学校でのスポーツ事故事例から責任問題と対応を考える | 事故弁護士解決ナビ

学校でのスポーツ事故事例から責任問題と対応を考える

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学校のスポーツ事故|責任問題と対応方法

学校でのスポーツ活動は、学生生活を充実させてくれる一方で怪我のリスクも伴います。怪我の原因は様々にありますが、事故の経緯しだいでは、学校側に事故発生の原因を問える場合があるでしょう。

この記事を読めば次のことがわかります。

  • 学校でのスポーツ事故にどのような種類があるのか
  • 事故の責任を学校に問うことはできるのか
  • 学校で起こった事故をどのように解決していくのか

スポーツ事故の事例をみながら、事故の原因や責任問題、今後取るべき対応の選択肢について考えていきましょう。

学校での事故|屋外スポーツ編

まずは屋外スポーツの種類ごとに、事故の事例や対応、注目すべきポイントをみていきましょう。

サッカー

サッカー中の怪我は、プレーヤー同士やボールとの接触だけではありません。サッカー事故の事例のひとつに、競技中に落雷を受けてしまい後遺症が残った事故があります。

また別の事例ではサッカーゴールが倒れてきて怪我をしてしまったケースもあるのです。

スポーツを安全に行うための環境・状況を見極めるには、監督の判断が極めて重要になります。

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ラグビー

ラグビーは選手同士が直接ぶつかり合う競技のひとつです。激しいタックルやスクラムによって怪我をすることもあるでしょう。

では、スクラムを組んでいて怪我をしたラグビー部員が十分な経験や能力を有していたのかという点を考慮すると、本当に避けられなかった怪我といえるでしょうか。

学校でのスポーツ活動は、安全に行われなくてはなりません。そのために学校や先生が授業・部活動を適切に監督し、個々のレベルにあった指導を実施する必要があります。

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野球

野球の練習中に起こっている事故としては、打球が学生を直撃することで、怪我や後遺症が残るケースがあります。

野球のハーフバッティングの練習中、打球が投手の頭を直撃してしまい、半身不随となってしまった事故が起こりました。この事故では、投手と打者の距離が通常よりも短く設定されていたことや、薄暗い時間帯に練習が行われていたことなどを考慮した指導を行うべきであったとして、立ち会い指導していた教諭の責任も問われたのです。

学校で起こった事故の場合には、本当に事故は予想できなかったか、事故の発生を避けられなかったのかという点に着目すべきでしょう。

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テニス

テニス事故の事例としては、テニスのネットを張るためのハンドルが顔面に当たって怪我をした事例や、コート整備中のローラーにより死亡してしまった事例があります。

学生に準備をさせるのであれば、学生が危険な目にあうことなく準備を行えるように指導しなくてはなりません。指導者は生徒に対して適切に指導をしていたのか、危険性を周知していたのかなどが議論のポイントとなるでしょう。

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水泳

水中で溺れてしまうほか、持病の発作が起こったり、水中への飛び込みなど水泳事故の原因は様々に考えられます。

特に飛び込みは危険度が高いものと考えられており、飛び込みによって負傷した場合には、プールの飛び込み台の高さは適正であったのかも確認項目の一つとすべきでしょう。もし学校が管理すべき施設・設備の安全性に問題があった場合には、不幸な偶然で怪我をしたのではなく、学校側に責任を問える事故といえるのです。

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ヨット

マリンスポーツのひとつであるヨットですが、競技中だけでなく、合宿や練習中に負傷してしまうケースがあります。

学校の敷地外で行われていた合宿で怪我をした場合でも、部活動の一環として計画された合宿ならば、学校の管理下にあるといえる可能性は極めて高いでしょう。

学校の管理下で起こった事故については、学校側に何らかの事故の責任を問える可能性があります。例えば、ヨット事故の事例のひとつに合宿中の死亡事故がありますが、この事故では学校側の安全配慮義務違反などを問う損害賠償請求が行われました。

ヨット事故|怪我の補償は誰がする?学校や先生に責任を求めることは可能?

組体操

学校でのスポーツ活動の成果を発揮する場に運動会があります。そんな運動会で親しまれている組体操ですが、いたましい事故も起こっているのです。

組体操の事故事例としては、肩車をしていたところバランスを崩して転倒して脊柱障害を負ってしまった事故や、腰を強打した結果に腎臓破裂を引き起こして死亡した事故があります。

組体操の練習を指導・監督する学校や先生には、安全に組体操できる状況であるか、怪我をしないように生徒の習熟度は十分であるかなど、高度な危機管理能力が求められます

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陸上競技・持久走

陸上競技には走る・投げる・跳ぶといった様々なスポーツが含まれています。そのため、各競技の特性に合わせた安全対策をとらなければ事故は起こってしまうでしょう。

たとえば、槍投げの槍が生徒の頭部に当たってしまい骨折してしまった事故があります。この事例では、教諭が不在のときには槍投げをしないという安全指導面に落ち度があったとして、被害生徒側が学校に責任を求めました。

また、持久走中に起こった事故については、生徒に持病があるケースも見受けられます。生徒一人ひとりの体質を見て、安全にスポーツが行えるかを判断することも先生に求められる配慮のひとつです。

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学校での事故|屋内スポーツ編

つぎに屋内スポーツの種類ごとに、事故の事例、検討すべきポイントを解説します。

バスケットボール

ある公立高校に通う生徒がバスケットボール部の練習中に熱中症となり、急性心不全で死亡する事故が起こっています。生徒が複数回にわたって異変を起こしているのに適切に対処しなかったとして、教諭に落ち度があったとされました。

熱中症は屋外のスポーツだけでなく、屋内のスポーツにおいても十分に気を付けるべきです。健康に配慮した練習環境となっていること、体調を崩した生徒に迅速に対応することなどが教諭に求められます。

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バレーボール

バレーボールが頭に当たってしまったり、ネットを張るためのネット巻き器での怪我、ボールを拾いに体育館天井に上がり転落してしまっての負傷など、色々な事故が起こっています。

ネット巻き器については、通常求められる安全性を満たしておらず、機器の設置や管理に問題があったとして学校の責任を問う訴訟にもなりました。このように、設備が本来持つべき安全性を満たしていないことが事故の原因となった場合には「設備の瑕疵」として学校の責任を問える可能性があります。

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体操・器械体操・新体操

体操は、跳び箱やマット運動といった授業でも取り組まれやすいものから、平行棒や鉄棒、跳馬などの器械体操、新体操といったものまで幅広くあります。

ある体操部の高校生が平行棒の練習中に怪我をしてしまい、後遺障害3級という極めて重篤な後遺症が残ってしまった事故が起きました。この事故では、怪我を防止するためのマットの敷設が不十分だったと監督の責任が問われたのです。

重い後遺障害が残った場合には、それだけ損害額も高額化するため、損害賠償請求も視野に入れる必要があります。

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卓球

卓球部での活動中に廊下の窓から転落してしまった事故や、卓球台の片づけをしていて下敷きになってしまった事故など、競技外でも事故が起こっています。

いずれの事故も、生徒に対して顧問教諭の指示・指導が不十分であったことなどをもとに、学校への損害賠償を求めて裁判となりました。

卓球の技術指導だけではなく、学校や先生には、生徒が危険にさらされることがなくスポーツできるように十分配慮した指示が求められるのです。

卓球事故|部活や授業中に怪我!学校や先生に問える責任は?

剣道

剣道は防具を身に着けて行うため基本的には安全なスポーツですが、熱がこもりやすいことによる熱中症や、竹刀が目に当たっての怪我が起こっています。

剣道部の部活前にふざけて遊んでいた生徒の竹刀が、他の生徒の目に当たり失明してしまった事故事例があります。

教諭に対して、竹刀を本来の目的以外では使用しないこと、ふざけて遊んでいる生徒に対する注意などが十分でなかったとして損害賠償請求が行われました。

剣道中の事故|学校や教諭の責任は?熱中症や失明など重大事故の損害賠償請求

空手

空手・空手道は、型と組手を軸とした武道であり、相手に怪我をさせられるという可能性は低いスポーツといえるでしょう。

ただし熱中症のリスク、空手部の活動前後での怪我、空手道場の老朽化により事故が起こる可能性は否定できません。

事故のいきさつを丁寧に調べることで、学校や顧問にも責任が問えるのかがみえてくるでしょう。

空手の事故|部活中の怪我は学校や顧問の責任?損害賠償請求は認められる?

柔道

柔道では頭部や頸部を強く打ちつけてしまい重篤な怪我につながってしまうことがあります。

柔道中に起こったある事故では、生徒が頭部を打ち、高次脳機能障害という後遺症が残るという重大な結果となりました。この事故は、被害生徒が入部まもなく受け身の練習が十分なされていなかったことなどが着目され、指導者の注意義務違反が認められたのです。

重大な事故ほど、被害者が負う損害額は大きくなります。そうなると、被害生徒やご遺族は損害賠償請求も視野に入れる必要があります。

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子どもがスポーツで怪我をしたときの4つの対応

学校でのスポーツ活動で怪我をしてしまったときの対応を紹介します。

お子さんの怪我の程度や事故のいきさつによっては弁護士への相談が有効になるケースもあるので、順番に確認していきましょう。

災害共済給付を利用する

体育の授業や部活動など、学校の管理下で行われたスポーツ活動で怪我をした場合、災害共済給付を利用できる可能性があります。

災害共済給付とは、学校と親で共済金を支払っている、独立行政法人日本スポーツ振興センターの共済制度のことです。医療費、障害見舞金、死亡見舞金といった項目について、給付を受けられます。

災害共済給付の利用にあたっては、まず共済に加入しているかを学校に確認してみましょう。そして、加入している場合には所定の用紙を受け取り、医療機関で医療費の証明をもらうことで申請を前へ進めることができます。

学校で起きた事故で怪我をした場合に利用できる保険は?

学校や部活顧問と話し合う

学校で起こったスポーツ事故については、ご家族がその場に居合わせていないことも多いので、まずは学校側から説明を受けることになるでしょう。

また、もし学校側に対して事故の責任を求めることになった場合にも、まずは話し合い(示談交渉)という方法を採ることが多いです。損害賠償請求というと裁判をイメージする人は多いのですが、まずは学校側との交渉になります。

しかし、学校側との交渉といっても、保護者としては怪我をした子どもの看護にあたったり、仕事や家事もしなくてはなりません。また、直接学校側と話し合うのは気が進まないという方もいるでしょう。

そういった場合、弁護士に依頼することで学校側との話し合いを一任することができます。弁護士に依頼することで、保護者の身体的・精神的負担の軽減につながるのです。

学校事故に遭った場合には弁護士に相談しよう|メリットを詳しく紹介

事故の責任は誰にあるのかを検討する

安全な学校生活を過ごすため、学校や先生は学生に対する「安全配慮義務」を負っています。安全配慮義務を怠ったために事故が起こったと認められた場合には、学校や先生に対して責任を問うことができるのです。

具体的には、「事故の発生を予見できたのか」「事故の発生を回避できたのか」といった点で、学校や先生の責任を検討することになります。

学校事故における安全配慮義務とは?教師が負う2つの責任を解説!

弁護士に相談する

弁護士に依頼する前に、まずは「法律相談」の利用がおすすめです。

  • 損害賠償請求できる見通しはあるのか
  • 慰謝料はいくらが目安になるのか
  • 学校からの示談案を受け入れていいかわからない

こういったお悩みは、法律相談で解決できる可能性があります。

アトム法律事務所は、学校でのスポーツ事故に関して無料の法律相談を実施しています。専属スタッフが24時間・365日予約を受け付けていますので、まずはご連絡ください。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点