定年離婚は退職後?退職金の財産分与と年金分割を弁護士が解説

定年離婚とは、配偶者の定年退職をきっかけに離婚することをいいます。
厚生労働省の「令和7(2025)年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、同居期間20年以上のいわゆる熟年離婚は全体の約22.3%を占めており、およそ5組に1組が人生の後半で別々の道を選択しています。
本記事では、退職前後のどちらで離婚すべきかという判断のポイントを中心に、退職金の財産分与や年金分割の手続き、離婚の進め方について法的観点から解説します。
目次
定年離婚とは
定年退職が夫婦関係にもたらす変化
定年退職は、夫婦関係に大きな変化をもたらします。
長年の仕事中心の生活から、突如として夫婦二人きりの生活に移行することで、これまで気づかなかった互いの価値観の違いや生活スタイルの不一致が浮き彫りになることがあります。
特に、夫の在宅時間が急激に増えることで、妻の家事負担が増加したり、自由な時間が制限されたりするケースも少なくありません。また、仕事のストレスから解放された夫が、妻の意見を聞かずに勝手に行動するようになるなど、新たな問題が生じることもあります。
このような変化に対応できず、夫婦関係が悪化し、最終的に離婚を選択するケースが「定年離婚」です。
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定年離婚の特徴
定年離婚の最大の特徴は、定年退職という具体的なタイミングを契機としていることです。これにより、準備や計画を立てやすいという側面があります。
子育てもすでに終えている場合が多く、夫の定年退職は、残りの人生を自分のために使うためのきっかけとなります。
次に、経済面での特殊性が挙げられます。定年退職に伴う退職金の受け取りや、年金生活への移行など、経済状況が大きく変化するタイミングであることが、定年離婚特有の課題となります。
さらに、夫の在宅時間の急激な増加による生活リズムの変化も、定年離婚に特徴的な問題です。長年の職場中心の生活から、突然の「夫婦二人きり」の生活への移行は、想像以上に大きなストレスとなる可能性があります。
これらの点を踏まえ、定年離婚を考える際には、通常の離婚以上に慎重な検討と準備が必要となります。
定年離婚の特徴
- 離婚の準備や計画を立てやすい
- 子どもが自立しており、自分の人生を考えなおすタイミングになる
- 経済状況が大きく変化するため慎重な検討が必要
- 夫婦の生活の在り方が変わったことで亀裂が生じやすい
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経済的な不安から離婚を躊躇している方へ
「専業主婦だから、経済的に離婚は難しい」と感じている方は少なくありません。
ただ、離婚時のルールでは、専業主婦であっても原則として夫婦の財産の2分の1を受け取れます。家事や育児も財産の形成への貢献として認められるためです。2026年4月施行の改正民法でも、この2分の1ルールが明確に定められました。
また、婚姻期間中に夫が納めた厚生年金も分割できます。専業主婦(第3号被保険者)であった期間については、2008年4月以降の夫の年金記録を相手の合意がなくても2分の1の割合で分割請求できる「3号分割」という制度があります。夫婦の合意や裁判手続きで分割割合を決める「合意分割」も利用できます。
まずは、財産分与と年金分割でどれくらいの資産が手元に残るかを確認することから始めてみてください。その見通しが立てば、就職・資格取得支援など自治体の公的サポートも活用しながら、離婚後の生活設計を具体的に描いていけます。
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定年離婚の実態
内閣府の「令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」によると、離婚経験がある人の割合は50代女性で19.4%、50代男性で13.3%でした。また、50代女性の15.9%が「離婚の可能性がある」と回答しており、定年前後に離婚を現実的な選択肢として考える人も少なくないことがうかがえます。
厚生労働省の「令和7(2025)年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、同居期間20年以上の離婚は3万9,886組で、離婚総数の約22.3%を占めています。離婚した夫婦のおよそ5組に1組が、人生後半に新たな道を選んでいる計算です。
中高年女性が離婚を決意する背景や主な原因については、『熟年離婚の原因ランキング|中高年の女性が離婚を決意する理由は?』をご覧ください。
定年離婚をする方法
定年離婚の流れ
定年離婚をする場合の流れは、一般的な離婚時と同じです。離婚の主な方法は、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つです。
まずは、夫婦間の話し合いによって協議離婚を目指します。
合意できなければ、離婚調停、離婚訴訟(離婚裁判)へと進んでいく流れが一般的です。

離婚を円満に進めるうえで、話し合いによる解決が理想的であることは間違いありません。ただ、定年離婚では、妻が離婚を切り出したことが夫にとって全くの想定外で、頑なに拒否されるというケースが少なくありません。
協議が難航した場合は、離婚調停、さらには離婚訴訟へと進む可能性もあります。訴訟になれば、離婚原因を裏付ける証拠が不可欠です。話し合いの段階から、証拠となる資料を手元に整えておくことが、いざというときの備えになります。
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裁判離婚するには法定離婚事由が必要
離婚訴訟まで進んだ場合、裁判で離婚が認められるには、法定離婚事由が存在しなければなりません。
法定離婚事由は、民法770条1項が定める以下の4つの離婚原因です。
法定離婚事由(民法770条1項)
- 1号:不貞行為
- 2号:悪意の遺棄
- 3号:3年以上の生死不明
- 4号:婚姻を継続し難い重大な事由
定年離婚をお考えの方の中には、「性格の不一致」を理由に離婚を希望する方が多いようです。
ただ、性格の不一致は法定離婚事由に明記されていません。裁判で離婚を認めてもらうには、民法770条1項に定められた法定離婚事由が必要であるため、性格の不一致のみを理由とした裁判離婚はハードルが高いのが現状です。
一方、不貞行為(不倫・浮気)や悪意の遺棄(生活費を渡してくれないなど)はそれ自体が典型的な法定離婚事由に当たります。性格の不一致に加えてこれらを主張できれば、離婚が認められる可能性があります。
「老後に夫の介護をすることがつらい」という理由で定年離婚を考える方もいるかもしれません。この場合も法定離婚事由には当てはまらないため、介護負担を理由とした裁判離婚は困難です。
もっとも、「介護がつらい」と感じる背景に、長年のDVやモラハラが潜んでいるケースもあります。DVやモラハラによって婚姻関係が修復できないほど破綻していると立証できれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)として離婚が認められる可能性があります。
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定年離婚の財産分与のポイント
定年離婚は財産分与の金額が大きくなる可能性が高い
定年離婚では、一般的な離婚に比べ財産分与の金額が大きくなる可能性があります。
下の図をご覧ください。
この図は、婚姻期間が20年以下の夫婦と婚姻期間が20年以上の夫婦の財産分与の金額についてまとめたものです。

この図を見ると、婚姻期間20年以上の場合、約40%以上の夫婦が財産分与額が600万円を超えていることが分かります。
このように、定年離婚・熟年離婚の場合は、財産分与額が高額になるケースが多いため、その分財産分与について激しい争いになることが珍しくありません。
財産分与について少しでも有利な条件で離婚するには、同居中から相手方の資産状況について把握し、証拠を集めておくことが重要です。
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財産分与の基本は「2分の1ルール」
離婚の際の財産分与は、原則として夫婦で2分の1ずつ分け合うのが実務上の基本的な考え方です。これは「2分の1ルール」と呼ばれ、2026年4月施行の改正民法では、この考え方が条文上明確化されました(民法768条3項)。
専業主婦だと財産分与で不利になるのではと不安に感じる方もいるかもしれませんが、2分の1ルールは専業主婦にも同様に適用されます。夫婦の一方だけが収入を得ている場合でも、もう一方の家事や育児による支えがあってこそ財産が形成されるという考え方から、両者の貢献度は平等とみなされます。
なお、財産分与を請求できる期間にも注意が必要です。従来は離婚後2年以内とされていましたが(民法768条)、2026年4月1日以降に離婚した場合は5年以内に延長されています。2026年3月31日以前に離婚した場合は、従来通り2年以内の請求となる点に注意してください。
財産分与の対象となる財産の種類や分け方の詳細については、『離婚の財産分与とは?割合はどうなる?夫婦の財産の分け方を解説』をご覧ください。
持ち家の分与方法も検討する
定年離婚の場合、持ち家を所有している夫婦も多いでしょう。持ち家をどう分けるかは、離婚協議の中でも特に慎重な検討が必要なテーマです。
①持ち家に住み続けたい場合
離婚後も持ち家に住み続けたい場合、住宅ローンを完済済みであれば、持ち家を取得する側が相手方に時価の2分の1相当を代償金として支払う方法が一般的です。
まとまった資金がない場合は、相手との交渉が必要になります。
②売却して売却代金を折半する
代償金の支払いが難しい場合は、持ち家を売却して売却代金を半分ずつ分ける方法があります。ただし、離婚後の住まいの確保についても併せて考えておく必要があります。
③住宅ローンが残っている場合
住宅ローンが残っている持ち家の財産分与は、金融機関との関係や名義変更の問題など、検討すべき事項が多く非常に複雑です。争いが大きくなる前に、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
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・離婚時の住宅ローンと財産分与の方法|折半の必要性と名義変更の手続き
慰謝料的財産分与の請求も検討する
定年離婚の原因が、配偶者の不貞行為やDV、モラハラである場合、離婚に際し、相手方に慰謝料を請求できます。
もっとも、相手方が慰謝料という言葉に強い抵抗感を示し、支払を拒否する場合も少なくありません。
その場合、「慰謝料的財産分与」として金銭を受け取る方法が考えられます。
慰謝料の相場は、有責行為の内容、回数、期間などによって異なります。詳しくは関連記事をご覧ください。
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・離婚慰謝料の相場は?慰謝料がもらえるケース・種類・条件を弁護士が解説
扶養的財産分与が請求できる場合もある
離婚後に高齢や病気のため仕事が困難であるなど扶養が必要な状態であり、かつ、財産分与や慰謝料が低額にとどまる場合は、扶養的財産分与が認められる可能性があります。
扶養的財産分与の金額は、婚姻費用分担額を参考に、生活費相当額を一定期間分まとめて支払う形で認められることが多いとされています。
扶養的財産分与が認められるのは、例外的な場合ですが、ご自分が請求できる可能性があるか気になる方は、弁護士に一度相談してみると良いでしょう。
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定年離婚における退職金の財産分与
以前は、退職時期が近いかどうかによって、退職金を財産分与の対象に含めるか判断が分かれることもありました。現在の実務では、退職時期にかかわらず退職金を分与対象とする考え方が裁判例でも広く認められています。
定年離婚では、すでに退職しているケースや退職が近いケースも多いため、財産分与を検討する際には退職金の扱いを必ず確認しておく必要があります。
財産分与の対象になる退職金は、婚姻後から別居時までに労働した対価に相当する部分です。具体的には、「退職金額×(同居期間÷勤務年数)」で計算します。
退職金の算定方法
①別居前に退職金がすでに支給されている場合
財産分与の対象は、基準時(別居時)に存在した共有財産です。
そのため、別居前にすでに退職金が支給され費消されてしまった場合、残額のみが財産分与の対象になります。もっとも、すでに支給された退職金で不動産や株式などを購入していた場合は、その不動産や株式が財産分与の対象になります。
②退職金が将来支給される場合
退職金は、原則として別居時に自己都合退職したと仮定して算出した金額を基準に評価します。
ただし、別居時点で定年退職が近い場合(目安として5年程度以内)には、将来の定年退職時の退職金をもとに現在価値に引き直して算定されることもあります。一般に、この後者の方法の方が分与額は大きくなる傾向にあります。
定年離婚ではこの考え方が採用されるケースも少なくないため、より有利な条件を目指すのであれば、弁護士に相談したうえでこの算定方法を前提に交渉を進めるのが現実的です。
退職金の財産分与に必要な証拠
- 退職金規程(就業規則)
- 退職金計算書

弁護士
退職金計算書は、相手方を通じて勤務先から入手する方法が一般的です。
相手方が任意に応じない場合は、弁護士会照会や調査嘱託(裁判所を通じた手続き)によって、勤務先へ情報提供を求めることが可能です。
もっとも、これらの手続きを利用する意向を事前に伝えると、離婚問題が勤務先に知られるのを避けるため、相手方が自主的に資料を提出してくることもあります。
定年離婚で重要な年金分割の手続き
定年離婚する場合は年金分割も忘れずに
年金分割は、婚姻期間中に納付した厚生年金の保険料納付記録(標準報酬)を分割する制度です。利用するには、配偶者(多くは夫)が会社員や公務員として厚生年金に加入している必要があります。
定年離婚の場合、婚姻期間が長期に及ぶことが多く、その分だけ年金分割の効果が大きくなりやすい点は押さえておきたいポイントです。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和6年度の年金分割件数は35,755件と、年間3万件を超える水準で推移しています。分割を受けた側の平均年金月額は、改定前の約60,934円から94,509円へと月額約33,575円増額されています。
年金分割の手続きを済ませておけば、その後に元配偶者が死亡したり再婚したりしても、受け取る年金額が変わることはありません。分割後は自身の年金記録として独立するため、生涯にわたって受給できます。
年金分割の請求期限
年金分割の請求期限は、2026年4月の法改正により、原則として離婚成立日の翌日から5年以内に延長されています。ただし、2026年3月31日以前に離婚したケースでは従来どおり2年以内となるため、離婚時期によって適用される期限が異なることを覚えておきましょう。
なお、通常の請求期限とは別に、離婚後に元配偶者が亡くなった場合でも、あらかじめ分割の合意や裁判で按分割合が決まっていれば、死亡日から1カ月以内に限り請求できる特例があります。
年金分割制度は複雑でわかりにくい点が多いため、少しでも不明な点があれば弁護士に質問してみましょう。
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相手が自営業者の場合は年金分割できない
年金分割を請求するには、配偶者が厚生年金に加入していることが前提です。夫が自営業者で一度も厚生年金に加入したことがない場合、妻は年金分割を請求できません。
ただし、この場合でも国民年金基金、確定拠出年金、個人年金などは財産分与の対象になります。年金分割ができないケースでも諦めず、財産分与の対象となる財産を漏れなく調査することが重要です。
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年金分割のための準備
年金分割の事前準備として、「年金分割のための情報提供請求書」を年金事務所に提出し、「年金分割のための情報通知書」を取得しておく必要があります。50歳以上で老齢年金の受給資格期間を満たしている方は、年金分割を行った場合の年金見込額についても確認できます。
これらの書類は、夫が定年退職する前でも取得でき、離婚前であれば夫に知られずに取得することも可能です。
情報提供請求書は、日本年金機構のホームページからダウンロードでき、手続きの詳細も同ホームページで確認できます。
退職前と退職後の離婚はどちらが有利?
退職金の分与を確実に受けるため、夫の定年退職後のタイミングで離婚を考える方もいます。ただ、どちらが有利かは状況によって異なり、画一的な答えはありません。
退職前・退職後それぞれのメリットとデメリットを整理しておきましょう。
(1)夫の定年退職前の離婚
メリット
- 感情的な負担から早期に解放される
- 夫の収入が安定している時期のため、慰謝料等の支払い能力が高い
- 離婚のタイミングが早いほど再就職や再婚の可能性が高まる
デメリット
- 退職金の分与額が実際に退職した場合よりも少なくなる可能性がある
- 年金分割の対象期間が短くなる
- 離婚が成立すると、それ以降は婚姻費用を請求できなくなる
(2)夫の定年退職後の離婚
メリット
- 退職金がすでに支払われているため、財産分与を確実に受けられる可能性が高い
- 年金分割の対象期間が長くなり、より多くの年金を受け取れる可能性がある
- 定年後の生活を一定期間経験したうえで判断できる
デメリット
- 別居時までに退職金が使われてしまうと財産分与額が減るおそれがある
- 感情的な負担が長引く
定年離婚のお悩みは専門家に相談しよう
経済面の不安はファイナンシャルプランナーに相談
定年離婚後の経済生活を安定させるうえで、ファイナンシャルプランナー(FP)のアドバイスが役立ちます。
ライフプランに基づいた資金計画の立案、投資や保険を含めた資産運用のアドバイス、税金や社会保障制度に関する情報提供など、個人の状況に合わせた具体的なプランを提案してもらえます。
漠然とした不安を整理し、実行可能な計画を立てる一助になるでしょう。
定年離婚後の不安やストレスはカウンセリングで解消
定年離婚は大きな心理的ストレスを伴います。
感情の整理や客観的な自己理解、ストレス対処法の習得、新生活に向けた心の準備など、この過程を乗り越えるうえで心理カウンセラーの支援が役立つ場合があります。
カウンセリングは、離婚を決断する前の段階から、離婚後の新生活に適応する段階まで、様々なタイミングで活用できます。
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定年離婚について弁護士に相談すべきこと
定年離婚を実現し、新たな人生をスタートさせるためには、法律面での専門的なサポートが欠かせません。
財産分与の適切な範囲と方法、年金分割の手続きと注意点、離婚調停や裁判の進め方、離婚後の権利義務関係など、弁護士に相談することで各点を明確にできます。
特に財産分与は分与額が多額になりやすく、大きな争いに発展しがちです。対立が長引けば精神的な負担も増すばかりであるため、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士費用が気になる方もいるかと思いますが、財産分与の対象財産が多い場合、弁護士費用を差し引いても得られる利益の方が大きくなるケースも多くあります。定年離婚のご不安はいつでもお気軽にご相談ください。
定年離婚についてよくある質問
Q. 退職前と退職後、どっちで離婚した方が得?
どちらが有利かは状況によって異なります。退職後は退職金が支払われているため財産分与を受けやすく、年金分割の対象期間も長くなる傾向があります。一方、退職前であれば精神的な負担から早く解放されるという利点もあります。判断に迷う場合は、財産状況を踏まえて弁護士に相談するのが現実的です。
Q. 年金分割しないと年金はどうなる?
年金分割を行わない場合、婚姻中に相手が納めた厚生年金の記録は反映されず、受け取れる年金額は自分の加入実績のみで決まります。厚生労働省の令和6年度のデータによれば、年金分割によって平均で月額約3万3,000円増えるとされており、老後の収入に無視できない差が生じます。
Q. 退職金はまだもらってなくても対象になる?
将来の退職金も原則として財産分与の対象になります。定年まで5年程度以内の場合は、定年退職時の予測額を現在価値に換算して評価する手法がとられることが多く、自己都合退職を基準とする通常の計算より分与額が大きくなる傾向があります。
Q. 年金分割の期限はいつまで?
原則として、離婚成立日の翌日から起算して5年以内です。ただし、2026年3月31日以前に離婚したケースでは従来どおり2年以内となるため、離婚時期によって期限が異なる点は覚えておきましょう。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

弁護士
特に夫の収入・財産が大きい場合や、資産が複雑な場合の離婚は弁護士に任せることをおすすめします。