死角が交通安全のポイント!車の死角や交通事故の防止策を一挙紹介
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「左折しようとしたとき、左側の自転車が死角に入っており、巻き込むところだった」
「右折しようとしたとき、対向車線のトラックの死角からバイクが飛び出してきた」
このように、車の死角によって危ない思いをしたことはありませんか?
車の運転席に座ったとき、どうしても確認することができない角度は多くあります。このような死角により交通事故が発生することは少なくありません。
この記事では、運転席に座ったときに生じる死角を一通り紹介します。死角によって起こりやすい事故や、事故防止のポイントも解説しているので、交通安全意識を高めるためにもぜひご一読ください。
目次

車の死角はどこ?見えない部分と起こりやすい事故
車の構造による死角
車の構造によって、以下の部分が運転席から見た死角になってしまいます。
- 車の前後のウィンドウから下の部分
- 車の側方のサイドミラーに映らない部分
- 車のピラーによって隠される部分
それぞれの死角について、詳しく見ていきましょう。
車の前後のウィンドウから下の部分
車の前後のフロントウィンドウおよびリアウィンドウから下の部分は、すべて運転席からは死角になります。トラックやバンといった車高の高い車は、死角の範囲も大きくなります。
とくに、背丈の低い子どもやお年寄りは完全に死角に入ってしまうため、誤ってひいてしまう事故が多く発生しています。
なお、車の後方を確認できるバックカメラがあれば、死角をある程度補うことが可能です。ただし、取り付ける位置や角度によってはすべての死角をカバーできていない可能性もあるので、注意しましょう。
車の側方のサイドミラーに映らない部分
車の左右の斜め後方は、サイドミラーに映らない死角になります。右ハンドル車の場合、左側の死角がとくに大きくなります。
車の左側を通過しようとした二輪車が死角に入ってしまい、巻き込み事故につながってしまうこともあるでしょう。
また、隣の車線で自車の後ろを走行している車に気づかず、接触事故を起こしてしまうケースも少なくありません。
車のピラーによって隠される部分
ピラーとは、車の屋根や窓を支える窓柱のことです。ピラーにはそれほど幅がないように見えるかもしれませんが、他者が十分入り込める死角を作り出します。
とくに、車から少し離れた横断歩道の歩行者は、ピラーによる死角で完全に見えなくなってしまうことが多いです。あわてて右左折したため横断歩道の歩行者に気づくのが遅れ、ひいてしまうような事故に気をつける必要があるでしょう。
周囲の車や構造物による死角
自車だけではなく、周囲の以下のようなものも死角を作り出してしまいます。
- 走行中・駐停車中の車両
- 建物や植え込み・看板などの障害物
それぞれの死角を詳しく確認していきましょう。
走行中・駐停車中の車両
周囲に走行中・駐停車中の車両がいる場合、その陰になる部分は自車から確認できない死角となります。とくに、トラックやバスといった大型車は大きな死角を作り出します。
また、駐車場や路肩に駐停車している車にも注意する必要があるでしょう。駐車場で歩行者が飛び出してくる、バスを追い越した先で歩行者が道路を移動中だった、といった場面でよく事故が発生しています。
建物や植え込み・看板などの障害物
周囲の建物や、植え込み・看板といった障害物も死角を生み出します。
角に建物があり、見通しの悪い交差点は、とくに死角から飛び出してきた車や自転車と接触事故を起こしやすいです。
走行中に移り変わる死角
走行時は死角となる場所が刻一刻と変化しますが、とくに以下のような状況では注意が必要です。
- カーブ時
- 右折時
- 左折時
具体的にどのような点に注意が必要なのか見ていきましょう。
カーブ時
カーブを走行中は、数メートル先が死角になるため、対向車に気づけず事故を起こしてしまうことがあります。また、前方の車が死角に入ってしまい、急ブレーキを踏まれたことが原因で追突してしまうこともあるでしょう。
カーブ時は目の錯覚により、左カーブでは左側に、右カーブでは右側に無意識に寄ってしまう傾向があります。右カーブで右に寄ってしまった場合、死角から飛び出してきた対向車と衝突する可能性が高くなるため、とくに注意が必要です。
右折時
右折時は、対向車が作り出す死角に注意が必要です。とくに、右折時に対向車線のトラックの陰からすり抜けてきた二輪車と衝突した事例は多く発生しています。
また、ピラーによって横断歩道上の歩行者に気づけないことも多いです。右折時は対向車線にばかり意識を向けるのではなく、横断歩道の前後もよく確認するようにしましょう。とくに、自転車はスピードが速いため注意が必要です。
左折時
左折時は、車の左側の二輪車や歩行者が死角に入ってしまい、巻き込み事故を起こしてしまうことがあります。
先述のとおり、車の左側は右側よりも死角が広いので、より慎重な確認が必要になるでしょう。また、右折時と同様、ピラーによる死角にも要注意です。
死角による交通事故を防ごう!交通安全のポイント6つ
(1)乗車前に車の周辺をよく確認
死角による事故を防ぐためには、車に乗り込む前に目視で周辺の安全を確認することが大切です。
人や障害物がないか、車の前後左右や車体の下をよくチェックしましょう。車体の下についてはあまり確認しないドライバーも多いですが、車を離れている間に猫やボールが入り込んでいることもあるため、注意が必要です。
(2)発進前に正しい運転姿勢をとってミラーを調整
車に乗り込んだら、まずは以下の方法で正しい運転姿勢をとりましょう。
正しい運転姿勢をとる方法
- シートに深く腰かける。
- シートの高さを調整する。
(死角を減らすためには高めに調整するとよい。) - シートの前後の位置を調整する。
(ブレーキペダルを強く踏んだとき、膝が少し曲がる位置を目安にする。) - 背もたれの角度を調整する。
(ハンドルを握ったとき、肘が少し曲がる位置を目安にする。) - ハンドルの位置を調整する。
(足とハンドルの間が拳ひとつ分になる位置を目安にする。) - ヘッドレストの位置を調整する。
(ヘッドレストと頭部の上端が同じ高さになる位置か、ヘッドレストの中心と目じりと耳の上端が同じ高さになる位置を目安にする。)
そのうえで、以下の方法でミラーの角度を調整します。
ミラーの調整方法
- ルームミラー
- ミラーの中心とリアウィンドウの中心が合う角度を目安にする。
- ミラーの角度は左手で調整する。
右手だとシートから体が離れ、運転中と異なる見え方になってしまう。
- サイドミラー
- 水平方向はミラー内側の4分の1程度に自車が映る位置を目安にする。
- 垂直方向はミラー下側の3分の2程度に路面が映る位置を目安にする。
正しい運転姿勢を取り、ミラーを調整することで、死角を減らすことが可能です。運転中も姿勢が崩れないように注意しておきましょう。
(3)運転中は目視やミラーなどを組み合わせて安全確認
運転中、とくに右左折時や進路変更時は、目視やミラーなどさまざまな方法を組み合わせて安全確認を行うことが効果的です。
たとえば、右車線への進路変更時は、ルームミラー、サイドミラー、右後ろを目視の順番で安全確認をすることで、死角を減らすことができます。
ドアミラーから見えづらい場所を補うブラインドサイドカメラや、車の後方を映し出すバックカメラを使うことも有効ですが、過信は禁物です。また、見通しが悪い場所では同乗者を下ろし、安全確認を行ってもらってもよいでしょう。
(4)右左折時はウィンカーを用いて周囲に進行方向を示す
どんなに工夫したとしても、死角を完全になくすことは難しいです。そのため、死角に入っている車や歩行者が事故を避けやすくするための工夫をすることも大切になります。
たとえば、右左折時や車線変更時に早めにウィンカーを出せば、周囲に進行方向をわかってもらえ、危険予測をしてもらえるようになるでしょう。
なお、道路交通法施行令第21条では、右左折時ならびに転回時は30メートル前、進路変更時は3秒前に合図を出さなければならないことが定められています。
(5)スピードを出しすぎず回避行動をとれるようにする
万が一死角にある危険に気づけなかった場合、スピードを出しすぎていると、回避行動が間に合いません。
常に法定速度を守ること、危険がありそうな場所では一時停止・徐行をすることで、事故を起こしてしまう可能性を減らすことができます。
とくに、カーブでは数メートル先が死角になっているため、対向車に気づけないことも多いです。非常に危険な正面衝突事故を避けるためにも、速度を落として走行するようにしましょう。
また、発進時や駐停車時はアクセルを踏まず、クリープ現象を使うことで、ゆっくりと走行できるようになります。駐車場といった死角の多い場所では活用するとよいでしょう。
(6)死角を作るような装飾は外す
フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスにステッカーを貼ったり、ダッシュボードにぬいぐるみを置いたりすると、死角を作ってしまうため非常に危険です。運転席からの死角を作るような装飾は避けるようにしましょう。
また、紫外線対策などで用いられるスモークフィルムも、視界が悪くなるため注意が必要です。もしスモークフィルムを貼る場合は、夜間でも十分な視界を確保できる濃さのものを選ぶようにしましょう。
なお、フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスに可視光線透過率70%未満のスモークフィルムを貼ることは違法です。
死角のため交通事故が起こったら?被害者がすべき対応
(1)救護・安全確保ののち警察に報告
交通事故の被害にあったら、まずは以下の措置を行ってください。
- 負傷者の救護
(意識を確認し、救急車を呼ぶ。救急車の到着まで応急処置を行う。) - 現場の安全確保
(車を動かすか、ハザードランプや三角表示板などを使い、二次被害を防ぐ。) - 警察への報告
(救護・安全確保が終わったら、すみやかに110番通報する。)
これらはいずれも道路交通法第72条で定められた義務です。怠った場合、懲役や罰金といった刑罰が科される可能性があります。
各措置をどのように行えばよいのかわからない場合は、『交通事故被害者がすべき対応の流れ』の記事をご参考ください。
(2)痛みがなくても病院を受診
事故直後の措置が終われば、すぐに病院で診察を受けましょう。
事故の発生から受診まで時間がたっていると、加害者側に治療費や慰謝料の請求を認めてもらえない可能性があります。あとから痛みやしびれが出てくるケースも多いので、自覚症状がなくても受診するようにしてください。
何らかのケガを負っていた場合は、「完治」または「症状固定」と診断されるまで、医師の指示に従って治療を続けましょう。
症状固定とは「これ以上治療しても症状が改善しないと判断された状態」のことです。症状固定と診断されたら、残った症状について「後遺障害認定」を受けることになります。
症状固定は、いつ判断するのか、そして症状固定後に取るべき対応しだいで慰謝料の金額にかかわる重要なポイントです。症状固定後に受ける後遺障害認定については、『症状固定とは?時期や症状固定と言われたらすべき後遺障害認定と示談』で解説しているのでご覧ください。
(3)加害者側と示談交渉
医師から完治と診断されるか、症状固定と診断されて後遺障害認定の結果が出たら、加害者側と示談金の金額や過失割合を決める「示談交渉」を行います。
多くの場合、示談交渉の相手方は加害者側の任意保険会社となります。基本的に、加害者側の任意保険会社から示談案が示され、交渉をはじめることになるでしょう。
提示された金額が相場より低くないか確認したい場合は、以下の計算機をご利用ください。
双方が示談内容に納得すれば、示談書を交わし、示談成立となります。示談金は示談成立の約2週間後に振り込まれるでしょう。
示談の基本的な内容や注意点を具体的にイメージしたい場合は、『交通事故の示談とは?進め方や損しないためのポイント』の記事がおすすめです。
示談金が相場より低い場合は?
提示された示談金が相場よりも低い場合は、弁護士を立てて増額交渉をすることをおすすめします。
被害者自身が交渉をしても、保険会社は「今回のケースではこの金額が上限です」「皆さんこのくらいの金額で納得されています」などと主張し、増額を認めないことが多いです。
弁護士を立てれば、法的な根拠をもとにした金額を主張できるため、保険会社も否定するのが難しくなります。また、弁護士が出てくれば保険会社は裁判への発展を懸念し、主張を受け入れることが多くなります。
示談金が相場より低い場合、まずは無料法律相談を利用して弁護士のアドバイスを受けてみるとよいでしょう。アトム法律事務所は電話・LINEで無料相談できるので、ぜひ利用をご検討ください。

弁護士費用が不安な方には、『交通事故の弁護士費用相場はいくら?弁護士費用特約を使って負担軽減』の記事がおすすめです。交通事故の弁護士費用特約を使った場合、ご自身の保険会社が弁護士費用を支払ってくれるため、被害者は自己負担0円で弁護士を立てることができます。
まとめ
自動車には死角が多く存在します。どのような場所が死角となるのか理解し、確認を徹底することが、交通安全のコツです。
運転に慣れると、「これまで大丈夫だったので今回も大丈夫だろう」と油断し、確認が疎かになってしまいがちです。
そのようなときこそ事故を起こしてしまう可能性が高くなってしまうので、今一度死角の危険性を認識し、安全運転を心がけるようにしましょう。
もし、死角による交通事故の被害にあってしまったら、治療などを終わらせたあとに加害者側との示談交渉を行っていくことになります。
交渉に不安がある場合は、弁護士への無料相談をご利用ください。交通事故に精通した弁護士が、被害者の方に適切なアドバイス・サポートをいたします。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了