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刑事事件の公訴時効とは?|犯罪ごとに何年で時効が完成するのか解説

- 刑事事件の公訴時効とは?
- 公訴時効が完成したらどうなる?罪に問われない?
- 犯罪ごとの公訴時効の年数とは?
この記事では刑事事件の公訴時効に関して、公訴時効とはなにか、公訴時効が完成するとどうなるのかといったよくある疑問に答えています。
また、犯罪ごとに何年で時効が完成するかを紹介しています。
刑事事件の時効で不安な方はぜひ最後までご覧ください。
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刑事事件の公訴時効とは?
刑事事件の公訴時効とは?時効が完成するとどうなる?
「公訴時効」とは、犯罪後一定期間が経過することにより刑事訴追(起訴)が許されなくなる制度です。
起訴というのは裁判を開廷するように提起する手続きのことであり、起訴が不可能になるということは裁判は開かれず刑事罰を科されることもなくなります。
刑事事件の公訴時効はいつから起算する?
公訴時効の起算点は、「犯罪行為が終わった時」です。
この「犯罪行為」というのは、条文に規定されている犯罪にあたる事実のことを指します。
これは犯罪としての行為と、それから生じた結果を含むと解されています。
窃盗の場合は、他人の財物を自分の支配下におさめた時点が「犯罪が終わった時」になります。
例えば万引きの場合、商品を手を触れた瞬間ではなく、商品を懐に入れるなど自分の支配下におさめた瞬間が起算点になります。
傷害致死の場合は、例えば相手をナイフで誤って刺してしまったような事件の時、ナイフを刺した時ではなく相手が死亡した時が「犯罪が終わった時」に当たります。
刑事事件の公訴時効は停止する?
時効は一定の条件を満たしたときに停止させられることがあります。
時効が停止させられると、その期間分時効の完成が遅れることになります。
時効が停止させられるのは、犯人が国外逃亡したり完全に身をくらませたりして起訴状の謄本や略式命令の送付・告知ができない状況になったときです。


弁護士
刑事事件における公訴時効の停止は、続きから再開されます。
民事事件における時効では、時効の進行が一度停止すると期間がすべてリセットされるものがあります。これを「時効の更新」といいますが、刑事事件にはこのような制度はありません。
刑事事件における時効の停止は、すべてそれまでに経過した時効期間は有効に維持されたままになります。
刑事事件の時効は何年?犯罪によって年数は異なる?
刑事事件の時効の長さを決める基準とは?
刑事事件の公訴時効の長さは「その罪が人を死に至らしめたものかどうか」「罪の長さ」の2点によって規定されています。
具体的な基準は以下の通りです。
人を死亡させた罪で禁錮以上の刑にあたるもの
内容 | 時効の長さ |
---|---|
死刑にあたる罪 | 公訴時効なし |
無期の懲役または禁錮にあたる罪 | 30年 |
長期20年の懲役または禁錮にあたる罪 | 20年 |
上記2つ以外の罪 | 10年 |
上記以外の罪
内容 | 時効の長さ |
---|---|
死刑にあたる罪 | 25年 |
無期の懲役または禁錮にあたる罪 | 15年 |
長期15年以上の懲役または禁錮にあたる罪 | 10年 |
長期15年未満の懲役または禁錮にあたる罪 | 7年 |
長期10年未満の懲役または禁錮にあたる罪 | 5年 |
長期5年未満の懲役もしくは禁錮または罰金に当たる罪 | 3年 |
拘留または科料にあたる罪 | 1年 |
殺人・強盗致死など重大犯罪は時効期間がない?
ここからは具体的な罪名ごとに時効の長さを見ていきましょう。
人を死亡させた罪であって死刑にあたるものについては、公訴時効がありません。たとえば、殺人罪、強盗致死罪、強盗・不同意性交等致死罪(旧 強盗・強制性交等致死罪)などです。
かつてはこれらの犯罪にも公訴時効がありましたが、重大な犯罪であることから2010年に公訴時効が撤廃されました。
暴行・傷害・脅迫など暴力事件の時効は何年?
「人に怪我をさせる」「脅す」といった行為態様の刑事事件について、公訴時効の年数は以下の通りです。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
暴行、脅迫、強要 | 3年 |
傷害 | 10年 |
傷害致死 | 20年 |
窃盗・詐欺・横領など財産犯の時効は何年?
「人のお金をとる」といった行為態様の刑事事件について、公訴時効の年数は以下の通りです。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
窃盗、詐欺、業務上横領、恐喝 | 7年 |
強盗 | 10年 |

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万引きは軽い犯罪と思われがちですが窃盗罪にあたり、公訴時効は7年と比較的長期です。
万引きだから逃げ切れると考えるのは間違いでしょう。
不同意わいせつ・不同意性交など性犯罪の時効は何年?
不同意わいせつ・性的暴行(強姦)といった行為態様の刑事事件について公訴時効の年数は以下の通りです。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
公然わいせつ、わいせつ物頒布等、淫行(青少年健全育成条例違反)、痴漢(迷惑防止条例違反)、盗撮(撮影罪) | 3年 |
不同意わいせつ・監護者わいせつ | 12年 |
不同意性交等・監護者性交等 | 15年 |
不同意わいせつ致傷、不同意性交等致傷 | 20年 |
不同意わいせつ致死、不同意性交等致死 | 30年 |
※2023年7月13日時点の情報です。詳細については、法務省のホームページなどでご覧ください。
※公訴時効については、従来の時効期間を5年延長し、被害時に未成年の場合は18歳に達するまでの期間を加算する改正が行われました。従前よりも捜査対象となる期間が長くなる影響が予想されます。
なお、2023年7月12日以前の性犯罪について、強制わいせつ・強制性交等(強姦)といった行為態様の刑事事件について公訴時効の年数は以下の通りです。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
公然わいせつ、わいせつ物頒布等、淫行(青少年健全育成条例違反)、痴漢(迷惑防止条例違反)、盗撮(迷惑防止条例違反) | 3年 |
強制わいせつ、準強制わいせつ、監護者わいせつ | 7年 |
強制性交等、準強制性交等、監護者性交等 | 10年 |
強制わいせつ致傷、強制性交等致傷 | 15年 |
強制わいせつ致死、強制性交等致死 | 30年 |
名誉毀損・侮辱など誹謗中傷の時効は何年?
名誉毀損・侮辱など誹謗中傷の公訴時効は3年です。
なお、名誉毀損罪と侮辱罪はともに被害者の告訴がなければ起訴することができない親告罪です。告訴期間は「犯人を知った日から6か月」です。
器物損壊・放火の時効は何年?
器物損壊や放火の公訴時効は以下の通りです。
なお器物損壊罪は被害者の告訴がなければ起訴することができない親告罪です。告訴期間は「犯人を知った日から6か月」です。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
器物損壊、失火 | 3年 |
建造物等以外放火 | 7年 |
非現住建造物等放火 | 10年 |
現住建造物等放火 | 25年 |
自動車の運転に関する犯罪の時効は何年?
自動車の運転に関する犯罪の公訴時効は以下の通りです。
罪名 | 時効の長さ |
---|---|
自動車運転過失致傷 | 5年 |
自動車運転過失致死、危険運転致傷 | 10年 |
危険運転致死 | 20年 |
公訴時効で不安な場合は弁護士に相談すべき?
公訴時効を待つのはよくない?
公訴時効を待つのは得策ではありません。時効完成前に捕まってしまうと、通常の場合よりも悪質性が高いと判断されるおそれがあります。
公訴時効で不安な方はまず、弁護士に相談し、今後のアドバイスをもらうといいでしょう。
示談できれば逮捕・勾留の回避や不起訴処分を期待できる?
「警察に捕まる=長期間にわたり身体拘束されほぼ確実に有罪になる」とお考えの方は多いです。
しかし、実際には在宅事件として身体拘束されず日常生活を送りながら刑事手続きが進むケースや、不起訴処分となり裁判が開かれず前科もつかないで済むケースも多いです。
特に被害者がいる犯罪であれば、弁護士を介して示談をすることで身体拘束の回避や不起訴処分獲得の可能性が相当高まります。
逮捕・勾留などの身体拘束は実務上、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがある場合になされます。被害者と示談が成立していれば、これらのおそれが減少するため身体拘束の必要性がないと判断されやすくなります。
また、検察官は起訴・不起訴の判断をするに際して、被害者と示談が成立しているかどうかを重視します。
被害者と示談が成立していれば、罪に問う必要はないと判断され不起訴になる可能性が高まります。

弁護士
示談交渉は弁護士に任せましょう。
通常、捜査機関は加害者に被害者の連絡先を教えてくれません。
弁護士であれば示談交渉をしたいと申し出て被害者の連絡先を聞ける可能性があります。
また、弁護士であれば第三者的な立場で被害者感情に配慮した交渉ができます。
時効を待たずに弁護士に早めに相談するのがいい?
刑事事件でトラブルに遭った場合、早めに弁護士に相談することが重要です。
逮捕・勾留の回避、早期釈放、不起訴獲得などの結果は、弁護士が早く対応すればするほど可能性が高まります。

弁護士
取り調べに適切に対処するためのアドバイス、捕まっている本人に代わっての示談交渉など、弁護士だけができることはたくさんあります。
逮捕後すぐに釈放されて会社をクビにならずに済んだケース、前科が付かず早期に日常生活に復帰できたケースなど弁護士への早めの相談が功を奏したケースは数多いです。
弁護士相談が問題を早期に解決し、日常生活を守るための最初のステップになります。まずはデメリットなしの無料相談をぜひ試してみてください。
刑事事件でお困りの方へ
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
弁護士
時効完成後に起訴された場合には、免訴の判決が言い渡されます。免訴判決が出されると、その時点で訴訟手続が打ち切られることになります。
公訴を提起しても免訴判決が出ることから、時効完成後は基本的に逮捕されることもありません。