交通事故鑑定人とは?示談対策への影響や依頼すべきケースを解説

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交通事故鑑定人

交通事故鑑定人とは、交通事故発生時の状況や事故の原因を調査してくれる専門家です。

事故現場の捜査などは警察も行いますが、それよりもさらに詳しい調査が期待でき、場合によっては示談対策にもなります。

交通事故鑑定人は何をしてくれるのか、どういうケースで交通事故鑑定人への依頼を検討すべきなのかなど、詳しく解説します。

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交通事故鑑定人とは?

まずは、交通事故鑑定人とは何をする人なのか、同じように事故現場の捜査をする警察と何が違うのかを解説します。

交通事故鑑定人とは?何をする?

交通事故鑑定人は、専門的な知識と経験を活かして、交通事故の状況を調査・分析し、事故原因や事故状況を明らかにする専門家です。

警察や保険会社とは異なる、第三者の立場で調査を行います。依頼者は、交通事故の被害者だけでなく、弁護士や保険会社なども含みます。

交通事故鑑定人がすることは、主に以下の通りです。

  • 事故現場の検証
  • 事故原因の究明
  • 鑑定結果の報告

それぞれについてみていきましょう。

事故現場の検証

交通事故鑑定人は、事故現場に赴き、現場状況や車両の損傷状況などを写真撮影や動画撮影で記録します。

ブレーキ痕や気象情報、信号のサイクルなどから事故当時の道路状況を確認したり、交通標識の設置状況の確認、目撃者への聞き取り調査をしたりもします。

事故原因の究明

交通事故鑑定人は、以下の方法によって事故原因の究明にも取り組みます。

  • 現場検証で収集した資料に基づき、事故発生当時の状況を再現する
  • 物理学や力学などの専門知識を用いる
  • 必要に応じてシミュレーションソフトなども活用する

鑑定結果の報告

調査・分析結果は、報告書にまとめて依頼人に報告されます。報告書には、主に以下の内容が記載されています。

  • 事故原因
  • 損害額
  • 今後の見通し

また、口頭で報告書の内容についてより詳しく聞くことも可能です。

適切に行われた鑑定の結果であれば、報告書は示談交渉や裁判でも証拠として扱われることがあります。

交通事故鑑定人と警察の捜査の違いは?

事故現場の検証や事故原因の究明は、人身事故であれば警察も「実況見分捜査」にて行います。

ただし、実況見分捜査では被害者側が期待するほど徹底した捜査は行われないこともあります。

警察による実況見分捜査の第一の目的は「加害者の起訴・不起訴を判断するための情報集め」であり、被害者のために捜査を行うわけではないからです。

一方、交通事故鑑定人は依頼者のために事故に関するさまざまな調査をします。

こうした点が、警察による実況見分捜査と交通事故鑑定人による調査の大きな違いです。

交通事故鑑定人がどこまで交通事故について調べてくれるのかは、『交通事故調査会社とは?どこまで調べる?』で解説しています。

交通事故鑑定人への依頼は示談対策になる

交通事故鑑定人への依頼は、示談交渉対策になることがあります。その理由と、交通事故鑑定人への依頼を検討すべきケースを見ていきましょう。

交通事故鑑定人の報告書は過失割合の交渉などに有効

交通事故鑑定人の報告書は、適切に行われた調査結果であれば示談交渉で使える可能性があります。

例えば交通事故鑑定人の調査により事故時の状況が明確になれば、過失割合の交渉に役立ちます。その結果、不適切な過失割合になり示談金が不当に多く減額されることを防げるでしょう。

また、事故状況からケガと事故との関連性を証明できれば、治療費や入通院慰謝料の減額リスクも減らせます。

「交渉」の対策は別途必要

先述の通り、交通事故鑑定人への依頼は示談対策になります。

しかし、最も肝心なのは示談交渉本番です。加害者側は交渉のプロである保険担当者を立ててくることがほとんどなので、被害者側もプロを立てて対策することが重要です。

そのために、弁護士への依頼も検討してみてください。
被害者側も「示談代行サービス」により、自身の任意保険担当者に示談を任せられることがあります。しかし、徹底した交渉により悔いを残さないことを望むなら、弁護士に相談する方が良いでしょう。

弁護士への依頼費用は、「弁護士費用特約」でカバーできることが多いです。アトム法律事務所では事前の法律相談も行なっているので、まずはお気軽にご連絡ください。

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交通事故鑑定人への依頼を検討すべきケース

交通事故においては、以下のようなケースで交通事故鑑定人への依頼を検討することがおすすめです。

  • 事故原因が複雑で、警察の調書だけでは判断が難しい場合
    • 複数の車両が絡む事故
    • 事故現場が複雑な状況
    • 目撃者情報が少ない
    • 信号機やドライブレコーダーの映像が残っていない
  • 過失割合に争いがあり、不利な割合を押し付けられそうだと感じる場合
    • 相手方から一方的に過失割合を主張されている
    • 事故状況について異なる意見を持っている

上記のような場合は、事故時の状況などをしっかりを調べて示談に備える必要があります。プロである交通事故鑑定人への依頼も検討してみましょう。

まとめ

交通事故鑑定人は、依頼人のために事故状況や事故の原因を調査してくれる専門家です。

警察による捜査やドライブレコーダーなどでは事故状況に関する十分な証拠が揃わない場合に依頼すると、示談対策になります。

示談対策をする場合は、必要に応じて交通事故鑑定人に依頼して各種証拠を集めるとともに、交渉のプロである弁護士に示談交渉を任せることもご検討ください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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