車同士で軽い接触事故…怪我なしでも要注意!必要な対応を紹介
更新日:

車同士の軽い接触事故で、「軽くぶつかっただけだし、怪我もないから大丈夫」と考えることは危険です。
車同士で起きた軽度の接触事故でも、後々の保険対応や示談交渉で思わぬトラブルになるケースは少なくありません。
さらに、当日は痛みがなくても、数日後に首や肩に違和感が出てくることもあるのです。
この記事では、「車同士の軽い接触事故・怪我なし」の場合でも注意すべきポイント、事故直後に取るべき対応、そして弁護士に相談することで得られるメリットについて、分かりやすく解説します。
目次

軽い接触事故・怪我なしでも油断は禁物
道路ですれ違いざまにミラーがぶつかった、駐車場で隣の車に少し擦った…。
こうした「軽い接触事故」では、車の損傷も小さく、一見すると大ごとではないように見えます。
しかし、以下のような問題が後から発生することがあります。
- 時間が経ってから痛みが出る「むち打ち」などの疾患
- 過失割合でもめる
- 修理費用の負担について双方の認識が食い違う
- 相手方が主張を変える、連絡が取れなくなる
怪我がなかったつもりでも、「時間が経ってから体に違和感が出た」というケースは少なくありません。
安易に「物損事故のみ」として処理する前に、以下で紹介する対応をしっかりと踏む必要があります。
関連記事
交通事故で後から痛みが…対処法と因果関係の立証方法は?判例も紹介
接触事故の直後に取るべき5つの行動
軽い事故でも、正しい対応をしておかないと後々不利になる可能性があります。以下の5つは事故直後の基本対応です。
- 警察を呼ぶ
どんな軽い事故でも、まずは警察へ通報しましょう。報告義務があります。 - 事故現場の写真撮影
損傷部位、相手の車、事故の状況などをスマホで撮影しておきましょう。 - 相手の連絡先を確認する
氏名、住所、連絡先、車両ナンバー、保険会社の情報をしっかり記録してください。 - ご自身の保険会社にも連絡
自分の保険会社にも早めに事故の連絡をしましょう。連絡が遅れると、本来受けられたはずの補償が受けられなくなる恐れがあります。 - 念のため医師による診察を受ける
痛みがなくても、医師の診察を受けておくことで後のトラブル回避につながります。
自己判断で「怪我はない」と決めつけないことが大切です。
関連記事
交通事故にあったら初期対応の手順は?事故を起こしたらまずすること
軽い接触事故ならではのよくあるトラブル例
軽い接触事故であっても、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。
- 「相手が急に過失を認めなくなった」
事故後に対応を変える人もいます。証拠を残しておくことが非常に重要です。 - 「修理費用が想定以上に高額だった」
一見軽傷でも、バンパー内部などに大きな損傷があることがあります。 - 「後日、身体に痛みが出たが物損事故扱いで人身に切り替えづらくなった」
事故後、速やかに診察を受けていると切り替えやすいでしょう。警察への人身事故届の提出も必要です。 - 「その場で示談したが、その後に大きな損害が発覚した」
一度成立した示談は原則として撤回できないため、追加の請求が困難となってしまいます。
軽い事故こそ、その場の感覚だけで判断しないことが大切です。
保険会社とのやりとりで気をつけること
相手側の保険会社が対応してくれるからといって、すべてを任せっきりにすると、意図しない方向に進むこともあります。
注意すべきポイント
- 過失割合は交渉次第で大きく変わることもある
- 修理費用に関する提示が妥当か確認が必要
- 提案される示談内容が本当に自分にとって適切かを確認すべき
過失割合について意見が食い違う場合や、相手側の保険会社からプレッシャーを受けた場合などは、早めに専門家に相談しましょう。
弁護士に相談するメリットと必要なケース
「怪我もないし、弁護士に頼むほどでは…」と思うかもしれませんが、以下のような場合は相談を検討すべきです。
- 相手が過失を認めない、話し合いが進まない
- 保険会社の提示内容に納得がいかない
- 適切な損害賠償が受けられていないと感じる
- 今後の対応で不安が大きい
弁護士に相談・依頼すると、法的な知識に基づき、適切な過失割合や損害賠償金額となるよう示談交渉を行ってくれます。
弁護士特約が保険についていれば、相談費用や代理交渉費用がカバーされるケースもあります。保険証券を一度確認してみてください。
関連記事
交通事故を弁護士に依頼するメリット9選と必要な理由|弁護士は何をしてくれる?
まとめ|軽い接触事故こそ、正しい対応が将来を守る
車同士の軽い接触事故で「怪我なし」の場合でも、油断は禁物です。
- 警察への通報や現場の記録
- 医師の診察
- 保険会社への速やかな連絡
- 適切な証拠の確保
これらをしっかりと行うことで、後から発生しうるトラブルを防げます。さらに、示談や過失割合で納得がいかないことがあれば、弁護士への相談も視野に入れてください。
「軽い事故だから大丈夫」という思い込みが、トラブルのもとになることもあります。万が一に備え、正しい知識と行動で自分の権利を守りましょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了