第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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刑事事件の示談とは?成立の意味と宥恕あり・なしの違いを徹底解説

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
刑事事件における示談とは、被害者に謝罪と賠償を尽くし、事件を当事者間で解決する手続きのことを言います。
示談の成立は逮捕や前科の回避に大きな効果があります。特に、被害者からの「宥恕(許し)」が得られれば、不起訴や刑事処分を軽減できる可能性があります。
この記事では、数多くの示談経験があるアトム法律事務所が、示談成立のメリット、宥恕なしの示談でも不起訴になるのか、示談金相場について詳しく解説します。
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目次
刑事事件における「示談」とは?示談成立のメリット

刑事事件における示談とは、被害者に謝罪と賠償を尽くし、事件を当事者間で解決する手続きのことを言います。
「民事上のトラブル解決」という意味合いだけでなく、刑事処分を決める上で「被害者の処罰感情がなくなった」という事実は、検察官や裁判官に極めて大きな影響を与えます。
示談成立によって具体的に得られるメリットは大きく3つです。
示談のメリット3選
- 前科回避の可能性が高まる
- 逮捕回避・早期釈放の実現
- 損害賠償請求や将来の紛争を防ぐ
(1)前科回避の可能性が高まる
示談が成立する最大のメリットは、前科を回避できる可能性が高まることです。
前科とは、刑事裁判で有罪判決が確定した経歴を指しますが、示談が成立することで、そもそも起訴されずに事件が終了することがあります。
特に、窃盗、暴行などの被害者が存在する犯罪では、被害者の処罰感情が検察官の判断に大きな影響を与えます。示談によって被害回復がなされている場合、示談の事実だけで不起訴処分となるケースも少なくありません。不起訴となれば刑事裁判自体が開かれないため、前科を回避できます。
(2)逮捕回避・早期釈放の実現
示談を成立させると、逮捕を回避できたり、逮捕されても早期釈放を実現できる可能性があります。
逮捕・勾留が長引く主な理由の一つに「証拠隠滅のおそれ」があります。しかし、弁護士を通じて示談が成立し、和解ができている状態であれば、「被害者に危害を加えるおそれがなくなった」と判断されやすくなります。
逮捕・長期間の身体拘束を回避できれば、長期欠勤による解雇や退学のリスクを最小限に抑えられます。また、周囲に事件を知られずに社会復帰できる可能性も高まります。
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・示談と逮捕|示談で逮捕されない?前科・逮捕歴は?傷害・DV・窃盗の例を紹介
(3)損害賠償請求や将来の紛争を防ぐ
刑事事件の加害者は、刑事責任(罰金刑・拘禁刑などの刑事罰)とは別に、民事責任(被害者への損害賠償)も負っています。
そのため、示談ができていない状態だと、刑事裁判が終わったあとに被害者から民事裁判を起こされ、損害賠償を請求されるケースも少なくありません。
示談書の中に「本件に関しては、この示談金以外に金銭を請求しない」という条項(清算条項)を入れることで、後から追加で慰謝料などを請求されるリスクをゼロにできます。
被害者の「宥恕(許し)」とは?宥恕なし示談との違い
刑事事件の示談交渉において、重要となるキーワードが「宥恕(ゆうじょ)」です。 法律用語で難しく聞こえますが、簡単に言えば「被害者からの許し」を意味します。
示談書の中に、宥恕条項として「被害者は加害者を許す」「処罰を望まない」といった一文が入っているかどうかが、その後の刑事処分を大きく左右することがあります。
宥恕条項がある場合の効果
示談書に宥恕条項が含まれている場合、それは被疑者(加害者)にとって非常に有利な証拠となります。日本の刑事司法では「被害者が許しているなら、国家がわざわざ処罰する必要性は低い」と判断される傾向が強いからです。
宥恕条項つきの示談書が提出されることで、不起訴処分となる可能性が高まります。仮に起訴された場合であっても、量刑判断において有利な事情として考慮され、執行猶予や刑の軽減につながることがあります。
もっとも、宥恕条項があれば必ず不起訴になるわけではありませんが、前科回避や処分軽減を目指すうえで極めて重要な要素であることは間違いありません。そのため、示談交渉を行う際には、適切な内容の宥恕条項を盛り込んだ示談書を作成することが重要です。

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宥恕なし示談でも不起訴は可能か?
宥恕(許し)をもらえない状況でも、弁護士を通じて示談を成立させることには、明確なメリットが存在します。決して無駄ではありません。
宥恕なし示談でも効果がある理由
- 被害の回復という客観的事実は残る
- 反省と謝罪の意思証明になる
- 検察官の処罰必要性を下げる
(1)「被害の回復」という客観的事実は残る
検察官が起訴・不起訴を判断する際、最も重視する項目の一つが「被害は回復されたか(損害賠償は済んだか)」という点です。
たとえ被害者の感情が「許さない」ままであったとしても、示談金が支払われている以上、法的には「民事上の損害賠償責任は果たされた」と評価されます。これは、検察官が「今回は起訴を見送ろう(起訴猶予)」と判断するための強力な材料になります。
(2)反省と謝罪の意思証明になる
何もしないまま「反省しています」と口で言うのと、拒絶されても誠意を尽くして示談金を支払うのとでは、検察官や裁判官に与える印象が全く異なります。
「宥恕なし示談」の成立は、「被害者に対して、できる限りの謝罪と誠意を尽くした」という客観的な証明になります。
(3)検察官の処罰必要性を下げる
刑事処分は「犯情(犯罪の悪質さ)」と「一般情状(その後の対応)」で決まります。宥恕がなくても、示談成立によって「一般情状」が良くなれば、検察官は「あえて厳しい処罰(公判請求や実刑)を科す必要性は下がった」と判断しやすくなります。
示談の内容による処分の違い
| 宥恕なし示談 | 宥恕あり示談 | |
|---|---|---|
| 民事責任 | 解決済み | 解決済み |
| 反省の証明 | 示談金支払いで証明(中) | 許しを得て証明(強) |
| 前科回避の可能性 | 中(十分に狙える) | 高い(極めて有利) |
| 逮捕・勾留 | 早期釈放の可能性あり | 早期釈放の可能性大 |
弁護士に示談交渉を依頼すべき理由
加害者本人やそのご家族が、直接被害者と交渉をして示談を成立させることは、現実的には極めて困難です。 被害者は加害者に対して恐怖や嫌悪感を抱いていることが多く、そもそも話し合いの場にすら立てないケースがほとんどだからです。
弁護士に依頼することで、示談を成立できる可能性が高まるのには、明確な3つの理由があります。
被害者の「連絡先」を入手できる
示談交渉を始めるための最初のハードルは「被害者の連絡先を知ること」です。
しかし、捜査機関(警察・検察)は、加害者本人に被害者の連絡先を教えることは絶対にありません。加害者が被害者に報復したり、無理やり脅して示談を迫ったりする「お礼参り」を防ぐためです。
弁護士であれば、「加害者には絶対に教えない」という条件付きで、被害者の同意を得て連絡先を開示してもらえるケースが多々あります。
つまり、弁護士を入れなければ、そもそもスタートライン(交渉)にすら立てないのです。

適切な金額とタイミングで示談交渉できる
被害者は、加害者に対して強い怒りを感じています。そこに加害者側の家族が直接行っても、「顔も見たくない」「ふざけるな」と感情が爆発してしまい、交渉が決裂することがよくあります。
弁護士は、「法的な専門家(第三者)」です。まずは被害者の言い分や辛い気持ちを丁寧に聞き取り、感情に寄り添うことで、被害者の態度を軟化させることができます。
「加害者本人とは話したくないが、弁護士の先生となら話をしてもいい」と言っていただけるケースは非常に多いです。
法的に有効な「宥恕条項」を盛り込む
せっかく示談ができても、示談書(契約書)の文言が不十分だと、期待したような刑の減軽効果が得られないことがあります。
不備のない示談書の作成 弁護士は、将来のトラブルを防ぐ「清算条項」や、検察官へのアピールとなる「宥恕条項(許しの文言)」を、法的に不備のない形で作成します。
また、仮に宥恕が得られなかった場合でも、「嘆願書」を別途作成してもらうなど、その場の状況に合わせて最大限有利になるような代替案を提案できます。
【犯罪別】示談金の相場データ一覧
「示談金」に法律で決まった金額はありません。最終的には加害者と被害者の話し合い(合意)で決まります。 しかし、過去の裁判例や解決実績に基づいた「示談金相場」は存在します。
アトム法律事務所が過去に取り扱った事例や、一般的な実務傾向に基づく相場の目安は以下の通りです。 ※あくまで目安であり、事件の悪質性や被害者の処罰感情によって変動します。
| 犯罪の 種類 | 示談金 相場 | 備考 (金額が変動する要素) |
|---|---|---|
| 痴漢(条例違反) | 30~80万円 | 衣類の上からか、直接肌に触れたか等、行為の悪質性により変動 |
| 不同意わいせつ | 50~150万円 | 被害者の精神的苦痛が大きいため、痴漢(迷惑防止条例)よりも高額になる傾向 |
| 盗撮 | 30~80万円 | 撮影枚数、常習性、拡散の有無などが考慮 |
| 暴行・傷害 | 20~100万円 | 「全治〇週間」といった怪我の程度や、入院・通院の実費、休業損害により変動 |
| 窃盗(万引き等) | 被害額 + 慰謝料 | 被害品の金額に加え、数万円~数十万円程度の迷惑料(慰謝料)を上乗せして支払うケースが一般的 |
各罪名ごとの詳しい示談金相場を知りたい方は『示談金の相場は?刑事事件の示談交渉とはどんなもの?示談金相場まとめ』をご覧ください。
刑事事件の示談に関するよくある質問
Q.宥恕なしの示談でも、示談する意味はありますか?
大きな意味があります。
たとえ「許し(宥恕)」が得られなくても、被害者に謝罪し、弁償を受け取ってもらったという事実は、検察官や裁判官が良い処分を下すための重要なプラス材料になります。
宥恕なしの示談であっても、不起訴処分や執行猶予を獲得できた事例は数多く存在します。
刑事事件で示談をしないデメリットについては『刑事事件で示談をした場合・しない場合のメリットとデメリットは?』の記事で詳しく解説しています。
Q.示談金を用意できない(お金がない)場合、分割払いは可能ですか?
被害者の同意があれば可能です。
示談はあくまで当事者間の合意による契約ですので、被害者側が納得すれば「分割払い」や「ボーナス時の支払い」という形でも成立します。
ただし、確実な履行を約束するために「公正証書」を作成したり、連帯保証人を求められたりすることが一般的です。弁護士が間に入ることで、無理のない支払い計画での合意が得やすくなります。
Q.加害者本人や家族が、被害者と直接交渉してもいいですか?
直接交渉することはおすすめしません。そもそも連絡先が入手できないケースが大半です。
警察や検察は、口裏合わせや脅迫(お礼参り)を防ぐため、加害者側に被害者の連絡先を教えることは原則ありません。
また、無理に接触しようとすると「証拠隠滅の恐れがある」とみなされ、逮捕や勾留が長引くリスクがあります。弁護士を介することで、安全かつスムーズに交渉を開始できます。
Q.被害者が法外な示談金を請求してきた場合はどうすればいいですか?
そのまま応じる必要はありません。弁護士にご相談ください。
被害者の中には、怒りに任せて相場とかけ離れた高額な請求をする方もいます。しかし、裁判上の相場を大きく超える金額を支払う義務はありません。
弁護士が介入し、法的な相場や判例を根拠に粘り強く交渉することで、双方が納得できる適正な金額まで調整できる可能性が高まります。
Q.示談が成立すれば、必ず不起訴になりますか?
「親告罪」であれば確実ですが、それ以外は「確約」ではありません。
器物損壊罪などの「親告罪」は、示談で告訴が取り消されれば100%不起訴になります。
痴漢や窃盗などの「非親告罪」の場合は、検察官の裁量によるため100%ではありませんが、初犯で被害が軽微、かつ示談が成立していれば、実務上は不起訴になる可能性が極めて高くなります。
アトムの解決事例(示談で事件化回避・不起訴獲得)
ここでは、アトム法律事務所が過去に扱った事例の一部をご紹介します。
暴行事件で逮捕:示談成立
アトムの解決事例(不起訴獲得)
飲食店で店員の接客態度に激昂し、オーナーの頭や腕を傘で殴打したり、腰を蹴るなどの暴行を加えたとされたケース。暴行の容疑で後日逮捕された。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結し、不起訴処分となった。
盗撮事件で宥恕条項付きの示談を成立
アトムの解決事例(不起訴獲得)
電車内でカバンからスマホのレンズを出し、少女のスカートの中を盗撮した。その後、目撃者に取り押さえられ、警察に通報された。迷惑防止条例違反の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、不起訴処分となった。
示談に関するお悩みはアトムの弁護士にご相談ください
刑事事件において、「示談」の成立は、あなたやご家族が逮捕・前科を回避し、平穏な日常を取り戻すために非常に重要です。
たとえ被害者の心情として「宥恕(許し)なし」と言われている状況であっても、決して諦める必要はありません。本記事で解説した通り、宥恕なしであっても「謝罪と賠償」を尽くした事実は、検察官の処分を軽くするための強力な武器になります。
しかし、刑事手続きは待ってくれません。迷っているこの瞬間にも捜査は進んでおり、一度「起訴」が決まってしまえば、後からどんなに好条件で示談ができても「前科」を消すことはできません。
- 被害者と連絡を取りたいが、警察に断られた
- 相手が許してくれそうにない
- 適正な示談金がいくらなのか知りたい
一人で抱え込まず、まずは刑事事件の解決実績が豊富なアトム法律事務所にご相談ください。正式に依頼するかどうかは、無料相談で今後の見通しや費用を聞いてから決めていただいて構いません。
アトム法律事務所では、ご本人・ご家族からのご相談予約を24時間365日受付中です。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

