【後遺症の逸失利益】計算式と早見表で相場がわかる!具体的な計算シミュレーション | アトム法律事務所弁護士法人

【後遺症の逸失利益】計算式と早見表で相場がわかる!具体的な計算シミュレーション

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後遺障害逸失利益

ケガにより後遺症が残ってしまうと、事故前と比べて労働能力が下がってしまいます。そうすると本来の労働能力で得られたはずの収入と、労働能力が下がったあとの収入には差ができてしまうものです。

このように、事故の後遺症により将来的な収入が減少することに対する補償として「逸失利益」を請求できます。

逸失利益とは

後遺障害逸失利益の計算式は、基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数になります。

このように様々な要素を用いて計算しますが、その要素となる数値はイメージしづらいものばかりです。

この記事ではケースごとの逸失利益を早見表形式で紹介するほか、逸失利益の相場観や正しい計算方法を解説しています。

後遺障害逸失利益は損害賠償金の中でも高額になりやすい費目なので、不当な金額で納得してしまわないよう、相場観をおさえておきましょう。

後遺障害逸失利益の相場がわかる早見表(年収別)

後遺障害逸失利益は基礎収入、労働能力喪失率、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算できますので、下表におおよその相場をまとめます。

もっともこうした逸失利益はあくまでモデルケースになり、詳細な金額は個別に異なるため、参考程度にご確認ください。

事故前年収が300~400万円のケース

事故前の年収が300万円から400万円の場合、逸失利益の相場は下表のようになります。概算になりますので、事故前年収の違いで増減することはご留意ください。

逸失利益の相場(事故前年収:300~400万円)

後遺障害
等級
31~35歳51~55歳
1級約7,390万円約4,170万円
2級約7,390万円約4,170万円
3級約7,390万円約4,170万円
4級約6,800万円約3,800万円
5級約5,840万円約3,300万円
6級約4,950万円約2,700万円
7級約4,140万円約2,340万円
8級約3,320万円約1,880万円
9級約2,580万円約1,460万円
10級約1,990万円約1,120万円
11級約1,470万円約830万円
12級約1,030万円約580万円
13級約660万円約370万円
14級約80万円約80万円

※14級の金額は神経症状の場合/症状により金額の変動幅が広い

逸失利益のモデルケースをみてみると、同じ事故前年収・後遺障害等級であっても、被害者の年齢によって金額が異なることがわかります。

こうした差異が出るのは、逸失利益の計算式に用いる労働能力の喪失期間が異なるためです。

労働は67歳までという考えが基本になっており、年齢が高いほど67歳までの年数が短くなるため、逸失利益の算定範囲もすくなく、金額は少なくなる傾向にあります。

後述するライプニッツ係数のところでもくわしく解説しますので、気になる方は続けてお読みください。

事故前年収が600~700万円のケース

事故前の年収が600万円から700万円の場合、逸失利益の相場は下表のようになります。概算になりますので、事故前年収の違いで増減することはご留意ください。

逸失利益の相場(事故前年収:600~700万円)

後遺障害
等級
31~35歳51~55歳
1級約1億3,730万円約7,760万円
2級約1億3,730万円約7,760万円
3級約1億3,730万円約7,760万円
4級約1億2,630万円約7,130万円
5級約1億850万円約6,130万円
6級約9,200万円約5,190万円
7級約7,690万円約4,340万円
8級約6,180万円約3,490万円
9級約4,800万円約2,710万円
10級約3,700万円約2,090万円
11級約2,740万円約1,550万円
12級約1,920万円約1,080万円
13級約1,230万円約690万円
14級約140万円約140万円

※14級の金額は神経症状の場合/症状により金額の変動幅が広い

年収が大きくなるほど逸失利益の金額は高額になります。

後遺障害14級認定においては、神経症状により等級認定を受けた場合に労働能力喪失期間がかなり短いものと判断される傾向です。よって、症状によっては表の金額よりも高額な逸失利益が妥当な場合もあります。

逸失利益の算定は弁護士に任せよう

後遺障害逸失利益については計算式が複雑であり、どんな数値を計算に用いるのかの検討から始めねばなりません。

本記事で示した早見表以外の年収の方やそもそも年収をどう設定してよいかわからないという方は、損害賠償請求にくわしい弁護士に相談したり、以降の解説を読んだりしてご自身の逸失利益の見通しを立てましょう。

一度示談が成立した後に後遺症の部分の追加請求をすることは難しいです。よって、示談交渉を始める際には逸失利益についても適正額を算定して請求しましょう。

関連記事『事故後の後遺症に関する示談交渉の流れは?あとから示談をやり直せる?』では後遺症が残ったときの示談交渉の流れや注意点を解説しています。あわせてお読みください。

後遺障害逸失利益の計算式と計算に必要な数値の決まり方

後遺障害逸失利益の計算式

後遺障害逸失利益の計算式は、基礎収入、労働能力喪失率、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数の掛け算です。

後遺障害逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益の計算式

基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

後遺障害逸失利益の計算式に登場する「基礎収入」「労働能力喪失率」「労働能力喪失期間」「ライプニッツ係数」という4つの項目については、ひとつずつ確認していきましょう。

基礎収入|計算のベースとなる収入額

逸失利益の計算に用いる基礎収入は、事故前年の収入をもとに割り出します。ただし、職業別に基礎収入の計算方法が少し異なってくるので注意が必要です。

事故前に金銭収入がある人(サラリーマン、自営業者など)

給与所得者や事業所得者など、事故前に実際の収入がある方は、事故前の1年間の源泉徴収票や課税証明書に記載されている収入額を元に算定します。

ただし、事故前に転職したばかりで収入が低くなった人や、若者で実収入が著しく低い人は、実収入ではなく国の統計結果による平均賃金を採用したほうが適切なケースもあるので注意しましょう。

事故前に金銭収入がない人(主婦、子どもなど)

家事従事者や子どもなど、事故前に実際の収入がない方でも基礎収入を求めることは可能です。事故前に実際の収入がない場合は、賃金センサスを用いて基礎収入を計算します。

ワンポイント

賃金センサスとは、厚生労働省が平均賃金を調査した結果をまとめたもの

ただし、実際の収入がある人と比べるとどの平均賃金を基礎収入とみなすのかで争いになることがあります。

たとえば子どもが部活中の事故にあい、大きな後遺症が残った場合では、大学卒の平均賃金とすべきか、あるいは学歴関係のない平均賃金とすべきかで逸失利益は大いに変わるのです。

基礎収入を何とすべきかわからない、相手方と意見が食い違っているというときには弁護士に相談してみることも有効でしょう。

事故前に年金を受給している人(高齢者)

高齢者で年金を受給している場合は、逸失利益として追加請求できるものはありません。なぜなら年金の受給額は後遺症によって減るものではなく、事故前と同じ金額を受け取ることが可能だからです。

もっとも逸失利益には死亡逸失利益というものがあり、死亡逸失利益に関しては年金をベースに請求できる場合があります。

死亡逸失利益の計算式は後遺症の逸失利益とは異なるため、関連記事『【後遺症の逸失利益】計算式と早見表で相場がわかる!具体的な計算シミュレーション』をご覧ください。

労働能力喪失率|後遺症で労働能力が下がった割合

労働能力喪失率は、後遺症が残ったことでどのくらい労働能力が落ちたのかを数値で表したものです。

事故前の状態を労働能力喪失率0%とすると、後遺症によって労働能力がどのくらい喪失したのかがパーセンテージで表します。

後遺症の程度に応じた14区分の後遺障害等級ごとに、あらかじめ労働能力喪失率には目安が設けられているのです。以下の表をご覧ください。

労働能力喪失率

等級労働能力喪失率
1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害等級の数字が小さいほど障害の程度は重いので、労働能力喪失率も高くなっていることがわかります。

労働能力喪失期間|労働による収入が失われる期間

労働能力喪失期間は、後遺症が残ったことで労働能力が失われる期間のことです。原則として、症状固定から67歳までの年数が労働能力喪失期間となっています。

もっとも、属性によっては原則と異なる労働能力喪失期間になりますので注意が必要です。

被害者の属性ごとの労働能力喪失期間

属性労働能力喪失期間
原則症状固定~67歳まで
18歳未満18歳~67歳まで
大学生大学卒業時点~67歳まで
67歳に近い年齢の者「67歳までの年数」と「平均余命の半分」のいずれか長い方
67歳以上の高齢者平均余命の半分
神経症状のみ12級:10年程度
14級:5年程度

※ 平均余命は厚生労働省ホームページ「簡易生命表(基幹統計)」で確認可能です。

どの属性に当てはまるかで労働能力喪失期間の年数が変わってくるので、しっかりと確認しておきましょう。

ライプニッツ係数|一括受け取りの調整

ライプニッツ係数は、中間利息を控除するために用いる係数のことです。

中間利息とは?

逸失利益は、本来少しずつ手にするはずの収入を一括で手にすることになります。もらいすぎてしまう利息をあらかじめ調整しておくために、ライプニッツ係数により中間利息の控除をします。

多くのお金を一度に手にすることで資産運用や預金の利息などによって利益が生じることになり、実際の収入より多くの金額を得ることになる、と考えられているためです。

ライプニッツ係数は、労働能力喪失期間に応じて数値が決まっています。ライプニッツ係数を一部抜粋した表を紹介します。

ライプニッツ係数の抜粋(18歳以上のとき)

労働能力喪失期間2020/3/31以前2020/4/1以降
1年0.95240.9709
2年1.85941.9135
3年2.72322.8286
4年3.5463.7171
5年4.32954.5797
6年5.07575.4172
7年5.78646.2303
8年6.46327.0197
9年7.10787.7861
10年7.72178.5302
15年10.379711.9379
20年12.462214.8775
25年14.093917.4131
30年15.372519.6004
40年17.159123.1148
50年18.255925.7298
60年18.929327.6756

民法改正にともない、事故発生日が2020年3月31日以前と2020年4月1日以降でライプニッツ係数が異なるので注意しましょう。

18歳未満かつ未就労者のライプニッツ係数

症状固定時に事故の被害者が18歳未満の未就労者である場合は、先ほど紹介したライプニッツ係数を単純に当てはめるだけだと適正な金額の逸失利益になりません。

たとえば、5歳の幼稚園生が症状固定となった場合、5歳が労働者になることはあり得ません。

18歳未満の場合は、多くの場合で労働能力喪失期間のスタートを18歳からに設定することになるので、「67歳までのライプニッツ係数」から「18歳に達するまでのライプニッツ係数」を差し引く必要があります。

18歳未満のライプニッツ係数

  • 67歳までのライプニッツ係数 – 18歳に達するまでのライプニッツ係数

もっとも、このような計算をするのは手間になるので、18歳未満の場合は下記表のライプニッツ係数を用いると便利です。

ライプニッツ係数(18歳未満のとき)

事故時の年齢2020/3/31以前2020/4/1以降
0歳7.549514.9795
1歳7.926915.4289
2歳8.323315.8918
3歳8.739416.3686
4歳9.176516.8596
5歳9.635217.3653
6歳10.117017.8864
7歳10.622918.4230
8歳11.154118.9756
9歳11.711719.5449
10歳12.297320.1312
11歳12.912120.7352
12歳13.557821.3572
13歳14.235621.9980
14歳14.947422.6579
15歳15.694923.3376
16歳16.479624.0377
17歳17.303524.7589

※ 大学進学の蓋然性が認められると、数値が異なる場合もあります。

こちらも民法改正にともない、事故発生日が2020年3月31日以前と2020年4月1日以降でライプニッツ係数が異なるので注意してください。

後遺障害逸失利益の計算シミュレーションで具体的に確認

給与所得者(会社員/サラリーマン)

サラリーマンや会社員といった給与所得者の場合、原則通りに事故前年の収入をもとに基礎収入を割り出すことになります。

事故前年の「源泉徴収票」や「給与明細」から基礎収入を算定し、賞与や手当なども含みます。社会保険や税金を控除する前の総支給額が基礎収入として扱われるので注意しましょう。

もっとも、新入社員など若手労働者の場合、事故前年の収入ではなく賃金センサスを用いて計算することになります。一般的に、30歳未満の若手労働者は低い賃金で労働している傾向にあるので、全年齢を対象にした平均賃金を用いて基礎収入として扱うのです。

給与所得者の逸失利益計算例

給与所得者の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入500万円
後遺障害等級11級
労働能力喪失率20%
症状固定時の年齢42歳
労働能力喪失期間25年
ライプニッツ係数17.4131

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

500万円(基礎収入) × 20%(労働能力喪失率) × 17.4131(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

1741万3100円

事業所得者(自営業/フリーランス)

自営業やフリーランスといった事業所得者の場合も、原則通りに事故前年の収入をもとに基礎収入を割り出すことになります。

事故前年の「確定申告で申告した所得額」から基礎収入を算定します。所得額とは、売り上げから経費を差し引いた金額のことです。売り上げのすべてが基礎収入とはならないので注意しましょう。青色申告控除や専従者控除をする前の総収入が基礎収入として扱われるので注意してください。

確定申告をしていない場合や、確定申告で申告した金額と実際の収入が異なる場合、実際の収入を証明できる資料が揃っていれば基礎収入を算定することもできるでしょう。実際の収入を証明できる資料というと、請求書・領収書・通帳の履歴などがあげられます。

もっとも、証拠となる正確な資料が残っていないケースも多いため、実際の収入にもとづく逸失利益の請求がむずかしくなる傾向にあると覚悟せねばなりません。
確定申告は嘘偽りなくしなければならないことを実感できるのではないでしょうか。

事業所得者の逸失利益計算例

事業所得者の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入1000万円
後遺障害等級5級
労働能力喪失率79%
症状固定時の年齢37歳
労働能力喪失期間30年
ライプニッツ係数19.6004

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

1000万円(基礎収入) × 79%(労働能力喪失率) × 19.6004(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

1億5484万3160円

家事従事者(主婦/主夫)

主婦や主夫といった家事従事者の場合、賃金センサスをもとに基礎収入を割り出すことになります。

事故前年の収入がないので、賃金センサスの「女性労働者における全年齢平均賃金」から基礎収入を算定します。後遺障害逸失利益の計算では、「症状固定した年度の賃金センサス」を用いることが一般的です。

男性の主夫であっても、女性労働者における全年齢平均賃金を用いるので注意しましょう。

近年の賃金センサスをあわせて紹介しますので、ご確認ください。

女性労働者における全年齢平均賃金

賃金センサス
2017年約378万円
2018年約383万円
2019年約388万円
2020年約382万円

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

主婦と仕事を両立する兼業主婦の場合は、事故前年の収入と賃金センサスを比べて、いずれか高い方を基礎収入として扱います。

家事従事者の逸失利益計算例

家事従事者(専業主婦)の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入382万円※
後遺障害等級7級
労働能力喪失率56%
症状固定時の年齢52歳
労働能力喪失期間15年
ライプニッツ係数11.9379

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定
※症状固定の年度を2020年とし、その年度の賃金センサスを用いています。

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

382万円(基礎収入) × 56%(労働能力喪失率) × 11.9379(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

2553万7556円

高齢者

高齢者の場合、仕事や家事をしていれば若い方と同じように基礎収入を割り出すことができます。

  • 仕事をしている:給与所得者または事業所得者の場合と同様に基礎収入を計算
  • 家事をしている:家事従事者と同様に基礎収入を計算

高齢者であっても、仕事や家事をしている場合は年齢に関係なく逸失利益を請求できるのです。

また、たとえ無職の状態であっても就労の意欲と就労の蓋然性があれば、賃金センサスを基礎収入として扱います。

もっとも、年金を受け取っており、就労の可能性がない場合、逸失利益を請求することはできません。年金は後遺障害が残っても減るものではないので、逸失利益にはあたらないのです。

高齢者の逸失利益計算例

高齢者(男性)の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入280万円
後遺障害等級10級
労働能力喪失率27%
症状固定時の年齢70歳
(令和2年の平均余命16.18年)
労働能力喪失期間約8年
ライプニッツ係数7.0197

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

280万円(基礎収入) × 27%(労働能力喪失率) × 7.0197(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

530万6893円

子ども

子どもの場合、事故当時に収入はなくても将来的に働くことが想定されるので、賃金センサスをもとに基礎収入を割り出すことになります。

事故前年の収入がないので、賃金センサスの「男女別の全年齢平均賃金」から基礎収入を算定します。後遺障害逸失利益の計算では、「症状固定した年度の賃金センサス」を用いることが一般的です。

大学進学の可能性が高い場合は、大卒者の平均賃金を用いて算定することになるでしょう。

近年の賃金センサスをあわせて紹介しますので、ご確認ください。

男女別の全年齢平均賃金(令和5年および近年)

全年齢平均
(男/女)
大卒
(男/女)
令和2年約546万/約382万約638万/約451万
令和3年約546万/約386万約631万/約454万
令和4年約555万/約394万約640万/約462万
令和5年約563万/約399万約653万/約469万

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

女性の方が平均賃金が低くなるので、女児の場合は男女を合計した平均賃金を用いて計算する場合もあります。

また、大学生で内定が出ているような場合は、内定先の平均賃金を用いて算定する可能性もあるでしょう。

子どもの逸失利益計算例

子ども(男児)の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入545万9500円
後遺障害等級8級
労働能力喪失率45%
症状固定時の年齢12歳
ライプニッツ係数21.3572

※2020年4月1日以降に発生した事故を想定

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

545万9500円(基礎収入) × 45%(労働能力喪失率) × 21.3572(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

5,246万9835円

失業者

失業者の場合、事故当時に収入はなくても就労の意欲と就労の蓋然性があれば、基礎収入を割り出す方法はあります。

事故前年の収入がないので、以前に勤めていた会社の収入や内定先の平均賃金などを用いて基礎収入を算定します。

失業者の逸失利益計算例

失業者の一例をもとに、逸失利益を計算してみましょう。

基本情報

収入(失業前)400万円
後遺障害等級4級
労働能力喪失率92%
症状固定時の年齢47歳
労働能力喪失期間20年
ライプニッツ係数14.8775

以上の基本情報を、逸失利益の計算式に当てはめてみます。

400万円(基礎収入) × 92%(労働能力喪失率) × 14.8775(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

5,474万9200円

後遺障害逸失利益の計算は弁護士に相談しよう

後遺障害逸失利益は計算式を用いれば算定することができますが、計算式に用いる項目をまず正確に確定しなければ、適正な金額の逸失利益を得ることはできません。

たとえば、基礎収入は職業別に計算方法が異なりますし、年齢や属性に応じて労働能力喪失期間が変わってきたりもします。

人によっては何千万円~何億円にものぼる可能性がある逸失利益は、少しの間違いで最終的な金額に大きな影響を与えてしまいかねません。

いかに、正しく算定されているかどうかが逸失利益の計算には重要になってきます。弁護士であれば、事故の被害者が得られるであろう最大の逸失利益になるよう計算できるでしょう。

また、本記事で解説した内容以外にも、逸失利益の計算が複雑になるケースが存在します。

複雑なケースは、仕事の内容やご自身の状況にあわせて細かく調整しながら逸失利益を計算しなければなりません。本記事を読んでもご自身に該当するケースが見当たらなかったという方は、弁護士に相談していただくことをおすすめします。

アトム法律事務所の弁護士に逸失利益の算定について相談しよう

事故で重い後遺障害を負ってしまった場合は、アトム法律事務所の無料相談を利用して弁護士に相談してみましょう。

  • 逸失利益の計算方法がいまいちよくわからない
  • 自分で計算した逸失利益が妥当か確認してほしい
  • 事故の相手方から提示された逸失利益に納得いかない

事故で重い後遺障害を負ったうえ、以上のようなお悩みをお持ちの方は無料の法律相談をご活用ください。
逸失利益以外にも、ただしく請求すべきお金があると思います。事故に関する補償について、請求漏れなく手にできるようにするなら、弁護士に相談してみましょう。

法律相談の受付は、年中無休の24時間いつでも対応しているので、気軽にお問い合わせください。

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アトム法律事務所 岡野武志弁護士

なお、後遺障害が残った方は「後遺障害慰謝料」の請求も可能です。関連記事では後遺障害慰謝料の相場や交渉時のポイントをまとめていますので、あわせてお読みください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了