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学校の怪我で後遺症|慰謝料や逸失利益の計算と相場は?相手への請求方法も解説

更新日:

学校事故で後遺症が残ったら。請求できる内容

学校で起きた事故により、被害者が後遺症の残るような大きな怪我を負ってしまうことがあります。

後遺症が残るような怪我を負った場合には、完治するような怪我の場合とは請求方法が異なってきます。
そのため、誰にどのような方法で請求ができるのかについて理解しておく必要があるのです。

本記事では、学校での怪我により後遺症が残った場合における請求の方法や請求できる内容について解説を行います。

学校での怪我で後遺症が残った場合の請求相手

学校に対する請求

学校に対する請求の方法は、学校が公立であるか私立であるかにより異なります。

学校が公立の場合

学校が公立の場合は、国家賠償法という法律にもとづいて損害倍補償請求を行うことが可能です。

公務員である教員の故意や過失を原因として生徒が怪我を負った場合には、国家賠償法にもとづいて、学校の設置者である国や地方公共団体が損害賠償責任を負います。
教員個人に対する損害賠償請求は行えません。

教員の過失とは、怪我を負うおそれを予見することができていながら、怪我を負わないように適切な対応を行わなかった場合に認められます。

私立の場合

私立の場合は、民法にもとづいて損害賠償請求を行うことが可能です。

教員の故意や過失を原因として生徒が怪我を負った場合には、教員を雇っている学校に対して損害賠償請求を行うことが可能です。このような学校の責任を使用者責任といいます。

教員の過失については、公立の場合と同様に、怪我を負う恐れの予見があり、適切な対策を行わなかった場合に認められるでしょう。

加害生徒に対する請求

怪我を負った原因が他の生徒の故意や過失による場合には、加害生徒に対して請求を行うことが可能です。

もっとも、加害生徒本人に請求しても、通常は損害賠償金の支払いを行うことができないため、保護者に対して請求を行うことになります。

加害生徒が民法にいう「責任無能力者」といえる場合には、監督義務者である保護者に対して請求を行うことが可能です。
責任無能力者とは、おおよそ12歳前後までの年齢の子どもが該当します。

加害生徒が責任無能力者に該当しない場合は、保護者が負うべき監督行為に過失があることを理由として、保護者に対して損害賠償金請求を行いましょう。

子どもに後遺症が残った|請求前にすべきことと請求内容

学校で負った怪我が完治せず、後遺症として残ってしまう場合があります。

後遺症の症状が後遺障害に該当する場合には、請求できる金額が増加することになるので、後遺障害等級認定を受けることから始めましょう。

請求前には後遺障害等級の認定を受ける

後遺障害等級認定を受ける方法はいくつか存在します。

学校での怪我が後遺障害に該当するかどうかは、災害共済給付制度という学校事故に関する保険を利用する場合は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが判断を行います。

どのような症状が該当するのかについては『日本スポーツ振興センターのホームページ』で確認可能です。
障害診断書』などの必要な書類を集めたうえで、学校に提出してください。

災害共済給付制度を利用しない場合は、治療を行ってくれた医師に協力してもらい、どのような後遺症の症状が発生しているのかについて証明してもらいましょう。
この他に、裁判所に損害賠償請求の訴訟提起を行えば、裁判所が後遺障害に該当するのかについて判断してくれます。

どのような方法によるとしても、専門知識が必要となってくるため、弁護士に相談することをおすすめします。

後遺症への補償として請求すべき内容

後遺障害等級認定を受けた場合には、これまでの治療に関する補償とは別に、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の請求が可能です。

後遺障害への補償項目(一部を抜粋)

請求費目概要
後遺障害慰謝料後遺障害が残ったことへの精神的苦痛を金銭化したもの
後遺障害逸失利益後遺障害が生じたことで、将来仕事をすることで得られたはずの収入が得られなくなったという損害

※介護費用の請求が認められるケースもある

なお、これまでの治療に関する補償とは、治療費、入通院交通費、入通院付添費、入院雑費、入通院慰謝料などが該当します。これらは後遺症の有無にかかわらず請求できる金銭です。

入通院慰謝料とは何か

怪我の治療を行うために入院や通院を行った場合、入通院慰謝料を請求できます。入通院慰謝料の金額は、入院があった場合や、治療に要した期間が長いほど、高額になるものです。

弁護士が交渉に入った場合の入通院慰謝料の相場は、関連記事『学校事故による慰謝料の相場・請求先は?軽傷・重傷・後遺障害・死亡の慰謝料を解説』にて解説しています。

後遺障害慰謝料の相場と判例

学校での怪我による後遺症の症状が、後遺障害に該当する場合には、後遺障害慰謝料を請求することが可能です。

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害の程度に応じて決められる後遺障害等級に応じて異なります。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害等級ごとの相場額は、以下の通りです。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害等級金額
第1級2,800万円
第2級2,370万円
第3級1,990万円
第4級1,670万円
第5級1,400万円
第6級1,180万円
第7級1,000万円
第8級830万円
第9級690万円
第10級550万円
第11級420万円
第12級290万円
第13級180万円
第14級110万円

最も等級の低い14級であっても、100万円を超える後遺障害慰謝料の請求が可能であるため、後遺障害に該当する場合は必ず請求を行いましょう。

後遺障害慰謝料が認められた判例

後遺障害慰謝料が認められた判例を紹介します。なお、後遺障害慰謝料の金額は、個別の事情を反映して相場から増減されるものです。同様の事例であっても同額が認められるわけではありません。

判例:後遺障害慰謝料2,000万円|後遺障害3級、四肢不全麻痺

高校の体操部に所属する学生が、体育館での平行棒の着地の際、頭部を強打して負傷しました。頚髄損傷の重傷を負い、学生には四肢不全麻痺の後遺障害や生じてしまい、後遺障害3級に認定されたのです。

裁判では体操部顧問の注意義務違反が認められ、後遺障害慰謝料として2,000万円、また、両親にも別途慰謝料200万円ずつが認められました。(平成20年(ワ)第14195号 損害賠償請求事件 平成22年9月3日 より損害賠償の一部を抜粋)

判例:後遺障害慰謝料830万円|後遺障害8級、視力障害

剣道部の部活前、ふざけていた他の学生が横に振った竹刀が被害学生の目に当たり、視力低下、斜視、弱視といった後遺症が残ってしまいました。学生は後遺障害8級認定を受けたのです。

裁判では顧問の注意義務違反が認められ、後遺障害慰謝料として830万円が認められました。(平成17年(ワ)第836号 損害賠償請求事件 平成19年9月27日より損害賠償の一部を抜粋)

後遺障害逸失利益の計算方法と判例

後遺障害逸失利益の計算方法は非常に複雑であるため、その詳細について解説します。

逸失利益は数千万円以上に上ることもある、高額化しやすい賠償項目の一つです。判例も掲載しているので、実際に裁判で認められた後遺障害逸失利益の金額も確かめてみてください。

後遺障害逸失利益の計算式

まだ仕事を行っていない子どもであっても、将来仕事を行うことから、後遺障害逸失利益を請求することが可能です。
具体的な計算式は以下のようになります。

後遺障害逸失利益の計算式

1年あたりの基礎収入 × 労働能力喪失率 × (労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数 – 就労開始年齢に達するまでのライプニッツ係数 )

つまり、後遺障害逸失利益とは、1年あたりの基礎収入が、どれくらい減って、減収が何年間続くのかを計算した結果といえるでしょう。

計算に使う各項目をみていきます。

基礎収入の計算方法

子どもは、基本的に怪我を負った時点では収入を得ていません。
そのため、賃金センサスを用いて判断を行います。

賃金センサスとは、厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査の結果のことです。
労働者の賃金の実態を明らかにするための調査で、職種、性別、学歴、年齢などの項目ごとに労働者の平均的な賃金を計算しています。

被害者が男性であれば男子の学歴計、全年齢平均賃金を基礎収入としてください。
女性の場合は、性別を問わず、全労働者の学歴計、男女計の全年齢平均賃金を採用することが多いでしょう。

治療を行っても効果が望めないという症状固定の状態になった年の賃金センサスを適用してください。

賃金センサス

年度
2018約558万円約497万円
2019約561万円約500万円
2020約545万円約487万円

また、就職・内定が決まっている場合には、内定先の平均賃金で算定される可能性もあります。

労働能力喪失率

逸失利益の計算に使う労働能力喪失率とは、後遺障害によって失われた労働能力を割合で示したものです。

労働能力喪失率は後遺障害等級ごとに目安が定められており、職業や後遺障害の部位・程度など個別の状況で増減します。

後遺障害等級と労働能力喪失率

等級 労働能力喪失率
1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

労働能力喪失期間と就労開始年齢

労働能力喪失期間の終期は原則として67歳とされます。

そのため、これ以上は治療の効果がないと判断された症状固定時点での年齢から、67歳までの年数が、労働能力喪失期間です。

ライプニッツ係数

後遺障害逸失利益は、将来得られるはずの利益のため、請求した場合には、本来よりも早い段階で利益が得られることになります。

そうすると、本来よりも早い段階で預金利息などの利益が生じますが、このような利益は本来得らえないため、控除する必要があるでしょう。

ライプニッツ係数は、このような中間利息といわれる利益を控除するための計算式です。
就労可能期間と、利息の利率により数値が異なります。

利率については、2020年4月1日以降の事故による怪我であれば年3%、2020年3月31日以前の事故による怪我であれば年5%として計算してください。

就労の始期を18歳とした場合のライプニッツ係数は、以下の通りとなります。
なお下表のライプニッツ係数は、労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数から就労開始年齢に達するまでのライプニッツ係数を控除したものなので、逸失利益の計算にそのまま使えます。

18歳未満の者に適用されるライプニッツ係数表

年齢年3%年5%
014.977.54
115.427.92
215.898.32
316.368.73
416.859.17
517.369.63
617.8810.11
718.4210.62
818.9711.15
919.5411.71
1020.1312.29
1120.7312.91
1221.3513.55
1321.9914.23
1422.6514.94
1523.3315.69
1624.0316.47
1724.7517.30

子どもの逸失利益|計算シミュレーション

ここまでのまとめとして、以下のような例で子どもの逸失利益を計算してみましょう。

2019年に事故が発生、被害者は14歳の男子中学生でした。2020年の15歳のときに症状固定となり、後遺障害等級は5級と認定されました。
この場合、原則に従った逸失利益の計算式は次の通りです。

逸失利益の計算例

545万(2020年賃金センサス)×0.79(労働能力喪失率)×23.33(症状固定時15歳のライプニッツ係数)=1億44万7,315円

後遺障害逸失利益が認められた判例

後遺障害逸失利益が認められた判例を紹介します。なお、逸失利益の算定にあたっては、基礎収入をいくらとするのか、労働能力の低下はいつまで認められたかなどで金額は変動するので、類似事例であっても金額が同じになるとは限りません。

判例:逸失利益約8,796万円|後遺障害2級、くも膜下出血

中学の卓球部に所属していた学生は、部活動の途中で窓から転落し、全身を強く打ちつけてしまいました。その結果、右眼失明、左腎機能廃絶、外傷性脳損傷および高次脳機能障害といった重大な後遺障害が残り、後遺障害2級と認定されました。

労働能力喪失率は100%、基礎収入は平成27年の賃金センサスより489万2,300円と認定され、逸失利益として8,796万8,446円が認められました。平成25年(ワ)第725号 損害賠償請求事件 平成30年3月30日より損害賠償の一部を抜粋)

判例:逸失利益約2,346万円|後遺障害9級、顔面醜状・嗅覚障害

中学生が体育館内でバレーボールのネットを張る作業中、ネット巻き器が跳ね上がり、顔面を損傷してしまいました。生徒は前額部挫創、頭蓋骨開放骨折、鼻骨骨折、脳挫傷の傷害を負ったのです。前額部の傷ならびに嗅覚減退により、後遺障害9級の認定を受けました。

これにより労働能力喪失率は35%、基礎収入は平成23年の賃金センサスより470万9,300円と認定され、逸失利益として2,346万3,898円が認められました。(平成25年(ワ)第347号 損害賠償請求事件 平成26年6月30日より損害の一部を抜粋)

学校での怪我に関する損害賠償請求の方法

損害賠償請求を行う場合は示談交渉から

損害賠償請求を行う際には、基本的に示談交渉による話し合いで解決を図ることになります。

相手方に対して請求金額を提示し、相手方が同意すれば提示された金額を支払うという内容で決着します。相手方が反論を行ってきたのであれば、意見が一致するよう落としどころを見つけて示談となるでしょう。

示談交渉を有利に進めるためには、しっかりとした証拠にもとづいて請求を行うことが必要です。証拠や金額の根拠が不明確であれば、相手方も納得しない可能性が高いでしょう。

示談交渉による解決がうまくいかない場合は、訴訟提起を行い、裁判による解決が必要となります。
しかし、裁判手続きは非常に複雑であるため、専門家である弁護士に依頼を行うべきです。

災害共済給付制度を利用しよう

学校において生じた怪我では、災害共済給付制度を利用することが可能な場合があります。

災害給付制度とは、加入契約を行っている学校の管理下で発生した事故により生徒が怪我をした場合に、給付金の支給を行うというものです。

加入契約に同意し、保険料を負担している保護者の子どもが対象となります。
「学校の管理下」とは、授業中、休憩時間中、部活動中、課外授業中、登下校中などです。

災害給付制度を利用すると、医療費の一部や、障害見舞金の支給を受けることができます。

災害保険給付制度の給付対象範囲や申請手続きの方法などについてがは『学校で起きた事故で怪我をした場合に利用できる保険は?』の記事をご覧ください。

学校での怪我による請求は弁護士に相談しよう

学校での怪我により後遺障害を負ったのであれば、請求できる金額も高額になることが多いでしょう。

そのため、損害賠償請求を行う際には弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談すべき理由や、どのような弁護士に相談するべきであるのかを紹介します。

弁護士に相談すべき理由

適切な後遺障害等級の認定を受けることができる

後遺障害慰謝料や逸失利益を請求するためには、後遺障害等級認定を受けることが前提となります。

しかし、後遺障害等級認定を受けることができる症状が発生していることを証明するためには専門知識が必要であるため、簡単なことではありません。
仮に証明できたとしても、希望する等級とならない恐れもあります。

弁護士に相談すれば、どのような資料をもとに証明を行えばよいのかについてアドバイスをもらうことが可能です。
そのため、希望する後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高くなるでしょう。

証拠収集を手伝ってもらえる

損害賠償請求を行うためには、学校事故により怪我が生じたことや、怪我によりどのような損害が生じたのかについて証拠をもとに証明する必要があります。

証拠もとづいた証明がなされなければ、基本的に相手方は請求に応じてくれないでしょう。

弁護士に相談すれば、提出すべき証拠がどのようなものであるのかや、証拠の収集方法について確認することが可能です。
また、依頼を行えば、証拠の収集を代わりに行ってくれます。

請求相手との交渉を代わりに行ってくれる

損害賠償請求を行う際には、相手方に対して交渉を持ち掛け、具体的な金額について話し合いが必要となります。

しかし、怪我をした子どものケアを行いながら、経験のない交渉を行うということは非常に大変です。
また、交渉がまとまらないのであれば裁判による解決が必要となりますが、複雑な裁判手続きを1人でこなすのは困難でしょう。

弁護士に依頼を行えば、代理人として相手方との交渉を代わりに行ってくれます。裁判となっても、適切な裁判手続きを行ってくれるため安心です。

無料の法律相談窓口のご案内

弁護士に相談することで様々なメリットがあると知っていても、実際に依頼するかどうかを決めかねていたり、相談費用に不安を感じる方もいるでしょう。

そのため、最初は弁護士に相談を行い、弁護士費用がかかるとしても依頼を行った方がよいのかという点を確認すべきでしょう。確認するための相談料が無料であれば金銭的な負担もかからないためおすすめです。

アトム法律事務所では、無料の法律相談を行っています。
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岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点