第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
痴漢は不同意わいせつ(旧強制わいせつ)か迷惑防止条例違反か?逮捕や示談も解説
- 痴漢は不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)になる?迷惑防止条例違反になる?
- 不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反の刑罰は?
- 痴漢事件において重要な弁護活動とは?
痴漢行為は不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)または迷惑防止条例違反にあたる犯罪行為で、逮捕される可能性があります。
痴漢と不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反との関連、痴漢行為に対する刑罰、逮捕後の流れを知っておくことは、今後の対応において大切です。
痴漢事件にくわしい弁護士だから知っている対処法や示談の進め方があります。最後までお読みいただき、弁護士への相談・依頼も検討してください。
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目次
痴漢は不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)か迷惑防止条例違反か?
痴漢の悪質性で適用される犯罪は変わる
痴漢行為は、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)または迷惑防止条例違反が適用され、逮捕に至る場合もあります。
傾向として、悪質な痴漢は不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が適用され、比較的軽微な痴漢は迷惑防止条例違反が適用されると考えてください。
もっとも、痴漢行為が悪質かどうかは総合的に判断され、判断基準が明文化されているわけではありません。
不同意わいせつ | 迷惑防止条例 | |
---|---|---|
根拠 | 刑法 | 都道府県ごとの条例 |
態様 | 比較的悪質 | 比較的軽微 |
痴漢の罪名しだいで刑罰も変わる
痴漢で不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)となったときの刑罰は、6か月以上10年以下の拘禁刑(改正があるまで懲役刑が科される)です。罰金刑はありません。
一方で痴漢行為が迷惑防止条例違反になった場合、その刑罰は都道府県が制定する条例しだいです。
たとえば東京都の迷惑防止条例に違反する痴漢行為については、その刑罰は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金になります。
刑罰
- 不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)
6ヶ月以上10年以下の拘禁刑 - 迷惑防止条例違反の罪(東京都の場合)
6ヶ月以下の懲役
または
50万円以下の罰金
なお、不同意わいせつ罪は、2023年7月13日以後の痴漢事件に適用され、2023年7月12日以前については、旧法の強制わいわせつ罪となります。
旧法の強制わいせつ罪の刑期は、6ヶ月以上10年以下です。
痴漢でどんな刑罰を受けるのかをもっと知りたい方は、『痴漢は何罪?刑罰や逮捕の可能性などを解説!』の記事をお読みください。
痴漢は親告罪ではなくなった
親告罪とは被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪のことです。親告罪であれば、被害者等の告訴権者が告訴をしないかぎり、加害者は罪に問われません。
不同意わいせつ罪の前身である「強制わいせつ罪」は、もともと親告罪でした。そのため、かつては、強制わいせつになる痴漢事件で罰せられる可能性があるのは、被害者等が告訴した場合のみでした。
しかし現在、痴漢は親告罪ではありません。
2017年の法改正によって強制わいせつは親告罪ではなくなり、不同意わいせつ罪へと改められた今も、親告罪ではありません。
親告罪でないということは、被害者等の告訴がなくても刑罰を受ける可能性があるということです。
では、悪質な痴漢と比較的軽微な痴漢とはどういったものかについて、続けてみていきましょう。
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)とされる痴漢
悪質な痴漢行為は不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)になる!
痴漢行為が悪質と判断されると不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が適用されます。
相手の身体に直接触れる・自分の体に触れさせるといった痴漢行為は、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が適用される可能性が高いです。
あるいは、衣服の上からでもしつこく触り続ける、強引に触らせるなどは悪質とされ、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)に問われる可能性もあります。
悪質と判断される傾向が強い例
- 下着の中に手を入れる、手を入れさせる
- しつこく何度も痴漢をする
- 押し倒す、抱き着く、羽交い絞めにするなどの行為をともなう
など
なお、2023年7月12日以前は、不同意わいせつ罪ではなく、旧法の強制わいせつ罪が適用される可能性があります。不同意わいせつ罪と強制わいせつ罪の違いについては、『不同意わいせつ罪とは?強制わいせつ罪との違いは?要件・刑罰・時効など』関連記事をお読みください。
不同意わいせつ(旧強制わいせつ)の事例
過去にアトム法律事務所であつかった痴漢行為のうち、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が適用された痴漢の態様を示します。
実例5選
- 電車内で自分の陰部を露出し、乗り合わせた女性に触らせた
- 電車内で被害者の胸を触る、下着の中に手を入れた
- 被害者の衣服の中に手を入れて臀部に触れた
- 電車において、座席に座って泥酔し寝ていた被害者に対して胸を触った
- 運転中で抵抗できない被害者の胸をもむなどした
痴漢で不同意わいせつに問われた場合の対応方法
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)では、相手方に謝罪と賠償を尽くすことで許してもらい、寛大な処分を望むことも可能です。
アトム法律事務所においても、逮捕を回避できたり、不起訴となり前科がつかなかったりする痴漢事件は多数あります。
早急な対応が必要になりますので、刑事事件にくわしい弁護士への相談を検討してください。
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迷惑防止条例違反とされる痴漢
迷惑防止条例違反は比較的軽微な痴漢
迷惑防止条例違反になる痴漢事件は、痴漢行為の態様が比較的軽微であるケースです。
衣服の上から臀部や胸に触れる、衣服越しに相手に陰部を当てるといった痴漢行為のうち、軽微な態様であれば迷惑防止条例違反になることもあるでしょう。
もっともその痴漢行為が悪質かどうかは総合的に判断されるので、この程度なら迷惑防止条例違反で済むという線引きはありません。
迷惑防止条例違反が適用された事例
過去にアトム法律事務所であつかった迷惑防止条例違反の痴漢行為については、以下のような実例があります。
迷惑防止条例違反の痴漢
- 事案
電車内で隣に座っていた女性の太ももを触った。 - 逮捕
逮捕あり。弁護活動により勾留請求却下(勾留なし)。 - 示談
示談成立。 - 結果
不起訴。
ほかの事例も知りたい方は、アトム法律事務所の刑事事件データベースも参考にしてください。
そもそも迷惑防止条例とは?
迷惑防止条例とは、痴漢・盗撮・客引き・きまとい等の迷惑行為について、都道府県ごとに罰則が定められた条例のことです。
迷惑防止条例は、都道府県ごとに制定されています。条例の正式名称、罰せられる行為、刑罰などは都道府県ごとに若干異なり、バラエティに富むものです。
たとえば、東京都の迷惑防止条例(正式名称:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)では、正当な理由なく、人を著しく羞恥させたり、不安を覚えさせるような態様で、「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れる」というような痴漢行為が処罰されます。
迷惑防止条例違反の刑罰について詳しく知りたい方は『迷惑防止条例違反の初犯は罰金?不起訴や罰則の相場を解説!』もご覧ください。
不同意わいせつ(旧強制わいせつ)や迷惑防止条例違反での示談
被害者と示談すると刑事処分はどうなる?
示談が成立すると、不起訴になったり、刑が軽くなったりする可能性があります。示談成立は、加害者にとって有利な情状として考慮されるからです。
示談とは、刑事事件の被疑者が、被害者と和解をするための方法をいいます。民事事件の和解としての側面だけでなく、刑事事件にも影響を与える示談について、具体的な進め方をみていきましょう。
痴漢事件の示談手順
痴漢の被害者との示談では、まずは加害者から、被害者に謝罪を申し入れます。
それから示談金や示談条件について、被害者側との話し合いによって決定していく流れです。話し合いの過程には、再発防止策が含まれることもあります。
示談条件について両者が合意できたら、示談成立です。
示談の成立は、当事者間では紛争が解決しており、和解が出来ていることを意味します。そのため不備の無い示談書を作成できれば、示談成立以後、追加で示談金を支払うように請求されることはなくなります。
関連記事『刑事事件の示談とはどういうもの?示談の方法や流れ、タイミングを解説』を読むと、刑事事件の示談に関する理解が深まります。
痴漢事件も不起訴なら前科はつかない
不起訴には、嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予の3つがあります。いずれにせよ不起訴で事件終了となれば、刑罰を受けることはなく前科はつきません。
実際に痴漢事件をおこしている場合でも、「起訴猶予」という不起訴を目指すことは可能です。
起訴猶予を目指すための方法
起訴猶予とは、犯罪をした場合でも、諸事情を考慮して不起訴になる制度です。
起訴猶予とするかどうかは検察官が決めます。そのため起訴猶予を目指すには、起訴猶予になる要素があることを検察官に伝えて、説得する必要があります。
起訴猶予になる要素が現時点でない場合は、早期に準備を進めましょう。
たとえば、被害者に賠償をして示談が成立している場合等は、起訴猶予になる可能性が高まるでしょう。
無料の弁護士相談などを活用して、あなたの事件解決に必要な要素を確認してください。
関連記事
被害者との示談交渉以外の対策
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反の痴漢行為の場合、被害者の方との示談が、不起訴になる要素のうちで最も重要な要素のひとつであると言えるでしょう。
そのほか痴漢行為をくり返さないように、再犯の可能性を低くする必要もあります。必要であれば、しかるべき医療機関で、性的な考え方を治すための治療を受けることも検討すべきでしょう。
不起訴を目指すには、反省をしていること、再犯可能性が低いことを訴える必要があります。
示談交渉、贖罪寄付、性的嗜好の治療、自助グループへの参加、配偶者・同居のご家族による身元引受等あらゆる対策を講じましょう。
また、警察が犯人を特定する前に出頭し、自首を成立させることで、逮捕の回避や、刑事処分の軽減につながる場合もあります。不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)の自首については『不同意わいせつ(旧強制わいせつ)で自首するとどうなる?自首後の流れとメリット・デメリットを解説』で解説しています。
痴漢事件の示談を弁護士に任せるべき理由
被害者との連絡や示談交渉をスムーズに進む可能性を高めたいなら、弁護士に示談交渉を依頼することが一般的です。その理由を被害者への連絡面と示談交渉のまとめ方の面から説明します。
被害者への連絡を弁護士にまかせたほうが良い理由
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反の痴漢行為については、被害者が、加害者と直接連絡をとりあうことを拒否する傾向が強いです。
警察官や検察官からも「加害者本人には被害者の連絡先を教えられない。でも弁護士だけに情報をとどめておけるなら、連絡先を教えられる」という回答が多くなっています。
弁護士がいなければ、示談交渉はおろか、連絡を取ることすら叶わないことが多いのです。
示談交渉を弁護士にまかせたほうが良い理由
弁護士は、加害者の立場から被害者との示談交渉を行い、被害者の心情や要求を理解しながら、適切な示談条件をまとめます。
示談交渉では、以下のような内容を話し合う必要があります。
Point
- 示談金の金額
- 謝罪の内容
- 示談成立後の対応
示談金の金額は、被害者の精神的苦痛や身体的損害を賠償するものとして、被害者と加害者で話し合われます。謝罪の内容は、被害者の心情に寄り添った内容でなければなりません。示談成立後の対応は、被害者との間で具体的に決めておく必要があります。
示談交渉は被害者の心情を尊重し、加害者の立場から誠実に対応することが重要です。ですが加害者としても支払える金額に限度があったり、すべて被害者側の提案通りに対応することが難しかったりすることもあるでしょう。
ただし加害者側から被害者の希望に沿わない提案を持ち出すと、誠意がないと思われる、処罰感情を高める等のリスクがあります。
刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、被害者に接する機会も多いものです。
そのため被害者側の心情にも配慮しつつ、加害者側の代理人として、適切な示談条件を探っていくことが可能です。
関連記事
・痴漢の示談書・謝罪文の書き方テンプレート
・示談不成立の場合どうなる?刑事事件の加害者の弁護士が解説
不同意わいせつ(旧強制わいせつ)や迷惑防止条例違反の逮捕
逮捕されたら警察に何を話すべき?
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反で逮捕された場合、警察には何も話さずに弁護士に連絡するという対応も考えられるでしょう。
というのも痴漢えん罪の場合は、警察から厳しく問い詰められて、自分が犯していない痴漢行為を認めてしまう危険性があります。
混雑した電車内では、少しの揺れでも体が触れてしまうことは自然なことでしょう。しかし軽い気持ちで取調べにのぞめば、誘導質問に乗ってしまい、「その状況を利用して、積極的に触り続けた」等の自分の認識とは全然違う発言が証拠として記録されてしまうリスクもあります。
Point
- やっていないことを認めてしまう可能性がある
- 誘導質問に乗ってしまい、やっていないことを「やった」と記録される
- 警察が自分の話を記録し、後で不利な証拠として使われる可能性がある
このようなリスクを回避するには、何も話さないで、弁護士にどのような対応をとるべきか相談するのが一番です。
すべての事案で何も話さなくてよいとは断言できません。
痴漢行為を認めるケースでは、証拠と整合する発言をすることで、早期釈放や刑事処分の軽減につながることもあるでしょう。具体的な取調べ対策については、弁護士とよく相談されることをお勧めします。
関連記事
・取り調べの対応はどうする?逮捕される可能性は?携帯で録音は違法?
痴漢による後日逮捕は十分ある
痴漢が親告罪ではなくなった今、被害者の被害申告の負担は減ったといえるでしょう。警察の捜査によって痴漢の証拠が集められしだい、逮捕される可能性は十分あるのです。
関連記事『痴漢は現行犯以外では捕まらない?後日逮捕の証拠になるものは?』でも解説のとおり、痴漢は現行犯逮捕とならずとも後から逮捕される可能性があります。
逮捕されたら弁護士に相談すべき?
逮捕されたら、刑事事件を得意とする弁護士に相談すべきです。
逮捕されたご本人には弁護士を呼ぶ権利があります。
またご家族の方からの接見要請によって、弁護士を出張させることも可能です。ご家族が逮捕された場合、早期に弁護士を派遣してあげてください。
刑事事件を得意とする弁護士であれば、今後の事件の見通しを立てて、具体的な弁護方針のもと即座に弁護活動を開始できます。
弁護士に連絡するメリット
- 弁護士は、法律を熟知しており、検察との交渉に有利な状況を作ることができる
- 弁護士は、あなたの心情を理解し、適切な対応をアドバイスすることができる
- 弁護士は、あなたの権利を守ることができる
なお、逮捕直後はご家族ですら面会できませんが、弁護士であれば制限なく、いつでも接見可能です。
ご本人の精神的支えになりながら、取調べの内容から捜査状況を推測してアドバイスをおこない、不適切な取調べには警察・検察に意見するなど、全力でサポートしていきます。
関連記事
・弁護士の接見|逮捕後すぐ面会可能!接見費用は?弁護士接見の必要性
逮捕後の流れは?勾留は続く?
不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反の罪で逮捕された後、48時間以内に検察官に事件が引き継がれます(送致)。
その後、検察官が送致を受けてから24時間以内に、勾留請求されるかどうかが決められます。
裁判官によって勾留が決定されれば、基本的には10日間勾留されることになります。その後も勾留が延長されれば、逮捕から最長で23日間、身体拘束がつづくことになります。
通常は、勾留満期までに起訴/不起訴が決められることになります。
早期釈放をめざすには、検察官や裁判官に勾留の必要性がないこと・不起訴相当であることを主張して理解させる必要があります。
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・逮捕後の流れはどうなる?逮捕後の拘束期間は?早期釈放を実現するには?
不同意わいせつ(旧強制わいせつ)や迷惑防止条例違反の痴漢でお悩みの方へ
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不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や迷惑防止条例違反でお悩みの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士は、逮捕後の取調べ対応のアドバイスや、事件解決に必要な対策を提示してくれます。
痴漢事件では被害者との示談が、早期解決のポイントになることも多いです。ですが、示談にはお相手のお気持ちもあるので、早期に着手したほうが良いでしょう。
アトム法律事務所は刑事事件の解決実績豊富な弁護士事務所です。痴漢事件に関するお悩みについて、アトム法律事務所の弁護士に相談してみませんか。
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