自転車事故の無料相談窓口6つ|違いや相談できる内容を解説

更新日:

自転車事故の無料の相談窓口

自転車事故では、自動車事故と比べ、加害者が損害賠償金をしっかりと支払ってくれなかったり、後遺障害の認定が困難であったりといった問題が生じることがあります。

問題について調べてみてもよくわからず、どこかの相談窓口に問い合わせたいという人もいるでしょう。

この記事では、自転車事故の無料相談ができる窓口や、問題ごとの相談窓口の選び方を紹介します。

相談窓口によって相談できる内容や条件が違うことがあるので、確認していきましょう。

交通事故の無料法律相談
相談料 無料
毎日50件以上のお問合せ!

自転車事故の無料相談窓口|一部有料あり

法テラス|無料だが一部利用要件あり

法テラスとは、経済的に余裕のない人々が法的トラブルを解決できるように支援する公的機関です。

法テラスの主な業務は、以下の3つです。

  1. 法制度に関する情報提供(電話・メール)
  2. 無料法律相談
  3. 弁護士・司法書士費用の立て替え

電話・メールでの情報提供は、どなたでも利用できます。
相談できる内容は法的手続きやわからない専門用語の解説、状況に応じた相談窓口の紹介です。

損害賠償金の相場や具体的な問題解決策など、個々のトラブルに関する相談は無料法律相談で聞くことになります。

ただし、無料法律相談を利用できるのは収入や貯蓄が一定以下など、いくつかの基準を満たした人のみです。

同じくいくつかの基準を満たした人のみにはなりますが、実際に弁護士や行政書士にサポートを依頼したい場合は、法テラスに費用を立て替えてもらうことも可能です。

こんな人におすすめ

  • 適切な相談窓口がわからない
  • 専門用語や法的手続きなど一般的な知識について教えてほしい
  • 経済状況が一定以下だが、弁護士や行政書士に依頼したい
電話番号0570‐078374
受付日時平日:9時~21時 土曜:9時~17時

交通事故相談所|都道府県・自治体の相談窓口

各都道府県や各自治体には、交通事故に関する相談窓口が設けられていることがあります。こちらも無料で相談できるので、利用してみると良いでしょう。

ただし、以下の点には注意してください。

  • 法的知識や手続きなど一般的な知識について相談できるだけで、個々のトラブルに関する相談はできないことがある
  • 相談員が弁護士ではないことがある
  • 相談員が弁護士でも、その場では委任契約を結べないことがある

交通事故相談所で相談できる内容や相談員は、都道府県や各自治体によって違うことがあります。

利用する際は、自身が相談したい内容を解決できるかどうか事前に確認しておきましょう。

利用のポイント

  • 相談できる内容、相談員について事前に確認したうえで利用する

日弁連交通事故相談センター|相談・示談あっ旋をする

日弁連交通事故相談センターは、日本弁護士連合会(日弁連)が運営する、交通事故の被害者のための無料法律相談・示談あっせん・審査を行う機関です。

電話相談

日弁連交通事故相談センターの電話相談では、全国の弁護士が、交通事故に関する法律相談を受け付けています。電話相談は10分程度で、無料で利用できます。

ただし、過失割合など書類を見ながら相談する必要のある内容については、電話では聞けません。

面接相談

日弁連交通事故相談センターの面接相談は原則5回までで、無料で利用できます。

示談あっせん・審査

日弁連交通事故相談センターの示談あっせん・審査は、弁護士が交通事故の被害者・加害者双方の間に立ち、双方が納得できるような解決を目指すための制度です。

示談あっせん・審査は担当弁護士が必要と判断した場合のみ実施され、無料で利用できます。

ただし、自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故では、原則として示談あっ旋・審査は受けられません。

また、弁護士はあくまでも中立的な立場で介入するため、被害者側の味方というわけではありません。

こんな人におすすめ

  • 二輪車や自動車が相手の事故である
    ※二輪車や自動車の保険加入状況などによっては、示談あっ旋・審査が受けられないことがある
電話番号0120‐078325
受付日時平日:10時~19時

法律事務所|自転車事故全般の相談が可能

法律事務所には、無料相談を受け付けているところも多くあります。

基本的には法的知識・手続きの解説や示談金・過失割合の算定、後遺障害認定や示談交渉のアドバイスなど、一般的な内容から個々の事案に沿った内容まで幅広く相談することが可能です。

複数の法律事務所に無料相談しても良いため、さまざまな弁護士の意見・アドバイスを聞ける点もポイントです。

無料相談のあと委任契約を結べば、後遺障害認定や示談交渉の代理など具体的なサポートを受けられます。

弁護士に依頼する際には費用がかかりますが、弁護士費用特約を使えば自身の保険会社に費用を負担してもらえます。

こんな人におすすめ

  • ある程度まとまった時間、無料相談をしたい
    ※相談時間は法律事務所にもよるが、30分程度話ができることが多い
  • 電話、メール、LINE、対面などさまざまな相談方法から選びたい
    ※具体的な相談方法は法律事務所による
  • 実際にサポートを受ける場合は、被害者の味方として、被害者側の主張を通してほしい
  • 示談交渉に至るまでのさまざまな手続きまで一任したい

自転車ADRセンター|和解を促す(有料)

自転車ADRセンターとは、自転車に関わる交通事故(自転車同士・自転車と歩行者・自転車と器物)を専門に取り扱う裁判外紛争解決機関です。

自転車ADRセンターでは、調停人が中立・公平な立場で事故当事者の間に入り、話し合いを促進し、双方が納得できるかたちでの和解を促してくれます。

ただし、自転車ADRセンターの利用については以下の点に注意してください。

  • 自転車と歩行者の事故、自転車同士の事故、自転車による器物損壊のみが対象
  • 調停の成立には、被害者側・加害者側双方の合意が必要
  • 調停人は中立的な立場であり、被害者側の味方というわけではない
  • 申立手数料や和解成立手数料がかかる
  • 面談、調停は東京で実施される

こんな人におすすめ

  • 示談交渉では話がまとまらなかった
  • 裁判はハードルが高いのでまずは調停での解決を試みたい
電話番号03‐4334‐7959
受付日時月曜、木曜:10時~16時

行政書士ADRセンター|和解を促す(有料)

行政書士ADRセンターとは、行政書士会が設置・運営する裁判外紛争解決機関です。都道府県ごとに設置されていますが、設置されていない都道府県もあります。

行政書士ADRセンターの調停では、中立・公正な立場の調停人(行政書士から選出)が、当事者同士の話し合いを促進し、双方が納得できるかたちでの和解を目指します。

調停が成立した場合、当事者同士が合意した内容が調停調書として作成され、法的効力を持ちます。

ただし、行政書士ADRセンターの利用にあたっては以下の点に注意してください。

  • 費用がかかる(具体的な金額は、各都道府県の行政書士ADRセンターによって異なる)
  • 調停の成立には、被害者側・加害者側双方の合意が必要
  • 調停人はあくまでも中立的な立場であり、被害者の味方というわけではない

こんな人におすすめ

  • 示談交渉では話がまとまらなかった
  • 裁判に移行する前に調停を試みたい
  • 東京以外で住んでおり、自転車ADRセンターの利用が難しい

自転車事故で相談窓口に確認したほうが良い内容

自転車事故においては、以下のような問題について相談することをおすすめします。

  • 自転車事故で後遺症が残った場合の後遺障害認定手続きの受け方
  • 加害者が無保険の場合における損害賠償請求の方法
  • 請求できる損害賠償金の内容と相場額
  • 自転車事故の具体的な過失割合

自転車事故での後遺障害認定の受け方

自転車事故で後遺症が残った場合は、後遺障害認定を受け方について相談すべきケースがあります。

後遺症の症状について後遺障害認定審査を受け、後遺障害等級を獲得することは、後遺障害に関する賠償金を請求するために必要な手続きです。

交通事故においては、基本的に「損害保険料率算出機構」という機関で認定審査を受けますが、自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故では、この機関での審査は受けられません。

加害者の自転車保険、被害者の人身傷害保険、裁判所などに後遺障害等級を判断してもらうことになります。

どの方法で後遺障害認定を受けるのか、認定審査を受けるにあたってどのような対策をすべきなのかは、事故当事者の保険加入状況や被害者の後遺症の状態により異なります。

後遺障害認定の手続きに関する一般的な内容は法テラスや交通事故相談所、法律事務所に相談できます。

適切な後遺障害等級や認定審査の対策など個別的な内容は、法律事務所の弁護士にお問い合わせください。

自転車事故における損害賠償請求の方法

自転車事故では、加害者本人に直接、損害賠償請求を行うことが珍しくありません。

自転車には自転車保険がありますが、加入を義務付けていない自治体もあり、加害者が無保険である可能性が高いためです。

この場合は加害者本人に賠償金を支払ってもらうことになります。
支払いの遅れや踏み倒しのリスクがあるため、適切な窓口に相談し、事前の対策とトラブル発生時の対処法を確認しておくことが重要です。

損害賠償請求の一般的な流れについては法テラスや交通事故相談所、日弁連交通事故相談センター、法律事務所への相談で確認できます。

自転車保険を利用できる場合には、保険会社から支払いを受けるべきでしょう。
自転車保険に関して詳しく知りたい方は『自転車事故の保険請求の流れや補償内容|どんな保険が使える?』の記事をご覧ください。

自転車事故における損害賠償金の内容と相場額

自転車事故において請求できる損害賠償金に関しても相談することがおすすめです。

まず損害賠償金については、被害内容に応じて主に以下のものを請求できます。

  • 自転車事故でケガした場合
    • 治療関係費
    • 休業損害
    • 入通院慰謝料 など
  • 自転車事故で後遺障害認定された場合
    • 後遺障害慰謝料
    • 後遺障害逸失利益
  • 自転車事故で物が損壊した場合
    • 損壊した物の修理費・弁償代 など

それぞれの費目で相場はあるものの、厳密な金額は個別的に算定しなければわかりません。

加害者側は被害者にとって不利な内容を提示してくる可能性があるため、被害者側で請求できる損害賠償の内容や、適切な損害賠償金額を把握しておくことは非常に重要です。

自動車事故ごとの損害賠償金額という個別的な内容については、日弁連交通事故相談センターや法律事務所で相談できます。

その後、被害者側の立場での示談代理を望む場合は法律事務所に、中立的な立場での仲介を望む場合は日弁連交通事故相談センターを選ぶと良いでしょう。

自転車事故において請求できる損害賠償金に関しては『自転車事故の慰謝料相場はいくら?被害者がすべき対応や高額賠償事例』の記事で詳しく知ることができます。

自転車事故における過失割合

自転車事故では、過失割合について問題となりやすため、過失割合の見立てや証明方法について相談しておくと良いでしょう。

自転車事故、特に自転車同士の事故は参考にできる過去の判例や資料が少ないので、当事者間でもめやすいためです。

過失割合の程度に応じて、自身が請求できる損害賠償金額が減額されてしまうことから、過失割合は適切な根拠を持って、しっかりと主張できるよう準備しておくべきでしょう。

個別の自転車事故に関する相談であるため、日弁連交通事故相談センターや法律事務所で相談できます。

自転車同士の事故状況別の過失割合|損害賠償請求と事故後の対応も解説』の記事では、自転車事故同士の過失割合について、事故状況別に紹介しています。
相談前に自身の過失割合を確認してみたい方はご覧ください。

自転車事故の相談窓口の選び方|相談内容ごとに

自転車事故の相談窓口は、以下のように選ぶと良いでしょう。

  • どこに相談したら良いのかわからない
    • 法テラス
  • 自転車事故に関する一般的なことを聞きたい
    • 交通事故相談所
    • 日弁連交通事故相談センター
    • 法律事務所
  • 自転車事故の損害賠償請求や過失割合について、個別的な内容を相談したい
    • 日弁連交通事故相談センター
    • 法律事務所
  • 自転車事故の損害賠償請求だけでなく、後遺障害認定などについても個別的な内容を相談したい
    • 法律事務所
  • 加害者側との仲介を依頼したい
    • 自転車ADRセンター
    • 行政書士ADRセンター
    • 日弁連交通事故相談センター
  • 被害者の味方として、納得のいく示談を成立させてほしい
    • 法律事務所

損害賠償請求に関すること以外にも聞きたいことがさまざまある場合は、法律事務所への相談がおすすめです。

法律事務所であれば、自転車事故に関すること全般を相談できます。

【無料】電話・LINE相談はこちらから

アトム法律事務所では、電話・LINEにて無料相談を実施しています。

自転車事故の損害賠償や過失割合、後遺障害認定など、疑問や不安を幅広くご相談いただけます。

その後、後遺障害認定のサポートや示談交渉の代理を依頼していただくこともできますが、無料相談のみのご利用ももちろん可能です。

まずはお気軽にご相談ください。

交通事故の無料法律相談
相談料 無料
毎日50件以上のお問合せ!

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

突然生じる事故や事件に、
地元の弁護士が即座に対応することで
ご相談者と社会に安心と希望を提供したい。