骨挫傷で後遺症は残る?後遺障害認定される等級と慰謝料の計算方法

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交通事故で骨挫傷

交通事故後に病院にかかり「骨挫傷」と診断を受けた方もおられるでしょう。本記事では、骨挫傷と診断を受けた方に向けて、骨挫傷とはどんなものか、どんな後遺症が残る場合があるか、そして後遺障害認定を受けられるかということを説明していきます。

そして、最後には骨挫傷の損害賠償請求においては気になる慰謝料の相場や、適正な金額を受け取るポイントとして弁護士への依頼についても解説しますので、最後までお読みください。

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骨挫傷の症状と後遺症|骨折とはどう違う?

骨挫傷とは、外部からの強い衝撃で関節同士がぶつかり、骨の内部を損傷してしまった状態をいいます。

ひびが入る程度の骨折を不完全骨折といいますが、骨挫傷は不完全骨折とも異なり、骨が内出血を起こしている状態です。そのためレントゲンやCTではわからず、MRIで内部を確認せねばなりません。

ここからは骨挫傷の症状と治療、懸念される後遺症についてみていきましょう。

骨挫傷の症状

ひどい痛みや炎症による腫れがみられます。骨折まで至っていないので、骨の形が大きく変わることはありません。骨挫傷の症状としては、痛み、腫れ、内出血などがあげられます。

骨挫傷の症状

  • 痛み(押すと特に痛む)
  • 腫れ
  • 内出血・変色

交通事故後のこうした症状は、早めに病院で診てもらうようにしてください。なお、レントゲンやCTでは分からないため、診断にはMRI検査が必要です。

骨挫傷の後遺症

骨挫傷の後遺症としては、痺れや痛みといった神経症状が残る可能性があります。

もっとも軽度の骨挫傷では、痛みや腫れが数日で治ることもあるので、必ず後遺症が残ってしまうというケガではありません。

骨挫傷の後遺障害等級|後遺障害認定を受けられる?

交通事故のケガはどんなに懸命に治療をしても、完治するとは限りません。そうして後遺症が残ったときには、後遺障害認定を受けることで、後遺症に対する賠償金を受け取ることができます。

骨挫傷はどんな後遺障害等級認定を受けられる可能性があるのかをみていきましょう。

骨挫傷の後遺障害等級

骨挫傷による痛みやしびれなどの神経症状は、後遺障害12級13号または14級9号認定の可能性があります。

等級認定基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

画像所見(MRIなど)で医学的に証明できる場合は12級13号、画像所見がなくても医学的に説明・推定できる場合は14級9号に認定される可能性があるでしょう。神経症状で認定の可能性のある12級13号と14級9号について詳しくは『後遺障害14級9号とは?12級13号との違い』が参考になりますので、あわせてご覧ください。

もっとも、骨挫傷は自然治癒の可能性も高く、症状固定の段階では損傷した所見が得られなくなっていることも多いです。そのため、骨挫傷で後遺障害認定を受けられたとしても、ほとんどが14級9号といわれています。しかしながら、14級9号の認定も簡単ではありませんので、十分な認定の対策が必要です。

症状固定とは何か

症状固定とは、状態は安定しているけれども、これ以上治療を続けても、良くも悪くもならない状態のことです。

症状固定とは、状態は安定しているけれども、これ以上治療を続けても、良くも悪くもならない状態のこと

症状固定を迎えた場合は、治療が負わり、後遺障害認定の申請を開始できるということです。これまで相手の任意保険会社が治療費を支払っていても、症状固定後は支払われない点に注意しましょう。

なお、症状固定の判断には医師の判断が尊重されますので、相手の任意保険会社の言いなりになる必要はありません。

症状固定については『症状固定とは?時期や症状固定と言われた後にする後遺障害認定』の記事が参考になりますので、あわせてご覧ください。

骨挫傷の後遺障害認定は難しい?

骨挫傷にかぎらず、神経症状での後遺障害等級認定を受けることは難しい面があります。なぜなら、神経症状は自覚症状にとどまっていて、外見からは分からないためです。

骨挫傷は後遺障害認定のハードルが高いと考えられていますが、次のような点は、後遺障害認定の結果に有利に働く可能性があります。

認定における重要ポイント

  • 事故直後のMRIで診断を受けていること
  • 治療期間がおよそ半年程度あること
  • 痛みやしびれが事故直後から継続していること

交通事故の後遺障害認定は、申請すれば必ず認められるというものではありません。しかしながら、後遺障害認定を受けやすい条件を理解しておくことが大切です。

骨挫傷の慰謝料相場|入通院慰謝料と後遺障害慰謝料はいくら?

骨挫傷の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があります。

入通院慰謝料とは、骨挫傷による痛みや苦痛、通院という精神的苦痛に対する金銭です。一方の後遺障害慰謝料は、骨挫傷によって後遺障害が残ったという精神的苦痛への賠償金といえます。

この2つの違いを整理して、それぞれの慰謝料相場をみていきましょう。

入通院慰謝料の金額

入通院慰謝料相場は、基本的に治療期間をベースに算定します。弁護士が入通院慰謝料を計算する際には、下表を用いて算出するのが基本です。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

この表は、裁判所でも認められている法的に正当な相場表です。横列を入院、縦列を通院としており、それぞれに費やした期間の交わる部分が入通院慰謝料相場です。

入通院慰謝料相場の例

  • 入院月数3ヶ月、通院月数2ヶ月なら177万円
  • 入院月数1ヶ月、通院月数3ヶ月なら115万円
  • 入院なし、通院6ヶ月なら116万円

このように、入通院慰謝料相場は入院期間・通院期間を含んだ「治療期間」をベースにすべきです。

しかし、相手方の任意保険会社は独自の基準で算定してきたり、先の表とは別の「軽傷の算定表」を使うように主張してくることもあります。

基本的に、MRIの画像診断で所見が得られているならば、骨挫傷は重傷用の慰謝料算定表を使って請求するべきです。

相手方の任意保険会社が提案してくる慰謝料額が常に「最も高い金額」とは限りません。一度弁護士に相談をして、増額の余地を検討してもらいましょう。

後遺障害慰謝料の金額

骨挫傷の後遺障害慰謝料は、後遺障害12級ならば290万円、後遺障害14級ならば110万円が相場です。

等級 弁護士
12級290万円
14級110万円

なお、後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別に支払われる金銭です。そのため後遺症が残った場合には、後遺障害認定を受けることで、より手厚い慰謝料を受け取ることができます。

なお、後遺障害慰謝料に関しても、相手の任意保険会社が提案してくる金額や、自賠責保険の支払基準額のままを受け入れるべきではありません。後遺障害認定を受け、なおかつ弁護士が交渉の場に立つことで、先の表の金額水準へ近づけることが可能です。

増額交渉(弁護士あり)

交通事故での骨挫傷の損害賠償請求方法

交通事故の損害賠償請求の方法と、いつ損害賠償請求するのかを解説していきます。

交通事故の損害賠償請求方法

交通事故の損害賠償請求方法には、示談交渉、ADR、裁判の3つがあります。交通事故では基本的に、相手の任意保険会社の担当者を相手に示談交渉することから始まるケースがほとんどです。

示談交渉とは?

裁判ではなく当事者間の話し合いによって民事上の争いを解決すること。交通事故では、一定額の損害賠償を支払い、その後、それ以上の損害賠償請求をしないという当事者間の合意が通常含まれる。

関連記事:交通事故の示談とは?交渉の進め方と注意点!示談の完全ガイド

示談交渉での話し合いがまとまらないときには、ADRや裁判といった次の選択肢を検討すべきです。弁護士を入れておくことで、示談交渉での話をまとめやすくするほか、示談以外の選択肢にも柔軟に対応できます。

事故直後から示談までの流れ|損害賠償請求はいつ?

交通事故の直後から示談までの流れを説明します。

交通事故による治療の流れ
  1. 交通事故直後には病院を受診する
  2. 医師の指示に従って入院したり、通院で治療を開始したりする
  3. 後遺症が残っていたら「症状固定」と診断を受ける
  4. 後遺症が残っていたら後遺障害認定の申請をする
  5. 後遺障害認定の審査結果に納得がいけば示談を開始する(損害賠償請求)

このように、交通事故後から示談交渉開始までには様々なステップがありますが、どの時点で弁護士を立てても弁護士費用にはほとんど影響しません。

それならば、できるだけ早い段階で弁護士を立てる方が、被害者としては安心できるでしょう。具体的には、病院で診断を受けて治療を開始した時点が最速といえます。

もし「骨挫傷」であると診断を受けたならば、適正な慰謝料獲得に向けて、弁護士への法律相談を検討しましょう。

骨挫傷で交通事故の損害賠償請求するなら弁護士に相談

交通事故で骨挫傷を負い、これから損害賠償請求を控えている方は、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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