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「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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窃盗の逮捕から起訴までの流れ・期間は?取り調べや家宅捜索の流れも解説
窃盗は現行犯逮捕のほか、後日逮捕の可能性もあります。逮捕から起訴までの流れはどうなるのでしょうか。
実際に窃盗してしまっても、起訴猶予という不起訴を目指せる可能性もあります。
この記事では、窃盗の逮捕・起訴の不安がある方を対象に、逮捕から起訴までの流れ、不起訴を目指す方法、起訴後の弁護活動などについて解説します。
窃盗の疑いでの呼び出し・取り調べ・家宅捜索についてのよくある疑問にもお答えしているので、最後まで是非ご覧ください。
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目次
窃盗は警察に逮捕される?
窃盗罪とは?(逮捕される行為・刑罰)
窃盗罪とは、他人の財物を盗む犯罪です(刑法235条)。
窃盗罪の法定刑は、1ヶ月以上10年以下の懲役、または1万円以上50万円以下の罰金です。
窃盗罪は、未遂でも逮捕、起訴(刑事裁判にかけられる)といった可能性があります。
窃盗罪の要件、刑罰などは『窃盗罪の刑罰は?裁判で実刑判決になる?時効は何年?』の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
窃盗が警察に逮捕される条件
窃盗が警察に逮捕されるのは、嫌疑の相当性、逮捕の必要性が認められる場合です。
1.嫌疑の相当性
嫌疑の相当性とは、窃盗犯人の疑いがあることをいいます。
窃盗罪の場合、窃盗の犯行が映った防犯カメラ映像などの証拠があるときなどに、嫌疑の相当性が認められます。
窃盗の疑いが強まる証拠の例
- 防犯カメラに窃盗の犯行が映っていた
- 万引きGメンに窃盗を見つかった
2.逮捕の必要性
逃亡のおそれ・証拠隠滅のおそれがある場合、逮捕の必要性が認められます。
組織的な窃盗事件で共犯者がいるような場合などでは、逃亡・証拠隠滅のおそれがあると判断されやすい傾向があります。
逃亡・証拠隠滅のおそれが認められる例
- 共犯者がいる
- 窃盗の被害金額が大きい
- 無職で家がない
- 多数の前科・余罪があるため、重い刑罰が予想される
窃盗を警察に逮捕された場合の不利益
窃盗で警察に逮捕されると、外部と連絡が取れなくなる不利益があります。
電話などができなくなるので、職場への無断欠勤、学校への無断欠席となりやすく、長期になればなるほど、逮捕の事実について周囲に知られやすくなります。
また、逮捕後に起訴され、裁判で有罪になった場合、前科が付く可能性があります。この場合、解雇や退学といったおそれが生じます。
『刑事事件で逮捕される場合とは?逮捕の種類、逮捕後の手続きを解説』の記事では、逮捕の種類ごとの流れのほか、逮捕による不利益についても解説しているので、あわせてご覧ください。
未成年のお子様の万引きについては『未成年の子どもが万引きしたらどうなる?学校は退学?家族ができることは?』の記事もご参考になさってください。
窃盗が逮捕される可能性・割合
実際に窃盗事件を起こしてしまっても、逮捕の必要性が低いと判断されれば、逮捕されない場合もあります。
先述の通り、逮捕は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が認められる場合にのみ行われます。
アトム法律事務所が過去実際にとり扱った事例では、逮捕された割合は50%前後でした(アトム「窃盗の逮捕率」の統計より。
初犯で被害が軽微かつ身元がはっきりしているような事例では、逮捕の可能性は下がります。
窃盗の逮捕のパターン・逮捕までの期間
窃盗の現行犯で逮捕される流れ
窃盗では犯行現場で現行犯逮捕されるケースと、後から身柄を特定されて後日逮捕されるケースがあります。
現行犯逮捕とは、今まさに犯行をしている人、犯行直後の人を逮捕状無しで逮捕することです。
スーパーやコンビニなどで万引き行為を行い、店員などに発覚したあと、警察を呼ばれて身柄をわたされるケースは現行犯逮捕の典型例といえるでしょう。
店舗の一室で事情聴取を受けた後、警察署に連行され、さらに取り調べられることになります。
窃盗の後日逮捕の流れ
後日逮捕とは、裁判所が発付した逮捕状を根拠に、実施される逮捕手続きのことを指します。
防犯カメラなどから身柄を特定されて、多くは被疑者在宅の可能性が高い早朝に警察官がやってきて、逮捕状が示されてそのまま警察署に連行されます。
逮捕状を見せてからおこなう逮捕を「通常逮捕」といいます。
現場から逃走した犯人を、周囲の捜索や職務質問中に見つけ、急遽、警察が逮捕におよぶケースもあります。
このような逮捕では、その時点では逮捕状はないですが、「緊急逮捕」として適法です。緊急逮捕では、逮捕後ただちに逮捕状が準備されるという流れになります。
後日逮捕の類型
- 通常逮捕
裁判官が発行した逮捕状を見せたうえでおこなう逮捕手続き - 緊急逮捕
被疑者を逮捕してから、逮捕状を準備するという逮捕手続き
窃盗が後日逮捕されるまでの期間
窃盗が警察に後日逮捕されるまでの期間は、最長で、事件発生から7年です。
後日逮捕されるまでの期間は捜査の進行状況によって異なります。
防犯カメラなどで犯人の特定が容易な場合は、事件発生から数日間で自宅に警察が来ることもあります。
一方で、窃盗事件の証拠収集が難航した場合、逮捕まで数年かかることもあるでしょう。
ただし、窃盗の公訴時効は7年なので、犯罪終了後7年経過すれば、起訴がゆるされなくなり、捜査は打ち切られ、逮捕もされなくなります。
公訴時効をむかえているのに、あやまって警察に逮捕された場合には、すぐに釈放を求めることが可能です。
刑事事件の時効については『刑事事件の時効は何年?公訴時効がなくなった刑事事件は?』の記事で詳しく解説しています。時効の停止、時効を待つべきではない理由、民事の時効などにも触れているので、ご興味のある方はあわせてお読みください。
窃盗で警察に逮捕された後の流れ・期間
(1)警察の取り調べ
警察の逮捕は、最大48時間続きます。
警察に逮捕された後は、すぐに警察の取り調べが開始されます。
ご家族ができること
この間にご家族ができることは、逮捕されたご本人のために、弁護士を派遣することです。
逮捕後は、通常、ご家族でも面会できませんが、弁護士であれば面会可能です。
弁護士は留置場まで行き、ご本人と面会して、警察の取り調べ対応のアドバイスなどが可能です。
弁護士接見でできることの例
- 警察の取り調べ対応のアドバイス
- ご本人へのご伝言
- ご本人の言い分をご家族にご報告
逮捕されたご本人は大変心細い中で取り調べを受けることになります。
弁護士は、ご家族からのご伝言を可能な限りお伝えするなどして、ご本人の心の支えにもなることができます。
弁護士接見について詳しく知りたい方は『弁護士接見とは?逮捕後すぐ面会可能!接見費用やメリットも解説』の記事もご覧ください。
(2)送致(逮捕から48時間以内)
警察は逮捕から48時間以内に、検察官に事件を引き継ぎます(送致)。
このとき、窃盗事件の捜査書類のほか、被疑者(窃盗犯人として捜査を受けている人)の身柄も、検察官のもとへ送致されます。
万引きでは微罪処分もあり得る
警察の「微罪処分」(びさいしょぶん)とは、検察に送致をせず、警察の段階で事件終了とする処分のことです。
万引きの場合、前科がない、被害弁償をおこない、被害店舗がゆるしている等の事情がそろえば、警察の微罪処分で事件終了という流れも多いです。
万引きの微罪処分の流れ
- 万引き事件発生
- 警察署へ連行・事情聴取
- 身元引受人が呼ばれれる
- 身元引受人が身元引受書を書く
- 釈放
(3)勾留請求(逮捕から72時間以内)
警察から窃盗事件の送致を受けた検察官は、窃盗の被疑者について、勾留を請求するかどうか判断します。
勾留とは、逮捕後におこなわれる最大20日の身体拘束手続きのことです。
検察官は、逮捕から72時間以内(かつ被疑者を受け取った時から24時間以内)に、裁判官に勾留を請求する必要があります。
(4)勾留(原則10日間、延長10日以内)
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、勾留の審査をおこないます。
裁判官は、窃盗の被疑者に勾留質問をするなどして、勾留すべきかどうかを決定します。
勾留が決定した場合、原則10日間身体拘束が続きます。
勾留は延長されることもあり、勾留延長になった場合は、さらに10日以内の範囲で身体拘束が続きます。
逮捕から通算すると最大23日間、被疑者は拘束される可能性があるというわけです。
(5)起訴
検察官は勾留満期をむかえるまでに、窃盗の被疑者を起訴するかどうか決めます。起訴かどうかの結論により、釈放されるかどうかも変わります。
検察官の結論
- 通常起訴(釈放又は被告人勾留)
- 略式起訴(釈放)
- 不起訴(釈放)
- 処分保留(釈放)
通常起訴の場合(釈放又は被告人勾留)
通常起訴とは、刑事裁判の開廷を提起する手続きです。
通常起訴の場合、検察官は、裁判官に起訴状を提出して刑事裁判の開廷を求めます。
通常起訴の場合、起訴から約40日後くらいに、裁判所で刑事裁判が始まります。
検察官と弁護士、裁判官が法廷で一堂に会して、審理を行うことになります。
単純窃盗の自白事件など、犯罪の事実について特に争いがない場合には、最初の公判で審理を終え、その10日後くらいに第2回目の公判が開かれ、判決が言い渡される流れになるケースが多いです。
犯行事実について争いが多いような事件では、判決まで年単位でかかる場合もあります。
ちなみに、刑事事件が起訴されて裁判になれば、統計上は99.9%が有罪になります。『刑事事件の有罪率は本当に99.9%なのか?統計からひも解く日本の本当の有罪率』もあわせてご覧ください。
略式起訴の場合(釈放)
略式起訴とは、裁判所に書類審査による裁判を求める手続きです。
検察官が、窃盗で罰金刑を求める場合、略式起訴されることも多いです。
略式起訴された場合、基本的に有罪になります。
逮捕・勾留された事件では、略式起訴された日、留置場から簡易裁判所に出頭し、罰金刑が言い渡された後に即日、釈放されます。
略式罰金を準備できている場合は、釈放された後、迎えに来てくれたご家族と検察庁に戻り、検察庁内の会計課に略式命令謄本と現金を持参し、納付します。
その場で罰金を支払えない場合は、後日、納付します。
略式起訴は、通常起訴される場合と比べると、判決が出るまでの期間や、釈放までの期間はかなり短縮されるので、刑事被告人の負担軽減につながるメリットはあるでしょう。
不起訴の場合(釈放)
不起訴とは検察官の判断で事件終了とする手続きのことです。
不起訴の場合、刑事裁判は開かれずに事件終了となり、前科が付くこともありません。
逮捕・勾留されていた被疑者は、釈放されます。
起訴・不起訴が決まらなかった場合(釈放)
起訴するかどうか判断が付かなかった場合は、処分保留で釈放されます。いつ起訴されるか分からず、呼び出しを受ければその都度応じるという流れになるでしょう。
逮捕後に勾留されない窃盗(在宅事件)の流れ・期間
(1)警察から呼び出し・事情聴取
万引きなどで店員に見つかり身柄を警察に引き渡された場合や、捜査により後日身柄を特定した警察官は、被疑者を一度警察署に連れていき取り調べを行います。
その後、身体拘束継続の必要性がある場合には逮捕が行われ、その必要がない場合には在宅事件になります。
在宅事件とは、自宅で今まで通り生活しながら捜査を受ける事件です。
在宅事件では日常生活を送りながら、適宜、警察官に呼び出されて取り調べを受けることになります。警察は、取り調べと平行して、窃盗の証拠を確保するため、捜査を進めます。
一度逮捕された事件でも、その後、勾留されなかったり、勾留中に釈放が決まれば、その後は「在宅事件」になります。
逮捕後の釈放については『逮捕後の流れはどうなる?逮捕後の拘束期間は?早期釈放を実現するには?』の記事もご覧ください。
在宅事件のタイムスケジュール
逮捕事件とは異なり、在宅事件では「〇〇から〇〇以内に〇〇する」というような期間は、設定されていません。
そのため、いつ起訴されるのかなど、窃盗事件の捜査のスケジュールは具体的な事案によって異なります。
(2)書類送検
警察が窃盗事件について必要な捜査を一通り終えたあと、検察官に捜査書類が送られます(書類送検)。
書類送検にどのくらいの期間がかかるかは、捜査の進展状況しだいです。
(3)検察庁から呼び出し・事情聴取
書類送検を受けた検察庁は、その証拠を吟味しながら、被疑者を呼び出し、事情聴取をおこないます。
証拠や被疑者の話を総合的に吟味したうえで、起訴するかどうかを検察官は決定します。
(4)在宅起訴(略式起訴・通常起訴)
在宅事件の場合、起訴された後も、自宅で生活しながら刑事裁判に出席するという流れになります。このような起訴のことを「在宅起訴」と呼びます。
在宅しながら起訴されるケースを「在宅起訴」というだけで、起訴の種類・流れは、逮捕事件と変わりません。
在宅で通常起訴される場合
通常起訴の場合、起訴から約1ヶ月程度で、裁判所で刑事裁判が始まります。
在宅で略式起訴される場合
略式起訴の場合は、検察庁から呼び出しがあった際に、略式請書にサインをし、後日、裁判官の略式命令が自宅に送られてくるのを待つことになります。
在宅事件では通常、郵送で罰金を振り込むよう書面が届き指定された通りにお金を納めれば終了となります。
検察庁からの初回の呼び出し・取り調べの際、略式請書へのサインを求められることも少なくありません。
サインをすれば罰金の有罪判決が出されることはほぼ確実で、争う手段は通常裁判への移行しかなく、大変厳しい状況に陥ります。
窃盗で不起訴を目指したいのであれば、検察庁からの呼び出し前にご相談いただくのがおすすめです。
窃盗の逮捕・事情聴取・家宅捜索でよくある質問
Q.窃盗で警察から呼び出しを受けた!どうするべき?
窃盗事件の初期段階においてよくある相談が「警察から自身の起こした窃盗事件について呼び出しを受けてしまいどうしたらいいかわからない」といったものです。
現行犯で犯人が捕まらなかった窃盗事件において警察が被疑者の身柄を特定した場合、電話などで呼び出しを行うことがあります。
呼び出しに応じて警察署へ出頭した後は、警察官から窃盗事件についての取り調べを受けることになります。
窃盗で警察から呼び出しを受けた場合には、弁護士に相談した上で素直に応じたほうが良いでしょう。
実際に窃盗行為をしているにもかかわらず、呼び出しを無視したり拒否したりしていると逮捕されてしまうリスクが高まります。
仕事や都合などで警察署にすぐに行けない場合でも、しっかりとした理由を話せばスケジュールを調整してもらえることも多いので、まずはしっかりと捜査に応じる意思を示しましょう。
Q.警察の事情聴取の前にすべきことは?
警察の事情聴取の前には、窃盗事件に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。
窃盗事件に詳しい弁護士に相談することで、取り調べの対応や、今後の刑事処分の見通しを知ることができます。
取り調べにおいては、しばしばやってもいないことをやったことにされてしまったり、実際の事件よりも心証が悪くなるように印象操作されたりするおそれもあります。
そのため、一度弁護士に相談して、取り調べの対応方法や法的に保護された権利を確認しておくべきです。
初回無料で相談を実施している弁護士事務所もあるので、時間に余裕があれば、複数の弁護士の意見をかいつまんで参考にすることもできるでしょう。
ただ万全を期するためには、信頼できる弁護士に、窃盗事件の解決を依頼してしまうのがよいと思われます。
状況に応じて、とるべき対応は違ってきますし、弁護士に依頼したという事実があるだけでも、警察官の態度が軟化することがあるからです。
無料相談の機会に、相性がよい弁護士に出会えたらご依頼を検討してみてください。
Q.窃盗事件は自宅の家宅捜索を受ける?
窃盗事件を起こすと、家宅捜索が行われる場合もあります。
家宅捜索とは、警察や検察が令状に基づき、被疑者の住居等を調べて証拠を探すことです。
事前の連絡や予告は基本的にはないため、家宅捜索が行われるタイミングは分かりません。
時間帯は午前中に行われることが多いでしょう。
Q.窃盗で検察から呼び出しを受けた後の流れは?
検察が呼び出しを行う理由としては、主に起訴・不起訴の判断を下すにあたって必要な取調べを行うためである場合が多いです。
よくあるケースは、窃盗事件について警察から取調べを受けて、その後しばらく誰からも連絡がなかったため事件終了になっているものと思い込んでいたところ、数か月後に検察から呼び出しを受けるケースです。
いずれにせよ、検察から呼び出しを受けたということは事件の起訴・不起訴の判断が近い可能性があり、迅速な対処が必要です。
窃盗の起訴による影響は?
起訴されてしまうと、統計上は99.9%の確率で有罪になります。
有罪判決を受けると前科がついてしまい、その後の就業等に悪影響が生じるおそれがあります。
捜査段階であれば不起訴の獲得を目指すことが非常に重要です。
検察官に呼び出しを受けたという事は捜査の最終段階に差し掛かっているということを意味しています。
急いで弁護士に相談し、不起訴獲得に向けた活動を行うことが重要です。
Q.窃盗は逮捕されたら必ず有罪になる?
「逮捕=有罪」ではありません。
逮捕されても不起訴になれば、裁判にならないので、有罪判決がでることはありません。
一方、逮捕がなかった在宅事件でも、起訴されて、有罪判決をうけることもあります。
あくまでも、逮捕は身体拘束を受けるかどうかの問題であって、判決が有罪になるかどうかには関係がありません。
逮捕されてもあきらめることなく、前回を回避するための弁護活動をうけるべきです。
窃盗罪の不起訴を目指すには?
窃盗で不起訴は3種類
窃盗の疑いがかけられた場合でも、以下の3つの理由のうち1つでもあてはまれば、不起訴になります。
不起訴の理由
- 嫌疑なし
犯人でないことが明白になった場合 - 嫌疑不十分
犯人であることを証明するための証拠が必要十分には揃っていない場合 - 起訴猶予
犯人であると強く推定されるものの、示談成立などにより処罰する価値が乏しい場合
窃盗が事実でも不起訴を目指せる!
窃盗罪について有罪の証明が可能と思われる場合であっても、検察官の判断次第では「起訴猶予」という理由で不起訴を目指すことは可能です。
起訴猶予の判断にあたっては、犯罪の重さ、犯人の性格、年齢や生い立ち、犯行後の事情などが考慮されます。
統計上も不起訴になった人の大半がこの起訴猶予を理由にしています。
実際に窃盗事件を起こしてしまった方は、「起訴猶予」という種類の不起訴の獲得を目指していくことになります。
窃盗が不起訴になった割合は?
過去、アトム法律事務所であつかった窃盗事件では、約64%前後が不起訴になっています(アトム「窃盗の起訴/不起訴率」より)。
不起訴処分になれば前科もつかずに済みます。
特に逮捕・勾留された事件では刑事訴訟法上、起訴の判断が下されるまでわずかな時間しか残されていません。
なるべく早く弁護士に相談するのが重要です。
窃盗の不起訴(起訴猶予)には示談が重要?
窃盗の不起訴で重要な「示談」とは?
実際に窃盗をしてしまった場合、不起訴を獲得し、前科を付けずに事件を終了するためには、被害者との示談が重要です。
窃盗の示談とは、加害者から窃盗の被害者に謝罪をして、被害者の許しを得て、当事者で事件解決の合意をすること(和解)を指します。
被害者との示談成立により、窃盗事件は不起訴になる可能性が高まります。
特に初犯で被害が軽微であり、その上で被害者と示談を結ぶことができればかなり高い確率で不起訴を獲得できます。
窃盗は「起訴後」の示談にも意味がある!
窃盗は、起訴された後であっても、被害者との示談は重要になります。
被害者との示談を成立させることにより、裁判で執行猶予を獲得できたり罰金刑で済んだりする可能性が高まります。
起訴が見込まれる事件であっても、粘り強く示談交渉を行う価値はあるといえるでしょう。
窃盗の不起訴で重要になる示談の内容
示談を締結した場合、示談成立の事実を検察官や裁判官に示すため、「示談書」を作成し証拠とします。
示談の成立は、被害者の処罰感情の低下を示す事情になるので、示談書があるだけでも、検察官の不起訴の判断に影響はあるでしょう。
しかし、ケースによっては、処罰感情の低下について、より具体的な文言を残す場合もあります。
窃盗の示談書の内容の例
- 窃盗の被害届の取り下げ
- 宥恕(ゆうじょ)
窃盗の被害届の取り下げ
被害者が被害届を取り下げても、検察官は起訴できます。
ただ、被害者が処罰を望んでいないことを表す事情となるので、検察官が不起訴と判断する可能性が高まります。
宥恕(ゆうじょ)
宥恕(ゆうじょ)とは、加害者のことを許し処分を望まないといった被害者の意思を示す文言のことです。
宥恕条項は「加害者を許す」という端的な言い回しのものから、「加害者を許し、処罰を望まない」といった表現のものなど、バリエーションがあります。
窃盗の示談は弁護士に依頼すべき?
実務上、示談交渉を行うためには弁護士への依頼が必須になります。
被害者の多くは、加害者と直接連絡を取ることを拒むケースが多いです。また捜査機関としても口裏合わせによる証拠隠滅のおそれを懸念して、加害者とは直接接触しないよう被害者にアドバイスしているケースがほとんどです。
さらに万引き事件などの場合、加害者との直接的なやり取りについて店の方針として禁止されているケースも多いです。
つまり加害者本人だけの力では示談交渉のテーブルに立つことすらできないのです。
弁護士であれば、示談交渉が可能になる場合があります。
示談交渉の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心情も考慮しながら、適切なタイミングと金額で示談交渉を行うことができるでしょう。
大手スーパーやコンビニなどのチェーン店は、お店側の方針で示談を一切受け付けないところもあります。
その場合は、損害賠償金を供託し、謝罪の意思を示す方法などがあります。
いずれにしても、窃盗事件における示談はまず弁護士に相談すべきと言えるでしょう。
窃盗で起訴されたときの弁護活動
窃盗の起訴後の釈放(保釈)を目指す
捜査段階において逮捕・勾留されたまま正式起訴された場合、警察署から拘置所に身柄が移された上で身体拘束が継続されます。
起訴後の勾留には期限がないため、裁判が終わるまで数か月にわたって拘束が続く場合があります。
なお、起訴後に勾留される場合は、保釈による釈放を求めることができます。
保釈が裁判所によって許可されれば保釈金を納める代わりに身柄が釈放され、通常の社会生活に復帰することができます。
保釈金は裁判が終わった後に返還されます。
しかし保釈中に逃亡したり裁判に出席しなかったりした場合にはそのまま没取されてしまいます。
窃盗の起訴後は刑罰の軽減を目指す
窃盗罪の法定刑は「1か月以上10年以下の懲役」または「1万円以上50万円以下の罰金」なので、基本的にはこの範囲内で刑罰が言い渡されます。
懲役刑を3年以下におさえることができれば、執行猶予つき判決になる可能性もあります。
懲役刑に執行猶予がつけば、一定期間、刑務所に入らず生活でき、その期間内に刑事事件を起こさなければ、懲役刑が免除されます。
過去、アトム法律事務所で扱った窃盗事件のうち、懲役に執行猶予がついた割合は約82%前後で、罰金刑になった事件も約26%前後ありました(アトム「窃盗事件の統計をみる」より)。
窃盗の刑罰の重さに影響する事情とは?
窃盗の量刑判断では、結果の重大性や、行為の悪質性、示談の有無などが考慮されます。
たとえば、窃盗の被害金額が高額である場合、事件が悪質である場合は量刑が引き上げられる可能性があります。
一方で被害が軽微であったり被害者と示談を締結していたりしている場合には、執行猶予が付いたり罰金刑で済んだりする可能性が高まります。
窃盗の起訴後に無罪を目指す
窃盗が無実の場合、疑いを晴らすための弁護活動をおこないます。
窃盗で無罪を目指すには、犯行現場にいないなどのアリバイ事実の主張や、窃盗の故意がなかったことなどを主張することが考えられます。
窃盗の逮捕・起訴でお困りなら刑事事件のアトムまで
最後にひとこと
窃盗は現行犯逮捕・後日逮捕の両方の可能性がありますが、逮捕後に勾留されれば最長23日間、身体拘束が続くことになります。
その間、警察・検察の取り調べは継続し、会社や学校にも連絡がとれず、逮捕による不利益は増す一方です。
しかし、窃盗の逮捕・起訴に強い弁護士に依頼することで、事件の早期解決を目指せる可能性があります。
窃盗の逮捕・起訴の弁護活動の例
- 逮捕後の接見
- 早期釈放
- 窃盗事件の示談交渉
- 窃盗事件の不起訴を目指す
- 窃盗事件の刑罰の軽減を目指す
早期相談が早期解決の鍵です。
弁護士相談のご予約は24時間受付中
窃盗事件は、早期に弁護士に相談・依頼し、被害者と示談を成立することができれば、不起訴の獲得が十分に見込める事件です。
窃盗事件は刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。
アトム法律事務所は刑事事件専門の法律事務所として開業した沿革があり、窃盗事件の取り扱い実績も豊富で、これまで多数の解決実績があります。
- 窃盗で逮捕された
- 窃盗で警察・検察から呼び出しを受けた
- 窃盗で家宅捜索をうけた
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了