交通事故の見舞金の相場は?受け取って損しないためのポイント

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交通事故の見舞金

交通事故の見舞金とは、事故の相手方や保険などから、損害賠償や慰謝料とは別に支払われるお金を指します。

加害者からの見舞金は、お見舞いの気持ちを表したものですが、高額だと損害賠償金の前払いとして扱われ、示談金から差し引かれることがあります。

一方で、保険会社から支払われる見舞金は、実際には保険金として支払われるもので、基本的には安心して受け取ることができます。

この記事では、交通事故の見舞金について、種類ごとの相場や受け取る際のリスク、損をしないための判断ポイントをわかりやすく解説します。

「見舞金を受け取っていいのか迷っている方」が、どう対応すべきか判断できる内容になっていますので、ぜひご確認ください。

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目次

交通事故の見舞金とは?慰謝料とは別物

見舞金とは一般的に、加害者から被害者に対して見舞いの気持ちを儀礼的に表すために任意で支払われるお金のことで、慰謝料とは異なります。

慰謝料とは、事故による精神的苦痛に対して支払われる法的に認められた損害賠償金の一部です。

見舞金と慰謝料の違い

項目見舞金慰謝料
意味任意のお見舞金精神的苦痛の賠償金
請求権なしあり
金額任意基準に沿って算定
示談への影響減額の可能性あり示談金の一部として計算

見舞金は、慰謝料や損害賠償金とは別物です。

一般的な見舞金は加害者から任意で支払われます。受け取るかどうかは被害者の自由です。ただし、請求はできません。

これに対して、慰謝料は、被害者に請求権がある損害賠償金です。

交通事故における見舞金と慰謝料はよく混同されますが、両者の違いを理解することが、損せず示談交渉を進めるポイントになります。

適切な慰謝料金額を知りたい方は、以下の計算機をご利用ください。通院期間など10秒程度の入力で、簡単に弁護士基準の慰謝料相場が分かります。

交通事故の見舞金の種類・相場

交通事故の見舞金は、誰から・どの名目でもらうかによって金額の目安や扱いが異なります。

加害者からの見舞金は5万〜10万円程度が相場です。保険会社からの見舞金は契約内容によって異なります(例:1万円〜100万円)。

ここでは、代表的な見舞金の種類ごとに、相場と注意点を確認していきましょう。

(1)加害者からの見舞金│5万〜10万円程度

加害者からの見舞金とは、交通事故の被害者に対し、謝罪の気持ちや誠意を示す目的で支払うお金です。

見舞金の支払いは、法的な義務ではありません。交通事故の見舞金は、社会的な儀礼として、加害者から被害者に対して、任意で支払われるものです。

加害者からの見舞金は、事故後の比較的早い段階で、加害者がお見舞いに訪れた際に渡されることが多く、現金のほか、果物や花などの品物が贈られる場合もあります。

なお、トラブルを避けるため、加害者側の保険担当者が同席するケースもあります。

加害者からの見舞金の相場

加害者からの見舞金の金額は、事故によるケガの程度や入通院の有無などによって大きく異なります。

加害者側から受け取ったお金が損害賠償額から差し引かれるかどうかは、金額だけでなく、渡された場面や趣旨によって判断が分かれています。

同じ30万円でも、渡されるタイミングによって、最終的な賠償額から差し引かれるかどうかが分かれた裁判例もあります。

交通事故で見舞金が問題になった裁判例

事案金額差し引かれたか
2歳男児が駐車場で車にひかれ死亡。15万円(加害者が葬儀会場の受付で渡した)差し引かれなかった(葬儀会場で渡された場面、金額から、補償目的とは認められなかった)
1歳男児が父親の運転する車に同乗中、追突事故に遭い、頭蓋陥没骨折等を負い、後遺障害12級12号。20万円(加害車両のタクシー会社が見舞金として渡した)差し引かれた
2歳男児が道路を横断中に車と衝突し、のちに死亡。①30万円(事故直後に見舞金として渡した)
②30万円(亡くなった日に香典として渡した)
①差し引かれた(やや高額で損害填補の趣旨も含まれるとされた)
②差し引かれなかった(社会儀礼上の金銭と認められた)

※15万円:福岡地判平成27年5月19日
 20万円:神戸地判平成8年5月30日
 30万円:大阪地判平成5年2月22日

交通事故の見舞金に明確な決まりはありませんが、一般的には5万〜10万円程度が目安です。入院を伴う場合や亡くなった場合など、重大な事故では10万円を超えることもあります。

  • 低めになりやすいケース
     軽いケガで通院期間が短い場合や、事故の影響が比較的軽微な場合
  • 高めになりやすいケース
     入院を伴うケガを負った場合や、後遺障害が残る可能性がある場合

ただし、高額な見舞金は損害賠償金の前払いとして扱われ、示談のときに差し引かれることがあります。「見舞金は別にもらえた」と思っていると、示談金が想定より少なく感じられるので注意しましょう。

相場を大きく超える見舞金を提示された場合は、損害賠償金の前払いのつもりではないか、受け取る前に趣旨を確認しておきましょう。

注意

加害者側がお見舞いに来た際、その場の雰囲気によっては気が緩み、「こちらも悪かった」「そこまでひどいケガではなかった」などと言ってしまうことがあります。

しかし、こうしたお見舞い時の発言により、のちの示談交渉で不利になってしまう可能性があります。

特に加害者側の保険担当者が付き添ってきた場合は、慎重に発言するようにしましょう。

見舞金を受け取るかどうかも含め、対応に迷う場合は、その場で結論を出さず、後から判断するようにしましょう。

交通事故のケガに対するお見舞金を受け取ってよいか迷ったときは、受け取る前に弁護士へ相談することもできます。アトム法律事務所では、電話・LINEで無料相談を受け付けています。

(2)保険会社からの見舞金(搭乗者傷害保険)│契約内容による

交通事故では、自分が加入している自動車保険から支払われる保険金を、見舞金と呼ぶことがあります。
代表的なものが、任意保険の「搭乗者傷害保険」です。

搭乗者傷害保険は、被保険自動車に搭乗中(運転中・同乗中)に交通事故に遭い、ケガや死亡をした場合に、契約内容で定められた金額が支払われる保険です。

相手がいる事故だけでなく、自損事故でも支払い対象になる点が特徴です。

保険金は、交通事故後に所定の請求手続きを行うことで支払われます。

保険会社からの見舞金の相場

保険会社からの見舞金(搭乗者傷害保険金)の金額は、加入している保険の契約内容によってあらかじめ決められています。

一般的には、数万円〜数十万円程度がひとつの目安となります。

具体的な金額は、日額方式または部位・症状別払いで決まります。

  • 日額方式
    「保険加入時に定めた日額×入通院日数」の計算方法で算出した金額が支払われる
  • 部位・症状別払い
    事故によりケガした部位や症状によって定額の金額が支払われる

日額方式での保険金の支払い対象となるのは、基本的に事故発生日を含め180日以内に入通院した場合のみです。

部位・症状別払いは、たとえば「おとなの自動車保険の搭乗者傷害特約」では、治療(入通院)が4日以下の場合は一律で1万円が、5日以上の場合は下表のとおり部位症状に応じて10万~100万円が支払われます。

金額
治療(入通院)4日以下一律1万円
打撲など※10万円
骨折や靭帯断裂など※30万円
上肢や下肢の切断、眼球や胸腹部臓器の破裂など※50万円
脳損傷、頭蓋内出血、頸髄損傷、脊髄損傷など※100万円

※治療(入通院)5日以上

このように、部位・症状別払いでは治療日数が5日以上かどうかで支払額が大きく変わる契約があります。通院日数とあわせて、契約内容を確認しておきましょう。

保険会社の見舞金は基本的に安心して受け取れる

保険会社から支払われる見舞金は、損害賠償とは別枠の保険金です。
そのため、原則として、加害者側との示談金が減額されるといった不利益につながることはありません。

ただし、加入している保険の内容を把握していないと、請求できる保険金を受け取り損ねてしまうこともあります。
事故後は、自動車保険の契約内容を一度確認しておくことが大切です。

(3)その他の見舞金

交通事故の見舞金は、加害者や保険会社から支払われるもの以外にも、加入している団体や制度によって給付を受けられる場合があります。

ここでは、代表的なものとして、交通安全協会と交通災害共済について解説します。

交通安全協会からの見舞金の相場

交通安全協会の会員が交通事故に遭った場合、交通安全協会から見舞金が支給されることがあります。

たとえば茨城県交通安全協会では、以下のような見舞金が支給されます。

  • 会員が交通事故により30日以上の継続入院治療を必要とするケガをした場合
    5万円の入院見舞金を支給
  • 30日以内に死亡した場合
    遺族の方に対し10万円の死亡弔慰金を支給

※一般財団法人 茨城県交通安全協会

見舞金の申請方法

最寄りの地区交通安全協会や交通安全協会事務局への請求が必要です。

申請の際には、請求書のほかに、交通事故証明書(自動車安全運転センターで発行してもらえます)、振込口座と会員証の写しが必要です。

あわせて、入院見舞金では30日以上入院していたことを証明できる書類、死亡弔慰金では死亡診断書や戸籍謄本などの添付書類が必要となります。

「歩行中又は自転車運転中による交通事故」、「交通事故発生時にシートベルトまたはヘルメットを装着していなかった」などの事故は対象外で、見舞金は支払われません。

見舞金の対象にならない例

  • 歩行中又は自転車運転中による交通事故
  • シートベルト・ヘルメット未装着
  • タクシー・バスの乗客
  • 飲酒運転、無免許運転、過労運転又は覚せい剤等、薬物が影響する運転による交通事故
  • 自然災害に起因するもの
  • 申請日が、交通事故発生から起算して1年を経過したもの
    など

詳しくは、警察署内にある最寄りの各地区交通安全協会までお問い合わせください。

交通災害共済からの見舞金の相場

交通災害共済は、交通事故によるケガや死亡に備えるための共済制度で、加入している場合には見舞金(共済金)を受け取れる可能性があります。

金額や支給条件は、各共済ごとに定められています。

たとえば東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済である「ちょこっと共済」では、災害等級を定めており、その等級に応じて見舞金が支払われます。

年会費が500円の場合、2万~150万円の見舞金が支払われます。

詳しくは下表のとおりです。

等級交通災害の程度金額※
1級死亡150万円
2級重度の後遺障害100万円
3級入院日数30日以上17万円
4級・入院日数10日以上30日未満
・実治療日数30日以上
7万円
5級実治療日数10日以上30日未満4万円
6級実治療日数10日未満2万円

※東京市町村総合事務組合 ちょこっと共済 共済制度について
※表は、会費が年額500円の場合(Bコース)の見舞金です。会費が年額1000円の場合(Aコース)では、見舞金の金額は変わります。

加害者から見舞金を受け取る際のリスクと損しない対応

加害者からの見舞金は、必ずしも受け取ってはいけないものではありません。

ただし、受け取り方によっては不利になる可能性があるため、あらかじめリスクと対応方法を知っておくことが大切です。

リスク(1)示談金が減額されることがある

加害者からの見舞金を受け取ると、損害賠償金(示談金)が減額されることがあります。

本来、見舞金は損害賠償とは別物であり、損害額(示談額)に影響を与えないのが原則です。

しかし、加害者側が見舞金を「損害賠償金の前払い」と考えて支払っていた場合、最終的な損害賠償金から差し引かれるおそれがあります。

また、ケガの程度に対して見舞金が過度に高額な場合は、慰謝料や損害賠償金の先払い(一部弁済)とみなされ、最終的な損害賠償金から差し引かれる可能性があります。

そのため、見舞金を受け取る場合は、損害賠償とは別に支払われたものであることを明確にしておくことが重要です。

リスク(2)加害者の刑が減軽されることがある

見舞金を受け取ることで、加害者の刑事責任が軽くなることがあります。

人身事故の場合、加害者は起訴されれば刑事罰を受ける可能性があります。

しかし、被害者が見舞金を受け取っている場合、「すでに一定の謝罪がなされ、被害者もこれを受け入れている」と評価され、不起訴になったり、刑が軽くなったりすることがあります。

加害者の刑事責任を軽減させたくないと考えている場合は、見舞金を受け取るかどうか慎重に判断する必要があります。

リスク(3)高額すぎる見舞金は贈与税など課税対象になるおそれ

損害の内容に比べて高額すぎる見舞金は、贈与税など課税対象になるおそれがあります。

交通事故における見舞金は、原則として非課税です。

社会通念上相当と認められる範囲の見舞金には、所得税も贈与税もかからない扱いとされています(所得税法施行令第30条3号、相続税法基本通達21の3-10)。

ただし、損害の内容と照らし合わせて、過剰に高額な見舞金は贈与と判断され、課税される可能性があります。

どの程度の金額が問題になるかはケースごとに異なるため、高額な見舞金を提示された場合は、事前に専門家へ相談しておくと安心です。

【重要】加害者が見舞金を申し出てきた際の適切な対応方法

加害者が見舞金を申し出てきた場合、その場で結論を出す必要はありません。

受け取る場合には、見舞金が損害賠償金とは別であることを、口頭だけでなく書面で明確にしておくことが大切です。

たとえば、領収書を作成する際に「本見舞金は損害賠償金とは別である」旨を記載し、その写しを保管しておく方法があります。

また、見舞金のやり取りの中で示談に関する話が出ても、正式な示談交渉が始まるまでは応じないようにしましょう。

なお、見舞金を受け取らない(お断りする)ことにしても、治療費や慰謝料などの損害賠償を請求する権利には影響しません。断る場合は「見舞金はお気持ちだけ頂戴します。賠償のことは、保険会社や弁護士を通じてお話しさせてください。」などと伝えれば十分です。

見舞金の不安は弁護士に相談

加害者側からの見舞金は社会通念上珍しいものではありませんが、示談金や刑事責任、税金に影響する可能性がある点には注意が必要です。

「受け取っても問題ない金額か」「領収書や書類にサインしてよいか」「どう対応すべきか」で迷った場合は、署名する前に、弁護士へ相談しておくと安心です。

アトム法律事務所では電話・LINEにて無料相談を実施しています。無料相談のみのご利用も可能なので、ぜひご活用ください。

保険会社から見舞金を漏れなく受け取るための注意点

【前提】保険会社の見舞金は安心して受け取って良い

まず大前提として、ご自身やご家族が契約している保険会社から保険金として支払われる見舞金は、原則として安心して受け取って問題ありません。

保険会社から見舞金を受け取ったからといって、原則として、賠償交渉で不利になったり、加害者の刑事罰が軽くなったりすることはありません。

ただし、保険金には以下の2種類があります。

  • 加害者への賠償金とは「別枠」で受け取れるもの(搭乗者傷害保険など)
  • 最終的に賠償金と調整されるもの(人身傷害保険など)

事故直後は混乱しやすく、本来請求できる補償を見落としてしまうこともあります。
もらい漏れを防ぐためにも、契約内容を一度整理して確認しましょう。

注意点(1)契約内容(人身傷害・搭乗者傷害など)をよく見る

自動車保険(任意保険)では、特に次の2つの補償内容を確認しておくことが重要です。

  • 人身傷害保険
    事故による治療費や休業損害、慰謝料など、実際に生じた損害額を、過失割合にかかわらず保険金額の範囲内で補償する保険です。
    この保険金は損害の填補にあたるため、最終的に加害者へ請求する賠償金と調整(損益相殺)されます。
    ただし、示談成立前に治療費や当面の生活費を受け取れるという点では、大きなメリットがある保険といえます。
  • 搭乗者傷害保険
    入院日数やケガの程度などに応じて、あらかじめ決められた定額の保険金が支払われる保険です。(例:入院1日につき1万円、死亡・後遺障害で〇〇万円など)
    これは損害の填補とはみなされず、原則として加害者からの賠償金から差し引かれることはありません。

人身傷害保険は損害の補填という点で、加害者からの損害賠償金と目的が同じです。そのため、損害賠償金との二重取りにならないよう、損益相殺されます。

一方、搭乗者傷害保険は損害の補填とは別物なので、損益相殺はされず、賠償金とは別枠で受け取れます。

搭乗者傷害保険の死亡保険金は損害賠償額から差し引けないとされた裁判例

最判平7・1・30(平成3年(オ)1038号)

子どもが他人の運転する自動車に同乗中、別の自動車との衝突事故で死亡し、両親が、同乗していた車の自動車保険(搭乗者傷害条項)から死亡保険金1000万円を受け取った事例。


裁判所の判断

「本件条項に基づく死亡保険金は、被保険者が被った損害をてん補する性質を有するものではない」

最判平7・1・30(平成3年(オ)1038号)
  • 搭乗者傷害保険は、搭乗者やその遺族を保護するために定額の保険金を支払うもので、損害を埋める性質はないと判断。
  • 死亡保険金1000万円を損害額から差し引いた高裁の判断を誤りとし、差し引かずに賠償額を算定。

ただし、加害者が保険料を負担している車に同乗していた場合などには、搭乗者傷害保険金を受け取ったことが、慰謝料の金額を決める際の事情として考慮された裁判例もあります(東京高判平7・4・12 平成6年(ネ)4253号)。

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注意点(2)自動車保険以外も確認する

自動車保険以外にも、ご自身や家族が加入している保険から給付を受けられる場合があります。

  • 生命保険:入院・手術特約など
  • 医療保険:入院・通院給付金など
  • その他:会社の団体保険、家族が契約する保険など

これらの保険から支払われる給付金は、多くの場合で定額給付として支払われ、加害者への賠償金とは別枠で受け取ることができます。

事故後は自動車保険に意識が集中しがちですが、他の保険を確認し忘れると、受け取れるはずのお金を取り逃すおそれがあります。
加入している保険を一度整理し、漏れなく確認しておきましょう。

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交通事故の見舞金を受け取ったあとの流れ

加害者からの見舞金は、事故後の早い時期に渡されることが多いものです。見舞金を受け取ったあとは、下図のような流れで示談金の受け取りまで進みます。

事故発生から示談金回収までの流れ

(1)治療

見舞金を受け取っても、治療費は見舞金とは別に、通常は加害者側の保険会社から支払われます。

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(2)治癒・完治

ケガが治った場合は、治療を終えて示談交渉に進みます。

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(3)症状固定・後遺障害認定の申請

治療を続けてもそれ以上よくならない状態(症状固定)になり、後遺症が残った場合は、後遺障害認定の申請をします。見舞金を受け取っていても、原則として後遺障害の賠償は請求できます。

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(4)示談交渉(示談金受取)

高額な見舞金を受け取っている場合は、示談金から差し引かれていないか、示談案の内訳を確認しましょう。差し引かれる場合は、その分を除いた額が振り込まれます。

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(5)ADR・裁判(和解金受取)

示談がまとまらない場合は、ADRや裁判で解決を目指します。裁判では、受け取った見舞金を差し引くかどうかも裁判所が判断します。

ADRとは

ADRとは、裁判外紛争解決手続(Alternative Dispute Resolution)の略称であり、訴訟によらずに民事上の紛争を解決するための手続きを指します。調停や仲裁、あっせんなどの方法を用いて、当事者間の話し合いを通じて柔軟かつ迅速に問題を解決することを目的としています。裁判と比較して、時間や費用を抑えられる点や、非公開で進められるためプライバシーが守られる点が大きな特徴です。

交通事故の場合、交通事故紛争処理センターなどのADRを用いることも多いです。

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交通事故の見舞金でよくある質問

Q.示談前にお金を得る方法は見舞金以外にもある?

あります。例えば、被害者請求、仮渡金請求、内払い金請求です。

自賠責保険への被害者請求

被害者請求とは、加害者側の自賠責保険会社に対して、被害者が直接損害賠償金を請求することです。

交通事故の損害賠償金は通常、示談成立後にまとめて支払われますが、被害者請求をすれば自賠責保険の支払い分のみ示談前に受け取れます。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

※加害者が任意保険未加入の場合、任意保険分は加害者本人が支払う

ただし、自賠責保険金には、傷害・後遺障害・死亡による損害の3つそれぞれに支払限度額があるので、その点には注意が必要です。

自賠責保険への被害者請求については『交通事故の被害者請求|自賠責保険に請求するには?やり方とデメリット』の記事も参考になります。

自賠責保険への仮渡金請求

仮渡金は、損害額が確定する前に損害賠償金の一部を前払いしてもらう制度です。ケガの程度に応じて5万円・20万円・40万円、死亡事故の場合は290万円が支払われます。

ただし、仮渡金として受け取った金額が、のちに確定する損害賠償金よりも高くなった場合は、差額分を返金しなければなりません。

任意保険への内払い金請求

内払い金請求とは、損害賠償金の一部を示談成立前に支払ってもらえるよう、加害者側の任意保険会社に請求することです。

特に休業損害のように早く支払ってもらわなければ困る費目は、内払いしてもらえる傾向にあります。

ただし、内払いしてもらえるかは加害者側の任意保険会社の判断や被害者側による交渉次第です。

内払いや仮渡金については『交通事故の慰謝料を先払いしてもらう方法|内払い・仮渡金などの条件を解説』でさらに詳しく解説しています。

Q.見舞金を受け取っても後遺障害など追加請求できる?

原則として可能です。
見舞金を受け取るだけなら、あとから後遺障害認定された場合でも、追加の補償を請求できます。

ただし、「示談書」などの書類にサインをしてしまうと、追加請求はできなくなるのが基本です。

たとえば、「見舞金を渡す代わりに、これで解決とする」といった内容の書類に署名してしまうと、後から重い後遺障害が判明しても、それについての請求ができなくなるおそれがあります。

お金を受け取るだけであれば問題ありませんが、書類への署名を求められた場合は、その場で応じず、必ず専門家に相談しましょう。

Q.加害者がお見舞いに来ないと慰謝料は増額する?

原則として増額はされません。
加害者がお見舞いに来ないという理由だけで、慰謝料が増額されることは通常ありません。

ただし、加害者の対応が著しく不誠実で、被害者に強い精神的苦痛を与えたと判断されれば、例外的に増額が認められる可能性もあります。

もっとも、加害者がお見舞いに来ない背景には、保険会社から直接の接触を控えるよう指示されているといった事情があることも少なくありません。
感情的に判断せず、状況を冷静に見極めることが大切です。

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Q.加害者に見舞金を請求することはできる?

できません。見舞金は加害者が任意で支払うもので、被害者に請求する権利はないためです。
ただし、治療費や慰謝料、休業損害などの損害賠償は、見舞金を受け取ったかどうかにかかわらず請求できます。

見舞金や示談前のお金にお困りなら弁護士に相談を

さいごに、交通事故の見舞金についておさらいしておきましょう。

  • 加害者からの見舞金
    • 5万〜10万円程度が相場。
    • 社会通念上、見舞金の域を超えて高額である場合、慰謝料などの先払い(一部弁済)扱いとなり、最終的な損害賠償金から差し引かれる可能性がある
    • 加害者の刑事責任が軽減される可能性
    • 贈与税などの課税リスク
  • 保険会社からの見舞金(搭乗者傷害保険)
    • 契約内容による(例:1万円〜100万円)
    • 原則として示談金は減らない
    • 請求しないと受け取れない
  • 交通災害共済・交通安全協会からの見舞金
    • 等級や入院日数に応じた定額(例:2万円〜150万円)
    • 加入が条件。支給条件や申請期限は制度ごとに異なる

交通事故の見舞金で悩んだら、専門家である弁護士に相談してみるのも有効です。

弁護士に相談するメリット

見舞金を受け取るかどうかは、被害者自身で判断することも可能ですが、状況によっては後の示談交渉に影響が出るおそれがあります。

弁護士に相談することで、以下の点を適切に判断できます。

  • 見舞金を受け取って問題ないケースかどうか
  • 示談前にお金を受け取る場合、どの方法が適しているか
  • 今後の示談交渉に支障が出ない対応方法
  • 見舞金を受け取る際や書類に署名する前に、注意すべき点

「今すぐ依頼するかは決めていない」という段階でも、判断材料を得る目的での相談は十分に意味があります。

弁護士費用の負担は減らせる

交通事故を弁護士に相談・依頼するには費用がかかりますが、費用負担を抑える方法もあります。

たとえば以下の通りです。

  • 相談料・着手金が無料の事務所に相談・依頼する
  • 弁護士費用特約を使う

弁護士費用特約が付いていれば、上限額までの弁護士費用を保険会社に負担してもらえます。上限額は、一般に、相談料10万円程度、弁護士費用(着手金・報酬金)は300万円程度です。

弁護士費用特約とは

ご自身の保険だけでなく、家族が加入している保険に付帯しているケースもあるため、一度確認してみるとよいでしょう。

交通事故のご依頼者様の声

ここでは、過去にアトム法律事務所を利用されたご依頼者様の声をご紹介します。

当方、過失の無い事故で相手保険会社から提示された補償金額が妥当か?分からず相談しました。敏速な対応で、提示された倍以上の補償金で解決して頂き、本当にご相談させて頂き良かったと思っております。早くにお振込みも頂き、ありがとうございました。

バス乗車中の急ブレーキで右上腕骨脱臼骨折を負った事例

加害者が最後まで事故当初から身体を気遣うお見舞いの言葉等、一度も誠意ある電話連絡すらなかった大変な人で、精神的にもとても悩まされ、さらに百戦錬磨の保険会社相手との示談交渉では、素人では現在も残っている症状を含めてのお話しはむずかしいと考え、アトム法律事務所様にお願いしました。最後まで身体のこと気遣っていただき、ありがとうございました。結果的に、本当にアトム法律事務所様にお願いして良かったと思います。

停止中に玉突き事故で頚椎捻挫と左手しびれを負った事例

全く誠意の感じられない相手方の保険会社と根気強く交渉して下さり、大変感謝しています。LINEでやりとりができるというのが、本当に便利で助かりました。相手方保険会社の対応が遅く、何度も催促して頂いたり、自分だけでは決してゴールにたどり着けなかったと思います。

バイク直進中に右折車と衝突し右足骨折等を負った事例

このほかにも、交通事故のご依頼者様からいただいたお手紙を多数掲載しています。詳しくは『ご依頼者からのお手紙』をご覧ください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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