学校事故による慰謝料の請求先は?慰謝料の相場とともに解説! | 事故弁護士解決ナビ

学校事故による慰謝料の請求先は?慰謝料の相場とともに解説!

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この記事でわかること

  • 慰謝料とは、精神的苦痛を受けたことに対する賠償金のことをいう
  • 学校事故による慰謝料を請求する場合、公立学校と私立学校とで請求相手が一部異なる
  • 学校事故による慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3つがある

学校事故により被害を受けた場合、被害を受けた生徒はもちろんのこと、その両親なども精神的にダメージを受けることになります。

このような場合に加害者側に請求できるのが「慰謝料」です。

もっとも、慰謝料を請求する際には、請求先となる相手や請求する具体的な金額など、押さえておくべきポイントがいくつもあります。これらのポイントをしっかりと押さえていないと、不満の残る結果に終わる可能性もあるため、注意が必要です。

今回は、学校事故による慰謝料について、請求先となる相手や慰謝料の相場をわかりやすく解説します。

学校事故による慰謝料とは

学生生活において、授業を受けている最中に怪我をしたり、部活動で練習をしている最中に怪我をしたりすることは珍しくありません。

ですが、怪我の程度によっては、病院で治療を受けることが必要になったり入院しなければならなくなったりすることもあり、最悪の場合は死に至るケースもあります。

このような場合、被害に遭った生徒やその両親はどのような請求をすることができるのでしょうか。

積極損害と消極損害

学校事故により怪我を負った場合において、一定の条件を満たしているときは、被害者は加害者側に損害賠償を請求することが可能です。

被害者が請求できる財産的な「損害」は、積極損害と消極損害に分かれています。

「積極損害」とは、学校事故により、被害者が実際に支出せざるを得なかった費用のことをいい、典型例は治療費や入通院交通費です。

これに対し、「消極損害」とは、学校事故が発生しなければ得られたはずのものが、学校事故が発生したことにより得られなくなったものをいいます。たとえば、休業損害や後遺症が残ってしまった場合の逸失利益は消極損害です。(逸失利益とは、事故により将来にわたって得られなくなった収入のことをいいます。)

慰謝料

「慰謝料」とは、精神的苦痛を受けたことに対する賠償金のことをいいます。

学校事故により怪我や障害を負ってしまった場合、また、死亡してしまった場合、被害に遭った生徒やその両親などは精神的に大きなダメージを受けることがほとんどです。

このような精神的ダメージを慰謝するために、加害者から被害者に支払われる金銭が慰謝料ということになります。

学校事故による慰謝料は誰に請求する?

加害者と被害者がいずれも個人である場合、原則として、慰謝料を請求する相手は加害者ということになります。

ですが、加害者が業務中に事故を起こして被害者に怪我を負わせてしまった場合は、加害者個人だけでなく、加害者が勤務する会社にもその責任が及ぶことが原則です。

この点は、学校事故の場合にもそのままあてはまります。

公立学校の場合

公立学校における学校事故の場合、適用される法律は「国家賠償法」です。

国家賠償法において、事故につき教職員に責任がある場合は、教職員に代わって国や地方公共団体(都道府県、市区町村など)が責任を負うこととされています。

そのため、教職員に対して直接、慰謝料を請求することはできません。

また、公立学校の施設や設備に欠陥があり、それが原因となって学校事故が発生した場合には、施設や設備の所有者・管理者に損害賠償責任が発生します。

公立学校の施設や設備については、一般的に国や地方公共団体が所有者・管理者であることがほとんどであるため、この場合も国や地方公共団体に対して、慰謝料を請求することが可能です。

さらに、他生徒の故意や過失により怪我を負った場合には、加害者の生徒またはその親に対し、民法上の不法行為に基づき慰謝料を請求することができます。

私立学校の場合

私立学校における学校事故の場合、適用される法律は「民法」です。

たとえば、教職員の故意や過失によって学校事故が発生した場合、公立学校の場合とは異なり、直接教職員に対して慰謝料を請求することができます。

また、学校は教職員の使用者として使用者責任を負うため、学校が教職員の選任や校務について相当の注意を払っていた場合や相当の注意を払っていても事故を避けられなかったような場合をのぞき、被害者に対して慰謝料を支払う義務を負うことになるのです。

さらに、他生徒の故意や過失により怪我を負った場合には、公立学校のときと同じように、加害者の生徒またはその親に対して慰謝料を請求することができます。

慰謝料の請求方法

公立学校、私立学校であるとを問わず、学校事故によって被った慰謝料の請求方法は、個別のケースによって異なります。

当事者双方または一方が争う姿勢を明確にしている場合には、任意で交渉をしても、解決に至らないケースが多いです。

この場合は、訴訟を提起することにより、裁判所に判断を委ねるほかありません。

これに対し、双方が一定程度譲歩するなどして、話し合いで解決することも可能です。

この場合は、当事者の話し合いで合意した慰謝料が加害者から被害者に支払われることになります。

学校事故による慰謝料の相場

学校事故において被害者が受ける損害の程度はさまざまです。

軽い怪我で済む場合もあれば、大怪我を負い後遺症が残ってしまう場合や死に至るケースもあります。

そのため、慰謝料の額は、被害者が受けた損害の程度によって異なってくるのです。

学校事故により怪我を負った場合

学校事故により負った怪我を治療するために入通院が必要となった場合、被害者は入通院慰謝料を請求することができます。

ここでいう「入通院慰謝料」とは、入通院を余儀なくされたことにより被った精神的苦痛への賠償です。

具体的な入通院慰謝料の額は、入通院の期間や怪我の部位・程度などを基に算定されます。

入通院慰謝料の相場は、入院に1ヶ月を要した場合は35~53万円、2ヶ月を要した場合は66~101万円です。このように、入院期間が長くなればなるほど、金額も高額になります。

また、通院に1ヶ月を要した場合の入通院慰謝料の相場は19~28万円、2ヶ月を要した場合は36~52万円です。

学校事故により障害が残った場合

学校事故により後遺障害が残った場合、被害者は後遺障害慰謝料を請求することが可能です。

後遺障害慰謝料を請求する場合には、後遺障害等級の認定を受ける必要があり、慰謝料の額は等級ごとに算定されます。等級は第1級から第14級までに分かれており、最も重度となる等級は第1級です。

後遺障害慰謝料の相場は、第1級に該当する場合は2,800万円、第2級に該当する場合は2,370万円、第14級に該当する場合は110万円となっています。

学校事故により死亡した場合

学校事故により死亡してしまった場合、被害者の遺族は死亡慰謝料を請求することができます。

死亡慰謝料は、被害者の年齢や家族構成などを基に算定されますが、およその相場は、2,000~2,500万円です。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点