状が長引くと、慢性的な痛みやしびれなどの後遺症が残ることがあります。
骨挫傷で請求できる交通事故の慰謝料には、通院期間に応じた入通院慰謝料と、認定された等級に応じた後遺障害慰謝料があります(14級9号認定なら110万円、12級13号なら290万円)。
骨挫傷の診断にはMRI検査が必須です。専門医による早期診断が、適切な慰謝料請求につなげるための第一歩となります。
本記事では、交通事故による骨挫傷の後遺症、後遺障害認定のポイント、慰謝料の相場、弁護士に依頼するメリット等を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
骨挫傷の後遺症|交通事故で痛み・しびれが残る?
骨挫傷とは、外部からの強い衝撃で関節同士がぶつかり、骨の内部を損傷してしまった状態をいいます。
ここからは交通事故後にあらわれる骨挫傷の症状、骨挫傷の治療・検査、懸念される後遺症についてみていきましょう。
骨挫傷の症状│骨折との違いは?
交通事故で骨挫傷になると、ひどい痛み、炎症による腫れ、内出血などの症状があらわれます。
骨挫傷の症状
- 痛み(押すと特に痛む)
- 腫れ
- 内出血・変色
骨挫傷は骨折まで至っていないので、骨の形が大きく変わることはありません。
骨挫傷は、不完全骨折とも異なります。不完全ひびが入る程度の骨折を不完全骨折といいますが、骨挫傷は骨が内出血を起こしている状態です。
骨挫傷は、骨の内部の損傷となるため、レントゲンやCT検査では分かりません。診断には、MRI検査が必須です。
骨挫傷の後遺症
骨挫傷の後遺症としては、痺れや痛みといった神経症状が残る可能性があります。
もっとも骨挫傷の多くは、3か月程度で完治します。軽度の骨挫傷では、痛みや腫れが数日で治ることもあります。
骨挫傷は、必ず後遺症が残ってしまうというケガではありません。
骨挫傷の後遺障害等級|後遺障害認定を受けられる?
交通事故で骨挫傷になり、後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺症に対する賠償金を受け取ることができます。
後遺症の慰謝料も、認定される後遺障害等級による相場があります。
ここでは、骨挫傷はどんな後遺障害等級認定を受けられる可能性があるのかをみていきましょう。
骨挫傷の後遺障害等級
骨挫傷による痛みやしびれなどの神経症状は、後遺障害12級13号または14級9号認定の可能性があります。
| 等級 | 認定基準 |
|---|---|
| 12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
画像所見(MRIなど)で医学的に証明できる場合は12級13号、画像所見がなくても医学的に説明・推定できる場合は14級9号に認定される可能性があるでしょう。神経症状で認定の可能性のある12級13号と14級9号について詳しくは『後遺障害14級9号の認定基準と慰謝料・逸失利益|認定されない理由と対処法』が参考になりますので、あわせてご覧ください。
もっとも、骨挫傷は自然治癒の可能性も高く、症状固定の段階では損傷した所見が得られなくなっていることも多いです。そのため、骨挫傷で後遺障害認定を受けられたとしても、ほとんどが14級9号といわれています。しかしながら、14級9号の認定も簡単ではありませんので、十分な認定の対策が必要です。
症状固定とは何か
症状固定とは、状態は安定しているけれども、これ以上治療を続けても、良くも悪くもならない状態のことです。

症状固定を迎えた場合は、治療が負わり、後遺障害認定の申請を開始できるということです。これまで相手の任意保険会社が治療費を支払っていても、症状固定後は支払われない点に注意しましょう。
なお、症状固定の判断には医師の判断が尊重されますので、相手の任意保険会社の言いなりになる必要はありません。
症状固定については『症状固定とは?時期や症状固定と言われたらすべき後遺障害認定と示談』の記事が参考になりますので、あわせてご覧ください。
骨挫傷の後遺障害認定は難しい?
骨挫傷にかぎらず、神経症状での後遺障害等級認定を受けることは難しい面があります。なぜなら、神経症状は自覚症状にとどまっていて、外見からは分からないためです。
骨挫傷は後遺障害認定のハードルが高いと考えられていますが、次のような点は、後遺障害認定の結果に有利に働く可能性があります。
骨挫傷の後遺障害認定ポイント
- 事故直後のMRIで骨挫傷の診断を受けていること
- 治療期間がおよそ半年程度あること
- 3日に1日程度、通院治療を受けていること
- 痛みやしびれが事故直後から継続していること
交通事故の後遺障害認定は、申請すれば必ず認められるというものではありません。しかしながら、後遺障害認定を受けやすい条件を理解しておくことが大切です。
骨挫傷の慰謝料相場|入通院慰謝料と後遺障害慰謝料はいくら?
骨挫傷の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があります。
入通院慰謝料とは、骨挫傷による痛みや苦痛、通院という精神的苦痛に対する金銭です。一方の後遺障害慰謝料は、骨挫傷によって後遺障害が残ったという精神的苦痛への賠償金といえます。
この2つの違いを整理して、それぞれの慰謝料相場をみていきましょう。
入通院慰謝料の金額
入通院慰謝料相場は、基本的に治療期間をベースに算定します。弁護士が入通院慰謝料を計算する際には、下表を用いて算出するのが基本です。

この表は、裁判所でも認められている法的に正当な相場表です。横列を入院、縦列を通院としており、それぞれに費やした期間の交わる部分が入通院慰謝料相場です。
入通院慰謝料相場の例
- 入院月数3ヶ月、通院月数2ヶ月なら177万円
- 入院月数1ヶ月、通院月数3ヶ月なら115万円
- 入院なし、通院6ヶ月なら116万円
このように、入通院慰謝料相場は入院期間・通院期間を含んだ「治療期間」をベースにすべきです。
しかし、相手方の任意保険会社は独自の基準で算定してきたり、先の表とは別の「軽傷の算定表」を使うように主張してくることもあります。
基本的に、MRIの画像診断で所見が得られているならば、骨挫傷は重傷用の慰謝料算定表を使って請求するべきです。
相手方の任意保険会社が提案してくる慰謝料額が常に「最も高い金額」とは限りません。一度弁護士に相談をして、増額の余地を検討してもらいましょう。
後遺障害慰謝料の金額
骨挫傷の後遺障害慰謝料は、後遺障害12級ならば290万円、後遺障害14級ならば110万円が相場です。
| 等級 | 弁護士 |
|---|---|
| 12級 | 290万円 |
| 14級 | 110万円 |
なお、後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別に支払われる金銭です。そのため後遺症が残った場合には、後遺障害認定を受けることで、より手厚い慰謝料を受け取ることができます。
なお、後遺障害慰謝料に関しても、相手の任意保険会社が提案してくる金額や、自賠責保険の支払基準額のままを受け入れるべきではありません。後遺障害認定を受け、なおかつ弁護士が交渉の場に立つことで、先の表の金額水準へ近づけることが可能です。

交通事故での骨挫傷の損害賠償請求方法
交通事故の損害賠償請求の方法と、いつ損害賠償請求するのかを解説していきます。
交通事故の損害賠償請求方法
交通事故の損害賠償請求方法には、示談交渉、ADR、裁判の3つがあります。交通事故では基本的に、相手の任意保険会社の担当者を相手に示談交渉することから始まるケースがほとんどです。
示談交渉とは?
裁判ではなく当事者間の話し合いによって民事上の争いを解決すること。交通事故では、一定額の損害賠償を支払い、その後、それ以上の損害賠償請求をしないという当事者間の合意が通常含まれる。
示談交渉での話し合いがまとまらないときには、ADRや裁判といった次の選択肢を検討すべきです。弁護士を入れておくことで、示談交渉での話をまとめやすくするほか、示談以外の選択肢にも柔軟に対応できます。
事故直後から示談までの流れ|損害賠償請求はいつ?
交通事故の直後から示談までの流れを説明します。

- 交通事故直後には病院を受診する
- 医師の指示に従って入院したり、通院で治療を開始したりする
- 後遺症が残っていたら「症状固定」と診断を受ける
- 後遺症が残っていたら後遺障害認定の申請をする
- 後遺障害認定の審査結果に納得がいけば示談を開始する(損害賠償請求)
このように、交通事故後から示談交渉開始までには様々なステップがありますが、どの時点で弁護士を立てても弁護士費用にはほとんど影響しません。
それならば、できるだけ早い段階で弁護士を立てる方が、被害者としては安心できるでしょう。具体的には、病院で診断を受けて治療を開始した時点が最速といえます。
もし「骨挫傷」であると診断を受けたならば、適正な慰謝料獲得に向けて、弁護士への法律相談を検討しましょう。
交通事故の慰謝料請求事例(骨挫傷の後遺症)
こちらでは、過去にアトム法律事務所の弁護士が解決した交通事故のうち、骨挫傷の後遺症が問題になったケースを一部ご紹介します。
左膝の骨挫傷等(後遺障害14級)で約1.9倍増額した事例
原付直進中に右折トラックと衝突し左膝骨挫傷を負った事例
原付バイクで優先道路を直進中、右折してきたトラックに衝突され、骨挫傷等を負った事故。弁護士相談の段階で、慰謝料などの金額に増額の余地があったケース。
弁護活動の成果
訴訟を見据えた弁護士による強気な示談交渉により、提示額の約142万円から、最終的な受取金額が約272万円まで増額された(約1.9倍増額)。
年齢、職業
20~30代、会社員
傷病名
左膝の骨挫傷、靭帯部分断裂
後遺障害等級
14級
左肩の骨挫傷等(後遺障害14級)で賠償金242万円を回収した事例
原付直進中に右折車を避け転倒し左肩骨挫傷等を負った事例
原付で直進中、加害車両が右折してきたため、避けようとして転倒した事故。後遺障害申請と示談交渉についてご相談いただいたケース。
弁護活動の成果
弁護士介入後、被害者請求により後遺障害等級認定の申請を実施し、後遺障害併合14級の認定を獲得。弁護士の粘り強い示談交渉により、最終的に242万円の賠償金を回収できた。
年齢、職業
20~30代、自営業
傷病名
左肩部の骨挫傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫
後遺障害等級
併合14級
骨挫傷で交通事故の損害賠償請求するなら弁護士に相談
交通事故で骨挫傷を負い、これから損害賠償請求を控えている方は、今すぐ弁護士に相談しましょう。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
