岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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刑事裁判の流れを図解!逮捕から判決までの流れをわかりやすく解説

刑事裁判の流れは?

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

刑事裁判は、「冒頭手続→証拠調べ→弁論→判決」の流れで進み、通常2回の出廷、起訴から約2~3か月で判決が出ます。

一方で、逮捕や捜査の段階で被害者との示談を成立させ「不起訴処分」を得られれば、刑事裁判そのものを回避することも可能です

刑事裁判の当事者やご家族となった際、事前に全体のスケジュールや当日の流れを正しく把握しておくことは、過度な不安を和らげ、迅速かつ適切な対応をするために欠かせません。

この記事では、刑事裁判当日の詳細な流れや、逮捕から判決に至るまでの手続きの流れなどを解説します。

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刑事裁判の流れの全体像(逮捕から判決まで)

刑事事件の流れ

刑事事件の捜査・逮捕の流れ

事件発生後、被害届などをきっかけに、警察などの捜査機関が捜査を開始します。

被疑者(証拠上、犯人の疑いがある人)が逮捕されるケースもあれば、逮捕されずに在宅のまま捜査を受けるケース(在宅事件)もあります。

逮捕された場合は、起訴されるかどうか決まるまで最大20日間の勾留を受ける可能性があります。捜査では、取り調べのほか、被害者の事情聴取や実況見分、家宅捜索なども行われるでしょう。

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起訴から刑事裁判までの期間

捜査が終わると、検察官が起訴するかどうかを判断します。起訴されなければ(不起訴)、刑事裁判にはならず前科もつきません。

不起訴の流れ

起訴される場合、通常は起訴から約1~2か月後に刑事裁判(公判)が開かれます。この間に、検察官・弁護人双方が証拠の開示や収集などの準備を進めます。

刑事事件の流れ

殺人や強盗致死などの重大事件では、裁判員裁判(市民から選ばれた6名の裁判員と職業裁判官3名で審理する制度)が適用されることがあります。

この場合は、公判前整理手続という争点整理の手続きが行われるため、開廷までの期間がかなり延びます。

判決までの期間の目安

刑事裁判の流れ

全面的に事実を認めている事件(自白事件)では、証拠調べの量が少ないため、通常は第1回公判ですべての審理を終え、10日ほど後の第2回公判で判決が言い渡されます。

全体では、起訴後から約3か月程度で終了することが多いでしょう。

裁判所の統計によると、令和6年の第一審における平均審理期間は3.9か月でした(裁判所『通常第一審における終局人員の平均審理期間』より)。

また、令和7年に公判前整理手続に付された通常第一審事件では、平均審理期間は15.2か月でした(最高裁判所事務総局『令和7年 司法統計年報 2 刑事編』より)。

自白事件・否認事件別の平均審理期間と開廷回数

平均審理期間平均開廷回数
自白10.9か月4.1回
否認18.7か月7.2回
総合15.2か月5.9回

複雑な事件や否認事件では、年単位で審理が続くことも珍しくありません。

なお、検察官が略式起訴した場合は、公判が開かれない略式裁判となり、裁判官による書面審理のみで略式命令が出されます

略式裁判では基本的に略式命令となるため、前科を避けたい場合は、略式手続に同意する書面にサインする前に弁護士へご相談ください。

刑事裁判の具体的な流れ│裁判所では何をする?

ここからは、刑事裁判(公判)が実際に開かれた後、法廷で何が行われるのかを具体的に見ていきます。

刑事裁判は、冒頭手続から始まり、証拠調べ手続、弁論手続を経て判決に至る、という流れで進みます。

刑事裁判の流れ

法廷の座席配置と登場人物

刑事裁判の法廷は、概ね次のような配置になっています。

刑事裁判の主な登場人物

刑事裁判の主な登場人物

  • 裁判官
    正面奥の中央(重大事件では3名の裁判官が並ぶ合議体になることもあります)
  • 検察官
    裁判官から見て一方の席
  • 弁護人
    検察官の反対側の席
  • 被告人・証言台
    法廷中央手前

初めて刑事裁判を傍聴・出廷する方にとっては、誰がどこにいて何を話すのかわかりにくいものです。あらかじめ配置と役割をイメージしておくと、当日の流れを理解しやすくなります。

刑事裁判の流れ(1)冒頭手続

刑事裁判の公判期日は、まず冒頭手続から始まります。

冒頭手続では、刑事裁判を始めるにあたって前提となる事柄を確認します。

冒頭手続の流れ

  1. 人定質問
    裁判官が被告人に対し、「名前」「生年月日」「住所」などの項目を質問し、人違いでないか確認。
  2. 起訴状の朗読
    検察官が起訴状を朗読し、どのような事件について審理するのかを確認。
  3. 黙秘権の告知
    裁判官が被告人に対し、黙秘権(供述を強要されない権利)などの被告人の権利について告知。
  4. 罪状認否の確認
    裁判官が被告人に対し、起訴状に記載された内容を認めるか認めないかを聞く。
    被告人は黙秘権を行使することも可能。

実際のやり取りは、たとえば以下のようなイメージです(事実関係に争いのない事件の例)。

  1. 裁判官:「氏名は何ですか」
  2. 被告人:「○○○○です」
  3. 裁判官:「検察官が読み上げた起訴状の内容に、間違いはありますか」
  4. 被告人:「間違いありません」
  5. 裁判官:「弁護人のご意見は」
  6. 弁護人:「被告人と同意見です」

このように、冒頭手続そのものは短時間で進むことが多く、実質的なやり取りは次の証拠調べ手続以降に移っていきます。

刑事裁判の流れ(2)証拠調べ手続

冒頭手続が終了すると、証拠調べ手続が始まります。

証拠調べ手続は、検察官の冒頭陳述から始まり、検察官側・被告人側それぞれの立証が行われ、被告人質問が実施されるという流れになります。

証拠調べ手続の流れ

  1. 冒頭陳述
    検察官が、証拠によって証明しようとする犯罪事実を述べる
    裁判員裁判の場合は、弁護人も冒頭陳述を行う。
  2. 検察官の立証
    検察官が、証拠の取り調べを請求し、弁護人が意見を述べる。
    裁判官は、証拠を採用するかどうかを決定し、採用した証拠のみ確認する。
  3. 被告人側の立証
    弁護人からも証拠の取り調べ請求を行い、裁判官が採用した証拠のみが審理の材料となる。
  4. 被告人質問
    弁護士や検察官からの質問に被告人が回答する。黙秘権の行使も可能。

検察官が請求した被告人の供述調書について、弁護人から「不同意。必要性なし。」といった意見を述べ、被告人質問を先行させる運用が取られることもあります。

裁判官にその場で正しい心証を形成してもらうことが必要なケースも多いためです。

刑事裁判の証拠とは?

刑事裁判の事実の認定は、証拠によります(刑事訴訟法317条)。

証拠とは、その事実を立証するための根拠になり得るもののことです。証拠には、証人(人証)、証拠書類(書証)、証拠物(物証)があります。

刑事裁判の証拠

  • 証人(人証)
    被害者、目撃者、関係者など
  • 証拠書類(書証)
    犯行メモ、取り調べ時の供述調書、鑑定書など
  • 証拠物(物証)
    凶器の包丁など

証人であれば法廷で証人尋問を実施し、証拠書類は検察官が朗読し、証拠物は当事者や裁判官にわかるように見せる、といった方法で取り調べが行われます。

なお、書証は客観性や信ぴょう性が担保できないとして、弁護側が「不同意」として証拠採用を拒否できます。

不同意とされた書証は、原則としてその裁判で証拠として使えなくなり、その場合は書証の作成者を証人として呼び、証人尋問を行うこともあります。

刑事裁判の証人尋問の流れ

証人尋問とは、証人を法廷に呼び出し、裁判官の目の前で証言してもらうという証拠調べの方法です。

流れは、宣誓書の読み上げ→主尋問→反対尋問→裁判官からの尋問、という順序になります。

証人尋問の流れ

証言台に立った証人は、「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」という宣誓を行い、偽証をすると罪になり得ることなどを裁判官から説明されます。

その後、呼び出した側からの尋問(主尋問)と、そうではない側からの尋問(反対尋問)が交互に行われ、最後に裁判官からの尋問が行われます。

証人尋問は、目撃者や被害者から事件の状況を聞いたり、不同意にされた書証の内容を別の形で立証したりする目的で行われます

犯行事実を認めている事件では、弁護人が身元引受人や家族を呼び、被告人をしっかり監督する意思があることや、普段は真面目な生活を送っていたことなどを話してもらい、量刑の軽減につなげることもあります。

刑事裁判の流れ(3)弁論手続

検察側・弁護側双方の証拠調べがすべて終わると、弁論手続に進みます。

弁論手続は、刑事裁判を総括する手続きです。

弁論手続の流れ

  1. 検察官の論告・求刑
    検察官が証拠調べの結果をもとに、事実関係や法律的な問題点について意見を述べる(論告)。
    そのうえで、被告人に科すべき刑の重さについて意見を述べる(求刑)。
  2. 弁護人の弁論
    弁護人が事実関係や法律的な問題についての意見を述べる。
    無罪を主張する事件では無罪を、事実を認めている事件では刑を軽くするよう求める
  3. 被告人の最終陳述
    被告人が自由に意見を述べる。

被告人の最終陳述が終わると弁論終結(結審)となり、次回の公判期日に判決が言い渡される流れになります。

刑事裁判の流れ(4)判決の言渡し

判決を言い渡す一連の手続きは、判決宣告手続などと呼ばれます。

まず「主文」で、無罪か有罪か、罰金刑か、執行猶予付き判決か、拘禁刑の実刑判決か、といった裁判の結果が告知されます。

その後、結果についての「理由」が述べられます。

ただし、死刑判決の場合は例外的に、主文が後回しにされます

逮捕から刑事裁判までの流れでよくある質問

Q.逮捕から刑事裁判までの期間・日数は?

警察に逮捕された場合、逮捕後48時間以内に検察官へ事件が引き継がれます(送致)。

その後、検察官が身体拘束を続ける必要があると判断すると、24時間以内に勾留が請求されます。

勾留は原則10日間で、延長された場合はさらに10日間の範囲内で身体拘束が続きます。最大で20日間の勾留期間が予想されます。

勾留満期の時点で、起訴されて刑事裁判になることもあれば、不起訴処分となって釈放されることもあります。

逮捕の流れ

Q.逮捕後に釈放されても裁判になる?

不起訴を理由に釈放されたのでなければ、刑事裁判になる可能性は残ります

釈放後は逮捕事件のような時間制限がなく、いつ起訴され裁判になるか見通しを立てるのは難しくなります。

必要なときに弁護士のアドバイスを受けられる環境を整えておくことが大切です。

Q.刑事裁判の量刑はどう決まる?

刑事事件を起こした場合、刑事裁判ではそれが何罪に該当するのかが審理されます。

そのうえで、被害結果の軽重、行為態様の悪質性、再犯の有無、自首の有無、情状酌量の余地など様々な事情が検討され、法律で定められた範囲内で、具体的な刑罰が言い渡されます。

罰金や執行猶予付き判決を目指す場合は、情状証人の証人尋問や、被害者との示談書の取り調べ請求などによって「よい情状」を裁判官に示す必要があります。

Q.正式裁判と略式裁判の流れの違いは?

検察官が刑事裁判を提起する際、一定の要件を満たす事件では略式起訴(略式命令請求)という手続きが取られることがあります。

略式起訴された場合は、書面審理による簡易な略式裁判で処分が決定され、正式裁判に比べて極めて短期間で終わります

略式手続きにできる要件

略式手続になった事件では、必ず100万円以下の罰金か科料の刑罰が科されます。

Q.刑事裁判に納得いかないときの流れは?

有罪判決に不服がある場合は、上位の裁判所へ審理を求めることが可能です

第1審判決に対しては高等裁判所へ「控訴」でき、高等裁判所の判決にも不服があれば最高裁判所へ「上告」が可能です。

ただし、控訴を行える期間は14日間と短く、認められる控訴理由も法的に限定されています。判決内容に納得がいかない場合は、直ちに弁護士と相談して今後の方針を立てることが不可欠です。

第1審で無罪判決が出された場合であっても、検察官が控訴する可能性があるため直ちに事件が終了するわけではありません。

被告人・検察官の双方が控訴せず、14日間の控訴期間が経過して初めて無罪が確定し、事件が終了します。

刑事裁判の不服申立てについては『刑事事件の控訴とは?控訴期間は14日間!控訴に強い弁護士の見極め方』の記事もあわせてご覧ください。

刑事裁判の流れが不安なら弁護士に早期相談を

統計上、刑事裁判が開廷された事件の99.9%は有罪判決が下され、前科がつくことになります。

しかし、捜査段階で不起訴処分を獲得できれば、そもそも刑事裁判は開廷されず、前科もつきません

不起訴を得るための代表的な方法が、被害者との示談です。

示談とは

示談を成立させ、示談書を提出するなどして不起訴相当であることを検察官に示せれば、起訴猶予として不起訴になる可能性が高まります

ただし、被害者との示談交渉には、事実上、弁護士への依頼が必須になります。

捜査機関は加害者本人に被害者の連絡先を教えることはほぼなく、第三者である弁護士が介入して初めて交渉が可能になるためです。

示談については、『刑事事件の示談とは?成立の意味と宥恕あり・なしの違いを徹底解説』の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

24時間365日相談予約受付中

刑事事件の加害者として捜査、起訴されているときは、なるべく早く刑事弁護を得意とする弁護士に頼ることが重要です

不起訴処分を獲得するには、検察官が起訴を決める前に対策を実行する必要があります。

早ければ早いほど、不起訴処分の獲得のほか、逮捕や勾留などの身体拘束からの解放の可能性も高めることができます。

刑事裁判を回避したい、刑事事件の流れがわからないという方は、早期に弁護士にご相談ください。

アトム法律事務所では、24時間365日いつでも、対面相談のご予約が可能です。

警察沙汰になった事件については初回30分無料の弁護士相談を実施しています。

ぜひ、アトム法律事務所の相談予約受付窓口までご相談ください。お電話お待ちしています。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了