インターネット上の誹謗中傷対策方法|SNS等で誹謗中傷されたらどう対応する? | アトム法律事務所弁護士法人

インターネット上の誹謗中傷対策方法|SNS等で誹謗中傷されたらどう対応する?

更新日:

岡野武志

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

インターネットの誹謗中傷対策方法

この記事でわかること

  • インターネットの誹謗中傷について知っておくべき基礎知識
  • 誹謗中傷を発見した際の対策方法
  • 誹謗中傷でお困りの際の相談窓口一覧(行政、民間、警察、弁護士事務所)

インターネットの「誹謗中傷」知っておくべき基礎知識

どのような書き込みが「誹謗中傷」にあたる?

大阪府警察公式HPによると、誹謗中傷とは、「根拠のない悪口や嫌がらせで、他人を傷つけること」とされています。もともとは「誹謗」=他人を悪く言うこと、そしること、「中傷」=根拠のないことを言いふらして、他人の名誉を傷つけること をあわせた言葉になります。

混同されやすいものに「批判」「非難」がありますが、批判や非難は事実を根拠としたものであることが誹謗中傷との違いとなります。投稿者自身は「批判」や「批評」であると認識していても、度を超えた表現になると違法性をおびることもありえます。どのような文言が使われているか、投稿の内容や頻度から「問題がある」と思うときには、一度専門家に見てもらうことをお勧めします。

個人だけでなく法人も誹謗中傷の対象になることも

個人だけでなく、法人も誹謗中傷の対象になることがあります。法人の対応に不満を持った顧客からの誹謗中傷はもちろんですが、退職した元従業員が悪意ある書き込みをしたり、個人に対する誹謗中傷が勤務先である法人まで及んだりなど、様々な場所から誹謗中傷される可能性があります。

誹謗中傷を受けると、企業イメージが失墜し、顧客離れにより業績が悪化したり、人材の獲得が困難になるなど様々な悪影響が出る可能性があります。Googleマイビジネスの口コミや転職サイトなどの書き込みの場合は、そのコメントは法人のイメージに直結します。過剰な表現や根拠のない情報は企業の評価を貶めてしまうため、早めに削除しておきたいところです。円滑に業務を行うためにも、誹謗中傷を発見した際には適切な対応を取ることが重要です。

インターネット上の誹謗中傷の特徴

SNSや掲示板など、ネット上の書き込みは匿名でできるものが多いため、相手の気持ちを考えず一方的に誹謗中傷するケースが多いです。また、意見を書き込むことは気軽にできてしまうため、多くの人が軽い気持ちで誹謗中傷のような書き込みをしてしまう事実があります。

総務省の運営するインターネット上の違法・有害情報に関する相談窓口である、「違法・有害情報相談センター」には毎年5000件近くの相談が寄せられており、非常に多くの方がネット上の誹謗中傷に悩まされていることが分かります。また、総務省「通信利用動向調査」によると、13~19歳のスマートフォン・携帯電話所有率は87.4%と高い割合であるとされており、スマホ等で気軽にネット上のコミュニケーションを楽しむことができるようになった一方で、若い世代を中心に多くの方が誹謗中傷にさらされるようになってしまったと推察できます。

誹謗中傷を発見した際の対策方法①

誹謗中傷を無視する(個別の投稿に反応しない)

誹謗中傷の内容を確認し、実害がそれほどないものは無視をして見ないようにするのもひとつの手です。誹謗中傷に対して、感情的に反論してしまうと、相手に反発されたり、新たな誹謗中傷の標的にされるなど、さらなる炎上につながってしまうこともあります。例えば、Twitterの場合はDM等でのやり取りをスクリーンショットに取られ、拡散されてしまうなどのケースが考えられます。

SNSであれば、ミュートやブロックなどの機能を活用し、誹謗中傷の投稿や相手方からの接触を遮断する方法もあります。ただし、ブロックされたことを相手が悪く受け取り、トラブルになってしまうこともあるため、SNSでの行動は慎重におこなう必要があります。

発信者に直接削除依頼をする

サイト内に問い合わせフォームが設置されていたり、DMやメールアドレス等が公開されていて管理者に連絡が取れる場合は、発信者に直接削除依頼するという方法もあります。ただし、削除依頼したことを晒されたり、反撃する内容の投稿がされたりと、新たな炎上につながるケースもあります。削除依頼したことをネタに新たな記事や書き込みを投稿されることもあるため、慎重に検討する必要があります。

依頼する際は、自身の権利侵害を正しく主張する必要があります。どの部分が具体的にどのような権利を侵害しているか、正確に把握するには一定の法律知識が必要になります。感覚的な表現や抽象的に「困る」などの主張では応じてもらえないことが多く、しっかりと根拠を示して削除を求めることが大切です。個人での対応が難しければ弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

サイトやSNSの管理者に削除依頼をする

各サイトやSNSの管理会社に削除依頼をする方法もあります。ほとんどの管理会社が、規約やガイドラインで削除対象になる投稿内容について定めています。規約に違反する投稿であれば削除してもらえる可能性は高くなります。各規約によって多少異なりますが、顔写真、住所、電話番号などの個人情報を無断で投稿することや、個人に向けられた攻撃的な発言や差別的な表現などは規約違反となることが多いです。

削除依頼は、各サイトに設置された問い合わせフォームや、通報用のボタンなどから依頼できることが多いです。注意点として、各サイトやSNSごとに決められた削除依頼の方法や手順を遵守しないと、良い結果が得られないことがあります。管理会社に削除依頼をする際は、サイトに設置された規約やガイドライン、ヘルプページ等をよく確認するようにしましょう。該当の投稿が規約違反になるのかどうかは個人では判断が難しいケースも多いと思いますので、削除の実績がある専門家への相談をおすすめします。

twitter、Facebook、YouTubeの削除依頼方法については以下の記事でも紹介していますので、参考にしていただければと思います。

SNSの削除依頼はどうする?twitter、Facebook、YouTubeの削除依頼の方法

誹謗中傷を発見した際の対策方法②

サイトやSNSの管理者に発信者の情報開示を依頼する

発信者の特定には、「発信者情報開示請求」という手続きが必要です。この手続きは、次の流れで進めることになります。 

発信者情報開示請求の流れ

  1. サイト管理者やSNS等の運営会社から発信者のIPアドレスなどの情報を開示してもらう
  2. 携帯電話会社やインターネットプロバイダ会社から発信者の氏名、住所の情報を開示してもらう

コンテンツプロバイダが接続情報(ログ情報)を保存する期間は3か月程度の場合が多いため、問題の投稿を発見したら急いで開示請求の手続きをする必要があります。

開示請求では、各所に書面を送付する必要があります。適切な書式であるかや、必要事項がきちんと書かれているかなど、注意すべき点が多くあります。個人で行うのは難しい部分が多いため、事前に弁護士に相談することをお勧めします。また、任意での開示請求が難しければ、裁判所の仮処分を検討することとなります。
開示請求については、以下の記事でも解説しておりますので、参考にしてください。

誹謗中傷の投稿者を特定する「発信者情報開示請求」を弁護士が解説

警察に相談する

発信者に対して刑事責任を問いたい場合や、投稿内容が脅迫に近く危険である場合には、警察へ相談をしましょう。警察が誹謗中傷の内容を確認し、犯罪行為にあたると判断されれば警察が捜査に動いてくれる可能性があります。最近では誹謗中傷の発信者の逮捕事例が出ていたりと、積極的に警察が動くケースも出てきています。上記のケースに当てはまる場合は、早めに相談をしてみるのもよいでしょう。

警察に被害届を出す際は、問題になっている投稿が分かるように、証拠を持参することが必要です。問題の書き込みのスクリーンショットやサイトのURL等を印刷し、警察に提示しましょう。他にも、捜査に必要な書類を警察から求められた場合には、それに従うようにしましょう。

刑事事件の可能性がある投稿例

  1. 名指しで「前科がある」と投稿
  2. 「殺すぞ」「家を燃やすぞ」など脅迫的な投稿
  3. 「バカ」「ブス」などの侮辱的な投稿 など

民事事件の可能性がある投稿例

  1. 個人情報を晒す投稿(電話番号、住所など)
  2. 無許可で顔写真を投稿
  3. 名誉権を害する投稿 など

民事訴訟を行い損害賠償請求をする

発信者に対して金銭での賠償を求めたい場合は、民事訴訟を起こす必要があります。損害賠償請求をするためには、発信者がどこの誰なのかをはっきりさせる必要があるため、まず「発信者情報開示請求」にて相手を特定する必要があります。

情報を開示してもらうためには裁判手続きが必要になることがほとんどであり、弁護士費用と時間がかかる手続きになります。先日、「プロパイダ責任制限法」の改正案が可決され、施行後は現在より手続きが簡略化され、発信者の特定が今までより短期間で行えるようになります。発信者特定をした上で、さらに相手方に対し損害賠償請求をする場合には、民事裁判を見据えて弁護士に相談する必要があります。費用面や時間面の負担を考慮する必要がありますので、できるだけ早めに相談することをおすすめします。

お困りの際の相談窓口一覧

総務省等行政の相談窓口

行政は誹謗中傷に関するお悩みの内容に応じた相談窓口を設けています。行政、民間含む各相談窓口については、総務省の誹謗中傷に関するサイトに、相談内容に応じたフローチャートが掲載されておりますので、参考にしてください。

解決策について相談したい方のうち、ネットトラブルの専門家に相談したい方は「違法・有害情報相談センター」(総務省)へ、人権問題の専門機関に相談されたい場合は「人権相談」(法務省)といった相談窓口があります。

また、まずは悩みや不安を相談したいという方は、「まもろうよ こころ」(厚生労働省)という相談窓口もあります。こちらは電話やメールだけでなく、チャット、SNSなど様々な方法が用意され、気軽に相談できるようになっております。

ネットトラブルの専門家に相談したい違法・有害情報相談センター(総務省)
人権問題の専門機関に相談したい人権相談(法務省)
まず悩みや不安を相談したいまもろうよ こころ(厚生労働省)
行政の相談窓口

民間の相談窓口

民間にも誹謗中傷の相談を受け付けている窓口があります。「誹謗中傷ホットライン」は、インターネット企業有志によって運営されているセーファーインターネット協会が設置している窓口です。こちらでは誹謗中傷の相談を受け付け、一定の基準に該当すると判断したものについては、国内外のプロバイダに対応を促す連絡を取る等の対応をします。自分だけでは削除依頼が難しい場合には、一度相談してみるとよいかもしれません。

警察への相談窓口(サイバー犯罪相談窓口)

発信者に関して刑事責任を問いたい場合や、脅迫めいた内容など、身の危険を感じる投稿がされている場合は、最寄りの警察署もしくは警察本部のサイバー犯罪相談窓口へ相談するようにしましょう。相談の際は、該当の投稿が分かるよう、証拠を持参するのを忘れないようにしましょう。

弁護士への相談窓口

発信者に賠償等を求めたいなどの場合は、弁護士に相談するようにしましょう。各弁護士事務所のほか、国の法的トラブル解決の総合案内所である法テラスへの相談も検討しましょう。

アトム法律事務所でもネット上の誹謗中傷、削除依頼のご相談を受け付けております。ネット削除の分野に強い弁護士事務所ですので、法律だけでなくネットや各サイトの仕組み等の観点からも事案を分析し、適切なご提案をさせていただきます。仮に対応が難しい場合でも、今後についてアドバイスをお伝えできることもあります。相談料は初回0円ですので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

誹謗中傷を発見した場合、精神的に傷ついたり、どういった対応を取ればいいのか分からず不安になる方がほとんどだと思います。お悩みに応じて様々な相談窓口が設置されていますので、誹謗中傷にあってしまった場合は、ひとりで悩まずにまずは相談をしてみることをおすすめします。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点