飲食店の悪い口コミ(Googleマップ・ホットペッパー)の削除依頼・対処方法 | アトム法律事務所弁護士法人

飲食店の悪い口コミ(Googleマップ・ホットペッパー)の削除依頼・対処方法

更新日:

岡野武志弁護士

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

飲食店の口コミ Googleマップのレビューは削除できる?

どの飲食店に行くか決める指針のひとつとして、各種サイトの口コミの影響力は大きいといえます。

たとえば、利用者が多いGoogle検索エンジンを使えば星評価と共に最新のGoogle口コミ投稿が検索結果に自動表示されます。

他にもホットペッパーグルメ、食べログ、ぐるなびなど大手口コミサイトの影響も無視できません。ここでは飲食店の口コミに投稿されたネガティブな内容を削除ポイントを口コミサイト別に紹介しています。

飲食店のGoogle口コミ削除依頼ポイント

投稿のレビュー報告ボタンを利用する

飲食店のGoogle口コミページ(Googleマイビジネス)に書き込まれた悪い口コミ投稿を削除するには、報告ボタンを用いましょう。

削除したい口コミ投稿をタップし、右上にある[三点リーダー]から[レビューを報告]を選択します。口コミ報告理由を選ぶ画面表示となりますので適した理由をタップし送信すれば報告完了です。

この方法はGoogleビジネスプロフィールのオーナー権限を取得していなくても利用することができます。Googleビジネスプロフィールのオーナー権限を持っている場合は、管理画面から違反報告を行いましょう。

報告ボタンによる通報は操作が簡単ですが、あくまで問題をGoogleに通知するにとどまります。

悪質な口コミの具体的な権利侵害を説明したり、問題のある文言を指摘するには、専用のフォームページからの削除申請にトライすることがおすすめです。

Legalヘルプのページから削除を求める

権利侵害の内容をGoogleに詳しく説明する場合には、Legalヘルプページから削除を求めましょう。Legalヘルプページでは、口コミが具体的にどんな違反をしているのか、Google側に示すことができます。

権利侵害の指摘にはなるべく法律の条文引用も求められるため、専門的知識が必要となります。

削除依頼する場合は、弁護士に口コミの詳細や、投稿内容に関する背景事情など自身で分かる範囲にて相談しておきましょう。

相談をする際には該当する口コミのURLや口コミ投稿者の名前(ハンドルネーム)等も伝えておけば、投稿内容の削除ができそうかスムーズに判断してもらえます。

口コミはGoogleの規約に沿って対処される

飲食店に対する悪い口コミ評価は様々です。Google口コミの削除は、Googleのポリシーに照らして判断されます。

ローカルガイドヘルプページに、「禁止及び制限されているコンテンツ」が記載されているので確認しましょう。削除したい口コミが条件に当てはまるか、見通しを立てるのに役立ちます。

ポリシー違反の例(一部)

不実表示
・・・商品やサービスの説明や品質に関する誤解を招くまたは虚偽の記述

個人情報
・・・クレジット カード情報や医療記録、政府発行の身分証明書など個人情報や機密情報を含むコンテンツ

口コミに投稿された内容が虚偽の場合は、虚偽であることを示す証拠を揃えておく必要があります。

なお、否定的なクチコミの投稿を妨げる行為は、客観的に見て公平な評価がされているとは見なされない「詐欺的なコンテンツ」というポリシー違反にあたるとGoogleに認定されてしまうことがあります。口コミ投稿の削除が妥当と判断されやすい内容ならば削除依頼をしましょう。

「味が薄すぎる(濃すぎる)」、「接客態度が悪い」「値段のわりに量が少ない」といった投稿は、個人の感想の域を出ないとして扱われるため、飲食店として都合の悪い口コミ内容でも削除ができません。

対処すべき悪い口コミ内容とは?

たとえば事実無根なのに「店員の●●に殴られた」といった口コミ投稿内容であれば、書き込みの日付から推定される期間の防犯カメラ映像の記録をGoogle側に提出して削除を求めるべきです。

他にも事実ではない内容の口コミが掲載されたことで事実確認や誹謗中傷の電話が殺到し、対応に追われて営業ができなくなった場合は業務妨害罪として被害届を出した方が良い場合もあります。

詳しくは『ネットの誹謗中傷|信用毀損罪・業務妨害罪の被害者になった方へ』もあわせてご覧ください。

接客した店員のプライベートなメールアドレスや電話番号を調べて書き込む嫌がらせを受けたならば、店の評価と関係ない内容です。個人情報の拡散規模が小さいうちに至急削除依頼を試すことをおすすめします。

Google口コミの削除依頼に関する費用など詳しくは下記の特集もご覧ください。

ホットペッパーグルメの口コミ削除依頼ポイント

ホットペッパーグルメの口コミはルールに違反していると削除される

ホットペッパーグルメの口コミは「おすすめレポート」と呼ばれているものです。投稿後すぐに書き込んだ店舗の記事ページに反映されないシステムとなっています。

ホットペッパーでは口コミが投稿されると「おすすめレポート投稿ルール」に違反していない内容かどうか審査が行われます。ルールに則った投稿ならばおよそ1,2週間後にサイトへ掲載されます。

ルールに違反している不適切な口コミならば、投稿受付後の審査によって掲載しないという判断をされることがほとんどです。

ホットペッパーグルメのサイトに掲載された時点で既に口コミに対する精査が既に行われているため、掲載された投稿の削除の難易度は高いといえます。

誹謗中傷のレポートは報告もしくは問い合わせフォームを利用する

投稿の審査で見落とされたルール違反投稿が掲載されることも稀にあります。その場合は該当のおすすめレポートをクリックし、レポート右下に表示されている[違反レポートを報告する]を選択しましょう。

ただし内容の背景事情などの指摘ができないため、報告だけでなく[ヘルプデスクへのお問合せ]から問い合わせることも検討してみてください。おすすめレポートのどの部分が投稿ルールに違反しているのか詳しく記載して送信しましょう。

食べログの口コミ削除依頼ポイント

食べログの悪い口コミは運営会社に報告する

食べログの口コミ投稿には全て右下部分に[問題のある口コミの報告]リンクがあります。リンクをクリックするとお問い合わせフォームページへアクセス可能です。

お問い合わせ内容欄に、問題のある口コミの投稿者と、その投稿内容、投稿に問題があると考える理由を記載して送信します。

お問い合わせページに記載する内容

タイトル 
[問題のある口コミの報告]を選択

メールアドレス 
返信が迷惑メールに振り分けられないかチェック

お問い合わせ内容 
問題があると考える投稿の詳細を記載する

口コミガイドラインに反する内容であれば削除できる

食べログでは、口コミガイドラインに基づいて口コミ内容の精査を行う専任チームが存在し、口コミ投稿の削除判断や編集を行ってくれます。

店舗の様子や提供メニューについてなど、食べログの削除専任チームが投稿を見て誤った情報なのか判断が難しいものは掲載されたままのことが多いです。

食べログではNGとなる口コミの内容は幅広いため、対応してもらえる可能性は高いでしょう。誤った情報が口コミ投稿されていると風評被害が広まりますので見つけ次第対処することが重要です。

NG投稿

  • 飲食店の評判に影響を及ぼす恐れがある事実関係の確認が難しい口コミ
    「ここで食事をしたあとに体調を崩した」
  • 断定的な表現を使う口コミ
    「ここは量が少ないのに高くてぼったくりだ」
  • 店舗関係者個人を特定した批判
    「△△という店員は接客態度が最悪」

ぐるなび・トリップアドバイザーの口コミ削除依頼ポイント

ぐるなびの口コミ削除依頼はトリップアドバイザーへ行う

ぐるなびに掲載されている口コミはトリップアドバイザーのサイトに投稿された口コミの提供を受けて反映する仕様となっています。

そのため、ぐるなびで見た口コミを削除したい場合には、掲載元となるトリップアドバイザーに依頼しなければなりません。

ぐるなびに表示されている投稿からトリップアドバイザーの該当の投稿には直接リンクされていません。トリップアドバイザーのサイト検索から自身の店舗情報を調べ、口コミを確認しましょう。

口コミの削除はトリップアドバイザーで定められている利用規約に違反している内容ならば行える可能性があります。

トリップアドバイザーへの削除依頼はアカウントが必要

トリップアドバイザーの口コミに関する問い合わせを行う場合は、まずトリップアドバイザーのアカウントを作成しましょう。その後に[オーナーが旅行者に口コミの削除を求める]ページの下部にある問い合わせリンクから手続きをします。

問い合わせ時には投稿のどの部分が規約違反に該当するのか主張しましょう。トリップアドバイザーの口コミは体験談であることを重視しているため、内容に虚偽が含まれる場合は証明できる資料も揃えておくことがおすすめです。

トリップアドバイザーの運営会社は海外企業のため、返信には数日要するケースが多いといえます。

Rettyの口コミ削除依頼ポイント

口コミの報告機能はアプリのみから行える

Rettyの投稿ごとの報告機能は、アプリならば利用できますがブラウザから閲覧している場合には報告機能はありません。

アプリでログイン閲覧をしているならば、問題があると思う口コミの右上、三点リーダーボタンを押せば[報告する内容を選択]が表示されます。報告理由を選択して送信しましょう。

繰り返し誹謗中傷の口コミを行うユーザーに関しては、ユーザーアイコンをタップし、ユーザーページ右上の三点リーダーボタンからユーザー報告を行うことができます。

口コミ報告の場合も、ユーザー報告の場合も、報告後に運営会社がどんな対応を採ったのかは返信などで通知されることはありません。

問い合わせフォーム・メールで削除依頼を送ることも手

Rettyの口コミは運営会社のお問い合わせ窓口フォームに問い合わせましょう。Googleのシステムを用いているため、ご自身のGmailアカウントからの送信が必要です。

問い合わせ内容欄には、どの口コミを削除依頼したいか記載して送信します。運営会社からの返信は送信したGmailのメールアドレスで受け取れるように受信設定を確認しておくことが望ましいです。せっかく返信が来ても迷惑メールに振り分けられていて見落とさないように気をつけましょう。

お問い合わせ窓口フォーム以外にもカスタマーサポート宛のメールアドレス(cs@retty.me)が公開されています。平日の3営業日以内の返信が目安となっていますので、運営会社から対応について回答が欲しい方はメールで問い合わせる方がおすすめです。

なお、返信が遅いからといって何度も同じ内容について問い合わせると迷惑メールの扱いとなることもあるため、慎重に検討しましょう。

口コミがRetty規約の削除基準に該当するか確認

利用規約の「第11条コンテンツの削除」には個人や店舗を誹謗中傷するもの、店舗などへの個人的な激しいクレームやトラブルや支払いに関するもの等が削除される可能性があります。

削除依頼したい口コミが規約違反にあたるのか判断できず問い合わせを迷っている方は専門家に相談してみることもおすすめです。

削除可能性がある内容

個人や店舗を誹謗中傷するもの
「子連れが騒いでるのに店員が注意しない、店も非常識だ」

店舗などへの個人的な激しいクレーム
「あんなにまずい店は潰れろ、潰してやる」

トラブルや支払いに関するもの
「お会計でミスをされて1,000円損をした」

飲食店の悪い口コミを放置するデメリット

悪い口コミは集客数に影響する

インターネットで検索して表示された口コミの評判を見てから来店を決める人は少なくありません。口コミは来店した人のリアルな声が反映されやすい特徴があると考えられているからです

一方で、事実と異なる悪質な口コミが混じっていたとしても、投稿を見た人はその投稿内容を信じてしまう可能性があります。悪質な口コミを放置しておくことは店の信用問題に深刻な影響を与える可能性が高いです。

悪い口コミの削除を希望する場合、Google口コミのように法的問題があることを報告しなければならないこともあります。

  • 投稿に対処したいがどの部分に法的問題があるのか分からない
  • 口コミ削除依頼のやり方に不安がある
  • 口コミの対処をしたいが店が忙しくて削除依頼をする時間がない
  • 削除依頼を出したが反応がなく不安な方

上記のお悩みを抱えている場合にはネットトラブルの対処に詳しい専門家に相談し、適切な解決策を探してみましょう。

取引業者との関係にも影響する

口コミの影響を受けるのは、来店するお客様だけではありません。食材の仕入れ先、備品の発注元なども店舗の口コミを目にする可能性も大いにあります。

他にも貸店舗の場合は、店舗のオーナーや、不動産会社などが、口コミに注目しているかもしれません。店舗の評判は、客入り・売り上げに直結します

口コミ評価が低い飲食店の場合「この店舗は営業していくことが難しいのではないか」と考える取引業者が離れてしまう事態も想定されます。早期に対処し、店舗経営にダメージがなるべく最小限に留まるようにしましょう。

飲食店の悪質な口コミへの対応を検討

店舗情報を完全削除できないケース

口コミサイトは掲載料を支払わなくても、ユーザーから評価が寄せられると自動的に口コミページが作成されてしまうことがよくあります。

口コミサイトは飲食店を利用する人の情報収集目的のため立ち上げられているので、飲食店側の事情や意志とは関わらず運用されるケースが多いです。

特にGoogleマップやトリップアドバイザーでは掲載取りやめを求めても削除されづらい傾向にあるといえます。また両サイトは誹謗中傷の口コミ投稿自体の削除基準も厳しいといえるでしょう。

一方で他の口コミサイトのなかには、サイト掲載自体の停止を求めることも可能です。飲食店側としては、口コミ評価と上手に付き合っていくことがマーケティング戦略上、必須といえます

悪質な内容の口コミを投稿されて頭を悩ませている店舗経営者の方や従業員の方は、一度口コミサイトの削除に詳しい専門家に相談してみることを考えてみましょう。

口コミサイト以外のケース

口コミサイト以外にも、ブログの「食レポ」や、Twitter、Instagram、YouTubeなどに投稿された飲食店で撮影した画像や動画の投稿のリアクションが飲食店の評判に影響します。

時には口コミサイト以外のコンテンツでネット炎上した結果、口コミサイトで誹謗中傷が書き込まれたり、客足が減ることも起こり得ます。その場合、炎上元となった投稿も対処することが求められます。

口コミによる誹謗中傷や風評被害のお悩みの飲食店関係者の方は、ネットトラブルに強い法律事務所への相談も視野に入れましょう。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了