学校事故に遭った場合には弁護士に相談しよう|メリットを詳しく紹介 | 事故慰謝料解決ナビ

学校事故に遭った場合には弁護士に相談しよう|メリットを詳しく紹介

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学校事故は弁護士に相談すべき?

学校事故により怪我を負った場合、学校や先生などに対して何らかの請求を行いたいと考えるはずです。

しかし、誰にどのような請求を行えるのかを判断することは難しいので、専門家である弁護士に相談や依頼を行うべきでしょう。

本記事では、学校事故に関して弁護士に依頼するメリットや、依頼前に知っておくべき基礎的な知識について解説しています。

学校事故を弁護士に依頼するメリット

学校で起こった事故について、弁護士に依頼するメリットは次の通りです。

弁護士に依頼するメリット

  1. 正確な金額の請求が可能となる
  2. 証拠の収集が楽になる
  3. 学校との交渉を代わりに行ってくれる

弁護士に依頼するメリットについて、具体的に説明します。

正確な金額の請求が可能となる

学校事故により生じた怪我について、被害者は損害賠償請求を行うことが可能です。
しかし、損害賠償請求により請求できる内容は多岐に渡り、正確な請求金額を算定することは非常に困難でしょう。

弁護士に依頼すれば、正確な金額を算定したうえで請求を行ってくれます。
特に、被害者に後遺症が生じたり、死亡事故が起きた場合には、請求金額が高額になりやすいので、正確な計算が欠かせません。

希望通りの解決を実現するためには、弁護士への依頼を行うべきでしょう。

具体的にどのような項目を損害賠償請求することができるのかについては、関連記事『学校事故の損害賠償|請求相手と請求内容は?示談についても解説』でも詳しく解説しています。

証拠の収集が楽になる

学校事故を原因とする損害賠償請求を行うのであれば、証拠の収集が欠かせません。証拠がない状態で損害賠償請求を行っても、相手側は請求に応じてくれないでしょう。

しかし、具体的にどのような証拠を集める必要があり、どのようにすれば証拠を集めることができるのかを理解することは簡単ではありません。

弁護士に依頼すれば、収集すべき証拠や収集方法を知ることが可能です。
また、弁護士が証拠の収集についてサポートしてくれるため、収集の手間も省けます。

学校との交渉を代わりに行ってくれる

学校事故を原因とする損害賠償請求を行う場合は、相手側との交渉が必要です。

しかし、学校や先生が相手となると、子供が今後も通うことになることから、保護者が責任追及を遠慮してしまう恐れがあります。
また、事故に遭った子供のケアをする必要があり、交渉まで時間を割くことは困難です。

弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として相手側との交渉を行ってくれるので、子供のケアに専念することができます。
また、学校との交渉がうまくいかない場合は裁判による解決が必要となる場合がありますが、弁護士に依頼して入れば、安心して裁判手続きを任せることが可能でしょう。

学校事故の責任は誰にあるのか

弁護士に相談や依頼を行う前に、誰にどのような請求が可能であるのかを知っておけば、話もスムーズに進みます。

では、学校事故とはどのようなものを指し、誰にどのような法的な責任があるのでしょうか。

学校事故とは

「学校事故」という言葉は、法令上に何らかの定義がある言葉ではありません。

学校事故は学校災害ともいわれますが、あえて定義するとすれば、「学校の中や外で、学校の管理下にある状態で児童・生徒が巻き込まれる事故」と呼ぶことができるでしょう。

これには、授業中の事故はもちろん、課外活動や部活動、学校行事として行われる遠足や臨海学校等の活動時間、登校中の怪我もすべて含まれています。

学校事故の責任は誰に請求できるのか

(1)教師や国・地方公共団体へ請求する

学校の教師は、生徒の生命及び健康等を危険から保護するように配慮する義務(安全配慮義務)を負っています。

安全配慮義務に違反する行為があったのであれば、教師には過失が認められるため、損害賠償請求の対象となりうるのです。

しかし、国家賠償法により公立学校の場合には、教師が故意または過失によって違法に他人に損害を加えた際には、国または公共団体に直接の賠償義務が発生します。

したがって公立学校の場合には、教師個人に対して損害賠償請求することはできません。

一方で、私立学校の学校事故の教師は公務員ではありませんので、教師個人に対しても直接損害賠償請求をしていくことができます。

教師個人への損害賠償請求可否

学校損害賠償請求の可否
公立学校できない
(国や地方公共団体に請求)
私立学校できる

(2)施設管理者に対して請求する

学校にはグラウンドにサッカーゴールやバスケットボール、プールなどの設備・用具が設置されているところも多いでしょう。

これらの学校設備や用具については、その設備・用具の所有者や管理者に設置管理に関する義務があるのです。

したがって、その設備・用具に安全性を欠く欠陥などがあり、それを原因に事故が起こった場合には、その所有者・管理者に賠償請求できます。

関連記事では、学校に設置されている設備や施設が老朽化していた場合や、遊具が事故の原因となったときの法的責任について解説中です。

(3)加害生徒やその親に対して損害賠償請求をする

被害者が他の児童・生徒により、故意または過失により怪我を負わされたような場合には、加害者やその親に対して損害賠償請求できます。

加害者は子どもですので、通常賠償金の支払い能力がありません。そこで、加害者の親に対しても損害賠償請求することが現実的でしょう。

加害児童・生徒の年齢が12歳未満の場合には、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった」として親権者のみに賠償責任が発生することもあります。

学校事故での損害賠償請求は、誰に請求するのか、何を請求するのかなど着目しておきたい点があります。関連記事『学校で子どもが怪我|損害賠償請求の方法と着目すべき要点』も併せてご覧ください。

学校事故の責任について示した判例

学校事故の責任や注意義務について判示した裁判例について紹介します。

いじめをした生徒本人に賠償責任を認めた裁判例(京都地裁平成22年6月2日)

この事案は、中学校において同級生からいじめに遭い不登校となり転校せざるを得ない状況に追い込まれ精神的・肉体的に苦痛を被ったとして、加害生徒に慰謝料50万円の支払い義務が認められた事案です。

本件は、恥ずかしいあだ名で呼ばれたり弁当のおかずを取り上げられたり、肩への殴打や「殺す」という暴言などの行為を被害者への嫌がらせとして行われていました。

判決では、いじめをした生徒本人への慰謝料請求は認められましたが、加害生徒の親権者に対する請求については、問題が起これば適宜誠実に対応していたとして過失はなかったと判示されています。

慰謝料については、加害生徒の嫌がらせの期間、態様、転校の経緯等からすると、50万円が相当であると判断されています。

教員に課せられる注意義務に関する判例

小学校教員 中・高学年の場合(高松高等裁判所判決昭和46年11月12日)

校長や担任の教員の監督義務は、学内における児童の全生活関係にわたるものではなく、「学内における教育活動やこれに準じる活動関係に関する児童の行動部分」に限定されると示されています。

また、小学校内における児童間の不法行為についても「通常その発生が予想できる性質があるもの」に限ると判示されています。

中学校教員の場合(大分地裁佐伯支部判決昭和45年3月17日)

次に、中学生については、責任能力者に近い程度の事理弁識能力を有しているため、幼稚園や小学校とは違い親権者のように責任無能力者の全生活について監督・管理義務を負うものではないとされています。

そして中学校教員の注意義務は、「学校における教育活動やこれに密接不離の関係にある生活関係に随伴して生じた結果(学校生活で通常発生することが予見できるような結果)」についてのみ注意義務を負うと判示しています。

高校教員の場合(大阪地裁判決昭和45年7月30日)

高校生の場合には16歳~18歳というほぼ成人に近い判断能力を持つまでに心身が発達しているため、自己の行為の結果何らかの法的責任が生じることを認識し得るだけの知識(責任能力)を備えていると考えられています。

そこで、教師としても生徒の自主的な判断と行動を尊重しつつ、健全な常識ある一般成人に育成させるための助言・協力・監護指導義務はあるものの、逐一生徒の行動と結果について監護する責任はないと判示されています。

高校教員は、生徒が通常の自主的な判断と行動をしていても、その過程で生じるような事故の発生を未然に防止するよう事前に注意指示を与えれば足りると判断されました。

以上のように、教員の注意義務の内容は小学校・中学校・高校の生徒・児童の責任能力に応じた判断がされていることが分かります。

学校事故における怪我に対する請求内容

学校事故が原因で損害が生じた場合には、具体的にどのような請求が可能となるのでしょうか。

学校事故で請求できる慰謝料とは

学校事故において請求できる慰謝料は、以下の3種類となります。

  • 入通院慰謝料
    被害者が怪我の治療を行うために入院や通院を行ったことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料
    治療のために入院や通院を行った期間に応じて請求可能
  • 後遺障害慰謝料
    被害者に残った後遺症の症状が後遺障害に該当する場合に生じる精神的苦痛に対する慰謝料
    後遺障害であることが認定された場合に請求可能
  • 死亡慰謝料
    被害者が死亡したことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料
    学校事故が原因で被害者が死亡した場合に請求可能

すべての事故について3つの慰謝料が請求できるわけではありません。たとえば、学校事故での負傷が後遺症が残ることなく完治した場合には「入通院慰謝料」のみの請求となります。

一方で、懸命の治療の末に亡くなってしまった場合には、治療機関に対する入通院慰謝料と死亡慰謝料が請求可能です。

このように、損害に応じて請求できる慰謝料は異なります。学校事故で請求できる慰謝料や請求先については、関連記事『学校事故による慰謝料の相場・請求先は?軽傷・重傷・後遺障害・死亡の慰謝料を解説』も併せてお役立てください。

慰謝料以外にも請求できるものがある

慰謝料とは、被害者に生じた精神的苦痛を金銭化したものです。
そのため、学校事故により生じた損害については、慰謝料以外にも請求すべき費目が多数あります。

具体的には、以下のような損害についても請求が可能です。

  • 治療費
    治療のために必要となった費用
  • 入通院交通費
    入院や通院の際に生じた交通費
  • 入通院付添費用
    入通院を行う際の付添人に生じる費用
  • 入院雑費
    入院中に生じる日用雑貨や通信費などの雑費全般
  • 後遺障害逸失利益
    後遺障害を負ったことで将来仕事により得られたはずの収入が得られないという損害
  • 死亡逸失利益
    被害者が死亡したために将来得られたはずの収入が得られないという損害
  • 葬儀費用
    被害者の葬儀にかかる一般的な費用

請求可能な損害について金額を計算し、合計額を請求していくことになります。

災害共済給付制度も利用しよう

災害共済給付制度とは、学校の管理下で学生が怪我や障害を負った場合に、学生の保護者に対して給付金の支給を行う制度です。学校事故に関する保険の一種といえます。

学校が日本スポーツ振興センターと契約を締結している場合は、保護者が同意することで災害共済給付制度に加入することが可能です。
共済掛金を学校と保護者が負担します。

給付要件が整っていれば、定められた範囲の災害給付を受けることが可能です。相手方との交渉がうまくいかず、損害賠償金を得るまでに時間がかかりそうなのであれば、給付の請求を行っておくべきでしょう。

学校事故により怪我を負ったのであれば、災害共済給付制度を利用できないかについて、学校側に問い合わせてみてください。

災害共済給制度の給付内容や手続きについて詳しく知りたい方は『学校で起きた事故で怪我をした場合に利用できる保険は?』の記事で確認可能です。

まとめ

以上のように学校事故が生じた場合には、誰にどのような請求ができるかという点についてさまざまな問題があり、適切に対応するには法的知識が欠かせないといえます。

また、実際に損害賠償請求を行うためには、適切な証拠を集め、損害額を正確に計算しつつ交渉を行うことが必要ですが、これらを問題なく行うことは簡単ではないでしょう。

そこで、学校事故が起きた場合には、ぜひ法律の専門家である弁護士に相談してください。
相談費用が気になるのであれば、無料の法律相談を受けることをおすすめします。

アトム法律事務所では、無料の法律相談を行っています。
法律相談の予約受付は24時間体制で行っているので、一度気軽にご連絡ください。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点