外国人とのレンタカー事故の対処法や損害賠償の方法を解説
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交通事故相手が外国人であり、レンタカーとなると「事故後の対応をどうすればよいのか?」「誰に損害を請求できるのか?」といった点について不安になる方は多いでしょう。
結論として、事故の対応については通常の交通事故と違いはなく、基本的にレンタカー会社が加入している保険会社に損害賠償請求を行うこととなります。
本記事では、外国人ドライバーが運転するレンタカーとの間で交通事故が起きた場合の対応方法や、損害賠償請求の方法などについて解説を行っています。
近年、外国人ドライバーが運転するレンタカーとの交通事故の件数が増加していることからも、気になる方は是非ご一読ください。
目次
外国人レンタカー事故の基礎知識と対応の流れ
外国人レンタカーの事故件数が増加している
訪日外国人の観光客の増加に伴い、レンタカーを利用する訪日外国人の数は平成23年から平成27年の間で約4倍となっています。
同時に、外国人ドライバーによるレンタカー事故の件数も増加傾向にあるのです。
※内閣府「訪日外国人観光客事故防止対策について」
近年は、国際免許取得に有利であることから、中国人観光客による日本の運転免許への切り替え(外免切替)が増加しています。
そのため、外国人がレンタカーを利用する機会がより増加し、事故発生の危険性も増大するおそれがあるのです。
外国人レンタカー事故発生時にすべき対応
外国人のレンタカーと事故に遭った場合の対応は、基本的に通常の交通事故における場合と変わりありません。
具体的には、以下のような流れで対応を行います。
負傷者の救護活動や事故現場の安全確保
事故発生後は、負傷者がいるなら救急車を呼びましょう。
また、後続車による事故を防ぐため、車を安全な場所へ移動することも必要です。
警察に通報
被害の程度に関わらず、警察へ事故が発生した旨の通報を行いましょう。
通報は法律で定められた義務であり、怠った場合は罰則の対象となります。
事故相手との情報交換
事故相手の連絡先やレンタカー会社の情報を入手しましょう。
特に、どこのレンタカー会社であるかという点が重要となります。
事故現場における証拠保全
証拠収集のため、事故現場の写真や動画を撮影し、目撃者の連絡先を交換しておきましょう。
ドライブレコーダーが車に搭載されているなら、事故前後の映像を保存してください。
ケガの治療
事故後は速やかに病院を受診して検査や治療を受けましょう。
事故発生から時間が経過してからの受診では、事故とケガの因果関係を疑われる恐れがあります。
事故発生直後は、パニックになりがちですが、冷静に対応することが重要です。
適切な対応を行うことで、後の損害賠償請求をスムーズに進めることができます。
交通事故発生後の初期対応についてより詳しく知りたい方は『交通事故にあったら初期対応の手順は?事故を起こしたらまずすること』の記事で確認可能です。
外国人レンタカー事故の損害賠償請求の進め方
レンタカー会社の保険へ損害賠償請求が基本
外国人ドライバーのレンタカーによる事故は、多くの場合、レンタカー会社の加入している保険会社から損害賠償を受けることができます。
レンタカー会社は、車両を貸し出す事業者として、基本的に対人賠償保険や対物賠償保険などに加入しているためです。
事故が発生した場合、まず、レンタカー会社の保険会社に連絡し、損害賠償請求の手続きを進めましょう。
保険会社が事故状況や損害額を調査し、保険契約に基づいて適切な賠償を行います。
レンタカー会社への損害賠償請求も可能
レンタカー会社の保険だけでは補償が足りない場合や、保険会社との交渉が難航する場合には、レンタカー会社に対して直接損害賠償を請求することも検討しましょう。
レンタカー会社は、車両を貸し出すことで利益を得ていることから、運行供用者として人身損害に対する賠償責任を負っています。
そのため、人身被害ついては、レンタカー会社に対して直接損害賠償を請求することが可能です。
運行供用者の責任については『運行供用者責任とは?わかりやすく具体例つきで解説』の記事で確認することができます。
外国人レンタカー事故で請求できる損害
外国人とのレンタカー事故においては、以下のような損害について損害賠償請求を行うことが可能です。
入通院慰謝料 | 治療のために入院や通院したことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料 |
治療費用 | 投薬費用、手術代、入院費用など |
通院交通費 | 通院のために必要であった交通費 |
入院雑費 | 入院中の生活雑費 |
休業損害 | 治療のために仕事を休んだことで生じる減収 |
後遺障害慰謝料 | 交通事故のケガによる後遺症の症状が後遺障害に該当する場合に請求できる慰謝料 |
後遺障害逸失利益 | 後遺障害により以前のように仕事ができなくなったことで生じる将来の減収 |
介護費用 | 事故の後遺障害により生じる介護のための費用 |
死亡慰謝料 | 被害者が死亡したことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料 |
死亡逸失利益 | 被害者が死亡したことで生じた減収部分への補償 |
葬儀費用 | 葬儀に必要となった費用 |
物的損害 | 車の修理代や代車費用など |
損害の相場額や計算方法については『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事で知ることができます。
どのような損害について賠償請求ができるのか、請求のために必要な証拠をどのように入手するのかといった点については、事故の内容や損害の程度によって異なります。
詳しく知りたい場合は、専門家である弁護士に相談すると良いでしょう。
外国人レンタカー事故が起きたのなら弁護士に相談
外国人レンタカー事故を弁護士に相談するメリット
外国人とのレンタカー事故について弁護士に相談・依頼すると、相場の損害賠償金が得られやすくなったり、被害者の負担が軽減するといったメリットが生じます。
相場の損害賠償金が得らえやすくなる
外国人とのレンタカー事故による損害賠償請求は、基本的にレンタカー会社が加入している保険会社との示談交渉により金額が決まります。
保険会社は少しでも支払う金額を下げるため、相場よりも低い金額で示談するよう交渉してくるでしょう。
相場の金額で示談するためには増額交渉が必要となりますが、法律知識や示談交渉の経験が豊富な保険会社の担当者相手に相場の金額まで増額するよう交渉することは非常に困難です。
しかし、弁護士に相談・依頼を行い、弁護士から増額交渉をしてもらえれば、相場に近い金額まで増額したうえで示談することができます。
専門家からの適切な根拠にもとづいた主張であり、示談交渉が不調に終わると裁判となるおそれが高いことから、保険会社側が増額を認めるのです。
被害者の負担が軽減する
弁護士に依頼すると、保険会社との交渉や証拠の収集などを弁護士が行ってくれます。
損害賠償請求に必要な手続きを弁護士に任せることで被害者自身の負担を軽減し、安心して治療や仕事の復帰に専念することができるでしょう。
弁護士に依頼することで生じるメリットについては『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』の記事でより詳しく知ることが可能です。
アトム法律事務所では無料相談が可能
アトム法律事務所では、交通事故被害者の方を対象とした無料の法律相談を行っています。
交通事故案件の経験が豊富な弁護士に無料で法律相談をすることが可能です。
相談後に依頼となった場合も、原則として着手金は無料のため、お手元のお金に不安がある方でも安心して依頼することができます。
法律相談の予約受付は24時間体制で行っているので、いつでも気軽にご連絡ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了