ライドシェア中の交通事故は誰が責任を負うのか。補償内容も紹介

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ライドシェア

現在、日本ではライドシェアを導入することでタクシードライバー不足の解消を図ろうとする動きがあります。

日本におけるライドシェアの利用が拡大傾向にあるため、ライドシェア事故の被害者となった場合に、誰にどのような請求を行えるかについて気になっている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、日本におけるライドシェアの現状や、ライドシェア事故における責任の対象と内容などについて解説を行っています。

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ライドシェアとは?法改正の内容も紹介

ライドシェアとは?白タクとは違う?

ライドシェアとは、自家用車の所有者と、自動車による移動を行いたい人を結びつける(マッチング)させるサービスをいいます。

サービスを提供する運営会社を通して、運営会社に登録している自家用車の所有者と乗客の間で契約を行い、乗客の送迎を行うこととなるのです。

乗客が支払った利用料については、その一部が運営会社の収入となります。

ライドシェアは白タクとは違う?

「白タク」とは、タクシーの運転資格を有さないものが、自家用車により有償で乗客の送迎を行うサービスを行うことをいいます。

有償の送迎サービスを許可なく行うことはできないため、「白タク」行為は違法と判断されるのです。

自家用車によるライドシェアも原則として「白タク」行為に該当するため禁止されていますが、日本においては許可を得ることで認めるケースがあります。

日本におけるライドシェア

日本における自家用車を利用したライドシェアは、「自家用有償旅客運送制度」により、一定の地域において導入されています。

バスやタクシー事業では住民に十分な輸送サービスが提供できない地域が対象です。

事業の運営や運行管理を市町村やNPO法人が行い、その中で自家用車によるライドシェアが可能となっています。

ライドシェアの利用については法改正により拡大

2024年4月の法改正により、自家用車を利用したライドシェアの規制が緩和され、タクシー事業者の運営や運行管理の下でも行えるようになりました。

現状では、タクシーが不足する地域の不足車両数を補うために、特定の地域のみを対象として認められています。

ライドシェア事故における責任の対象と内容

ライドシェア事故の責任は運転者と事業者が負う

日本におけるライドシェアは、市町村やタクシー事業者の運営・管理の下で行われています。

そのため、ライドシェア利用中や、ライドシェアを行っていた車との間で事故が起きた場合には、ライドシェアの運転者だけでなく、管理者である市町村やタクシー事業者に対しても損害賠償請求を行うことが可能といえるでしょう。

運転者に対する損害賠償請求では保険の補償には注意

ライドシェア事故の被害者がライドシェアの運転者に対して損害賠償請求を行う際には、保険の補償範囲に注意する必要があるでしょう。
特に、ライドシェア利用中に事故に遭った場合には、保険による補償が不十分となるおそれがあります。

一般的に、自家用車保険としては、加入が義務付けらている自賠責保険や、任意保険として「対人・対物賠償保険」、「搭乗者傷害保険」、「人身傷害保険」などがあります。

  • 自賠責保険
    加入が義務付けられている。事故の相手方や同乗者の人的損害が対象
  • 対人・対物賠償保険
    事故の相手方に生じた人的・物的損害が対象
  • 搭乗者傷害保険
    運転者や同乗者の人的損害が対象
  • 人身傷害保険
    運転者や同乗者の人的損害が対象

「対人・対物賠償保険」は、事故の相手方への人身・物的損害を補償しますが、搭乗者である被害者への補償は含まれません。

一方、「自賠責保険」や「搭乗者傷害保険」は、搭乗者が負ったケガや死亡に対する保険金が支払われます。

しかし、「自賠責保険」は補償金額に上限があり、「搭乗者傷害保険」も補償金額が低額な場合が多く、「人身傷害保険」への加入がないと十分な補償を受けられないケースがあるのです。

さらに、ライドシェア利用中の事故の場合、任意保険については「運転者限定特約」が適用される可能性があります。

この特約が適用されると、保険金は運転者のみが受け取れるため、被害者である搭乗者が保険金を受け取ることはできません。

このような危険性があるので、損害賠償請求については個人よりも資力を有しているライドシェアの管理者へ請求を行うべきでしょう。

保険ごとの補償内容を詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

ライドシェア事故で請求できる損害賠償金の内容

ライドシェア事故において被害者となった場合には、以下のような損害について損害賠償請求を行うことが可能です。

  • 治療関係費
    投薬費用、手術代、入院費用、通院交通費など治療のために必要となった費用
  • 休業損害
    治療のために仕事を休んだことで生じる減収に対する補償
  • 逸失利益
    後遺障害により以前のように仕事ができなくなったことで生じる減収に対する補償
  • 慰謝料
    事故によりケガを負ったことで生じる精神的苦痛に対する補償

相場額の計算方法については『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事で確認可能です。

また、慰謝料や逸失利益の相場額については、以下の計算機を利用することで簡単に知ることができます。

もっとも、実際にどのような損害がいくら請求できるのかについては、個々の事情により異なります。

そのため、専門家である弁護士に確認をとると良いでしょう。

ライドシェア事故に遭ったのなら弁護士に相談・依頼を

弁護士に相談して示談内容の妥当性を確認

ライドシェア事故に遭った場合には、基本的に加害者との間で示談交渉を行い、損害賠償の内容や金額を決めることとなるでしょう。

しかし、加害者側は少しでも有利な内容で示談するよう交渉してくることがあります。
特に、加害者が自身の加入している任意保険会社に示談交渉を代行してもらっている場合には、加害者側の任意保険会社が相場よりも低い示談金を提示してくる可能性が高いでしょう。

示談内容に疑問がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士なら、豊富な知識と経験に基づき、示談内容の妥当性を判断することが可能です。

具体的には、以下のようなことを確認することができます。

  • 示談金として提示されている損害賠償額が適切かどうか
  • 示談内容に抜け漏れがないかどうか
  • 不利な条件が含まれていないかどうか

弁護士に相談することで、安心して示談を行うことができます。

弁護士に依頼すれば適切な示談内容となるように交渉

ライドシェア事故の被害者の方にとって、示談は重要な解決手段の一つです。

しかし、示談交渉は専門的な知識や経験が必要となるため、自身で行うのは大変リスクが伴います。
特に、示談交渉の相手が加害者の加入している任意保険会社の担当者である場合には、経験や知識の差から、不利な内容の示談となってしまう恐れが高いでしょう。

弁護士に依頼すれば、弁護士が示談交渉を行ってくれます。

専門家から根拠のある主張がなされるため、加害者との間で適切な内容の示談とすることができるのです。

弁護士に依頼すれば証拠収集も手伝ってもらえる

ライドシェア事故の被害者の方が損害賠償請求を有利に進めるためには、適切な証拠を収集しなければなりません。

しかし、ケガの治療を行いながら証拠の収集まで行うことは簡単ではないでしょう。

弁護士に依頼すれば、必要な証拠を収集を手伝ってもらえるため、被害者はケガの治療や仕事の復帰に集中することが可能となるのです。

弁護士なら示談以外の解決手段をとれる

加害者側との示談交渉がうまくまとまらない場合、裁判など別の解決手段が必要となることもあります。

弁護士に依頼した場合、裁判による解決が必要となった場合であっても、適切な手続きにより解決を図ってくれるでしょう。

また、裁判以外の解決が可能かどうかについても検討してもらうことが可能です。

この他にも、弁護士に依頼することで様々なメリットが得られます。
詳しく知りたい方は、『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選|弁護士は何をしてくれる?』の記事をご覧ください。

アトム法律事務所なら無料相談が可能

ライドシェア事故の被害者となった場合には、誰にどのような請求を行うべきかについて弁護士に相談することをおすすめします。

アトム法律事務所は、交通事故被害者の方を対象とした無料の法律相談を行っています。

相談料を気にせず、交通事故案件の経験豊富な弁護士に相談することが可能です。

また、依頼となった場合も着手金は原則無料のため、お手元のお金に不安がある方でも依頼することができます。

無料相談の予約は24時間体制で受け付けているので、いつでもご連絡ください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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