交通事故でバレリュー症候群になったら|後遺障害認定と慰謝料増額を弁護士が解説
バレリュー症候群は首の損傷が原因で起こる後遺症で、頭痛・めまい・耳鳴りなどの症状が現れます。
バレリュー症候群の後遺症の症状が後遺障害であると認定されると後遺障害慰謝料や逸失利益が請求可能となり、賠償金額が増加するでしょう。
そのため、バレリュー症候群による症状が後遺障害と認められるかどうかは、損害賠償請求の面で非常に大きな要素です。
本記事では、バレリュー症候群となった場合に後遺障害が認められるために必要となる知識や、適切な請求のために弁護士への相談が必要な理由などを解説しております。
目次
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バレリュー症候群の原因や治療法
バレリュー症候群とは?
バレリュー症候群とは、頚椎の損傷により自律神経の働きがおかしくなり、外傷後、頭痛・めまい・耳鳴り・不眠・疲労感などの症状が現れる病気です。
バレリュー症候群は、レントゲン・CT・MRIによる検査でも他覚的所見が認められないことも多いですが、症状によっては日常生活に支障をきたすこともあります。
交通事故でバレリュー症候群になる原因
バレリュー症候群の原因は、交通事故による頚椎捻挫、いわゆる、むちうちによることが多いです。このほかに、ストレスや疲労などによる自律神経の乱れが関係していることもあります。
交通事故により受傷してから2~4週間程度経過してから症状が生じることがあるため、バレリュー症候群は、交通事故との因果関係が問題となりやすいです。
そのため、交通事故で強い衝撃を受けたら、受傷直後に痛みや自覚症状がなくても、病院で診察と必要な検査を受けましょう。
バレリュー症候群の治療期間や治療法
バレリュー症候群の治療期間は、症状の程度や治療方法によって異なります。一般的に、3~6ヶ月程度の治療で症状が改善しますが、症状が重い場合はさらに治療が必要になるでしょう。
バレリュー症候群は頚椎捻挫から生じることが多いため、治療方法も頚椎捻挫の場合に準じることとなります。
一般的には、投薬療法や運動療法などが行われるでしょう。
具体的には、ブロック注射や、温熱・低周波などによるリハビリテーションなどとなります。
バレリュー症候群は、早期に治療を開始することで、症状の改善が期待できます。
そのため、バレリュー症候群の症状がある場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
バレリュー症候群が後遺障害となるか?
バレリュー症候群で認められる後遺障害等級
バレリュー症候群になった場合、長期にわたって治療しても改善されない場合には、後遺障害として認定される可能性があります。
後遺障害として認定された場合には、認定される等級に応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能です。
バレリュー症候群においては、頚椎周辺の痛みや痺れ残っている場合に、以下のような後遺障害の認定を受けられることがあるでしょう。
等級 | 症状 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
バレリュー症候群については、レントゲンやMRIなどの画像検査をしても明らかな異常を認めることがないので、基本的に認定される可能性のある後遺障害の等級は14級9号です。
14級9号の認定を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 首の損傷が交通事故によるものであること
- バレリュー症候群の症状が6ヶ月以上継続していること
- 症状に一貫性や恒常性があること
神経学的検査の結果から、症状の発生が客観的に認められる場合には、後遺障害の等級が12級13号に認定される可能性もあるでしょう。
後遺障害認定の申請方法については『交通事故の後遺障害とは?認定されたらどうなる?認定の仕組みと認定率の上げ方』の記事をご覧ください。
バレリュー症候群の後遺障害慰謝料請求額
バレリュー症候群の慰謝料請求額は、認定された後遺障害等級によって大きく異なります。
バレリュー症候群で認定される可能性のある後遺障害14級9号または12級13号における後遺障害慰謝料は、以下の通りです。
等級 | 損害賠償額 |
---|---|
12級13号 | 290万円 |
14級9号 | 110万円 |
※ ()内の金額は2020年3月31日以前の事故に適用
さらに、後遺障害慰謝料に加えて、後遺障害等級と収入に応じた逸失利益も請求することができます。
逸失利益の計算方法については『【逸失利益の計算】職業別の計算例や早見表・計算機つき|もらえない原因と対処法』の記事で確認可能です。
バレリュー症候群となった場合に請求できる他の損害
交通事故でバレリュー症候群となった場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益以外にも、以下のような損害について請求が可能です。
請求可能な損害賠償金の費目
- 治療関係費
治療のために必要となった費用として、投薬代・手術代・入通院交通費など
関連記事:『交通事故の治療費は誰が支払う?被害者が立て替えるなら健康保険を使おう』 - 休業損害
治療のために仕事を休んだことで生じる減収
関連記事:『交通事故の休業損害|計算方法や休業日の数え方、いつもらえるかを解説』 - 入通院慰謝料
治療のために入院や通院したことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料
関連記事:『交通事故の慰謝料の計算方法|正しい賠償金額がわかる!慰謝料の計算例も紹介』 - 物的損害
自動車や自転車の修理費用、代車費用などの物的損害
関連記事:『物損事故の示談の流れと示談金相場|交渉時の注意点』
慰謝料や逸失利益の相場額については、以下の計算機を利用することで知ることが可能です。
交通事故でバレリュー症候群となったら弁護士に相談
バレリュー症候群を弁護士に相談するメリット
交通事故によりバレリュー症候群となった場合、弁護士に相談するメリットは、以下のとおりです。
- 弁護士は、交通事故の法律に精通しているため、適切な損害賠償額を請求することができます。
- 弁護士は、保険会社との交渉を代行することができます。
- 弁護士は、裁判所への出廷を代行することができます。
- 弁護士は、適切な後遺障害等級認定を受けられるようサポートできます。
バレリュー症候群で悩んでいる方は、弁護士に相談することをお勧めします。
上述したメリット以外にも、弁護士に依頼する利点が存在します。
詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選|弁護士は何をしてくれる?』の記事をご覧ください。
弁護士に相談・依頼する費用負担を減らす方法
弁護士に相談・依頼を行う際には、費用面の負担を気にする方が多いでしょう。
弁護士費用に関しては、弁護士費用特約を利用することで負担を大きく減少することが可能です。
弁護士費用特約とは、弁護士に支払う相談料や依頼に関する費用について、特約で定められた上限額まで保険会社が負担してくれるというものです。
上限額は基本的に相談料が10万円、弁護士費用が300万円となっており、損害賠償金額がよほど高額にならない限りは上限額内に収まります。
そのため、弁護士費用特約を利用すると、自己負担なく弁護士への相談や依頼が可能となることが多いでしょう。
弁護士費夜特約の詳しいメリットやデメリット、利用方法などについては『交通事故の弁護士費用特約を解説|使い方は?メリットや使ってみた感想も紹介』の記事で確認可能です。
アトム法律事務所なら無料の法律相談ができる
アトム法律事務所では、交通事故の被害者の方を対象にした無料の法律相談を行っています。
そのため、弁護士費用特約を利用でいない方であっても、金銭的な負担を気にせず相談することが可能です。
アトム法律事務所では交通事故案件に力を入れているため、交通事故案件の経験が豊富な弁護士に相談することができます。
法律相談の受付は24時間体制で行っているため、是非一度ご連絡ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
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士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了